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新型コロナウイルス感染症対策について
知事:
(資料に沿って説明)
記者:
昨日の感染者が42人で、今の段階では、今日の感染者数がまだ出ていないところですが、現状認識として、今回の発表も踏まえて、どのような危機感を持っていらっしゃいますか。
知事:
昨日の42人の発症者数というのは全く私の想定からすると予想外です。なぜなら、2週間前は3月28日の土曜日で、その前の3連休からずっと不要不急の外出を自粛していただく運動を展開していたので、その成果が少し出るかと期待していたのですが、あまり大きな結果になりませんでした。逆に、1日あたりで最大の発症件数になってしまったということで大変残念だと思っています。
是非、県民の皆さんに、なお一層のご協力をお願いするという意味で、一番に外出のさらなる自粛を掲げさせていただきました。
記者:
今回、休業の協力要請についても具体的に示されていますが、こういったことをやっていかないと、なかなか外出抑制に、最終的に繋がらないということでしょうか。
知事:
政府の専門家もおっしゃっていますが、基本的に今回の新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の対策は、人と人との接触をいかに少なくするかということが、基本中の基本ですのでご協力いただきたいと思っています。
命を大切にするために県民の皆様に協力をいただくことが、コロナ対策の基本ということをぜひご認識いただきたいと思います。
併せて、今回事業者の皆さんに対するご協力も検討の俎上にあげました。これも経済対策の見地から見ても、できるだけ早くコロナの蔓延を防止し、押さえ込めることができれば、一番の経済対策に繋がりますので、ご協力をお願いしたいと思います。
記者:
今、詰めている段階ということですが、明日以降の週内には決めていくということですか。
知事:
お願いすることになると思っています。大阪府が明日決定して、明後日14日から自粛要請をされると聞いています。兵庫県の場合、大阪府に準じて範囲も、基本的に同じ範囲でお願いしていくことになりますが、県内の事業者の方々に準備をしていただく期間がどうしても必要だと思いますので、仮に一番急いだとしても、14日というのは難しいと考えています。できるだけ急いで、業界の皆さんのご協力を得たいと思っています。
記者:
そうすると、発表の後、実施まで少し時間を置くことを検討されているのでしょうか。
知事:
最低1日は置かなければいけないと考えています。1日で対応できるかどうかということも含めて検討します。
記者:
明日の決定ということは、特にまだ決めているものではないということでしょうか。
知事:
明日もあるかもしれませんし、明後日もあるかもしれません。準備の状況を十分見極めた上で、決定していきたいと思います。
記者:
ネットカフェの対応について、東京の方では、一時的にビジネスホテルを借りて、無償で入ってもらうとのことです。兵庫県の休業要請の対象施設の中にも同じように入っているかと思いますが、県としてネットカフェの対応というのはありますか。
知事:
今の段階では、具体的な対応策を持っているわけではありません。これも検討俎上にあげた中の一つになろうかと思います。
記者:
休業への補償は、県は行っていく予定はないということですか。
知事:
この要請は、特別措置法の第45条2項から4項の規定に基づく要請ではなく、その前段階の一般的な協力要請です。
したがって、皆さんからは、つけを我々にまわすのかとお叱りを受けるかもしれませんが、そこは県民の命を大切にする活動の一つとしてご協力をいただきたいということで協力要請をさせていただくものです。
記者:
一般的なご協力というのは、根拠は特措法の第24条9項が根拠ということになるという理解でよろしいでしょうか。
知事:
規定がなくても、基本的に協力要請はやれます。法律的にはできる規定ですが、一般的な自粛などの要請の根拠としては、第24条9項がなり得ると思っています。
記者:
県職員の在宅勤務などを進める事について、これも大阪などの他の7都府県と歩調を合わせているとういうものなのか、兵庫県独自にやられていることなのでしょうか。
知事:
各県の対応はいろいろで、すでに我々もできるところは在宅勤務を活用していますが、目標を決めているかについては、都府県はまちまちだと思います。
大阪府などは今のところは5割ではなかったと思います。昨日の総理の強い要請もありましたので、目標として直ちにできるとは考えられませんが、最終目標7割には持っていきたい、順次対応していきたいと思います。民間の皆さんに7割を要請するのに、県は7割でないと、シフトを引きますとは言えません。
記者:
携帯電話などの動きで見て、三宮の人の減り方が割と甘いと言われたりするのですが、実際に見て、いまだにセンター街は人がそこそこいるように見られます。知事は、ご覧になってどのように感じられてますか。
知事:
日常生活を営むために、食料品の買い物などの外出はどうしても不可欠になりますが、センター街はいろいろな店舗がそろっていますので、平日や休日の昼間は、なかなか減らしにくい面があるのではないかと思っています。
大阪の地域と比較しますと、難波や梅田は、どちらかというと、不可欠な日常生活関連ではないような店舗が沢山ありますので、その分がどんと減っていると思います。また、梅田の方は、どちらかというとサラリーマンの多い街ですので、そこはかなり減っていますが、神戸の三宮センター街などの商店街は、食料品などのお店もかなりありますので、そういう違いが出ているのではないかと思われます。
しかし、極力、生活を維持する上で必要としない外出は控えていただくように、さらにお願いしたいと思います。
また、ヤフー、ドコモのデータなど見させていただきますと、11月と比較するとだいたい1割減くらいのようです。目標が8割とか7割になるので、まだ協力していただける余地が十分あるのではないかと思っています。そのため、項目の1番目に外出抑制の協力を呼びかけさせていただきました。
記者:
休業要請の検討ですが、この2、3日の間に、吉村知事が来られたり、連絡を取られたりしたことはありますか?
