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【発表項目】
(参考)新型コロナウイルスへの対応 9月16日(PDF:250KB)
知事:
1番目は「新型コロナウイルス感染症の現状と対応」です。
(1)県内の患者の発生状況
まず、新型コロナウイルス感染症の現状と対応ですが、本日の新規陽性者数は301人で、対1週間比で減少しており、減少傾向にあります。
ただし一方で、病床使用率については、昨日時点の数字で入院全体は54.9%で若干減少していますが、重症病床使用率は、昨日46.4%だったものが、再び50%を超えた状況です。宿泊療養は、若干減少になっています。重症病床については、50%を再び超えたということで、やはり予断を許さない状況であることには変わりがありません。
どうしても重症病床は、現場の状況では40代・50代の人が中心に入っているので、比較的体力がある人が多い中で、一定数入ることもあれば、回復をして抜けることもあるので、若干、パーセンテージ(病床使用率)の増減の振れ幅が大きい傾向にあります。いずれにしても、まだ50%前後になっているので、ここはしっかりと感染抑制対策をこれからもやっていくことが大事だ、と考えています。
その上で新型コロナウイルスへの対応ということで、今回、いくつか組織も含めて、紹介をします。
(2)新型コロナウイルス感染症への対策強化に向けた組織体制の拡充等
まず、県の組織のさらなる強化です。
先日、9月6日付で部参事に局長級の柳瀬さん、県職員OBの保健師を任命して、現場の保健所の調整等にあたってもらう形にしましたが。今回も改めて、部長級の県参事で(ワクチン接種・調整担当の)新設をしました。
こちらはワクチン接種の促進が、これから若い世代を中心に大事になってくるので、そこへの対応をしっかりとやってもらうことと。県と政令・中核市の保健所との連絡調整もこれから重要になってくるので、そこをしっかりとやってもらうことが中心になります。それ以外の喫緊の課題にも対応してもらいます。
今回、任にあたってもらうのは、今後(いまご)元彦さんで、前職は病院局長を歴任していて、医療行政にも明るく、たいへん調整力の高い職員で、適任だと考えています。今回、今後氏と柳瀬氏を加えて、この難局を乗り越えていきたい、と思っています。
今回の役割はワクチン接種、それから調整担当ですが、それ以外にも現場で、病院を回っていた時にいくつか声がありました。現場で感染症対策の実務レベルでしている先生方から、いろいろな病院でそれぞれが取り組んでいることを共有したり、いろいろなデータをみんなでシェアすること。抗体カクテル療法や重症病床から中等症病床へのベッドの移行のタイミングなども含めて、病院それぞれでいろいろなやり方をやっているので、そのノウハウを共有する仕組みを作れないか、という要望が県立病院等のいろいろな先生からありましたので。
今回のワクチン接種・調整担当の業務の中で、その一環として、様々な病院で、今回、第5波を含めて対応してもらっている中での、各病院のノウハウやデータを共有して、それぞれの対応を改善していく仕組みも作ってもらいたい、と考えています。
(3)姫路・園田競馬場を活用した県大規模接種における「若年層」優先枠の設定及び予約受付の開始
昨日のノエビアスタジアムで、楽天の三木谷会長、神戸市の久元市長と3者会見をした際にもお伝えしましたが。今、姫路と西宮で設置している大規模接種会場について、姫路競馬場と園田競馬場に場所を移すことになります。
1日で2000人規模の、1会場1000人の、あわせて2000人の接種体制を維持することを、11月末までやっていきます。
そこでは若年層の優先枠として、1会場にそれぞれ200人、合計1日400人の接種枠をつくることを予定しています。
対象については、県内在住の16歳以上、それから39歳以下で、課題となっている20代・30代もそうですが、受験を控えたり、これから就職活動をするような10代の人にも一定の配慮をします。
今回、一定のワクチンの見通し、確保の見通しが立ったという部分で、当面2週間で、10月4日から17日まで募集し、9月18日の9時から専用のウエブサイトで受け付けを開始します。ワクチンの見通しがさらにたてば、延長も視野になってくるものです。
ワクチンの接種については、特にこれから、20代・30代を中心に接種が大事になっています。私自身も土曜日に接種をして、一定の副反応はあり、38度台後半の熱が日曜日に出て、その次の日も若干頭痛もあったり。若い世代になればなるほど、一定の副反応、発熱も含めてあるということがよく分かりました。高齢の人で受けた人はそんなに副反応が出ていないという人もいました。
昨日、久元市長と話した時も、モデルナを受けられたのですが、ほぼ副反応は出なかったということでしたので。やはり、世代が若くなると、一定の副反応が出て、それなりにはロキソニンを飲んだりして対応しなければならない、ということで。
