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更新日:2006年9月13日

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第288回兵庫県議会 知事提案説明 (平成18年9月13日)

本日、第288回兵庫県議会の開会にあたり、議員の皆様のご健勝を心からお喜びしますとともに、日頃のご精励に感謝します。
去る9月6日、悠仁親王殿下がお生まれになりました。昨年9月、秋篠宮同妃両殿下のお手で最初のコウノトリが空に舞ってから一年。幸せを運ぶ鳥が、すばらしい便りを届けてくれました。悠仁親王殿下のご誕生を560万県民こぞって心からお祝い申しあげます。
提出議案の説明に先立ち、若干のご報告をします。

のじぎく兵庫国体、のじぎく兵庫大会

第1は、のじぎく兵庫国体、のじぎく兵庫大会の開催

のじぎく兵庫国体の開幕まで、残すところ17日となりました。
「ありがとう心から・ひょうごから」をスローガンに、震災から新しく生まれかわった兵庫の姿を全国に披露するとともに、震災時に全国から寄せられた温かい支援に感謝を表す国体、国体を県民一人ひとりが担う県民総参加の国体、そして夏秋一体の新しいスタイルの国体を目指し、9月30日の開幕に向け、総合練習会を行うなど最終の準備を進めています。
先ほどは、本会議の開会に先立ち、のじぎく国体開幕までの足跡を映像で振り返るとともに、納富俊行選手と齋藤晃司選手による力強い決意表明をいただきました。また、議長からは、選手団に対する温かい激励の言葉をいただきました。県民の応援のもと、悲願の「天皇杯」「皇后杯」の獲得を目指し、本県選手団が全力を尽くしてくれるものと確信しています。
兵庫県での国体は、昭和31年の第11回大会以来、50年ぶりの開催です。前回は、戦後11年が経過し、戦後の復旧・復興が一段落し、日本が新たなスタートを切ろうとした年の開催でしたが、今回は阪神・淡路大震災から11年を経過した年の開催となります。そうした意味で、この国体が新しい兵庫のスタートを象徴するシンボルとなるものと考えます。
大会の象徴である炬火の採火と大会旗・炬火リレーがスタートしました。県民の心をひとつにつなぎ、県・市町・関係団体等が一体となって県下全市町を巡るリレーを行うことで、開催・歓迎ムードを一層盛り上げていきたいと考えています。そして、のじぎく兵庫国体を新しい国体の幕開けにふさわしい、簡素な中に大きな魅力と深い感動にあふれた大会とするために全力で取り組んでいきます。
続いて開催される全国障害者スポーツ大会「のじぎく兵庫大会」は、「はばたこう、ともに今から、ひょうごから」をスローガンに、身体、知的、精神障害者による競技が展開され、開閉会式典のほか、ボランティアをはじめ各種団体による歓迎や応援活動など、県民総参加による心のこもった温かな大会を目指します。

地域医療の充実

第2は、地域医療の充実

地域医療を取り巻く状況は大きく変化しており、地域での医師の偏在による勤務医の不足に加え、小児科、産科をはじめとする特定の診療科における医師不足が深刻となり、地域における医療の確保は喫緊の課題です。
このため、全庁をあげた推進体制として、医療確保対策推進本部を設置するとともに、県下各圏域ごとにその特性に応じた医療提供体制のあり方を検討する地域医療確保対策圏域会議を設置し、短期的な対策から中長期の対策まで、総合的な施策の推進を図ります。
まず、緊急的な対策として、2年間の臨床研修終了後の医師を対象に、県職員としてへき地等の医療機関に派遣する医師を新たに募集するとともに、ドクターバンク事業等、県医師会が行う地域医療対策事業の支援や離・退職した女性医師の再就業を支援するため研修を講じます。また、県内医療機関での臨床研修を促進するため、臨床研修病院協議会を設置し臨床研修内容の高度化を図るとともに、自治医科大学や兵庫医科大学における地域勤務医師の養成を引き続き実施するなど、基礎的な対策にも努めます。

