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ようこそ知事室へ
【発表項目】
(資料に沿って説明)
記者:
本日、新規感染者数が過去最多となりました。先ほど知事から、病床の使用率や宿泊療養使用率の説明があって、厳しい状況であるという話でした。
どれぐらいの厳しい状況だと認識しているのか。例えば、過去にないほど危機感を持っているなど、知事の認識を伺います。
知事:
(新規陽性者数が)728人で、これは過去最多になっているので、極めて厳しい状況です。
病床の使用率も50%を超えているので、今日の午前中に、加古川の方に行きまして、県立加古川医療センター、それから保健所の視察もしました。昨日は、西宮の方で宿泊療養施設のホテル視察もしました。
現場レベルでは、今まさに逼迫している状況ではないのですが、やはり、ここ数日の(新規陽性者数の)伸びが。例えば、重床ユニットであれば、少し前、1カ月ぐらい前は2人であったのが、今はもう8人になっているなど、病床の埋まり度がかなり伸びてきている状況です。
ホテルについても、まだ若干の余裕はあるものの、やはり使用率がかなり高くなってきており、現場レベルで厳しい状況になりつつある、と声として確認できました。
したがって、728人で、明日もまた増えるかもしれない、という状況を踏まえると、県民の皆さんと一緒に、しっかりとこの感染拡大期を乗り越えていくという意味でも。ぜひ、県民の皆さんに引き続き、そしてこれまで以上の強い自覚を持ってもらって。
とにかく、感染防止の徹底を、人混みにはやはり行かない、ということと、会話の際のマスクの徹底。それから、夏休みで帰省を、事情があってしている人も、学生さんや若い人、そして様々な世代の人がいるかもしれませんが。今回については、先日、国の方からも言っていましたが、親族の皆さんと集まったりや、あとは同窓会というものを含めて。
とにかく、人と集まって、いろいろと会話をしたいという気持ちは分かりますが。ぜひ、何度ものお願いになって申し訳ないですが、できるだけ控えてもらうということを、最大限の、改めてのお願いです。そして、県民の皆さん、一緒になって強い危機感を、これまでにないぐらいの危機感を、ぜひ持ってもらいたい、と考えています。
記者:
緊急事態宣言について。今日、要請はしない、という結論なのかと思いますが。なぜ、今は要請する段階にはない、と判断したのですか。
知事:
資料「感染拡大防止に向けた国との協議について」にあるように、協議をしっかりとしていくことが大事だ、と思っています。
まん延防止等重点措置の対応と、緊急事態措置の対応というのは、実質的なエリアの違いはありますが、酒類の提供の自粛や内容についてはそこまで差異はない、という状況です。
あとは、感染が拡大している状況もあるので、ここは国の方に、これから本県の状況も含めて、しっかりと伝えていくことと。緊急事態措置の内容も、今のままの内容で本当に効果があるのかも、いろいろな議論がこれからあると思うので、そこも含めてしっかりと協議をしていくことが大事です。
これは、京都府の西脇知事とまさに連携をしているところなので、ここは関西全体として、大阪府の吉村知事もそうですが、緊急事態措置をこれから協議していく中で。できるだけ早期に発令してもらうことも大事なのですが、内容についても、今までの内容でよいのかどうかも含めて、京都府などとも連携し、しっかりと対応していきたい、と思っています。
記者:
病床の上積み確保などの説明がありました。まだ、病床使用率が50%超とはいえ、急激なスピードで上がってきているのは事実です。
県として1500床程度に上積みをしていく、ということですが。最大でどれぐらいの上積みが可能なのか、現時点で考えていますか。
知事:
今日の本部会議で、その議論もしました。
率直な現場の状況でいうと、現在、病床の使用率が50%という状況で、かつての第4波の、この時期はもう7割以上だったことから比べると。今の瞬間風速的には、非常にひっ迫してたいへんなのかというと、今は、そうではない状況にはあります。ただし、油断はできない状況です。
議論の中では、私からも話しましたが、この1200床程度となっているところを、さらに最大確保できる病床数の上積みを、しっかりとこれから準備をしていきたい、という議論になりました。ここはなかなか、公立病院、それから民間病院も、一般診療とのバランスの中で難しい問題があります。
改めて、私から、各病院に意向をしっかりと聞きたいということです。できるだけ協力してもらいたい、という前提で、改めて意向を聞いて。コロナの受け入れについて、さらに上積みができますか、それから今、受け入れをしていないところについては、何とかお願いできませんかと。
