更新日:2021年7月12日

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知事定例記者会見(2021年7月12日(月曜日))

【発表項目】

  1. 新型コロナウイルス感染症の現状と対応
    (1)県内の患者の発生状況等
    (2)第5期新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金(飲食店向け)の申請受付開始等
    (3)県の大規模接種会場における第2期の一般接種枠の追加予約受付等
    (4)知事メッセージ「まん延防止等重点措置の解除」
  2. 人権文化をすすめる県民運動「ひょうご・ヒューマンフェスティバル2021 in にしわき」開催のお知らせ
  3. 総合リハビリテーションセンター中央病院スポーツ医学診療センター(R3.4開設)の運営
  4. 神戸マラソンランニングイベントの開催
  5. 各博物館の資料展等
    (1)県立人と自然の博物館 収蔵資料展「ひとはくの鳥類標本をお見せします!」
    (2)県立歴史博物館 特別企画展「唱歌!西洋音楽がやって来た-明治の音楽と社会-」
    (3)県立考古博物館 日本遺産「国生みの島・淡路」認定5周年記念 夏季企画展「淡路島発掘」

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知事記者会見内容

知事:

1番目は「新型コロナウイルス感染症の現状と対応」です。

(1)県内の患者の発生状況等

今日の陽性者数は17名で、直近1週間とその前1週間の比較については、7月1日から12日間連続して1.0倍を上回っている状況が続いています。穏やかな上昇傾向が12日間続いている、ということです。
(前々回の)緊急事態宣言が終わった3月の状況と比較してみると、2週間程度は下げ止まりで続きましたが、急に第3週ぐらいから陽性者数が、70名、60名という数字を記録するようになりました。
今週と来週にかけて大変強く注目していかなければならない、と思っています。
今日、(まん延防止等重点措置が)解除されたばかりですが、絶対に油断は許されない。リバウンドをさせない、という意味で、しっかりとした取り組みをし続けなければならないのではないか。このように強く、県民の皆さんにも訴え、協力をもらいたい、と思います。どうぞよろしくお願いします。
昨日現在の状況については、お手元の資料にあるように、入院患者も、宿泊療養も若干増えて、それから、自宅療養も本当に若干ですが増えて、こういう医療の方にも若干の増加が見られるようになってきているので、さらに、注意をしていく必要があります。
そして、この1週間の状況を見ると、年齢別では、やはり30代以下が6割、そのうち、20代が3割、30代が2割という状況なので、若い世代が増えている。これは、最近よく言われているインド株などの影響が若い世代に見られているということも、確定はでないがあるのかもしれません。そういう意味で、若い世代の皆さんに注意を喚起していく必要も強い、と考えます。
感染経路を見ても、家庭が45%、職場等が14%、友人との会合や談話が13%ということで、これだけで、4分の3を占めています。幸い今週は(新たな)クラスターが、発生していませんでしたが、クラスターの発生についても十分に注意を払っていく必要がある。これが今の状況で言える事柄だと。やはり気を引き締めて対応する必要があるのが現状であろう、と思っています。

 

(2)第5期新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金(飲食店向け)の申請受付開始等

昨日までで、緊急事態措置から、まん延防止等重点措置へと継続して、飲食店等に協力してもらってきましたが、その第5期目の協力金の申請の受け付けを本日から開始します。
電子申請でも、郵送でも可ですが、申請書の配布場所としては、ダウンロードしてもらえるとよいのですが、ダウンロード等が難しい方々は、県民局・県民センター、あるいは市町の窓口、商工会・商工会議所等で入手できますので、ぜひ入手してもらって、申請を急いでもらえるとありがたい、と思います。
なお、第1期から第4期までの協力金については、受付期間を満了していますが、これはどちらかというと申請の整理期間でもあります。つまり、現実に時短や休業などをしてもらっている方々がいて、この期間が過ぎたら、その(時短や休業の)事実が消えるわけではありません。これも目安ですが、8月31日まで申請を受け付けますので、今まで申請手続きができなかった方々についても、あわせて申請をしてもらえるように、呼びかけます。
結構、問い合わせ等があります。「期限が過ぎてしまい、どうしましょう」という問い合わせ等がありますので、それらに対応させてもらおうとするものです。