第3は、健康・福祉対策

本県の肝ガンによる死亡率は全国平均に比べ特に高い水準で推移しています。このため、肝炎ウィルス検診等より感染が明らかになった方の肝がんへの進行を抑制するため、健康手帳等の配布を行い、精密検査の受診と継続的な経過観察を図ります。
アスベスト対策では、検診により経過観察が必要とされた方について、初回の精密検査の自己負担相当額を新たに助成するとともに、県内居住歴のある県外居住者に対しても県内居住者と同様の助成を行うこととしました。
また、障害者自立支援法により、小規模作業所のうち法人格を有する一定規模以上のものが、障害者に生産活動の機会の提供等を行う地域活動支援センターとして、市町の事業に位置づけられたことを踏まえ、小規模作業所への基礎的な運営費助成を継続するとともに、これに対し利用人員に応じて補助金を加算する制度を創設し、小規模作業所の法人化と規模の拡大を支援します。

第4は、災害対策

一昨年の台風23号等一連の風水害からの復旧復興については、河川、道路、農地等の災害復旧は概ね完了し、改良復旧についても、5ヶ年事業である河川激甚災害対策特別緊急事業は継続するものの、今年度内にほぼ概成する見込みです。特に、加古川水系、洲本川水系の激甚災害対策事業については、工期を繰り上げて事業実施を行うとともに、風倒木についても、国庫補助金の活用等による復旧面積の拡大、跡地造林の工期の繰り上げを行います。
また、本年7月の梅雨前線に伴う豪雨では、公共土木施設、農林水産関係施設等に一部被害が発生しましたが、平成16年災害を踏まえた河川堆積土砂の除去や復旧復興事業の進捗により、被害の軽減が図られるとともに、時機を得た避難勧告や避難情報の伝達など、ハード、ソフト両面での対応に活かすことができました。引き続き経年的に堆積した河川土砂等の除去を計画的に進めるなど、今後の災害への備えに努めます。
兵庫県住宅再建共済制度については、昨年9月の制度発足以来、1年が経過し、この間、制度への理解を深め加入の促進を図ってきましたが、未だ加入は9万戸余りにとどまっています。このたび、クレジットカード番号による申し込みや複数年一括支払い割引を導入するなど、一層加入しやすい制度に改めました。今後とも、自然災害に対する自らの備えであるとともに、相互扶助として他者への備えであることも訴え、地域の特性に応じて、企業、団体や自治会等の協力も得ながら加入の促進を図ります。
武庫川の河川計画のあり方について、武庫川流域委員会から約2年半にわたる審議を経て、先日、学校や水田などを利用した流域対策や既存ダム活用など、総合治水対策として多角的な視点から提言をいただきました。
今後、提言内容について実現性や効果、環境への影響を検証するため、経済的な視点を含め、技術的、専門的な検討を進めます。このため、河川審議会の専門部会や県関係部局、流域関係市からなる「総合治水対策連絡協議会」「既存ダム活用協議会」を設置するとともに、今後2年有余にわたり、武庫川峡谷の環境調査等を実施します。
これらの検討を踏まえ、流域住民の生命と財産を守る河川管理者の立場から、総合的な治水対策を実施するための河川整備基本方針を平成19年度を目途に策定し、その後引き続き河川整備計画の策定を進めます。

第5は、くらしの安全・安心対策

特定外来生物による生態系や農林水産業への被害を防止するため、県内に約3千頭が生息すると推計されるアライグマについては、繁殖力が強く個体管理を強化する必要がありますので、緊急的に捕獲頭数を追加します。
また、本年1月と2月に発生した神戸電鉄有馬口駅脱線事故に伴う安全対策として、国庫補助制度を活用し三田線に係る対策工事への追加支援を行います。
耐震強度偽装問題に対応して、平成17年度に県が確認処分を行った建築物について、構造計算の再チェックを行い、偽装等の問題がないことを確認しました。本年度分についても、引き続き再チェックを実施しています。また、来年度施行の改正建築基準法に基づく、構造計算適合性判定のための体制の整備等について検討を進めています。
先日、福岡市内で飲酒運転の車が一家5人の乗った車に追突し、3人の幼い子供の命が失われるという悲惨な事故が発生するなど、飲酒運転をはじめとする交通事故は身近で大きな不安となっています。
このため、関係機関との連携や県民の参画と協働による「ストップ・ザ・交通事故」県民運動を着実に推進するとともに、秋の全国交通安全運動に先駆け、9月1日から飲酒運転による交通事故の緊急防止対策として、道路情報板やラジオのスポット放送等を活用した広報啓発、事業者の安全運転管理者に対する指導等に取り組んでいます。