あとは、回復後の、コロナが陰性になった後に療養が必要な人もいるので、そういった人を受け入れてもらえる病院についても。これも確保しなければならないということで、本部会議で出ましたが、そういった病院が、一応の登録としては、民間病院協会の話では222病院あります。これも、改めて意向を確認しつつ、いろいろな円滑な療養期における移行も含めて、改めてアンケートをとりたい、意向を確認していきたい、と思います。
記者:
そうすると、もちろん今後の状況次第ですが、1200床よりもさらに上積みすることもあり得ると。
知事:
そうです。
それとともに、やはりホテルの増加というものが1つのポイントになってくる、ということが今日の議論でした。やはり、機動的に準備ができるのは、ホテルの方が多いので、できれば今月中に、1から2施設を確保したいです。
これは、ただ単にホテルと契約をして、例えば、数百室を用意すればよい、というものではなくて。常駐してもらう看護師や動線の確保など、そういったものに一定の準備がかかりますし、ホテルを持っているオーナーとの交渉もありますから。そこは、できるだけスピード感を持って、とにかくホテルの、宿泊療養施設を増やしていくことをしっかりとやろう、ということを確認しました。
記者:
春先の感染急拡大期には、病床使用率が今以上に埋まっている状況で、かなりひっ迫していく中で、当時の井戸知事が、鳥取県に患者を看てもらったり。
近隣自治体との融通というのか、協力関係もあるかと思います。今後、どうなるのか分かりませんが、近隣県との協力体制の構築について、そのあたりも視野に入ってくるのでしょうか。
知事:
おそらく重症病床の割合が、これからどこまでひっ迫してくるのかを見定めなければならない、と思っています。
おそらくこれは、全国的に厳しい状況になってくるので。どこも厳しい中で、受け入れが広域的にできるのか、見定めていかなければなりません。
記者:
感染者の急増について。今日、別途発表のあった変異株の検査結果で、7月26日から8月1日の間で、前週の4倍ぐらいの数が確認されました。
検査したうち、陽性率が50%で、かなり増えていますが、この感染が急拡大した要因として、いわゆるデルタ株の影響はどれぐらいあるのか。かなり置き換わっているという認識でよいのかどうか、伺います。
知事:
数字については後程、感染症等対策室長から説明しますが、やはり、かなりデルタ株の影響というものが出てきている、と思っています。
全国的にもトレンドになっているので、兵庫県でも同じです。
このデルタ株は、今日の議論でも出ましたが、非常に症状の判定が難しいという特徴があります。喉がすごく痛くなったり、下痢をしたり、あとは発熱をするという、すごく重症感が出るのですが、実は、それが入院すると意外と早く回復したり。なかなかトリアージが難しい、という問題もあるので。
感染力も強い一方で、症状の見極めが難しい、という二重の意味で、極めて厄介な株です。そこは、医師会や現場と連携しながらやっていくことが重要だ、と思っています。
数字については、室長から。お願いします。
感染症等対策室長:
県の検査(陽性率)は、全数調査ではないので、一部偏りのある場合があります。
国立感染症研究所の予測では、大阪、京都、兵庫の関西圏では84%くらい。兵庫県では8割が置き換わっている。関東圏は9割、95%が置き換わっている、という状況です。
記者:
緊急事態宣言について。知事からも話がありましたが、感染者数は急激に増えている印象があります。一方で、医療体制については、今まさにすごくひっ迫しているわけではない中で。
緊急事態宣言を要請するのか、どうかについては、なかなか難しい判断もあるかと思います。今日の本部会議では、そのあたりの感染状況や医療体制を鑑みて、要請した方がよいのではないか、という意見はありましたか。
知事:
要請した方がよい、という意見まではありませんでした。
緊急事態宣言が、これまで何度も出ている中で、やはりメッセージ性という意味では、先ほども言いましたが、今の緊急事態宣言の内容でよいのかどうか。それを含めて、発出すると同時に、どういうメッセージを県民の皆さんに対して出していくのかが大事だ、ということが1点と。
足元を見ると大事なのが、やはり、ホテルの数や病床の確保です。それから、医師会と連携しながら、自宅診療ができるような、そういった医師の研修などを、医師会が中心になって、やってもらえることも、意見が出ました。
足場の医療提供体制を、現実的にしっかりと、一般医療とのバランスを図りながら、一歩一歩、準備を着実に、ホテルも含めてやっていくことが大事だ、という議論でした。