なかなかしんどい局面もあるのですが、数日を乗り越えて、私はもうすっきりしている感じになっています。若い世代ほど反応が出るということはあるのですが、それでも、その後の感染の予防であったり、重症化予防のため、社会全体のためには、やはり、受けてもらうことがよい、と私自身も思いましたので。
ぜひ接種について、県民の皆さんのご理解とご協力をよろしくお願いしたい、と思っています。
(4)「ふれあいの祭典 ふれあいフェスティバル in 神戸」の開催
これは県民祭で、毎年持ち回りでやっているものですが、今年は10月16日から17日にメリケンパークで予定しています。
今年は実行委員会で議論してもらった結果、感染症対策をしっかりと行った上での開催を予定しています。
具体的な感染症対策は3点です。
1点目が、二重で入場制限をするということで、当然に今の緊急事態宣言に準じた、ピークで5000人以内の入場制限で、エリアごとにも細かく入場制限をしていくということです。
それから(2点目は)イベントの中身についても、不特定多数を対象とするものについては中止して、体験型やスタンプラリーなど、人々の自由な移動を促すようなものは中止する、と考えています。
3点目として、出演者の対策の徹底で、ワクチンを2回接種している人は、そのまま出演してもらうのですが、それ以外で(接種が)受けられないなど、まだ間に合っていない人に対しては、PCR検査を受けてもらうことを予定しています。
地元企業であるシスメックスの協力・配慮で、未接種の出演者へのPCR検査をやってもらうことになりました。シスメックスにおいては、たいへんな協力をありがとうございます。
感染対策をしっかりとした上で実施していくことですが、もちろん感染拡大がぐっと広がった場合等には、臨機応変にオンラインでの開催も含めて、対応していきたい、と考えています。
これで予定項目は以上ですが、もう1点、水上バイクの関係です。
昨日、淡路市の海上で、3人が亡くなるというたいへん痛ましい事故が起こりました。原因等については、警察、それから海上保安庁が調査をしているところだと思います。いずれにしても、3人が亡くなったということで、たいへん残念だ、と思っています。
その前にも、明石市などで、様々な危険な事案があったということもあり、明石市も今、取り組みを進められているところです。今回、やはり淡路市でも、危険な事案が起こったということで。阪神間、西宮・芦屋の方でも、若干、水上バイクの走っている事案が比較的多く、それから神戸市の須磨海岸などでも、そういった水上バイクの事案があります。この問題は、広域的な問題になりつつあるので、私自身も一定の認識を持って対応していきたい、と考えています。
具体的な対応ですが、なかなか様々な機関が関係する難しい問題なので、これからどのように対応するのかを早急に考えていきます。
まずは来週半ば早々に、日程は調整中ですが、私自身が現地を視察します。場所については、事件が起こった淡路市の当該箇所であったり、そういったところが中心になるか、と思います。
その上で、関係者の方々の意見を聞き、どのように対応するのかを、しっかりと検討していきたい、と思っています。
水上バイクというものは、レジャーとして楽しんでもらうのはもちろんよいということですが。やはり、危険な行為であったり、危険な事態に遭遇すると、それはレジャーではなくて、たいへん悲しい状況になります。
そういった意味で、どういった取り組みができるのかを、早急に考えていきたい、と思っています。
私からは以上です。
記者:
新型コロナウイルスの感染状況について。新規感染者数はずっと下がっています。
どうして下がっているのか、分析としては、宣言をしていることもあるかとは思いますが。どの点が一番、効果を発揮して、下がることに繋がっている、と考えていますか。
知事:
今、言われたように新規陽性者数は、日々、対1週間前比で減少傾向です。1週間平均の患者数も、9月16日時点で391.3人で、ピーク時は8月末(の同じ木曜日)で953.1人でしたが、どんどんと減っている状況です。ここはやはり、緊急事態宣言の発出によって、県民の皆さん、それから事業者の皆さんから、しっかりと協力をしてもらえたこともあった、と思います。
先日も会見でお伝えしましたが、お盆前後の夏休みの人出は、携帯電話のデータによる捕捉についても若干減ってきていると出ていました。これは1回目の宣言と比べるとそうでもない、と出ましたが、実際の人出は減っています。
先日も言いましたが、飲食店などの元町・三宮の人に聞くと、百貨店もですが、かなり人手は実感としては減っています、ということでした。そういった人出の抑制の協力があった、と思っています。
また、西村大臣も先日言っていましたが、マスクの着用もかなり徹底されているというデータもあるようなので、そういった効果全体があいまって、今回の抑制に繋がってきてるいのではないかと。
ここは県民の皆さんに改めてのお礼と、あとは引き続きのもう踏ん張り、という形でのご協力をお願いしたい、と思っています。
