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更新日:2005年9月22日

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第284回兵庫県議会 知事提案説明(平成17年9月22日)

元気な兵庫づくり

本日、第284回兵庫県議会の開会に当たり、議員の皆様のご健勝を心からお喜びしますとともに、日頃のご精励に感謝します。
さて、私は、去る7月の知事選挙におきまして、県民の皆様から温かいご信任をいただき、引き続き県政を担当することになりました。560万県民の負託に応え、その重責を果たすべく、懸命の努力を重ねていく決意です。どうぞよろしくお願いします。
このたびの選挙期間中、短い時間でしたが県内各地を回ることができました。兵庫の県土がいかに広いかを実感するとともに、それぞれの地域の風土や文化、生活の多様性を確認することができました。そして、これこそが、兵庫の特色であると改めて感じました。
これまでも地域ビジョンへの取り組み、県民行動プログラムの展開など、県民一人ひとりの主体的で実践的な活動が、身近な地域を舞台に展開され、県民主役、地域主導のふるさとづくりが広がりつつあります。
また、阪神・淡路大震災から10年が経過し、人口や産業活動が震災前の水準に回復するとともに、高齢者の自立支援やまちのにぎわい創出などへの取り組みも進んでいます。
このような、県民あげての積み重ねの結果、ようやく、兵庫が新しい明日に挑んでいくことができる場面を迎えたと言えるのではないでしょうか。今後は、少子化に伴う人口減少社会の到来も展望しつつ、多彩で多様な県下各地域の魅力や個性を最大限に生かしながら、560万県民とともに、成熟社会にふさわしい兵庫の地域づくりを進めていかなければなりません。
私は、県民本位、生活者の視点、地域重視のもと、参画と協働を基本姿勢に、今こそ、「元気な兵庫づくり」に全力で取り組みます。

元気な兵庫づくりのための第1は、ひょうごの安全と安心の確保です

県民生活の安全安心は元気兵庫の基盤です。
大震災の教訓と経験を生かして、総合的な防災や減災対策に万全を期すとともに、地域防犯や食の安全安心、予防重視の健康づくり、医療や福祉対策などに積極的に取り組みます。

2は、ひょうごの元気の創出です

兵庫の元気は、明日を担う青少年やふるさとに生きる人々の元気、そして、様々な産業活動や地域社会の元気がなければ生まれません。
夢と志を持ち、次世代を託せる子どもたちを育む体験教育や地域教育、少子、子育て対策などを進めます。
兵庫の強みを生かしながら、ものづくり産業や地域の中小企業、自然の恵みを生かす農林水産業を振興します。
また、「つくる」から「つかう」プログラムの推進など、くらしを支える社会資本の再構築を図り、県内外の多彩な交流を促進します。
地球温暖化対策など、環境調和型の地域づくりを進めます。

第3は、ひょうごの自治の確立です

分権時代にふさわしい地域づくりを進めるためには、新しい自治のしくみを構築していかなければなりません。
次期県民行動プログラムづくりを通じて、県政と県民のパートナーシップのもと、地域における参画と協働の具体的な取り組みを進めます。
また、行政のあり方、事務事業のゼロベースからの点検を行い、行財政構造改革を徹底するほか、新たな県と市町との関係の構築、国から地方への分権の推進を図ります。
元気な兵庫づくりをめざすこれら3つの目標を実現していくため、毎年の目標や工程を明らかにした「県政推進重点プログラム50」を近く策定します。このプログラムに基づき、毎年度、その進捗状況を評価し、必要な見直しを行いながら、元気な兵庫づくりを積極的に推進していきます。
あわせて、今後の県政運営にあたって、私自身の心構えとして、次の3点に留意したいと考えています。
その1は、県民対話の推進です。
すべての県民の参画と協働をめざし、一人でも多くの県民の皆様の声に耳を傾けるため、なお一層のさわやか対話の充実に努めます。
その2は、公民協働施策の展開です。
成熟の時代にあっては、NPOや地域団体をはじめ、民間と行政が、役割や責任を分担しながら、互いの力を生かすことが不可欠です。相互協力を進めながら、参画と協働のもと、21世紀の日本のモデルとなる地域づくりを、兵庫の地から進めていきます。
その3は、庁内自治の確立です。
職員一人ひとりが、現場主義を徹底し、県民のために、今私たちは何をなすべきかということを主体的に考え、自らの責務を積極的に果たす職場風土を確立して、常に課題に挑む新鮮で活力に満ちた県庁をめざします。
今後とも、誠心誠意、初心を忘れることなく、21世紀の成熟社会にふさわしい新しい兵庫、美しい兵庫づくりを進めます。議員の皆様には、従前にも増してご指導とご鞭撻をいただきますようお願いします。