記者:
まん延防止等重点措置と緊急事態宣言で、現在、措置の中身が変わらないという実態があって。そうすると、どうしてもメッセージ性が強い側面が、現時点ではあるかと思います。
そういった点が、要請するのであれば、措置内容をさらに充実させた上で要請した方がよいと。今回すぐに要請をしない、要請について引き続き協議をする、という判断になった理由なのでしょうか。
知事:
要請は、要請して終わりなのですが。協議は、国と一緒になって、本県の状況も伝えた上で、措置の内容も、このようにして欲しいなども含めて協議ができるので。その協議に入ったということは、大きな一歩だ、と思っています。
そこは、京都府とも連携しながら、そのようにしていこう、と決めましたので。これから他の県でも、福岡県など、すでに発出の要請をしているところもありますが、緊急事態宣言そのものは、全国的にどのようにコロナを抑制していくかという、ある意味カードなので。
国が、緊急事態宣言はどうあるべきか、ということも我々と協議しながら、決めてもらうことが大事だ、と思っています。
記者:
緊急事態宣言についての、国との協議は始めているという理解で。
知事:
そうです。始めていくと。
記者:
現時点で、国の反応としては、どうですか。
すぐに出した方がよい、というような状況認識でいるのか。やはり、重症病床等を含めて、もう少し医療のひっ迫など、そういった点を見た方がよい、ということなのか。
知事:
数字上でいうと、本県の重症病床の使用率が26%という状況で、そこが唯一黄色(ステージⅢ)で、赤(ステージⅣ)になっていないことも、国は見ているとは思います。
一方で、足元の医療提供体制をしっかりと固めていくことも、西村大臣と電話をしたのですが、その中では、やはりそこも共通認識として持ちました。しっかりと足元を固めつつ、これから感染拡大が、増えてくるということもあり得るので。緊急事態宣言も発出してもらうことも視野に入れて、国と協議をしていくことが大事だ、と思っています。
記者:
緊急事態宣言について。緊急事態宣言の内容について、国と協議をしているという発言がありました。
これは、国が緊急事態宣言を出す場合に、具体的な措置内容について、もっと効率的なものを、国が検討している、ということなのか。
もしくは、措置内容について、こうして欲しいということを、県から今、要望しているのか。どういう意味でしょうか。
知事:
これから、協議をしていくことになります。最終的には、国が法律に基づく緊急事態宣言を出すので、国の判断に、タイミングも内容も含めてになりますが。
本県は、京都府とも連携しながら、こういった緊急事態宣言の内容の方がよいという、県としての案があれば。そこをしっかりと今の県の実情を踏まえながら、こういうメッセージ性を出すためにして欲しいなど、しっかりとこれから、スピード感を持って協議をしていきます。
記者:
そうすると、県から国に対して、こういう措置をやって欲しい、という具体的な内容までは、まだ煮詰まっていない、ということですか。
知事:
まだです。
記者:
これは、スピード感を持ってやりたいですか。
知事:
はい。今のまん延防止等重点措置と、今の緊急事態宣言の差が、ほぼエリアしかない中で、どういうあり方の緊急事態宣言がよいのか。我々の方でもしっかりと考えて、国に提案していくことも1つのあり方です。
記者:
緊急事態宣言と、まん延防止等重点措置の内容の差は、ほとんどありません。
一方で、大きく違うのは、財源措置の問題です。今は、3万円プラス5000円で、交付金を使ってはいるものの、県の財源で措置をしています。この点の財源措置については、今回、対象地域を拡大するにあたって、国に何か要請はするのですか。
知事:
この要望については、すでにもう全国知事会でも言いましたが、国に対しては、本県も3万円ではなくて4万円にして欲しい、という要望はしています。
そこも含めて、緊急事態宣言の内容を協議していくことになります。
記者:
当初、知事が就任された際に、対策本部会議は全面公開を検討するという話でしたが、今回は、されませんでした。理由について、説明をお願いします。
知事:
そのような意向を持っていました。一方で、本部会議の中には、行政以外にも、県の医師会をはじめ、様々な有識者もメンバーとして入っています。やはり、その方々のご意向も、合意形成もしなければなりません。一部の有識者からは、一緒になって、いろいろと自由活発な議論をするためには、公開ではなく今までのやり方が望ましい、という強い意向がありました。
私は、みんなで一緒に、ワンチームになって、コロナに対応していかなければならない状況で、そこを押し切って、無理矢理に、公開にするのは、合理的な判断ではないと考えて、今までどおりの開催にしました。