傾向としては、これまでピークの始まりからピークアウトまで、それぞれ2カ月と2カ月というトレンドがあるので。そういった面も、ピークになった時は、みんなで頑張って取組をしていきましょう、というところで、ピークアウトしていく、という大きな傾向があるのではないか、と思います。
記者:
新規感染者が減っていくと、気が早い質問ですが、緊急事態宣言も、踏ん張ったところで対策をゆるめる方向にもなっていく、との期待感は出てくるかと思うのですが。
宣言の解除にあたって、改めて重視する点と現状認識を教えてください。
知事:
この宣言の解除にあたっての出口の基準のあり方について、今、国が議論をしています。県として大事なことは何かと言うと、やはり1点が、今、質問者さんが言われたような、新規感染者の減少傾向があることです。
もう1点が、繰り返し先日から言っていますが、病床の使用率です。特に入院全体もそうですが、重症病床の使用率です。この2つの傾向が安定的にきちんと見えるかどうかが大事なポイントだ、と思っています。
あとは、ワクチンの接種率もあわせて見なければなりません。今、ようやく50%が国全体でも見えてきて、これから日に日に増えていく状況になろうかと思いますが、その3点が大事だ、と思います。
記者:
水上バイク事故の関係で、現地を視察する、ということについて。
明石市で、関係機関と連携して、検討を進めている、と聞いています。その中で、今回の事故と直接の関係があるかは分からないのですが、危険な走行によって、泳いでいる人や、水上バイク同士の事故が懸念されると。
その時に、明石市の問題については、県条例で水上バイクの危険走行、そういうものには、罰金などで対応できる、と認識しています。
そうしたところについて、県として、今後、厳しくしていくなどの方向性としては、どのように考えていますか。
知事:
今、明石市で連絡会議をされています。当時は明石市で、水上バイクの危険事案があったと。それぞれ海水浴場に設定されていないところで泳いでいた人とそこで水上バイクをしていた人。どちらも規制がない中での事案だったか、と思います。
一方で、昨日の事故もそうですが、これは明石市の問題ではなくて、兵庫県全体、特に瀬戸内と阪神間です。そこに渡る広域的な事案になってきた、と私自身も判断したので、県として、しっかりと取り組んでいくことが重要ではないか、と考えています。
具体的な仕組みの出口は、いろいろなやり方があるかと思いますので、パトロールをしっかりとやることであったり、これは海上保安庁や県警との連携もあります。あとは、県は港湾管理者でもありますし、また漁業の取り締まりもしますので、そういったいろいろな面での影響を、きっちりと未然に防いでいくために、何ができるのかをトータルで考えていかなければならないのが1点。
もう1点が、抑止ということで、条例でどのように厳しくしていくかです。県では公安委員会が所管していますが、「水難事故等の防止に関する条例」があって、そこで、プレジャーボートや水上オートバイが危険な運転をしてはならない、という規定が条例15条に書いてありますが、それを違反した場合には罰金がある形になっています。
ここをしっかりと議論していく上で、強化した方がよいのかを、これから議論していかなければならない、と思っています。
特に私も、この事案に関心をもっています。私は須磨出身ですが、須磨海岸も日常的に小さいころから行っていましたが、先日、そういった事案もあるので、行ってみました。
須磨海岸の中で、プレジャーボートと水上バイクがかなり走っていて、かつ、20人から30人ぐらいの集団が砂浜でくつろいでおり、その沖に水上バイクが何台かあって、プレジャーボートも置いてある状況でした。なぜこのようにしているのだろうか、とまだ分析はしていなかったのですが。
先ほど庁内でも打ち合わせをして、あれがどういう許可でやっているのか確認すると、特に海水浴場に設定されていないので、特に規制もないので、おそらく自由にやっている、ということでした。
それは分かったのですが、一方で、その通りがかりに見た際、その人達は、いろいろと楽しむのはよいのですが、飲酒している行為が見かけられたので。もしかすると、その人は運転をしないのかもしれないのですが。もしかすると、飲酒をした上で運転をしているという事案があるのであれば、これは法律上も違反行為になりますから。そういった事態があるということも、現場を見た際に感じたので。
そういった事態があるのであれば、しっかりと対応していかなければならないと。これは神戸市との連携にもなりますが、そこはしっかりと県として、県全体もそうですが、神戸市や関係する機関と連携しながら。どういった対応ができるのかを、今ある中でどういう対応が関係者でできるのか。それから、出口の条例としての対応がどうできるのか、ということを含めて。さらに必要であれば、国に何か要望していかなければならない、ということを、しっかりとスピーディーにやらなければならないのですが。腰を据えて、議論していかなければならない、と思っています。