アスベスト対策

次に、若干のご報告をします。

まず、アスベスト対策です

アスベスト関連製品を製造していた事業所の周辺住民の健康不安はもとより、県民の不安感を早期に解消しなければなりません。
このため、直ちに相談体制を整備するとともに、市町等が行う健康診査の実施を支援する一方、アスベスト関連事業所の監視や建築物解体時の飛散防止及び廃棄物の適正処理について立入検査を強化するなど、緊急的な対策を講じました。
また、国に対しては、住民検診の実施、医療費への助成制度の創設や健康被害者への救済措置などの要望を行うとともに、全ての県有施設を対象に使用実態を調査し、アスベストが飛散するおそれがある警察庁舎など22施設について、除去などの緊急処理を行います。
今後とも、県民の安全安心の確保に向け、機動的に取り組みます。

第2は、少子対策です

合計特殊出生率の低下が依然として続き、高齢化と合わせた少子化の進行など、その対策が喫緊の課題となっています。このため、全庁を挙げた推進体制として少子対策本部と少子局を設置し、幅広く取り組んでいきます。
まず、すこやかひょうご子ども未来プランの改定に、幅広く県民の意見を反映させるため、ワークショップを開催するほか、地域ぐるみの子育てを応援するため、動くこどもの館号を拡充します。
保育所整備を促進するため、国庫助成の対象とされなかった民間保育所に対する県単独の助成制度を創設するとともに、保育所の分園設置の促進や事業所内の保育施設の整備に対して、新たに支援を行います。
また、ファミリーサポートセンターの拡充を支援するとともに、保育士、幼稚園双方の資格取得を促進するための講習会や内科医等を対象に小児救急についての研修会を開催します。
今後とも、誰もが安心して子どもを生み育てられる社会の実現に向け、各般の施策を展開していきます。

第3は、くらしの安全安心対策です

住宅リフォームなどくらしをめぐるトラブル等に対応するため、相談体制を整備するとともに、アライグマやブラックバスなどの特定外来生物による生態系や農林水産業への被害を防止するため、防除に向けた計画の策定や有害捕獲への支援を拡充します。また、災害復旧のため、農業経営基盤強化資金の融資枠を拡充します。
大型店舗の閉鎖による地域経済への影響を小さなものにするため、小規模な食品スーパーへ転換する動きなどを踏まえ、大型空き店舗活用事業や融資の要件を緩和し、空き店舗への出店を促します。近隣の商店街等のにぎわいづくりを支援するため、集客イベント支援事業の適用を拡げるとともに、新たに商店街等の魅力アップを図るための共同施設のリニューアルを支援します。
民間社会福祉施設のうち、老人福祉施設については、国庫補助金が交付金化され、県の助成が義務でなくなりましたが、介護保険支援事業計画の達成を図るため、新たに県単独の助成制度を創設します。
また、障害者福祉施設等において、国庫補助事業として採択されなかったものの、自主的に整備を行う施設について、新たな支援措置を講じます。

第4は、安全安心な基盤づくりです

JR福知山線列車事故を教訓にさらなる鉄道の安全安心の確保が求められています。このため、北近畿タンゴ鉄道と北条鉄道が実施するATSの設置や落石防止工事などの安全対策に対して助成を行います。
また、事故で犠牲となられた方々の慰霊と安全で安心して暮らせる社会づくりを誓う「慰霊と安全のつどい」を、大阪府、関係市町やJR西日本と共同で開催するとともに、事故で負傷された方々やご遺族などに、こころのケアを実施します。
身近な地域の生活道路の整備を促進するため、モデル事業を実施し、早期整備に向けた検討を行うとともに、18年度からの本格実施に向け、地域生活道路緊急整備事業計画を策定するなど、安全で快適な生活環境の構築を図ります。

第5は、減災対策です

9月から、兵庫県住宅再建共済制度がスタートしました。既に約3万件にのぼる申し込みを受けていますが、引き続き、県民の皆様に、制度的備えとしての共済制度の周知を図り、その理解を得て、多くの県民の加入を呼びかけていきます。
過日、スマトラ島沖大地震とその津波により大きな被害を受けたタイ王国とインドネシア共和国の要請を受け、プーケットなど被災地を訪れるとともに、阪神・淡路大震災の復旧復興の経験を生かすワークショップを開催するなど、1日も早い復旧復興に向け、意見交換を行いました。
今後とも、国際防災復興協力機構など関係機関と連携し、両国をはじめ被災国の復興を支援していきます。
また、アメリカ南東部を襲ったハリケーン・カトリーナの被害については、早速にお見舞い申しあげました。そして、一日も早い復旧復興を願うとともに、同じ被災地としての気持ちを示すため、一人でも多くの県民の志を呼びかけています。

国際交流の推進

第6は、国際交流の推進です

姉妹提携35周年を記念し、訪問したブラジル・パラナ州では、友好提携35周年共同声明に調印し、多文化共生の地域づくりや技術交流の推進、ブラジル移住100周年記念事業の支援など、交流の基本方針について合意しました。
また、ブラジル県人会とアルゼンチン県人会の45周年記念事業を行うとともに、パラグアイにおいて、現地の兵庫県人会との交流を深めました。
さらに、県内市町と姉妹提携を結んでいるクリチーバ市などの4市長と会談するとともに、地元の文化団体との交流を進めました。コスタリカでは、阪神・淡路大震災の経験と教訓を踏まえ、震災対策についての講演を行う一方、ブラジル・サンパウロ市とクリチーバ市において、経済セミナーを開催するなど経済交流にも取り組みました。