 

(3)県の大規模接種会場における第2期の一般接種枠の追加予約受付等

7月19日から8月29日の一般接種額の追加予約の受け付けですが、明日から県立学校教職員の優先接種枠全体2分の1の残分、残っている部分を、一般接種分に切り換えて、ウェブで追加の予約を受け付けることにします。約3000人の受付枠になります。
また、荒天時の対応については、警戒レベルが3以上の避難情報が発令された場合には、接種を中止することにします。
姫路会場は、アクリエひめじの開館記念式典の際は、午前中ですが、臨時休業をして、午後から再開しました。
西宮会場は、西宮市立中央体育館が県知事選挙の開票所になるので、18日と19日の2日間休業するということです。
一般接種枠追加予約の受け付けをしますので、よろしくお願いします。

 

(4)知事メッセージ「まん延防止等重点措置の解除」

次に、まん延防止等重点措置の解除があっても気を緩めずにリバウンドさせない取組を徹底しましょう、という呼びかけです。
本日から(まん延防止等重点措置が)解除されましたが、下げ止まりの状況というよりも、下げ止まりで少し上昇が続いていますが、変異ウイルスももちろん危険ですし、大阪・東京などでは増加が見られる。オリンピック・パラリンピックの開催や夏休みによる人出の増加なども予想されるので、十分な警戒が必要です。
このために、絶対に感染リバウンドさせない、ということで、気を緩めることなく、感染対策の徹底をお願いします、と呼びかけさせてもらい、外出の自粛、飲食店での対策の徹底、家庭での対策の徹底、ワクチン接種の推進、事業所・施設等での対策の徹底など、県民のみなさんに呼びかけます。

 

以上が新型コロナウイルス感染症対策の関連です。

 

2番目は、「人権文化をすすめる県民運動『ひょうご・ヒューマンフェスティバル2021 in にしわき』開催のお知らせ」です。

例年8月が推進強調月間になっています。「ひろげよう こころのネットワーク」という、スローガンのもとに開催します。8月7日に、西脇市の市民交流施設「オリナス」で、今回のミニライブは、AOIさん、それから、人権講演会は、副島淳さんにお願いしています。ぜひ、お出かけください。

 

3番目は、「総合リハビリテーションセンター中央病院スポーツ医学診療センター(R3.4開設)の運営」です。

この4月に、スポーツ医学診療センターを開設しています。兵庫県が全国の公立病院に先駆けて開設した施設になります。アスリートの方々を始め、スポーツの愛好家を対象に、スポーツ障害や外傷の診断から治療、手術、そして復帰まで一元的に対応する施設です。
リハビリテーション中央病院内に設けていまして、診察の内容は資料をご覧ください。
特色として、神戸大学の整形外科よりスポーツ医学の専門家を迎えて、これまでの
アスリートとの帯同経験を生かして、スポーツ現場やアスリートにとって最適な医療体制を整備するのが1つ。それから、最新のトレーニング機器を取りそろえたスポーツリハビリテーション室を設置していること、これが2つ。スポーツ内科を併設して、栄養指導や貧血体策など、全身を包括的に治療する対応をしているということが、3つ。4つとして、治療に際しては神戸大学の医学部附属病院とも連携をしていく。5つとして、「ひょうご障害者総合区トレーニングセンター(仮称)」。これは、アリーナと屋内プールと屋内フットサルコート等を整備する予定になっていますが、これと連携をして、トレーニング施設のメディカルセンター、という将来像も描こうとしているものです。
それから、診療の状況ですが、最近、バレーボール選手の割合が高くて、次いでサッカー、野球、陸上競技となっています。膝関節疾患が最も多くて、次いで、足関節疾患、脊椎疾患などが、診療対象になっています。患者の中には、日本代表のバレーボールチームの選手や、バレーボールのプロクラブチームの選手なども含んでいて、手術や、早期復帰、メディカルリハビリテーション及びトレーニングなどを実施している状況です。
スタッフは整形外科医が常勤2名。非常勤2名。あと、いろいろな各種の専門家を配置しています。
それから、FIFA、国際サッカー連盟のメディカルセンターとして、認定されています。
これらの専門的なスポーツ医学の拠点ができたということ。しかも公立病院でこういうものを作ったのは、全国で初めての試みだ、ということで紹介しました。実績は表にあります。また診療センターのパンフレットもついていますので、ご参照ください。

