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更新日:2025年3月6日

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令和7年3月阪神南県民センター長メッセージ

昨年、春闘での大企業の賃上げ率が1991年以来33年ぶりに5%を超えたことが新聞紙面をにぎわせました。1991年は私が兵庫県庁に入庁した年なので、個人的にも強い印象が残りました。

 

この年は年表上バブル崩壊期になりますが、当時は、社会全体にまだまだ好景気の余韻が残り、浮き立った気分に満ちていたように記憶しています。

 

有効求人倍率も高く、内定者が他社の入社試験を受けられないように海外旅行に連れ出すといった囲い込みもありました。実際に体験した友人も少なくありません。今の若者にはおとぎ話のように響くでしょう。

 

シュプール号の時代からデフレ・スパイラルへ

 

当時(実は今も)お気に入りの映画の一つが「私をスキーに連れてって」です。40歳代から50歳代にかけて共感していただける方もいらっしゃると思います。

劇中で志賀高原から万座温泉への雪道を颯爽と走破するセリカGT-FOURには憧れました。残念ながら、購入するお金は全くありませんでしたが、JRシュプール号が全国を走り回り、新宿駅や大阪駅の大駐車場には壮観なまでに多数のスキーバスが並びました。

 

まさに猫も杓子も雪山へ向かった第3次スキーブームの中、ご多分に漏れず、私も、学生から社会人生活の初期にかけてせっせとスキー場へ通ったものです。

 

1991年はそういうギラギラとした時代の中にありました。その数年後から、日本経済は就職氷河期、そして30年以上続くことになるデフレ・スパイラルへと入っていくことになります。

 

今の30歳台以下の世代は、明日は必ず良くなると皆が信じられた時代を経験していません。

 

物価は上がらないもの。賃金は上がらないどころか実質で下がりかねないもの。世界経済が上昇しても日本はゼロ成長が当然であること。この30有余年で、そういった考えが広く深く日本全体に広がってしまいました。

 

若年層に限ったことではありません。高度成長期やバブル期を経験した世代ですら、デフレを所与の条件のように受け入れるにいたったように思います。

 

33年ぶりの好機
物価上昇を上回る賃上げの定着へ

 

少子高齢化で人口減少しているからデフレもゼロ成長も当たり前・・。

果たしてそうなのか。それで、日本社会は、日本人は、幸福と言えるのか。こうした疑問が、徐々に多くの人々に広がっているのではないでしょうか。

 

近年のコスト・プッシュ型のインフレは、日々の生活や小規模事業者の経営を圧迫し深刻な課題です。一方で、少なくとも短期的にはデフレ状態とは言えないため、停滞から成長への期待も抱かせます。33年ぶりの高水準の賃上げは33年ぶりの好機にほかなりません。

 

昨年を一過性の出来事に終わらせることなく、賃上げを起点に「成長と分配の好循環」を定着させることが重要です。

 

そうした考えのもと、今年2月5日、令和6年度兵庫県政労使会議(県内の政労使7団体で構成)が開かれ以下の共同メッセージを発出しました。

 

私たちは、成長型経済の実現に向けて兵庫経済の好循環を加速させ、物価上昇を上回る賃上げ、労務費等の適切な価格転嫁、生産性の向上、投資の拡大に「オール兵庫」で取り組みます。

 

(令和6年度兵庫県政労使会議の概要)

 

 

賃上げの原資は企業収益
阪神南の地域特性を踏まえた産業振興を推進

 

高水準の賃上げの定着には、原資となる企業収益の増大・確保が欠かせません。個々の企業努力は当然のことながら、政労使がそれぞれの立場で可能なことに取り組むことが重要です。

 

阪神南県民センターでは、地域の総合出先機関として、地域産業の特性を踏まえたきめ細かな産業振興施策の推進に努めています。

 

特に管内に多数立地するものづくり企業の持続的な成長支援が重要です。従来、各社が有する優れた技術の更なる高度化の支援に注力してきましたが、来年度は、成長分野への参入促進、コア技術の異分野・異業種での活用促進などにも取り組んでいきます。

 

現在開会中の兵庫県議会において、こうした阪神南県民センターの産業振興施策も含めた令和7年度当初予算案が審議されています。

 

産業振興のほか、観光振興や地域活性化支援、安全・安心の確保、インフラ整備、万博関連事業など総合的に阪神南地域の活力を増加するための施策を提案しています。下記URLからご覧いただければ幸いです。

 

(阪神南県民センターR7年度主要施策)

 

 

お問い合わせ

部署名:阪神南県民センター 県民躍動室

電話:06-6481-7641

FAX:06-6481-8148

Eメール:hanshinm_kem@pref.hyogo.lg.jp