記者:
その点に関連して。本部会議の議論の全面公開はしていませんが、中身については、県民からも関心が高いかと思います。
本部会議の内容の開示について、何か新しく、追加でやっていきたい考えはありますか。
知事:
資料は今、公開をしています。そこをしっかりとやっていくことになります。それ以外には、このようにブリーフィングをする中で、丁寧にお伝えしたい、と思っています。
記者:
まん延防止等重点措置実施区域の飲食店に対して。これまで、時短要請などに従わない店舗への県の対応は、指導や要請の段階でとどまって、命令や過料の例はないかと思います。
今後、そういった店舗を認識された場合に、知事の考えとして、命令や過料など、厳しい対応をする考えはありますか。
知事:
残念なことに、飲食店の中にはアルコール類の提供を自粛していないところが少なからずあります。そこへの見回りについては、しっかりとやっていくことが、まずは大事です。指導や様々なことをやっていくことは当然です。
一方で、過料の問題は、手続き上、なかなかスピード感を持ってやっていくことに、若干の課題があります。一旦、まん延防止等重点措置が切れれば、リセットされる問題があるので。そのスピード感の問題と、実効性の問題をどこまでできるのか、という課題もあるので。ここは引き続き、検討していきたい、と思っていますが。
大事なのは、事業者、飲食店の皆さんです。やはり、しっかりと協力してもらうことも大事です。県民の皆さんも、飲食をするお客さんという立場から、できるだけそういうお店に行った際も、アルコールは注文しない、ということを改めて自覚してもらって。たいへん申し訳ないのですが、責任ある行動を取ってもらいたい、というのがお願いです。
記者:
今は、要請で、お願いベースになっています。例えば、もう少し強い権利制限ができるような、法の建て付けが必要だなど、どのように考えていますか。
知事:
究極を言うと、憲法との関係もあり、難しい問題です。ここは、知事会が国に、ロックダウンも含めて、という投げかけもしています。その推移を見守りたい、とは思っていますが。
今の日本の状況からすると、かなり強い私権の制限というのは、少し難しい、ということがあります。ここは、法整備や国の動向をしっかりと見ていきたい。
私たちは何をすべきかというと、やはり、今の状況で出来ることは、県民の皆さんに、お願いベースになってしまうのですが。自覚のある行動、自分の身を守る、ということは、周りの身も守る、というメッセージを、絶えず伝えて、一緒になって乗り越えていく、行動の変容をお願いしていくしかない、と思っています。
記者:
今回、まん延防止等重点措置実施区域の拡大にあたって、人口10万人当たりの人数を挙げています。その他地域の但馬地域についても、近くその基準を満たしてしまった場合に、再検討は視野に入れていますか。
知事:
今の数字で言うと、13.28人で基準が満たされていないので、今回、外していますが。感染が拡大していく中で、25人以上となった場合には、改めて考えなければなりません。
そうすると、おそらく全部の地域が対象になってしまうので、まん延防止等重点措置ではなくて、緊急事態宣言になっていくので、そこはその時の判断になる、と思っています。
記者:
先ほど、まん延防止等重点措置の内容も、また今後、協議していく、ということだったかと思います。
今、お盆で少し感染拡大が懸念される時期なので、まん延防止等重点措置の内容を協議し直す時期については、かなり近い時期を想定しているのでしょうか。
知事:
まん延防止等重点措置の内容ではなくて、緊急事態宣言の措置の内容を協議していくということです。
記者:
先ほど、まん延防止等重点措置も、今の現行のものだけでよいのかどうかも協議していく、と言われたように思うのですが。
知事:
もしも私がそう言っていたのであれば、撤回します。お伝えしたかったことは、資料「感染拡大防止に向けた国との協議について」にある、「緊急事態措置を視野に国と協議していく」という中で。
緊急事態宣言の措置についても、これが今、酒類の提供の禁止など、まん延防止等重点措置と、ほぼ同じ措置になっているので。まん延防止等重点措置と一緒の措置のままでよいのか、それとも緊急事態宣言の措置をもう少し違うものにして、メッセージ性あるものにするのか。
ここを京都府などと連携して、国としっかりと連携してやっていくという趣旨だったので、そう理解してもらえれば、と思います。
記者:
緊急事態宣言について。内容は今後、国と協議していくのかと思いますが。