 

4番目は、「神戸マラソンランニングイベントの開催」です。

昨年に続いて、今年も全体としては、中止せざるを得なかったのですが、代替事業として、来年の第10回神戸マラソンに繋がるイベントを計画しました。
1つは、野口みずきさんによる、アシックスランニング教室を開催します。もう1つは、ジュニアランニング教室を開催します。今回も、こういうランニング教室を、参加しやすい王子スポーツセンターの王子スタジアムで、子供たち(向けイベント)も同じ会場でやらせてもらうことにしています。
あわせて、昨年は三木の陸上競技場でリレーマラソンをやったのですが、Thanks & Friendship RUNということで、今回も、ノエビアスタジアム神戸と御崎公園を中心に、ランニングイベントも行うものです。

 

5番目は、「各博物館の資料展等」です。

特色ある企画展が、特に夏休みを控えているので、夏休みを狙った企画展がいくつか行われます。

(1)県立人と自然の博物館 収蔵資料展「ひとはくの鳥類標本をお見せします!」

収蔵資料展ですが、ひとはくの持っている鳥類標本をお見せしようという試みです。
ひとはくは、かなりいろいろな資料を持っているのですが、十分な公開ができていないとこともあるので、今回、鳥類標本を公開します。

 

(2)県立歴史博物館特別企画展「唱歌!西洋音楽がやって来た-明治の音楽と社会-」

歴史博物館で44日間の特別展を行うことにしています。夏休み中です。かなり面白い展示になっているのではないか。
唱歌愛好者がかなりいるので、ぜひお出かけいただきたい、と思います。

 

(3)県立考古博物館 日本遺産「国生みの島・淡路」認定5周年記念 夏季企画展「淡路島発掘」

日本遺産に「国生みの島・淡路」が認定されて5周年を迎えるので、縄文から弥生への時代変化、マツリの源流、海をはさんだ交流、淡路国成立とマツリゴト、海人(あま)の生業(なりわい)ということを中心に展示をするものです。

 

私からは以上です。

質疑応答

記者:

新型コロナについて。先ほど、知事は穏やかな上昇傾向にある、と言われて、先週の、下げ止まりというところから、ワンランクアップしたイメージがあるのですが。
この穏やかな上昇傾向になった理由は、どのように分析していますか。

 

知事:

あまりデータが出そろっているわけではありませんが。この1週間は、緊急事態宣言明けの、まん延防止等重点措置になってからの感染者の発生状況が反映されてきています。緊急事態宣言が明けて、まん延防止等重点措置を継続したのですが、緊急事態宣言に比べて、緊張度が少しゆるんで、その結果が、このような形で徐々に出て来ている、と思っています。
3月の際は、1カ月間、まん延防止等重点措置もなかったので、2週間後の3月の3週目は急激な膨脹になりましたが。(今回は、)まん延防止等重点措置が、引き続き行われているので、そういう状況にはなりにくい、と期待しています。

 

記者:

その中で、今週、来週、大変強く注目をしている、と言われていましたが。
感染状況によっては、まん延防止等重点措置の再要請は、頭の中にある、考えられている、ということでよいですか。

 

知事:

このような上昇傾向がさらに続いていくこと、しかも、1日の新規陽性者数が3月中旬に経験したような70人などの数を呈することになれば、再要請も当然に視野に入ってくる、と思います。

 

記者:

今日の記者会見では、知事はマスクをされていますが、これはそういう(呼びかけなのか)。

 

知事:

そういう意味ではありません。たまたま、外すのを忘れていただけです。失礼しました。

 

記者:

県民への警戒の呼びかけか、と思ったのですが。

 

知事:

そんなことはありません。単純な失念です。

 

記者:

ワクチンの県接種会場の状況について。一般接種枠の予約状況は、結構いっぱいになっている、ということなのでしょうか。

 

知事:

はい、いっぱいだったのですが、半分を警察官、そして、その後に教員の枠として運用していました。警察枠の方は順調に進んでいるのですが、教員枠の方は、夏休みに入らなければ、なかなか消化しにくい実情もあって、空きがどうしても出てきています。
その3000人分ほどを、一般枠として募集しようというのが、今回の募集の枠組みです。3000人なので、すぐに埋まってしまう可能性はあるかと思いますが、ぜひ活用してもらえれば、と思っています。

 

記者:

県の大規模接種会場第2期の一般接種枠の追加予約受付について。注意書きに、「姫路会場で、8月2日以降となる1回目接種の方については、2回目接種は西宮会場になる。姫路会場については、国の承認が行われていないので現在受け付けていない。」とあります。
1回目を姫路で受けた人が西宮に行くのは、少し遠いと思ってしまったのですが。今後、姫路競馬場について、国の承認が行われる見通しはあるのでしょうか。

 

知事:

ワクチン確保次第、供給量次第です。大規模接種会場についてのワクチンも、ファイザー製を追加交付するということです。モデルナ製が、なかなか難しいので、ファイザー製を追加交付するのが、国の考え方です。その供給の目処が、明確にスケジュール化できるような状況になれば、募集を開始できる、と思っています。
今、少し混在されるのはいかがか、ということもあって、モデルナ製はモデルナ製で対応して、モデルナ製の目処をつけて。さらに追加されるファイザー製のワクチンの大規模接種会場として運用を図りたい、と思っています。
モデルナ製を打ってファイザー製を打つのは、あり得ない取り扱いにしたい、と思っています。

 

記者:

現在、感染者数の穏やかな上昇が続いている、ということでした。その背景として、もしかしたら、デルタ株などの影響が若い世代に見られている、ということもあるのかもしれない、と話されていました。
デルタ株について。政府の方が水際対策をしていましたが、なかなか難しい、と思います。結局、東京、大阪、兵庫も含めて、デルタ株の感染者が見られていますが、政府の対応について受け止めをお願いします。

 

知事:

デルタ株についての対応ぶりは、ヨーロッパ諸国でも手を焼いている状況なので、現にアジアでは、再度猛威を振るっています。インドネシアでもそうですし、東南アジア諸国でも、かなりの猛威を振るっている状況です。
適切な対応というのは、「密を避ける」、「マスクをする」、「手を洗う」、「リスクの高い場所に近づかない」という感染症対策の徹底をしっかりとしてもらうことが基本になる、と考えています。
政府も、これはずっと呼びかけています。ただし、だんだんと国民の側、県民の側に、「呼びかけ疲れ」のようなところがないわけではなくて、特に若い人を中心に、街中への人出がかなり出てきている状況です。
私は、何度も言っているように、人出の上昇が悪いのではなくて、人出が多くなると、結果として、密の状態になり得る。飲食や、いろいろなリスクの高い場面が増えてくる。それが感染のリスクを高めることになるので、十分に注意をしてもらうことが肝要だと。特に若い人には、よろしく協力をお願いしたい。

 

記者:

まん延防止等重点措置の解除に関することについて。今日から解除ですが、県独自に、飲食店を中心に時短営業などの要請が残っている状態です。
現在の要請は今月末、と知事は区切っていますが。今週、来週の感染状況を見ながら、とは言え。7月の間に感染状況次第では、要請内容をさらに強めたり、状況によっては、さらに緩和するなど、そういう可能性はありますか。

 

知事:

感染状況次第ですが、12日間も対前週比で1.0倍を超えている、しかも結構高いのす。1.3倍から1.5倍ぐらいの間で推移しています。「なだらかだ」とは言いましたが、1.3倍から1.5倍は結構な数です。もともとの比較すべき水準が低かったので、私はそういう表現を取りました。
もしも、これが今週がベースになって、来週もそのような状況だと、第5波の入口どころではないかもしれません。そのような状況になってくれば、まん延防止等重点措置の区域の指定も、再要請することを視野に入れておかなければならない、ということだと思います。
これが、また低下して、さらに下がっていくような状況が、もしも、県民の皆さんの協力で実現できるのならば、今の協力内容をさらに緩和していく。これも十分に考えられるシナリオの1つになると。
コロナに柔軟に対応できれば、と思っています。

 

記者:

「要請内容を強める必要がある」と考える場合は、それは「まん延防止等重点措置の再要請とセット」という考えになるのでしょうか。

 

知事:

きっと、そうなると思います。これ(現在の要請)以上を一般的な協力でお願いするのは難しいのではないか、と考えています。

 

記者:

東京五輪に関することについて。ご存知のように、東京都に緊急事態宣言が発令されたこともあって、もともと有観客を想定したものが、首都圏を中心に無観客にする。そのことで、もともと復興五輪という名目で、政府が掲げていた五輪の開催の意義も少し揺らいでいる、と懸念する声もあります。
この一連の有観客から無観客になった状況について、知事はどのように受け止めていますか。

 

知事:

今のようなコロナの患者数の状況、特に東京や首都圏を中心とする地域の前週対比で1.0倍を超えた状況が、3週間ぐらい続いてるのではないでしょうか。
そのような状況なので、観客が全国から集まって、また全国に帰っていく。そうすると、全国へコロナがまん延していく危険、ということを考えた場合に。無観客というのも、非常に残念な選択ではあったかもしれませんが、やむを得ない対応をされたのではないか、と思っています。

 

記者:

現時点も開催する方向で、日数のカウントダウンは始まってはいますが。
知事としては、開催そのものに対して、「緊急事態宣言も出ているし、今一度、見直すべきではないか」などは、特にないでしょうか。

 

知事:

ありません。
オリンピックを目指して、特にアスリートの皆さんはそのために、若い青春をかけてきています。それから、私たちは観客として、陸上競技場等には行けませんが、その人たちの活動、活躍ぶりは、テレビ等を通じて存分に声援できます。
したがって、オリンピックが開催されること、それ自体が、1つの東日本大震災の復旧復興に対する励まし、復興のシンボル性、レガシーを持ち得るのではないか、と私は理解しています。

 

記者:

先ほどからも質問がありましたが。知事は、まん延防止等重点措置の要請をする可能性がある時に、新規陽性者数が1日あたり70人というのが目安になるのでは、と話していましたが。

 

知事:

いいえ。単に3月頃の状況について、例示を挙げただけです。1つの目安として、70名ということを言っているつもりはありません。

 

記者:

具体的な目安としては定めていないけれども、やはり、100人に近い数字が出た時というのは、要請する段階にきているのではないか、というような。

 

知事:

特に3月の中旬の状況を考えると、その後、どっと100人台に増えてきたので。そのような動きになってしまってからではなくて、なる前の対応ということを十分に考えていく必要があるのではないか、と思います。

 

記者:

今回は大阪府がまん延防止等重点措置にある中で。兵庫県としては、独自に要請する、という形になるのかもしれませんが。
県単独で要請するという判断をしていくつもりでしょうか。

 

知事:

そうです。
京都がどうするのか、というのは、京都の状況を見ながら相談しますが。
今の段階では、本県の実状はどうなのか、というのが中心になるのではないか、と思っています。

 

記者:

先ほどの話では、「先手を打つ」というような考えで、対策を講じる予定ですか。

 

知事:

「先手を打つ」というよりも、3月の中旬のような状況が出てくれば、「もう打たざるを得ない」、と思います。
例えば、50人前後が何日か続いていく状況になった時にどうするか、という難しい判断は迫られる可能性がある、と思っています。
現実に先週、(新規陽性者数が)50人というのが1日あったので、あの時はたいへんショックでした。