記者:
その須磨海岸の視察は、個人的にですか。
知事:
はい、プライベートです。
記者:
21日から県議会が開会して、知事の給与と退職金の削減案を提案されます。
その際に、副知事も給与と退職金について、カットするかと思います。その際に、知事は3割、5割。副知事が15%と25%になりますが、その割合が違うのは、どういったいきさつですか。
知事:
私自身は、給与のカットと退職金のカットは、公約でも掲げたということもありながら、着任してから他県の状況などを見ながら検討して、セットしました。
副知事のカットについても、その際に議論をして、知事の給料との均衡などを見ながら議論をする中で。知事と一体的に特例措置を講じることが合理的だと判断して、幅をそのようにセットして、提案することを決めました。
記者:
何が正解なのかは、分からないのですが、知事と同率でなくてもよい、ということなのですか。
知事:
私の方は、あくまでも、選挙公約等の中でカットしていくことと、様々な他の自治体も含めて、いろいろな意味で総合的に勘案して決めていきました。
副知事は、私の給与との均衡の判断もありますし、知事と副知事はある意味一体的な存在ですから、副知事の給与も、一定の減額をしていくことを判断して、今回対応をしました。
記者:
水上バイクについて。今後、対応をとりまとめていく、ということです。
スピーディー、かつ腰を据えて議論、ということですが。いつごろまでに、ある程度の結論と言いますか、取りまとめをしたい、と考えていますか。
知事:
この問題は、今までスポットになった、様々な規制がなかなか及ばない分野でもあったので、今日、明日中に議論が尽くせて、結論が出る問題ではない、と思います。
今、明石市で議論をされていますが、広域的に引き上げて、議論をしていくことが大事だ、と思っているので。結論については、できるだけ早く出したい、という思いはありますが、おそらく走りながらになる、と思っています。
来週に視察をする時までに、すでに担当の庁内の部局には、今すぐできることを考えてほしい、と伝えていますので。それが整い次第、スタートできるものはスタートする。パトロールの強化などを、それまでにはやっていこう、と思っています。
その上で、一定の検討の場を開いて、しっかりと議論をしていって、条例改正に結びつけていくには、1週間、2週間でできることではないので、一定の期間は必要だと思っていますが。
できれば、年内もしくは年度内には、もし条例の形にするのではあれば、公安委員会との調整にはなりますが。様々な手続きを含めて、できるだけ早く、年度内ぐらいに手続きをして、条例改正もあるかもしれないですし、一定の方向性、どうするのかは、予算の議論も出てくるかもしれません。
これは、予算なので議会との議論になりますが、執行部側として、こういった予算措置と条例措置をしていくことは、できるだけ早く結論を出していきたい、と思います。
記者:
水上バイクの件は、プレジャーボートや水上バイクの危険な運転を抑止することが目的で、そのための施策を考える、ということですか。
知事:
そうです。
記者:
昨日の事故と、明石などでよく言われている海水浴場沖で遊泳客と(水上バイクが)触れてしまうと危ないのではないかという話と、かなり種類が違う気がします。
そういう意味では、海水浴場の遊泳客とプレジャーボートのすみ分けについては、おそらく規制が必要なのでしょうし。
一方で、昨日のような事故であれば、もっと別の対応が要るということで。トータルに、総合的に考えていく、ということですか。
知事:
そうです。昨日の事故も、当局の捜査結果等が出てこなければ分からないのですが。どういった状況でこのようになったのか、を見ていかなければならないですし。
一方で観光施設の近くであったり、あのあたりは釣り客も一定程度いるということなので、たまたま自損事故になって、ほかの人は巻き込まなかっただけなのかもしれないですし。
そういった意味で、事案としては、やはり海水浴場での事案と似たような事案かもしれないので。現場を見て、どうするのかをまずは考えていきたい。ご指摘のように、おそらくトータルでの議論になる、と思います。
港湾管理者、県が管理する港湾の中でのいろいろなケースもあります。あとは、農林水産業の関係で、漁業に対する被害というものがどのように出てくるのか、あれは網を壊す可能性もありますから。
この間、須磨海岸に行った際も、プレジャーボートが湾内に入っている事案を目の当たりにしました。須磨海岸は前に防波堤があるのですが、そこの中にプレジャーボートが入ってきていて、それを神戸市が「あなたがやっているのは違反行為です。もし網などに被害があれば、損害賠償の対象になる」と警告していました。
そういった事案もあるので、これは港湾管理者との関係ですが、いろいろな事案が複合的にあるものなので、トータルで議論していかなければならない、と思います。