中国との交流をさらに促進するため、ひょうご県民交流の船にあわせ、先日、南京市及び上海市を訪問しました。江蘇省長や上海兵庫県人会と会談し、日中双方向の投資交易や技術交流の促進など上海・長江プロジェクトの推進について意見交換を行いました。また、この11月には、大阪、京都の両知事とともに、中国政府や北京市を訪問し、観光プロモーションを行い、誘客活動に取り組みます。
一方、ロシア連邦ハバロフスク地方政府を県民代表団が訪問し、関西国際空港との定期便の早期開設を要請しました。
今後とも、文化交流、経済交流など幅広い分野での交流を進めます。

第7は、芸術文化・スポーツの振興です

芸術の秋の到来とともに、県民の注目も高まるなか、来月いよいよ、兵庫県立芸術文化センターと兵庫陶芸美術館が開館します。
兵庫芸術文化センター管弦楽団のデビューとなる第9交響曲演奏会や丹波焼の特別展など、記念事業を開催します。そして、芸術文化の拠点として多彩な活動を展開し、ひょうごから優れた芸術文化を発信していきます。
1年後に迫ったのじぎく兵庫国体、のじぎく兵庫大会については、県下各地でリハーサル大会が展開され、開催気運が高まっています。復興した兵庫の姿を発信し、震災時に全国から寄せられた支援に感謝を表す国体、県民総参加の国体、そして新しい国体をめざして、全力で取り組みます。

第8は、自然との共生の推進です

コウノトリの保護活動に取り組んで半世紀を迎えます。野生復帰の本格的な取り組みに向け、2日後の24日には、5羽のコウノトリを自然放鳥します。一度は、姿を消したコウノトリを人里に戻すという世界にも例を見ない壮大な挑戦に、地元と連携、協力しながら、取り組んでいきます。
県民の参画と協働のもと、森の回復と再生を目指す新ひょうごの森づくりをさらに展開していくため、第29回全国育樹祭を、来月、神戸市及び三田市で開催します。
昨年の風水害による山崩れや風倒木被害を目の当たりにし、森林の重要性を改めて認識しました。この育樹祭を契機に、森や緑を守り育てる活動の輪を一層拡げていきます。

第9は、地方分権の推進です

この10月には、西脇市、たつの市、佐用町、新温泉町及び三木市が、11月には、多可町と神河町が発足するなど、新市町が相次いで誕生します。
県としては、合併後の市町運営が円滑に進むよう支援するとともに、新たな県と市町との関係の構築をめざします。
衆議院総選挙を経て、国の新しい体制のもと、三位一体改革の総仕上げをしなければなりません。
このため、地方六団体が7月に取りまとめた改革案に沿って、国と地方の協議の場において、十分な検討を行い、3兆円の税源移譲を確実なものとするとともに、平成19年度以降の第二期改革に向けた道筋を明らかにする必要があります。
今後とも、全国知事会や地方分権推進自治体代表者会議などとともに一致結束して、三位一体改革の実現を図っていきます。
 

最後に、今後の県政運営です

平成16年度は、県税収入は4年ぶりに増加に転じたものの、地方交付税が大幅に削減され、厳しい財政運営を余儀なくされるとともに、台風23号等一連の風水害被害からの復旧復興対策などに直面しました。
この結果、一般会計決算は、実質収支は黒字を確保しましたが、実質単年度収支の赤字幅は縮小するものの4年連続して赤字となるなど、厳しい財政状況となりました。
今年度に入って、県税収入は、好調な企業業績を反映して法人関係税で増収が期待できるものの、地方交付税は当初予算額を下回る見込みであり、介護給付費県費負担金など義務的経費の増加も見込まれるなど、引き続き厳しい状況にあります。
今後とも、三位一体改革の動向に留意しながら、健全財政の確保を基本に、歳入の確保や効率的な事業執行を図るなど、適切かつ弾力的な財政運営に努めます。
なお、職員の給与改定についてですが、国においては、先月、民間給与をより反映するなど給与構造の抜本的な改革を内容とする人事院勧告がありました。
本県においても、今後、人事委員会からの報告及び勧告を受け、その趣旨を尊重することを基本として、厳しい社会情勢と財政状況等を勘案しつつ、十分に検討し、適切に対処していきます。

提出議案の概要

これより提出議案の説明を行います

まず、決算案件ですが、平成16年度の公営企業会計決算について、地方公営企業法の定めるところにより認定を求めるものです。
次に、条例案件は、市町合併に伴い、関係条例の整備を行う条例制定の件等11件です。
事件決議案件では、消防防災ヘリコプターの取得契約締結の件等19件です。
最後に、専決処分承認案件は、過日執行された衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査に要する経費に係る一般会計補正予算について承認を求めるものです。
以上で提出議案の説明を終わります。
議員の皆様におかれましては、よろしくご審議のうえ、適切なご議決をいただきますようお願いします。

お問い合わせ

部署名:総務部秘書広報室広報広聴課

電話:078-362-3016

FAX:078-362-3903

Eメール:kouhouka1@pref.hyogo.lg.jp