今まで国は、酒類にポイントを当てて、感染が抑えられるとして、緊急事態宣言も、まん延防止等重点措置の内容も、あまり変わらないことをしています。
今後、県庁の中での協議かと思のですが、知事としては、どういった打ち出しを緊急事態宣言でやれば、感染防止に繋げることができる、といった考えはありますか。
知事:
これから、しっかりと県庁の中でも協議をしていかなければならない。京都府とも協議をしていかなければならない、と思います。場合によっては、全国知事会の中でも、議論があるのかもしれません。
今、一番の課題になっているのは、飲食の中での感染拡大が大事になっているので、そこをどのように法律や制度上の補完ができるのか。今の時点でどれかというのは言及できない、と思っています。
ただし、大事なことは、マスクの着用の徹底。これは、法律や緊急事態宣言の建て付けの中でできる話ではないのかもしれませんが。やはり、飲食店やカフェなどでの、会話時のマスクの着用をしっかりと伝えていくことも含めて。県民の皆さん一人一人、これは、国民全体だと思いますが、行動変容をしっかりと促していくための、何か強いメッセージとして。
緊急事態宣言の措置の中に入れられるのか、それとも外になるのか、ということはあるかと思いますが。そういうことをしっかりと考えていかなければならない、と思っています。
記者:
まん延防止等重点措置について。先ほどの但馬の関連で、このお盆の時期、夏休みの時期で、但馬でも海岸があるなど、観光シーズンに必要なところでもあります。
そうしたところであっても、但馬地域を、現状、「その他区域」にした理由は何ですか。
知事:
これまで、県内でもいろいろな議論があったかと思います。例えば、緊急事態宣言時には、一律に全県に適用されるものの、実は感染の度合いは兵庫県は広くて、いろいろな感染の状況がある中で、一律でよいのか、という議論があったのと同じです。
但馬地域の数字を見ると13.28人で、基準上は15人未満なので、ここはしっかりと検討したのですが、やはり、今の数字がある状況下で一律に適用してしまうことは、今回は判断として外しました。
ただし、外されているからといって、その地域の方々が、飲食を含めてどんどんとやってもよいのではありません。神戸にいる人も、但馬地域に行って、騒いで海に行ったりしてもよいのかと言えば、そうではありません。
メッセージにもありますが、できるだけこのお盆・夏休みの時期は、外出などを控えて、自宅で過ごすことをしてもらいたい。そういうメッセージでやっていきたい、と思っています。
記者:
対策本部会議を今回、非公開にしたことについて。もともと公開を検討された理由は、どういった考えからでしたか。
知事:
コロナ対応の内容や取り組みについて、県や知事のメッセージなど、そういったものを、県民の皆さんにしっかりと伝えていくことも大事だ、と私は就任前に思っていました。まず、その1つの取り組みとして、会議自体も公開でやることがよいのではないか、という意向を私は持っていました。
ただし、就任して、様々な実情を聞く中で、県の会議に入っている医師会をはじめ様々な有識者の、メンバーの方々の意向を聞くと、これまでどおりの非公開でやってもらいたい、ということでした。
繰り返しになりますが、今、コロナで、一体的にワンチームで、関係機関と一緒にやっていかなければならない状況下で。ここを無理矢理に、知事の私が本部長なので公開でやります、と強引にやることは、いろいろな意味でハレーションを起こすことになるので、合理的ではないと判断して、これまでどおりの開催としました。
一方で、県民の皆さんにしっかりと情報を伝えることは、私は大事だと思っていますので。先ほどの質問にもありましたが、こういったブリーフィングも含めて、できるだけの時間をとって説明していきたい、と思っています。
記者:
感染が拡大して、抑えていくためには、いろいろな対策が必要となってきていますが。ワクチンの接種をどう進めていくのかが、1つ重要なポイントになるかと思います。
今日の会議の資料ではありせんでしたが、今後、従来から知事が言われている若い世代に対して、どのように接種を促進していく考えですか。
知事:
資料にはないのですが。申し訳ありません、私から言うべきだったのですが、ワクチン接種の促進の議論は、複数のメンバーからありました。
特に、ワクチンが、結果的に高齢者の重症化率が下がっていますから。ここが下がることを、しっかりと、特に、我々40代以下の、20代・30代に対して、PRをしていくことが大事だ、という意見が出ました。
若い世代の方々は、自分たちが重症化しない、という思いを持っている人も少なからずいますので。意見として出たのは、若年層であっても、味覚障害や全身の倦怠感、脱毛などの後遺症が出る人もいて、重症化する人も一定数いるので。