記者:
給与の条例について。知事が選挙公約で給与と退職金のカットを掲げていたので、今回条例を提出されるということです。
そもそも、なぜカットという公約を掲げたのか。身を処するという話もありましたが、今後その行革を進めていく上で範を示すものなのか、そのあたりの思いについてお願いします。
知事:
選挙期間中から私が言ってきたことで、今、コロナで県民の皆さん、それから事業者の皆さんの状況が厳しいということもあります。それから、私自身が社会人としてもまだ若いということもありますが、まずは自らの身をそういった意味で処する、ということで、退職金と給与を一定程度カットしたい、と言っていました。
これに対して、県民の皆さんからも、それに対する一定の支持もあった、と思いますので。これから一定の行財政改革をやっていくことにもなりますから、そういう意味で、自らの身を処するということで対応して、今回、条例を改正していく、ということです。
副知事についても、私と副知事で一体的に県政を運営していく立場にもありますし。給与の均衡も、トータルで考えて、私と副知事の給与について、それぞれの幅でカットする、と判断したものです。
記者:
選挙期間中も、知事は自身の年齢のことを1つのテーマに挙げて、例えば、センチュリーについても、年齢からして(分不相応)という話もあったかと思います。
今回も、給与についてはそうだと思うのですが、そうすると、副知事は60歳を超えています。知事とは置かれている環境なども、また違って、要は若くはありません。だから、年齢相応の給与がいるのではないか、という意見もあろうかと思うのですが、そこについてはどのように考えていますか。
知事:
年齢(という理由)でいうと私だけになります。それ以外の理由としても、やはりコロナで、県民の皆さんが苦しい中での県政運営という形になっている、ということもありますし。
私と副知事は一体的な関係でもあるので、給与の額の均衡を考えた場合に、トータルでいうと私と副知事をそれぞれの減額幅で、今回カットするということがよいと判断した、という総合的な判断です。
記者:
一体的な関係ということになると、県庁一丸ということもあります。それ以外の職員については、知事は、かねがね給与カットや削減ということは考えていない、との話がありましたが、その考えは変わらないのですか。
知事:
はい。今回はあくまで知事と副知事で実施する、と考えています。それ以外は今、考えていません。
記者:
水上バイクの件について。今回は淡路島で事故が起こって、直前に取り上げられていたのが明石沖の事案だと思います。
日本海側など、兵庫県にはたくさんの海がありますが、今回は、阪神間と瀬戸内だけのイメージですか。
知事:
そこも実態を見ながら、判断をしていかなければならない、と思っています。直近にいろいろと聞く事案としては、先般、問題になった明石市。昨日の淡路も事件として起きました。それから神戸市内も須磨海岸が中心になりますし、阪神間の西宮・芦屋の鳴尾浜周辺で、かなりの水上バイクが走行している話も聞いていますので。まずは瀬戸内・阪神間が中心になる、と思っています。
一方で、日本海側も海水浴場がありますから、同じような事案があれば、トータルでの議論になりますから、当然、視野に入ってくる、と思っています。
記者:
条例についても、先ほど言及がありましたが、場合によっては改正する可能性もある、ということですか。
知事:
ここは公安委員会の所管になるので、よく調整・相談をしながらですが、条例の改正についても当然に視野に入ってくる、と考えていて、特に飲酒です。
これについては、今は確か(条例上の規制が)ないはずなので、飲酒運転についても、条例で、何らかの対応をしていくのか。公安委員会とも相談をしながらの、対応が必要だ、と思っています。
記者:
水上バイクの件に関連して。条例改正の内容は、少なくとも罰金規定があるとすれば、それを重くする方向で検討するのか。
また、少なくとも視察を経て、検討委員会を設置する意向がある、ということですか。
知事:
今、罰金については、条例の23条で、20万円以下の罰金という形になっています。これが適正かどうか、という議論も必要かと思っています。
もう1点が、やはり関係者でいろいろと合意を形成していかなければならないことなので、やはり何かしらの会議体というものが必要になってきます。これは、もしもあるのであれば、県の方で、きちんと仕切る形になる、と思います。
記者:
知事給与の件について。そもそも、知事給与の3割と退職金の5割というのは、知事が当選した翌日の会見で。(日本維新の会の)松井代表が3割と5割という発言があって、それを受けて知事に質問したところ、3割と5割で約束したいという話が、具体的に数字として出てきたのか、と思います。
これについて、3割と5割のそもそもの根拠は、どういったところにあるのでしょうか。
知事:
全体としてカットをすることを掲げていて、減額率の考え方については、当然他の団体における知事の給与抑制の実施状況等を踏まえて、3割や5割を基本に考えました。