知事:
「月曜日に会議を開き、火曜日から実施します。」という連絡はありました。
記者:
それは電話でしょうか?
知事:
電話です。
記者:
実務レベルで基本的に大阪と全く同じ対処法にするということですが、そのような協議はいつ頃からどのように進んでいますか。
知事:
基本的に東京都と政府との協議が決着した時点で、政府自身が、事業施設の使用制限を打ち出すとすれば、こういう考えで実施してほしいという通知がありました。その枠組みの中で検討せざるを得ません。もし実施するとすれば、県の対応方針は、政府と協議することと、専門家の意見を聞くことの2つで、この2つの要件を満たすと出来ることになっていますので、今回も同じようにその手続きを踏みます。この規制にずれがあれば、日常生活を送る県民の皆さん、事業者の皆さんにも迷惑をかけることになるので、整合性を取って対応します。
記者:
社会福祉施設のことですが、グリーンアルス伊丹の件もありましたが、通所施設について、大阪府や兵庫県は、東京都よりも踏み込んだ要請になりそうですが、これも大阪府と一緒に決めたのでしょうか。
知事:
兵庫県の示し方が違うだけで、東京都と違っている訳ではありません。東京都の適切な感染防止対策の協力要請で表の下に書いてありますが、その内容と兵庫県がしようとしていることにあまり変わりはないので、基本的に大きな相違はありません。
記者:
休業要請の開始時期ですが、知事の話だと大阪府より最低でも1日はずれるという考えですが、例えば、大阪府は閉まっているが、兵庫県はまだ開いているというずれで、県境を越えた人の移動が増加すると思いますが、その対応はどうするのでしょうか。
知事:
それは課題だと思います。県境を越えた人の移動は抑制してくださいということが大前提にあります。兵庫県と大阪府は通勤者の交流が多いため、通勤まで自粛要請出来ないので、事業者に在宅勤務を更に徹底するようにお願いしています。1日のずれが、地域全体としての効果を減殺することにはつながらないと思います。できるだけ早く14日から始まる大阪の規制に追随する対応が望ましいです。各事業者からすると、予約が入っているのに、顧客がお店に来て初めて休業が分かるなどは顧客サービス上問題です。強制措置ではないため、そういう事前対応の期間がほしいと事業者は考えるかと思います。その期間はある程度確保していかざるを得ないと思います。
記者:
大阪府とのずれは、1日でしょうか?
知事:
1日~3日の範囲にしたいと思います。
記者:
そこはまだ決まっていないのでしょうか?