ワクチンの接種について、本人の身を守る意味でも、また社会全体の防御率を高めていく意味でも、しっかりとPRすべきだ、という意見が出ました。県としても、様々なメッセージ動画も含めて、また、市や町と連携しながらやっていきます。
記者:
資料に、「県内主要駅における人出の動向」があります。これも踏まえて、まん延防止等重点措置が8月2日に始まってからの動向を、どのように分析していますか。
知事:
資料は、県内3地点での人出の動向を比較したものです。まん延防止等重点措置が開始した時点から、若干ですが減っている局面もある、と折れ線グラフから見て取れる面もあります。
資料右上の方に、まん延防止等重点措置前の1週間(7月26日から8月1日)との比較で見たものがあります。昼間の時点で、例えば、三宮だと1%の減、それから、山陽姫路駅北だと4%の減、阪神尼崎駅だと2%の減です。
一方で22時時点、夜の時点です。ここの比較でいうと、12%から19%、7%減っている。
これは、まん延防止等重点措置を含めて、様々な、県もそうですが、メッセージを、国も出してきましたし、メディアの皆さんもしっかりと伝えたこともあるかと思いますが。一定の、まん延防止等重点措置をはじめ、様々なメッセージによって、人出自体は若干減ってきている、という効果が出ていると思っています。
記者:
今回は、まん延防止等重点措置の対象地域の拡大ということです。緊急事態宣言の内容協議など、少しワンクッションを置いているような印象を受けたのですが。
それはやはり、病床のひっ迫度合いなどを総合判断して、今はこの判断でよいだろうと判断をした、という理解でよいのですか。
知事:
資料の中にもありましたが、10万人当たりの感染者の比率を見ると、但馬地域以外は、15人以上なので、結構そこは、ひっ迫している状況になっています。
緊急事態宣言というのは、国から一定の手続きがいる措置なので。
即座に、早く対応する意味でも、一定の準備期間ということで16日からにはしますが、当座としてはやはり、まん延防止等重点措置の対象区域を拡大することが、感染拡大防止の1つのカードとして重要だ、と考えました。ここは区域の拡大をやるべきだ、という判断をしました。
記者:
いろいろな企業で、テレワークをする、しないという対応があるかと思います。企業の対応として、まん延防止等重点措置であれば通常どおりの出勤で、緊急事態宣言になると、自宅でテレワークなどに切り替えるという企業も多いようです。
緊急事態宣言に踏み込まないとなると、なかなか通勤を減らすことには繋がらない側面もあるかと思いますが、このあたりはどのような考えでしょうか。
知事:
緊急事態宣言かどうか、ということもありますが、テレワークの推進については、メッセージでも、テレワークの推進を掲げています。
ここは、緊急事態宣言というよりも、各企業なり組織・団体が、しっかりと徹底してやってもらうことが大事だと思っています。現に、様々な企業では、緊急事態宣言の有無に関わらず、自主的にテレワークの率を高めている企業もありますから。宣言の有無に関わらず、しっかりとやってもらいたいです。
記者:
今回、まん延防止等重点措置の区域の拡大になりました。一方で、例えば、神戸市や阪神地域などの、元々まん延防止等重点措置の地域だったところについては、対応が何も変わっていないのが現状です。そういったところの対応を変えるために、緊急事態宣言もあり得るのか、と思っていたのですが。
今、感染拡大が激しい地域については、どんな対応がこの先考えられるのか。あるいは、こうなれば緊急事態宣言がふさわしいという、数値なのか、あるいは概念なのか、何かそういう考えがあれば、教えてください。
知事:
まん延防止等重点措置と緊急事態宣言とで、今は酒類の提供の禁止で、事実上の措置は、ほぼ同じになっているのが今の状況なので。そういう意味で、これから宣言も視野に入れて、国と協議していく形になりますが。
大事なことは、今の状況でも、県民の皆さんが、特に感染が拡大している神戸市、姫路市も含めて、阪神間もそうですが、しっかりと自覚を持って。これは、お願いベースにはなってしまいますが。そういった感染をしないような、行動変容を徹底してもらうことを自覚してもらうために。我々自身もメッセージとして、これは何度もやっていますが、それをやっていくしかない、と思っています。
記者:
県のフェーズで、「感染拡大期1」や「2」など、「感染拡大特別期」もあるかと思います。現状では、どのフェーズに今、兵庫県はあるのですか。
知事:
今、県のフェーズとしては、6番目の区分「感染拡大特別期」にあります。これは、総合的に判断という形になっています。