他の団体も、給与の月額のカットについては、いろいろなパターンがあります。3割カットをしているところもあれば、5割カットやもう少し少ない10%台のカットもあります。
退職金についても、カットや廃止をしているところや、15%、30%カットのところもあります。
そういった他県の状況も踏まえて、私の方で、総合的に判断をしました。
記者:
若年層の優先枠について。若年層へのワクチン接種の意義を、今回発表されたこともあって、昨日(の合同記者会見で)もその意義については語られたかと思いますが。もう一度、簡単にでもよいので、ワクチン接種を若年層にする意義を、お願いします。
知事:
ワクチン接種が、これからコロナとともに、人類なり、この日本、そして兵庫県が、これまでの日常生活を取り戻していく、キーの1つという形になるかと思います。
ワクチン接種のみならず、治療法、のみ薬も含めたものをしっかりと確立していくことが、やはり大事になってきます。
そのベースとしては、医療提供体制、保健所も含めて、引き続き維持していくことも大事ですが、ワクチン接種が1つの大事なキーになってきますので、全世代で接種を促進していくことが大事です。
60歳以上については、かなり接種が進んでいる一方で、昨日も言いましたが、10代・20代については、接種率が低いのです。これは供給がまだ追いついていない面があるかもしれませんが、やはり、そこは供給がこれからどんどんと進んでいきます。
その他、できるだけ若い世代の人も、副作用という面は、世代が若くなるほど、一定出てくることもありますが。それを上回る重症予防効果であったり、社会全体に感染を抑止して、重症化を予防していくメリットがあることを鑑みると。私自身も自分が接種してみて、これはやはり受けてもらった方がよい、と思いましたので。
これから、やはり若い世代の方にも積極的に接種をしてもらうことがよい、と思っています。
記者:
冒頭の発言の中でありました、各病院でノウハウやデータを共有するという話がありました。
もう少し具体的に聞きたいのですが、このノウハウやデータの共有の仕組みづくりを、ワクチン接種担当の参事に担ってもらう、というイメージですか。
知事:
現場の医師から言われたのは、それぞれの県立病院なり、いろいろな病院で、皆さんが懸命に、現場で対応してきたノウハウや経験があるのだと。例えば、重症病床の人を、ある一定の基準で中等症の方に移すなど、抗体カクテル療法もそうです。
やり方もそうですが、いろいろなやり方をこれまで積んできて、それぞれの病院だけで、実は完結しているというケースがあって。それをもっと関係者間で共有するような、話し合うような場が欲しい、という声がいくつかあったので、そういった場を作ることを、まずはしてもらう。実務者レベルの、現場の責任者レベルでの、そういった場を作るということを、今、私は想定しています。
記者:
医者同士で、横の繋がりでやればよいではないか、という話もあるかと思いますが。
どちらかというと、きちんとしたオフィシャルな場を、県が主導して作って欲しい、という意見が多かったのですか。
知事:
多かったのです。県立病院でそういう声もありました。病院は、設置主体が神戸市であれば市立病院などがありますし、民間も大きな病院があります。そういったかなり大きな規模等で、中核的に受け入れをしてもらっている病院がおそらくターゲットになるかと思います。
そういうところでのノウハウやデータを何かしらの形で共有して、それを次に生かしていくような場を作って欲しい、という声は、かなり強かったので、それをやってもらいたい、ということです。
病院同士でやればよいのではないかという議論もありますが、おそらくそこは誰かが音頭を取らなければ、いろいろな設置主体や関係者がいますので。一番よいのは、やはり県に設置してもらうのがよい、という声も強かったので。
それはそうかと思い、これからこの新しい県参事を中心にやってもらいたい、と思っています。
記者:
最後にその関連で、タイムラインとしては、まだ今、第5波が収束しつつある状況ですが、これがある程度まで収まった段階を、想定しているのですか。
知事:
そうなる、と思います。
ただし一方で、現場の方では、今やっている治療法など、そういう対応でも早く共有して、自分たちがやっている方法を共有してもらいたい声もあるので。
基本的には、収束しながら次に備えて議論することだと思いますが。場合によっては、早く何かをシェアすることも、例えば、抗体カクテル療法や、新しい治療法のやり方など。そのようなことも早くやった方がよいのであれば、そこは臨機応変に対応していきますが。
基本的には、収束後だと思います。
記者:
知事給与について。以前、担当課に確認したところ、知事の給与は134万円で、3割カットすると、93から94万円ぐらいだと。一方で、副知事の給与が100万円少しかと思います。