第6は、産業振興対策

本県経済は、個人消費の増加や設備投資の拡大傾向が続くとともに、企業の景況感は改善しており、雇用面においても新規求人数が上昇傾向にあるなど、緩やかに拡大しています。
このような中、日銀のゼロ金利政策が解除され、市場金利が上昇していることから、中小企業融資制度の融資利率を10月から改定することとしました。利率改定にあたっては、短期資金以外の長期資金や政策資金については、政府系基準金利等との適正化を図りつつ、中小企業の設備投資動向や経営の安定に配慮し、長期プライムレートの上げ幅のほぼ1/2以下の改定幅とします。今後も県内の景気動向や資金需要を見据え、引き続き中小企業に対する円滑な資金供給に努めます。
技能検定特級などの極めてレベルの高い技能士が一堂に集い、技能日本一を競い合う「第25回技能グランプリ兵庫大会」を平成20年度に本県で開催することが決定しました。本県技能士の技能レベルの一層の向上を通じたものづくり人材の育成とともに、青少年のものづくりへの関心を大いに高めることが期待されます。本大会の開催に向け、本県の技能の優位性を全国にアピールできるよう、選手強化や広報等の準備を進めます。
播磨科学公園都市に建設を計画している放射光ナノテクセンターについて、大学や産業界からのニーズに対応した多様な共同研究を推進し、放射光を活用した研究開発の高度化及び産業利用に資するため、共同研究室、分析室等の規模を拡充します。
平成19年度からの農政改革では、認定農業者と集落営農組織に支援対象を絞って、米、麦、大豆作にかかる所得の安定を図る品目横断的経営安定対策や、地域ぐるみの営農活動を通じて農地や水路等を維持・保全する農地・水・環境保全向上対策が導入されます。
小規模農家が多数を占める本県では、この国の農政改革に適切に対応していくためには、地域農業の活性化と地域資源を守る活動母体となる集落営農組織を加速的に育成することが必要です。このため、集落や担い手からの相談窓口となり、集落に対する支援を専門的に行う「ひょうご集落営農推進員」を各県民局に設置します。

国際交流の推進

第7は、国際交流の推進

中国との交流の推進と誘客の促進を図るため、先日、中国を訪問しました。
上海長江プロジェクトの推進のため、上海市及び南京市を訪れ、江蘇省と双方向の投資、貿易、観光、技術交流等の促進に向けて、経済交流協定の締結を行いました。また、大阪、京都の両知事とともに、遼寧省大連市を訪問し、中国企業約300社を対象に3府県合同で経済プロモーションを行い、ひょうごの産業の強みや外国人にとっての暮らしやすさなどをPRしました。今後は、友好交流を積み重ねてきた広東省など華南地区に加え、上海・長江中下流域、大連や天津など黄海沿岸地域の3つの中国経済成長の核をにらみながら、中国との経済交流に取り組みます。
また、9月15日から9日間の予定で、「第14回ひょうご県民交流の船」が中華人民共和国、モンゴル国及びベトナム社会主義共和国を訪問します。県民が世代を越えて洋上に集い、世代間交流を進めるとともに、現地の方々との交流交換会を行い、さらに国際理解、国際交流が図られることを期待します。
西オーストラリア州との姉妹提携を締結して、今年で25周年を迎えます。6月にはアラン・カーペンター首相をお迎えし、交流のさらなる発展に向け意見交換を行いました。この秋には、ピッコロ劇団のパース公演のほか、県民各界各層の皆さんからなる友好訪問団とともに訪問して記念式典を行うとともに、シドニーとパースで経済セミナーを開催し、経済交流の促進を図ります。
また、2008年サミットについては、関西で開催されることを基本に、引き続き、京都、大阪、神戸の3都が一体となって、誘致活動を強化していきます。