 

記者:

対策本部会議を今週も開くつもりはありますか。

 

知事:

今週の発生状況次第です。
まさに、予防的なまん延防止等重点措置も含めて検討しなければならない、ということになれば、今週開いてでも、国と協議をしていくことになるかと。
まだ、状況を見極めなければならない段階だ、と思います。

 

記者:

コロナの協力金について。第5期の受付が今日から始まるということです。
支給率は、今日の発表はないのですが、第4期、第3期の支給率というのが、半分を切っている、というような。

 

知事:

第3期分、第4期分の支給率は、7月16日の支払い分まで含めると、第3期で56%、第4期で55%になります。この16日の支払見込みを反映しなければ、ご質問のように、第3期で45%、第4期で44%という数字です。
しかし、他の地域と比べると、高い支給率ではないか、と思います。
ただし一方で、支給をするのに、資料も、提出する申請書も、どこでもらえばよいのか分からない、ダウンロードなどできない人達も随分といるので。今回、8月末までを目安として、第1期から第5期について申請できる、ということにしました。

 

記者:

多少なりとも、この申請をしてから給付が受けられるまでに、かなり待つ時間があるかと思います。待つ時間を少しでも縮めていくために、県としてどういうて対応ができるのか、何か考えるところはありますか。

 

知事:

例えば、休業しているような場合は、休業しているという写真などがあれば、同じ要件なので、そんなに審査期間は要りません。ですから、できるだけ早く手続きを回しています。
ただし、今までの手続きの中で、十分に資料を提出してもらえていない人や、新規に開業しているような方々については、新規の審査になりますので、時間が若干かかる場合がある、と理解しています。

 

記者:

受付時に書類がそろっていれば、その部分については速やかに支給されている、という認識ですか。

 

知事:

そうです。
大部分の方々がそうなっているので、かなり進捗度合いは高い部類に入っているのではないか、と思います。

 

記者:

それは、他の都道府県と比べて高いということですか。

 

知事:

そうです。

 

記者:

コロナについて。第5波の入口にあるどころではない、といった話がありましたが。
現時点で、知事の認識としては、第5波の入口にあるのか、ないのか、このあたりについては、どうお考えですか。

 

知事:

これは、言葉のあやなので、「入口」がどういう定義なのかが明確ではないから、お互いに、今のような質問が出てくるのだと思いますが。
入口と言えば入口で、もう12日間も、対前週に比べて、1.3倍から1.5倍ぐらいが続いていますので。そういうことからすると、12日間も上昇傾向が続いているため、これはもう、まん延防止の兆しどころではない、という受け止めもあるかもしれません。
そのため、厳しい状況にあると。ですから、今週の状況をしっかりと見極めた上で、次なる手を十分に考えていく必要があるのではないか、と思っています。

 

記者:

重点措置から解除されて、「緩み」という言葉があったかと思います。
これは具体的に、行動範囲が広がるなど、何か想定しているものがあるのでしょうか。

 

知事:

お酒の提供です。19時までだから、我々は、なかなか時間外になって19時までの間に、お酒を飲むのは難しい、という時間設定だったはずですが。それでもやはり好きな人は、好きなように行動されるということで、昼飲みを控えるために土日を我慢してもらいましたが、これはそれなりの効果があったと思います。
しかし、緊急事態宣言時は、全面的にお酒の禁止をお願いしたので、この条件の差が出てきている可能性が、立証できるような話ではありませんが、可能性がないわけではない、ということを、「緩み」という風に表現しました。

 

記者:

つまり、酒類提供で、会食の場が増えていると。言い換えれば、そういう意味でしょうか。

 

知事:

きっと、増加していることもあるかと思いますし、人出自体も増えています。人出が増えているために、会食の場面も増えて、お酒も飲める。そのために、その間の滞在時間が長くなっている。しかも、デルタ株の感染力が増している。こういうことが相乗的に、作用し合っているのではないか、と思われます。ただし、実証はできません。

 

記者:

まん延防止等重点措置について。今回、解除を要請するわけでもなく、一方で延長を要請するには至らない、という、少しグレーゾーンなところがあったかと思います。
まん延防止等重点措置の目安について、増えきってから作っていたのでは、少し遅い、と感じますが。このあたりについて、早急に目安を策定するなど、対応を考えることはありますか。

 

知事:

まん延防止等重点措置の要請の目安は、やはり、「前週対比が1.0倍を超えている状況が続いている」と「3月の状況などを勘案して考えていくこと」で、具体の目安を、今、この段階で、これを超えたら要請する、という事柄とはいささか異なります。
しかも、先ほども質問がありましたが、まん延防止等重点措置区域の指定を、事前防止的に活用していくということも十分に考えられるわけで、そのあたりも含めて、あまり固まった運用をしない方がよい、と思っています。

 

記者:

今日は月曜日ですが、新規陽性者数の受け止めと、知事メッセージの中で、特に、一番伝えたいことをお願いします。

 

知事:

月曜日で、17人なので、対土日を挟んでの数字としては、ものすごく多いわけでもないのです。しかし、4人というようなことを記録した時から比べると、かなり増えていますので、やはり土日からの動き、というのをしっかりと注目していく必要がある、と思っています。
メッセージで、特に皆さんに強調したいのは、やはり、「絶対に感染リバウンドをさせない」、これを県民の皆さんに、自分の行動の基本として対応してもらうことを期待したい、と思っています。

 

記者:

先ほどの(県の大規模接種の)姫路会場については、「8月30日以降の姫路競馬場について国の承認が行われていないため」とありますが。
以前、アクリエひめじから競馬場に(会場変更)というのは、開始しているものの場所の移転なので、申請は通るのではないか、という話でしたが、これはどうなりますか。

 

知事:

もう、モデルナ製のワクチン自体が配れない、という状況です。配れる状況であれば、会場を変えるだけで、十分に対応できたのではないか、と思うのですが。
今度は、大規模接種会場にファイザー製を配るというのです。ファイザー製を配るというのはどういうことかというと、市町に配っていたものを大規模接種会場に回す、という話です。そうすると、別系統で追加するのではなくて、従来ベースのワクチンの接種場所が、接種率を上げるために増えたということにしかなりません。
大規模会場別に割り当てられ、交付される予定ですが、それは実を言うと、市町分が交付されるということなので、やはり地元の姫路市や尼崎市、西宮市と十分に相談しながら、そのあたりはよく協議をしていく必要もあるのではないか。
我々だけで、ファイザー製を打ちます、というのは、地元の市町ともよく相談した上でなければ、打ち出しにくい点もあるので、慎重に相談をしていきたい、と思っているところです。

 

記者:

今の話は、姫路で大規模接種会場をやり続けるとなると、姫路市なり、周辺の市町のものを少しもらわなければ、そういうことができない、ということですか。

 

知事:

いいえ。国としては、大規模接種会場には、優先的にファイザー製を割り振る、とは言ってもらっています。
姫路の分をかすめるわけではない、と言われているのですが。やはり、地元からすると、そんな思いもないわけではないので、しっかりと相談をしていかなければならない、と思います。

 

記者:

先ほど、まん延防止等重点措置を再要請する可能性について、少し言及がありましたが。

 

知事:

今日始まったばかりで、こんな議論をしなければならないのは、いかにも変なのですが。それだけ、直近1週間とその前1週間の比較について、7月1日から12日間連続して1.0倍を超えている状況があるので、言及しました。

 

記者:

最近の感染の状況では、20代、30代が増えています。また、高齢者のワクチン接種の割合が高くなっているので。これはもしかすると、若い世代にシフトしているということは、重症化しにくくなっているのかもしれない、という考え方もできます。
例えば、3月の時の70人と今の70人は、同じような尺度で捉えられるものなのか。もしかすると、同じ70人でも、あまり危なくない70人かもしれない、という考え方もできますが、そのあたりはどうですか。

 

知事:

まだ、今の段階では数が少ないのです。今日は10人台で、昨日は44名、その前が、45名というような状況ですので、まだ、十分な傾向を断じるには早いか、と思いますが。
全国的に言われていることも、若い世代の人たちがかかりやすい、また現にかかっている、高齢者は、罹患率が低いと。それはワクチン接種の成果もあるのではないか。これも、推測の域をいずれも出ないのですが、若い人がかかっていることは事実です。
これからの状況をもっと見極めなければなりませんが、いずれにしても、若い人が多いということは、重症化する割合が高齢者に比べて低いことは言えます。そういう意味で、病床ひっ迫が急激に来るとは、今の段階では、そこまでは予想しなくてもよい段階か、と思います。

 

記者:

地元選出の西村大臣の発言が、今、少しずつ波紋を広げています。その「金融機関からの働きかけ」という発言があって。ご本人は撤回をされましたが、その後もいろいろな影響というか、批判の声というのは、止まない状態です。
知事としては、どういう感想をお持ちですか。

 

知事:

やはり、基本的には協力を求めていかなければならない仕組みなので。その協力を求めていく仕組みの中に、ある意味で強制力が働くような枠組みを入れていくというのはどうか、ということ。それと、強制力の方は、「過料」で担保するというのが制度の枠組みなので。そこのところは、西村大臣は少し滑り足だったのではないか、と思います。
我々からすると、金融については、今、政府系金融機関だけが、無利子・無担保の資金の貸付を12月まで延ばす取扱いをしていて、都道府県には扱わせてもらえていないのです。中小企業は、現実に都道府県の制度金融がベースなので、結果として地域の中小企業が、その(無利子・無保証料の)恩恵に浴していないケースが多いのではないか、と考えられます。
我々も、都道府県の中小企業対策の一環として、取り扱い窓口を増やすような対応をしていくべきだということを、一方で強く要請しています。そのような対応を、ぜひ積極的に検討してもらえたらありがたい、と思います。

 

記者:

今週末投票日を迎える知事選挙について。知事は現状をどのように見ていますか。

 

知事:

よい戦いなので、この1週間で、県民の審判が下るということなのではないか、と思います。

 

記者:

自民党と維新の会が推薦する斎藤候補について。自民党本部の方から国会議員、兵庫選出の大臣クラスの人、兵庫に全く関係のない大臣経験者、有名な人が応援に来ていますが、そのあたりについてはどのようにお考えですか。

 

知事:

今まで、知事選挙にそういう応援部隊が入り込んだことは、あまりないのです。知事選挙というのは、どちらかというと地元中心で展開してきたので、有権者が戸惑っているのではないでしょうか。
何のために、外からこんなに応援部隊が来て、対応しようとしているのか、と戸惑っているのではないか、という感じはします。

 

記者:

知事は、何のために来ていると思いますか。

 

知事:

分かりません。応援の人に聞いてください。私は推測する立場ではありません。

 

記者:

リバウンドの兆しがあるなど、まん延防止等重点措置の再要請についても議論のある中で、少し聞きづらいのですが。感染防止対策と一方で、経済対策というのも大事な問題かと思います。
特に飲食店は、長引く時短要請や、酒類提供のいろいろな規制等で、厳しい経営環境にあります。今日も、飲食店の時短要請と酒類提供時間を30分延長して欲しいという要望を、この後、知事の方に事業者の方々が来るということも聞いています。
先ほどもあったように、こういった感染状況の中で、例えば、同じように、まん延防止等重点措置が解除された京都府や、大阪府のその他地域と同様に、酒類提供や時短要請の時間を合わせる、という考えは今のところないでしょうか。

 

知事:

した方がよいですか。そういう選択はとれますか。逆に、質問者に聞きたいぐらいです。
(他地域と合わせた対応が)取れれば、取りたいです。しかし、今のような状況の中では、是非協力をしてもらい、(感染を)抑え込んでいくことが基本にならざるを得ないのではないか。
したがって、(事業者と)後程お会いしますが、しっかりと協力依頼を、私からしていきたい、と思っています。

 

 

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