今回、副知事も一体的にカットするということですが、副知事の給与をある程度カットしなければ、知事と副知事の給与が逆転して、副知事の方が高くなってしまうことも考慮して、今回、副知事もカットになった、ということですか。
知事:
そういった面も判断材料の1つにはなっています。総合的に判断して、私自身は公約で掲げたことも踏まえて、他県の状況も踏まえて、率を判断しました。
繰り返しになりますが、知事と副知事は一体的に仕事をしていく、という意味で、今回、私がカットする中で副知事も一定カットをする方向性の中で、バランスの面も、考慮して、率をセットしました。
記者:
条例案が可決された場合に、知事給与と副知事給与が、それぞれ月々いくらになるのか。
知事:
私だけでいうと、減額前が134万円だったのが、3割減額後に93万8000円です。期末手当は、年額701万円が、491万円です。給与月額は約40万円の減額、期末手当は年間で210万円の減額になり、結果として、トータルで年収が約690万円減るという形になります。
退職手当は5割カットなので、一期で約2000万円の減額になります。
副知事は後ほど、担当課より説明します。
記者:
副知事もカットされると、議会開会日(21日)に片山氏を副知事に起用、という話もありましたが、片山氏も荒木副知事と同様に、カットが適用されるのですか。
知事:
これは条例可決後に、そこからスタート。10月からになるのか、11月からになるのかは、技術的な問題がありますが。基本的には、条例可決後に適用されますので、片山氏も適用になります。タイミングは1カ月、2カ月のずれはあるかもしれません。
記者:
「特別職」という意味では、教育長も特別職ですが、教育長はどのような扱いになるのですか。
知事:
判断として、教育長は対象としない、と今は考えています。
あくまで、知事部局の特別職だけです。
記者:
それは、教育長はカットしなくても、もともと知事の93万円よりも、月額の給与が安いから、整合性がもともと取れている、ということなのですか。
知事:
そういったところも勘案して、と考えています。
記者:
目的が、知事が社会人として若いということと、一方で行革も言われています。
行革になると、職員の給与をカットしないことには。行革を目指して、知事自身の給与をカットするのであれば。もちろん知事給与だけでは行革には、全体的にならないと。職員や議員にも波及していかなければ、行革にはならない、と思うのですが。
そのあたりは、言われていたことと、これから取り組もうとすることが分かりにくいのですが。
知事:
今回については、まずはコロナ禍で、皆さんがやはりたいへんな状況に今、あることと、私自身の年齢ということもあります。あとは、これから行財政改革をやっていく上で、まさに自らの身を処するという意味で、トータルで勘案してカットする形で考えています。副知事は、私と一体的な立場にもありますし、全体のバランスも均衡も考えて、一緒に今回カットする、ということです。
あくまで、行財政改革をこれからやっていく上での、自らの身を処するという意味なので。今回はあくまで知事と副知事もカットという形にはなりますが、それ以外の一般職員などのカットというのは、今のところ考えていません。
それはまた、今回のカットの趣旨とは別ですから、これから行財政改革をやっていくためにも、自分の身も処するという意味で、姿勢という意味でのカットになります。
もしかすると、質問者の見解とは相違しますが、私の中ではそこは矛盾はしていない、と考えています。
記者:
水上バイクについて。まずは、来週、淡路の事故現場を視察して、必要であれば条例改正におよんで、厳罰化による抑止力を図っていきたい、ということですか。
知事:
そこまで断定的には言っていません。
来週、事故現場や明石も含めてかもしれませんが、そこは調整中で、現場を視察します。その上で、関係者の意見を聞かせてもらい、場合によっては、会議を開くことになる、と思います。
そこで関係者と、どういうやり方がよいのかを議論していく形になります。その流れとして、今、言われた点も、当然に視野に入ってくるか、と思います。
記者:
知事、副知事の給与と退職金のカットについて。知事と副知事は、一体的ということで、行財政改革をする上で、身を処するという趣旨はよく理解できたのですが。
今後、副知事に民間人材も含めて、有能な人材を登用しようと思えば、それ相応の報酬が必要になってくるかと思います。
そのあたりへの影響は、どのように考えていますか。
知事:
確かに民間企業同士であれば、有能な人材をある意味、ヘッドハンティングなりで登用する時のやり方として、給与で処遇することは、確かにあります。
ただし一方で、私も含めて、行政であったり政治というのは、ある意味、公の世界ですので。私も長い間、公務員をやっていましたが、給与をたくさんもらえるから仕事をするというマインドではない、というのが正直なところです。
一定、生活ができるような普通の水準をもらえれば、あとは公のために、身を尽くしていきたいというのが、実はあります。これは、私だけかもしれないのですが、公務員の時にもそのように感じていました。