第8は、地方分権の推進

地方六団体が内閣及び国会に提出した「地方分権の推進に関する意見書」に対する回答が7月末になされました。地方分権に向けた一括法の制定等により国と地方の役割分担の見直しを行うことが明確にされた点は評価できるものの、「国と地方の協議の場の法定化」や「地方共有税」についての言及がないなど、先に決定された「骨太の方針2006」に示された内容に止まったことは残念です。
地方六団体では、第2期の分権改革の歩みを力強く踏み出すため、地方分権改革の推進に関する施策及び基本方針、必要な体制の整備を規定した「地方分権改革推進法」骨子案を政府に提言するため、積極的な議論を進めています。
一方、「骨太の方針2006」の中で、今後5年間安定的な財政運営に必要な一般財源総額を確保する考え方が示されました。しかし、依然として交付税総額の削減を求める動きは強く、平成19年度の地方財政計画の策定に向けて、地方の安定的な財政運営に必要な一般財源総額が確保されるよう、国などへ働きかけていかなければなりません。加えて新型交付税については、人口と面積による配分が基本としても、地域の実情が十分に反映されたものにならなくてはなりません。積極的に提案していきます。さらに公営企業金融公庫の見直し、再建法制などへの課題にも取り組んで行く必要があります。
また、一般財源化が議論されている道路特定財源については、年内に具体案を取りまとめることが示されました。道路は、経済・社会活動を支える最も基礎的な社会資本であり、本県でも、地域の多様性を生かす交流と連携の基盤として大きな役割が期待されています。このため、住民の多様なニーズに対応した道路整備を促進するため、道路特定財源の確保と地方への配分強化について、引き続き主張していきます。
まさしく地方分権の進展にあたって極めて重要な時期であります。今まで以上に、本県の地方分権推進自治体代表者会議や全国知事会とともに一致結束して、国に働きかけていきます。
なお、三位一体改革により平成19年度に所得税から住民税への税源移譲がなされますが、税源移譲がなされても納税者の負担額は一定で変わらないことを十分理解してもらう必要があります。このため、市町と連携し広く県民に対し周知を行い、税源移譲の円滑な導入を図ります。

今後の県政運営

平成17年度は、県税収入は2年連続で増加したものの、地方交付税が大幅に減少し、少子高齢化に伴い福祉関係経費や団塊の世代の大量退職に伴う退職手当などの義務的経費が増加するなど、厳しい財政運営を余儀なくされました。
この結果、一般会計決算は、実質収支は黒字を確保しましたが、黒字幅は過去最小となり、実質単年度収支の赤字幅は縮小したものの5年連続して赤字となるなど、厳しい財政状況となっています。
また、地方債が許可制から協議制に移行する中で、これまでの起債制限比率の算定対象であった公債費に、減債基金残高等の要素を加味して算出する実質公債費比率が創設されました。本県は、行財政構造改革フレームに基づく財政運営として、県債管理基金を震災復興のために取り崩して活用してきましたので、実質公債費比率が地方債の許可団体基準である18%を上回ることとなりました。これまでの財政運営としては、震災復旧復興のための適切な対応だったと考えますが、今後は特定目的基金の活用等により、県債管理基金の残高の回復を進めるなど、実質公債費比率の縮減に努めるとともに、平成21年度からのポスト行財政構造改革プランの策定に向け積極的に検討していきます。
今年度は未だ年度半ばではありますが、県税収入は、好調な企業業績を反映して法人関係税で増収が期待できるものの、これに伴い地方交付税は当初予算額を下回る見込みであり、介護給付費県費負担金など義務的経費の増加も見込まれるなど、引き続き厳しい状況にあります。
今後とも、国における歳出・歳入一体改革の動向に留意しながら、健全財政の確保を基本に、歳入の確保や効率的な事業執行を図るなど、適切かつ弾力的な財政運営に努めます。
なお、職員の給与改定については、人事委員会からの報告及び勧告を受け、その趣旨を尊重することを基本として、厳しい社会情勢と財政状況等を勘案しつつ、十分に検討し、適切に対処していきます。

提出議案の概要

これより提出議案の説明を行います。
まず、決算案件ですが、平成17年度の公営企業会計決算について、地方公営企業法の定めるところにより認定を求めるものです。
次に、条例案件は、公の施設の管理運営を行う指定管理者等が、公の施設の開館時間の延長等、施設の利用時間の弾力的な運用を図ることができるよう所要の改正を行う、兵庫県立姫路労働会館の設置及び管理に関する条例等の一部を改正する条例制定の件等4件です。
事件決議案件は、加古川総合庁舎・東播磨生活創造センター建築工事請負契約締結の件等21件です。
最後に、専決処分承認案件は、県立塚口病院における医療事故に係る損害賠償額について承認を求めるものです。
以上で提出議案の説明を終わります。
議員の皆様におかれましては、よろしくご審議のうえ、適切なご議決をいただきますようお願いします。

お問い合わせ

部署名:総務部秘書広報室広報広聴課

電話:078-362-3016

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