今回、本部会議で、病床については、900床で運用していたものを、最大確保の、マックスである1200床で運用することを決めて、医療機関に調整してもらうように要請をしていきます。宿泊施設については、すでに運用を10日から始めていますが、1500室程度で、10施設という、マックスで運用することを決めましたので。この資料上のフェーズとしては、「感染拡大特別期」です。
記者:
今、自宅療養が、非常に増えてきています。先週と比べて2倍以上になっています。元々は介護であったり、子育てであったり、特別な事情がある人は、自宅療養でも構わないという形でした。
これは、感染がどんどんと拡大していくと、無症状の人は自宅療養などの形になってくるかと思うのですが。
自宅療養について、現状は、どのような扱いになっているのでしょうか。
知事:
先日もお伝えしましたが、やはり入院が基本で、それから軽症・中等症については、宿泊施設にいてもらうことが基本だ、という方針は今も変わっていません。
一方で、今の感染拡大期の中で、現場の運用としては、中等症の人は入院の措置をして、軽症の人についても、できるだけホテルに入ってもらう運用はしたいとしながらも。この調整の中で、すごく若い世代で、全く無症状の人については、自宅で療養してもらうことを、運用の中でやらざるを得ない、と思っています。
大事なことは、自宅にいた人が体調不良になった時に、フォローできるような体制が大事だと思っています。ここはすでに県の方で、県看護協会などと連携しながら、kintoneというアプリを使って、毎日の状況をチェックできる仕組みがすでにあります。
今日、加古川の保健所に行った際も、kintoneのアプリを通じて、日々、自宅療養の方々が入力をしているのを見ることで、これは保健所も見ることができるものですが、容態を可視化でき、確認ができます。もちろん、電話で状況についても確認をしていると。容態が悪化した場合には、直ちに、何らかの対応をしていることは、確認をしました。しっかりとこの対応状況を続けていくことが大事だ、と思っています。
一方で、宿泊療養のホテルについても、できるだけ早く、1施設ないし2施設は増やして、今のこの運用状況が若干ひっ迫してきているのを、出来るだけ緩和していく形で。やはり、リスクのある人については、ホテルに入ってもらう、ないしは、当然、入院してもらう、ということをしっかりとやっていかなければならない、と思っています。
記者:
宣言の内容については、これから国や京都府とも協議をしていく、ということですが。
知事としては、どの数値が、どのような値になった場合に、宣言に踏み切るべきだ、とお考えですか。
知事:
もしも端的に言うとすれば、重症病床の使用率です。今、26%なのが、急に50%を超えれば、これは当然レッドゾーンになりますから、当然に、緊急事態宣言をやらなければなりません。かなりひっ迫している状況のため、そこは1つの指標になります。
記者:
50%になる前までは、まだ様子見の段階だ、と逆に考えることもできますが、いかがですか。
知事:
様子見の段階というよりは、今の26%であっても、これから急に上がる可能性もあります。今日、現場を見てきた限りでは、重症ユニットについても、徐々に埋まり始めている状況です。
これは、50%に達しなくても、やはり状況を判断して、国との協議にはなりますが、緊急事態宣言を発出してほしいということを、改めて強く言うことが大事です。そういう意味で、我々はこれから協議というのは、兵庫県の置かれている、様々な指標やデータも含めて、随時、事務レベルでも政治レベルでも、国の内閣官房や大臣などに日々、伝えていく中で。ひっ迫感も含めて伝えて、緊急事態宣言発出の必要性があれば、そこは強く協議をして、お願いをしていくことをやらなければならない、と思っています。
記者:
若者の感染者が、割合として多いということで、若者にメッセージをお願いします。
知事:
今の感染状況を見ると、20代・30代の人の割合が、非常に多くなっています。今日、加古川の保健所の中で、疫学調査をしている人の話を聞くと、やはり、家の中で、宅飲みをしていた結果として、感染した事例もあるということでした。
外出や友達との集まりは、このお盆、そして夏休みの間は、できるだけ控えてもらいたい、と思っています。仮に、ランチや食事をするという場合も、店に入る時にだけマスクを着けるのではなくて、やはり会話をしている間は、必ずマスクを着けてください。友達と会う時には必ず、気をつけてもらいたい、というのがお願いです。