大学卒業後に、確かに給与だけをもらいたいのであれば、大手の民間企業であったり、金融機関に行く選択肢も当然にありましたが。そこは大きな志と、ある意味使命として公務というところを選んだのが、その時の選択でした。
公務は、そのような給与、サラリーでは測れないところで、やってもらうところもあります。仮に、これから民間人を登用する際にも、兵庫県の今の水準はこのようになっていますと。それでも兵庫県の未来のために、一緒に働いていもらえませんか、ということを丁寧に説明して、それでもやりたいと言ってもらえる人と一緒にやっていく、と思っています。
記者:
水上バイクについて。関係者と会議体を作る考えを示されました。
この場合の関係者とは、どのような範囲を想定していますか。
知事:
まずは、庁内の関係者がキーになってきますが、庁内でもいろいろな部局に跨がっている話です。
条例の関係でいうと、公安委員会ということで警察になります。港湾管理者の関係で言うと県土整備部になり、漁業という観点になると農政環境部になってきます。それから、有事の場合の対応になると防災になってきますので。
それぞれの部局との関係会議が重要になってきます。その上で、プラスアルファとして、外部としては、海上保安庁や漁協など、漁連の方に関係するのかもしれません。
そういったところは、これから検討かと思いますが。そこも含めて、まずは現場を見てから、どのような進め方がよいのかは調整していきたい、と思っています。
記者:
先の質問に対する説明で、かなり慎重な発言をされましたが。
大きな考え方としては、水上バイクの、特に危険な運転に対しての規制を強めていくイメージで、条例改正も視野に、ということでした。
基本的には、規制を強めていく方向性の中で、どのような対応ができるのか、を考えていくのでしょうか。
知事:
規制を、条例によって、罰則も含めて、強化していくこともそうですし、いろいろなやり方がおそらく現場レベルではあるかと思うので。
明石市の議論の中で、カメラを設置することも1つのアイデアとして出ました。そういったパトロールなども含めて、業界と一体になって啓発していくなど。
いろいろなやり方があるかと思うので、言われた点も含めて、トータルで考えていきたい、と思っています。
記者:
予算のことにも触れられましたが。これは先ほど、まさにカメラという例を挙げられたので、何か予算措置も検討対象になってくる、ということですか。
知事:
議論の中で、そういうものが必要になってくれば、当然に予算措置も必要になる、と思います。カメラなども、一定のお金がかかってくるので、どこが主体となってやっていくかというのは、別の議論としてあります。
記者:
昨日の今日で、おそらくまだ煮詰まったようなものはないか、と思いますが。
来週の視察、それから今後の会議体であったり、条例や予算対応等も含めて。知事としては、この一連の対応で、どのようなことを目指したい、と考えていますか。
知事:
大きな流れとしては、先ほども質問がありましたが、大きな出口としては、年末や年度末の、予算や条例改正の時期に合わせて、何かしらの方向が出てくればよい、と思っています。
大きな方向性としては、県民の皆さんの安全な暮らし。これは、海で楽しむレジャーも含めてですが、大事なのは、私がこれをやりたいと思った1つに、確かに須磨海岸で現地を見たことで大丈夫か、と思ったこともありますが、来年、豊かな海づくり大会が、兵庫県で開催されることです。
この豊かな海づくりというのは、兵庫県で言うと、瀬戸内海をはじめとして、栄養塩などが不足していて、きれいな海とのバランスの中で、逆に、いろいろな規制緩和によって豊かな海にしていき、漁場としての豊かさを実現していくことです。
実は、その豊かな海づくりの中の1つには、県民の皆さんや住民の皆さんが安全・安心に、海を楽しむことができることや、漁業等を営むことができる安全・安心の面も、豊かな海づくりの中に包含される考え方ではないか、と思います。
そこは、来年の豊かな海づくり大会をやるに際して、いろいろな人、天皇皇后両陛下にも行幸啓いただくのが恒例の行事ですが、そのような中で。豊かな海の中には、安全・安心な海づくりも、なかなかハードルの高い面もあるかもしれませんが、兵庫県が関係者と合意しながら作っていくことを目指すべきである、と思っています。
記者:
豊かな海づくり大会に向けて、知事としては、日本一安全な海を持つ県ということを、まさに日本一のようなアピールも、考えとしてあるのですか。
知事:
そういうことです。そこを実は思っていて、豊かな海づくり大会を令和4年度に実施する中で、安全・安心な海づくりも1つのテーマとしてやっていくには、今回のことをきっかけにして、取り組んでいくことも大事だ、と今回、判断をしました。
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