更新日:2009年1月30日

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第298回兵庫県議会 知事提案説明(平成21年1月30日)

本日、平成20年度補正予算及び関連条例についてご審議いただくため、第298回兵庫県議会を開会いただきました。現下の厳しい経済雇用状況に兵庫県として、緊急に対応しようとするものです。臨時議会としてのご審議どうぞよろしくお願いします。

国際経済不安や原油・原材料高を背景として県内経済・雇用情勢が急激に悪化するなかで、県民生活の安定を図るため、昨年後半より3度にわたり、県として採りうる措置を積極的に展開してきました。経営円滑化貸付の融資目標額の増額をはじめとした中小企業向け制度融資の拡充による資金繰り対策、県立特別支援学校の耐震化工事の前倒しなど防災関連公共事業による実需対策、県職員臨時採用制度の導入による雇用対策などの緊急対策を行ってきました。

しかしながら、県内企業においては、個人消費の低迷などにより、自動車や家電関連産業など、受注が急減する企業があるなど、厳しい状況となっています。輸出は12月時点で対前年比マイナス22.0%と、欧米向けに加えアジア向けも減少するなど、大幅に減少しています。生産面においても、鉱工業生産指数が11月時点で対前年比マイナス12.9%と悪化し、鉄鋼、電気機械・電子部品等を中心に減産の動きが見られます。また、有効求人倍率が11月以降0.6倍台に低下するなど雇用情勢も下降局面にあり、本県の経済・雇用情勢は引き続き先行き不透明で、予断を許さない状況にあります。

こうしたなか、国において、この1月27日、生活対策、生活防衛のための緊急対策に基づく第2次補正予算が成立しました。本県としても、この国の対策に伴う必要な追加対策を、迅速かつ機動的に事業執行する必要があります。

また、近年にない中小企業の資金需要増加に対する資金繰り対策、急激な雇用情勢の悪化に対応した緊急的な雇用の確保、地域の活性化を促進するための実需要の創出・喚起など、県民生活の安心確保を推進する対策について、早急に具体的な取組みを進めなければなりません。

このため、平成20年度第3次の補正予算を編成することとしました。

補正予算の編成にあたっては、新たに制度化された地域活性化・生活対策臨時交付金等の国庫支出金や、後年度負担がほとんど生じない補正予算債などを活用して、経営円滑化貸付の融資目標額の拡充をはじめとした中小企業等の経営安定対策、緊急雇用就業機会創出事業の実施などの雇用安定対策、消費者行政活性化事業基金の設置など県民の安心確保対策、実需要を喚起するための公共事業の推進など地域の活性化対策を実施することとしました。

また、今回の補正予算に引き続き、平成21年度当初予算においても、経済雇用対策、実需要の創出など、切れ目のない対応を図り、一体的な効果をあげることができるよう、取り組みます。

その1は、中小企業等の経営安定対策です

中小企業等の資金需要の増加に迅速かつ的確に対応するため、経営円滑化貸付の融資目標額はすでに2,000億円としていますが、1月中に信用保証協会への申込みがほぼこれに達する見込みであり、年度末の資金需要も考慮して、3,000億円に増額することとしました。また、返済負担の軽減により経営改善が見込まれる企業を支援するため、借換貸付の融資限度額を5,000万円から1億円に拡充するとともに、この資金需要に対応するため、融資目標額についても200億円増加して400億円に拡充します。この結果、中小企業制度資金全体の目標額は、第2次補正後の3,300億円から5,000億円の規模となります。

あわせて、2月2日以降申込み分の経営円滑化貸付について、融資期間を7年以内から10年以内に延長するとともに、昨年10月31日以降の既往融資分についても、既契約の変更又は借換えにより延長できることとします。

その2は、雇用安定対策です

失業者のために、緊急に一時的な雇用・就業機会を創出するため、国の交付金を活用して、緊急雇用就業機会創出基金を設置し、この基金を財源として、県と市町とで雇用機会を創出します。県としては、就職支援事業、生活・環境向上事業、調査・検証事業など、緊急性・必要性が高い事業について、年度内に実施するとともに、市町の緊急的な事業実施枠を準備しました。

また、地域における継続的な雇用の機会を創出するため、国の交付金を活用して、ふるさと雇用再生基金を設置し、平成21年度から、県と市町とで事業を実施します。

離職者の就職までの生活安定を図るため、平成22年3月末までの緊急措置として、離職者生活安定資金に、50万円を限度とする緊急特別資金を創設します。また従来の一般生活資金の融資利率を1.6%から1.0%へ引き下げます。

福祉・介護サービス分野における人材不足の解消を図るため、国の交付金を活用し、既存の障害者自立支援特別対策事業基金に福祉・介護人材確保分として新たな事業枠を創設します。さらに、国の補助金を原資として、介護福祉士等修学資金貸付制度を県社会福祉協議会に創設し、若い人材の福祉・介護分野への参入を推進します。

その3は、県民の安心確保対策です

消費生活相談窓口の強化等を図るため、国の交付金を活用して、消費者行政活性化事業基金を設置します。

保育所等の整備や、認定こども園の推進など、子どもの環境整備の国庫補助金相当額として、国が措置した交付金を活用して、安心こども基金を設置します。

障害者自立支援法の施行に伴い、平成18年度から20年度までの臨時応急の措置として、事業者に対する激変緩和措置などの特別対策事業を実施していますが、平成23年度まで事業期間を延長するため、国の交付金を活用して、障害者自立支援特別対策事業基金を積み増します。

妊婦の健康管理の充実を図るため、国の交付金を活用して、妊婦健康診査支援基金を設置し、市町の妊婦健診に対する公費負担の拡充を図ります。

その4は、地域の活性化対策です

地域活性化等に資するきめ細かなインフラ整備などを推進するため、国において創設された地域活性化・生活対策臨時交付金を活用して、高等学校など公共施設の耐震化、福祉施設の環境改善、鉄道駅舎のバリアフリー化など、県民生活の安全・安心に資する事業を緊急的に実施します。

また、森林基幹作業道の整備、道路や河川、港湾の防災関連事業など、実需要を喚起するための生活密着型公共事業の促進を図ります。

あわせて、年度初めの工事発注の空白期間を解消し、公共工事の早期発注を確保するため、債務負担行為を設定します。そのうち、本年度内に事業着手が可能な事業については、本年度中に前払いが可能となるよう、前金付きの債務負担行為とします。

以上、歳出予算についてご説明しましたが、その予算規模は、

一般会計で592億27百万円余の増額

特別会計で600億円の増額です。

次に、条例案件は、国の交付金を活用して、雇用及び就業の機会の創出、くらしの安心の確保、子育て及び健康への支援等の事業に充てるため新たに5つの基金を設置する、緊急雇用就業機会創出基金等設置条例制定の件です。

以上で、提出議案の説明を終わります。

議員の皆様におかれましては、よろしくご審議のうえ、適切なご議決をいただきますようお願いします。

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