知事:
検討する段階になったところなので決まっていません。範囲と自粛要請の内容は同じなので、時期がずれているだけです。出来るだけ早く大阪に追いつく対応をします。
記者:
休業要請の期間についても大阪府と同じでしょうか。
知事:
当面、緊急事態宣言の対象期間の5月6日までです。
記者:
施設案の一覧を見ると、全て大阪府と同じと書いてありますが、兵庫県だけで休業要請を行う所、また大阪府でしか行わない所はありますでしょうか。
知事:
そのようなやり方を取らない方が、緊急事態宣言を受けているエリアとしては望ましいと思います。
記者:
あくまで、大阪府と兵庫県で足並みをそろえていくということで、よろしいでしょうか。
知事:
はい。足並みをそろえることが重要だと思います。
記者:
医療体制ですが、昨日の神戸中央市民病院の院内感染を受けて、その原因について、神戸市と情報共有した上での医療機関への指示はあるのでしょうか。もしくは、検討されているのでしょうか。
知事:
基幹病院がこのような状況になったので、他の医療機関に対し、更なる注意喚起をすることになります。今日の時点でそのような通知を出すことにはなっていませんが、注意喚起をしていかなければならないと思います。
記者:
注意喚起の内容については今後検討していきますか。
知事:
一般的に注意すべきことを、改めて要請していくことになります。それほど特異なことはないので、既に対応してきていることを、さらにしっかりしてほしいとお願いすることになります。
記者:
病院内部から、マスクや防護服の供給不足、また、専門家に伺うと、医療従事者への負担が増しているという指摘がありました。それについてはどのようにお考えでしょうか。
知事:
医療資機材の確保については様々な努力を行い、政府も重点的に配布するとしています。本当に足りていなく困っている状態だと、本部の方に連絡があるはずです。医療資機材の確保については、在庫から見ると、5月上旬まであると言われていますが、それ以上まだ続くと本当に枯渇します。今の段階から少しでも長持ちするように、尽力しています。出来るだけ早く目途を立てることが重要になりますので、その努力をしているところです。明日から直ちに医療資機材が不足するという事態ではありません。
記者:
人員体制については、他の医療機関から医療従事者を回すことはありますか。
知事:
課題としては挙げられますし、考えなければいけないですが、言うべくしてなかなか実行しにくい課題です。ですから、今は、軽症者や無症状者に、病院から宿泊施設など移って療養していただくことによって、病院の負担を軽減できるよう、その環境整備を急いでいます。
記者:
コロナ専用の病院を作ってはどうかという意見を、専門家から伺ったのですがいかがでしょうか。
知事:
作れるのであれば作っていただきたいですが、心臓病や高血圧などの重篤な患者の対応を誰がどうするのかという医療全体の供給体制については、バランスを考えていかなければなりません。一般の病気と新型コロナウイルスとの両立を図りながら対応していくというのが、基本原則にならざるを得ないのではないでしょうか。我々としては、加古川医療センターを拠点として、神戸中央市民病院、尼崎医療センターを特定病院として、3拠点を中心にしたネットワークで対応しようとしているというのが基本姿勢です。
記者:
休業要請について、期間については緊急事態宣言と同じ5月6日までと言及されましたが、範囲についても、緊急事態宣言が出された県内全域でしょうか。
知事:
そうです。範囲を変えると、そこの地域に一つの流れができるかもしれませんので、逆に心配になるということになろうかと思います。
記者:
従前から、大阪府との歩調を合わせていくということでお話をされていましたが、大阪の吉村知事も、そういう認識を井戸知事と共有しながらやっていると理解すればいいでしょうか。
知事:
広い範囲で対応することが望ましいというのは基本ですから、当然共有しています。
記者:
先ほど1日のずれについての質問も出ていたと思いますが、東京都が対応を打ち出した時に、神奈川県知事や埼玉県知事は、東京と同じようにやると言っていて、ある程度そういう発言があったので事業者の方も心構えができたと思います。兵庫県は、判断を明言されるまでに、いろんな検討があって長くなったと思いますが、何かネックになることはあったのでしょうか。
知事:
事業者に、営業活動の休業を要請するという大変重い要請ですので、慎重を期したということです。
記者:
知事の思いとしても、経済活動とコロナ対策の天秤を慎重に図らないといけないと考えたのでしょうか。
知事:
ただ、ここに至って考えてみると、命の大切さが重要で、県民の命の危険をどう回避するかが優先すべき課題だと思っています。
記者:
無症状者・軽症者の方について、まだその段階ではないという話でしたが、一旦自宅待機等での入院調整という話がありました。考え方としては、例えば数日間の自宅待機後に入院措置を取られるのか、それとも、入院も必要なければ自宅で対応されるのでしょうか。
知事:
入院の調整です。
記者:
その場合、どういうことを守ってもらうのかを考えていくのでしょうか。
知事:
例えば、ご家族と部屋を別にするとか、食事を別にするとか、注意事項がもうすでに8項目ありますので、それは遵守していただくことになります。それが遵守できそうな方は、入院調整までの自宅待機があり得ます。それが遵守できそうにない方の場合は、家族にうつってはいけませんので、異なる対応をせざるを得ないかもしれません。
記者:
そのような対応とらなければいけない時期について、感染者の増加が今のペースぐらいであれば、まだそこまでの対応を取る状況ではないでしょうか。
知事:
それがいつかという予想はできませんが、ボリューム的に、病院がもう対応できなくなる状況が考えられる時期です。つまり、500床を確保しようとしていますが、それを上回って、入院を引き受けざるを得なくなってきたときです。ただ、退院者と宿泊施設等への移行者の分については負担が減りますので、新規の受け入れと差し引きして上回ってきた時期だと思います。今はまだその時期ではないと思います。
記者:
資料の表の中の「特措法による休業要請を行う施設」のところで、遊興施設等のところで、大阪府案と兵庫県案で、「個室付浴場業に係る公衆浴場」に違いがあるかと思いますが、これはどういうことでしょうか。
知事:
個室付浴場業に係る公衆浴場が、大阪府は存在していないのではないかという前提のようです。兵庫県は、実態調査はしていないので分かりませんが、今から除外できる施設ではないのではないかということで、このような整理をしました。
記者:
次のページの協力依頼を行う施設との違いを教えてください。
知事:
「2その他の休業要請を行う施設」とは、新型インフルエンザ特別措置法の第45条2項から4項の施設には挙げられていないものの、協力要請を行う施設です。
特措法第24条9項による施設ですが、その条文は根拠になるようなものではありませんので、自主的に判断してお願いをする施設という意味で書かせていただきました。東京都や大阪府も同じように整理されているので、それに倣ったものです。
記者:
今回の要請に関して、補償金などによる補償は行わないということですが、5月6日までの中で、例えば、事業者等から要請があった場合や、休業しているとテナント料などが苦しいというような声があった場合、どこかのタイミングで補償金を支給するということはあるでしょうか。
知事:
補償金という考え方は採れないというのが、政府の統一的な見解です。我々も補償金や損害賠償という対策は取り得ないです。だからこそ、県民の命に関わるような新型コロナウイルスへの感染症対策ですので、休業についても、ご協力をぜひお願いします、という要請をさせていただこうとしているのです。
記者:
とはいうものの、事業を行わないと、生計を立てられないという方達に関しては、どのようにお考えでしょうか。
知事:
色々な対応をしてきています。すでに2月末から、事業継続のための融資制度を設けました。それから、国もそのような融資制度をしっかり作っています。また、雇用持続のための雇用継続交付金制度も、非正規労働者の方達への対策も含めて対応できるようになりました。国としては、あと補償ではありませんが、対策への協力として、一定の要件がありますが、100万円や200万円の支給を検討されているという状況です。そのような国の制度をにらみながら、我々自身もどんなことができるのか検討していきたいと考えています。
記者:
今回のこの要請に関しては、これまでの制度や、国が今回、一定の要件を満たせば支給しようとしている協力金などによる対応ということで、県として新たにということは今のところはありませんか。
知事:
兵庫県はもともと財政力がありません。大阪府の吉村知事でさえだめだと言っておられますが、もっと我々は窮屈な状況です。やはり、国の対策をベースにして、もし欠けているような点があるなら、上乗せや横出しを検討していくということになるのではないかと思っています。
記者:
上乗せや横出しも考えられるということでしょうか。
知事:
考えられるということです。検討しないということはありません。できれば何とかしてと思いますが、結果として無理な場合もあります。
記者:
補償に関係する話の中で、昨日、西村大臣と会談を行われた後に、西村大臣は、自治体に設ける臨時交付金を使って、協力金のような扱いができないかという検討をするという話をされたのですか。
知事:
それは、受け止めが逆ではないでしょうか。私の受け止めは、国が交付する1兆円の交付金については、国が損害補償や損失補償はしないと言っているにも関わらず、それを財源にして、自治体がそのような施策を展開されるのは望ましくないと発言されたと理解しています。きっとその線は崩されていないと思います。
ただ、損失補償や休業補償はしませんが、協力に対する支援というようなことは考えられるかもしれませんというスタンスでした。
記者:
休業要請の検討については、県としてはこれまで検討しているとは言いながら、慎重な姿勢を示されたと思うのですが、今回、踏み込んだ形で方針を示されました。このタイミングで、そのような方向に向かわれた根拠としては、県内での感染者数の増加が一番大きな要因と考えてよろしいでしょうか。
知事:
県内の感染者数の増加ももちろんですが、大阪府との整合性です。こういう施策を展開する時には、エリア全体として同じような対策をとっていかざるを得ません。そうしないと、期待した効果が出ないということになりかねませんので、大阪府との整合性を非常に重視しています。
記者:
大阪府が、確実に明日にでもその要請を決めると、知事の耳に入ってきたことで、このような方向性を示されたということでしょうか。
知事:
兵庫県としても、大阪府との整合性を持った対応を、しっかりしていく必要があると考えています。
記者:
無症状者、軽症者への対応ですが、先ほど入院はさせるとおっしゃっていたので、仮の話ですが、病院がパンクに近い状態になったとすると、いきなり中間施設のような所に収容することは考えていますか。
知事:
それは可能性としてあるかもしれません。自宅で待機することになるので、中間施設で一応待機していただき、病院に入院してもらうこともあるかもしれません。上手く区別できるかどうかが重要です。
記者:
あり得るということですか。
知事:
ないということはありません。
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