自分の身を守ることは、家族も含めて、友人の身も守るということに繋がります。友達と会ったり、遊びたいという気持ちは、私自身、今、40代ですが、若い時に、そのような気持ちになるのもよく分かりますが。今回については、ぜひ社会全体のために、どうか改めて、協力をお願いします。
記者:
昨日、視察後の話では、私の勝手な推測かもしれませんが、知事としては、緊急事態宣言の要請を望んでいるような雰囲気を感じました。
それが今回、対策本部会議で、要請にまで至らなかったということで。知事としては、会議の前までは、やはり要請したいという考えを持っていたのでしょうか。
知事:
昨日の時点では、「今日と明日の数字を見ながら、緊急事態宣言をどうするかを考えていきたい」と言いました。今日、資料にもあるとおり、これから国と緊急事態宣言をすることも含めて、協議していくこととしました。
実質的には、国とのやりとりは、これから始まっていく、と私は認識しています。
記者:
協議というのは、宣言の要請を視野にというよりは、強く宣言の要請に持っていきたいというのが、ここでの協議という意味合いですか。
知事:
要請だと、おそらく要請して終わりですが、協議であれば、要は宣言してもらうタイミングや、内容も含めて、国と協議ができるので。これは、京都府とも連携しながらではありますが、よりしっかりと協議していくことができるということで、私は正しいと思っています。
記者:
今回、その緊急事態宣言の内容について、国と協議を進めてくということですが。率直に言うと、今の緊急事態宣言の内容について、どこに感染防止に対して不備がある、とお考えですか。
知事:
今日の本部会議でも意見が出ました。これまで緊急事態宣言を何度も何度もやっている中で、国民に対してメッセージ性が少し弱いのではないか、との指摘がまさに委員からもありました。
やはり人流が、かつての緊急事態宣言をした時よりも、減っていないことがあり、これは全国知事会でも、やはりメッセージ性が弱いのではないか、と指摘がありました。そのメッセージ性をどう担保していくのかが、これは全国の中で、緊急事態宣言をこれからどうしていくのかという議論の中で。しっかりと我々も提案しましたが、国の方でもしっかりと検討してもらうことが大事だと。大事なのはやはり、メッセージ性だと思います。
国民に対して、緊急事態宣言が発出されるからといって、メッセージが響いていないところが正直あって。それが、今の人流の抑制が、かつてよりも進んでいないことにも繋がっていると思うので。
緊急事態宣言を発令するということ以前に、やはり我々の行政や国側と、県民の皆さん、国民の皆さんの間の、コミュニケーションを含めて、どのようにリスクをみんなで共有してやっていくのか、が大事です。
一方で、ワクチンの接種をしっかりと進めていくことが、今日の本部会議でも出ましたが。お願いの中で、粛を繰り返しやっていくことは、なかなか限界が出てきているというのもまた事実です。やはり、大事なことは、ワクチンの接種を若い世代も含め、我々40代以下で進めることです。
いろいろな市町の首長と話していると、40代以下の接種率というのが、かなり低くなっているトレンドが、現場感覚としてあるので。ワクチンの接種をあらゆる世代の方々に受けてもらうことが大切です。
おそらく、9月か10月には、国からは8割ぐらい供給されるかと思うので、そこをしっかりと確保しつつ。あらゆる世代の方々にワクチンを、とにかく接種してもらうことが大事だと。そうなるように、しっかりと市町と連携してやっていきたい、と思っています。
記者:
今回、会議を従来どおりに冒頭のみの公開と、その後に会見、という形をとりました。いろいろと参加している人との調整が必要と言われましたが。
今後公開に向けて、またさらに協議や調整を進めていく考えはありますか。
知事:
今の段階では、今までどおりのやり方でやろうと。一旦、有識者の方々からの意見も踏まえて、今までの状況でやろうと決めましたので。
大事なのは、それがそのままであっても、私自身がこういった会議後のブリーフィングの場や、様々な場で、できるだけ情報提供を丁寧にさせてもらいます。今日の会見も、時間を切らずにやりたいと、そういう形でやっていこう、と思っています。
記者:
宣言の要請を見送ったことについて。まん延防止等重点措置との違いがあまりないということで、京都府が先に宣言の要請を見送ったことが、昼間にありましたが。
京都府の動きが、兵庫県の宣言要請を見送るという判断に影響したことは、多少ありますか。
知事:
特にはありません。京都府とは、知事ともそうですが、事務レベルでも協議はしていたので、自然とその足並みが揃ったということです。
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