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ただいま上程になりました追加議案について、その概要を説明します。
本県経済は、海外経済の減速等を背景として厳しい状況が続いていますが、全体として緩やかに持ち直しています。地方法人特別譲与税を含む23年度の法人関係税は、当初予算額を若干下回るものの、22年度を上回っており、県税収入全体では、当初予算計上額に対し22億円の増収となる見込みです。
一方、普通交付税については、法人関係税等の基準財政収入額の算定の基礎となる22年度の税収が当初予算編成時の見込みから増加し、基準財政収入額がその分過大となり、決定額が当初予算額を60億円下回りました。基準財政収入額の過大算定額については、次年度以降の算定において、増額精算されます。
年間の財政収支見通しは、歳入一般財源総額が当初予算額を下回るものの、退職手当や公債費などの歳出が減額となるため、当初予算時に比べ83億円改善します。しかし、依然、772億円の収支不足が生じており、引き続き、第2次行革プラン財政フレームの枠内での財源対策を行います。
この度の補正予算は、東日本大震災や台風災害等を踏まえた緊急防災・減災事業を推進するとともに、農林漁業の再生、子育て等の基金の充実に取り組む国の第4次補正予算を踏まえた本県関係事業の予算化を行います。また、23年度における年間の実績見込み等を踏まえた精算的な補正を行います。
その補正事業の主なものを説明します。
まず、緊急防災・減災事業の推進です。
23年度2月補正予算において34億円を計上するとともに、23年度12月補正予算及び24年度当初予算とあわせて、総額185億円の事業費を確保しました。
緊急防災・減災事業は、緊急防災・減災事業債が措置され、地方税の臨時特例に関する法律に基づいた時限的な税収により、償還財源が確保されます。
2月補正予算においては、排水機場等の既存施設の修繕、防潮堤の補強などの津波対策、道路や橋梁等の補強などの地震対策、地域に密着した生活道路や河川の緊急改善、老朽ため池の緊急改修などの風水害対策に取り組みます。
次に、国の第4次補正予算に伴う対応です。
その1は、農林水産業の振興です。
老朽化した農業水利施設の更新等の農業基盤整備を進めます。
産地競争力の強化を図るため、農業協同組合が行う、野菜等の加工・出荷に係る共同利用施設の整備に対し支援します。
また、市町が行う木造公共建築物の整備に対し助成するとともに、漁業協同組合が行う漁具等保管施設の整備に対し助成します。
その2は、基金の積み増しです。
保育所整備の推進など子育て環境の充実、障害者の自立支援、森林林業の再生を推進するため、国経済対策関連等基金事業の実施期間が延長され、国の交付金が追加配分されました。
このため、安心こども基金やワクチン接種緊急事業基金、障害者自立支援特別対策事業基金、森林林業緊急整備基金など6つの基金の積み増しを行います。
24年度当初予算においては、投資的経費全体として、23年度当初予算を上回る事業費を確保しましたが、年度末及び年度当初の工事発注の空白期間を解消していく必要があります。
このため、債務負担行為を設定し、24年度工事の前倒し発注を行います。
今冬は、但馬地域を中心に大雪に見舞われています。除排雪や凍結防止を円滑に進めていく必要があります。このため、過去10カ年で最大の降雪量となった平成17年度並の事業費を確保し、県民生活の安全対策を推進します。
ひょうごボランタリープラザでは、雪かきボランティアを緊急派遣しました。
県営住宅の速やかな空家の解消が必要です。空家補修を追加的に実施し、入居を促進します。
県が土地開発公社に先行取得を依頼した但馬空港周辺用地について、交付税措置のある地域活性化事業債を活用して、県有環境林として取得します。
公債費特別会計では、今後、借換債の発行が大幅に増加していきます。特に、平成26年度には、5千億円を超す発行が見込まれます。
このため、借換債の円滑な発行に対応するため、23年度から25年度までの3年間、現行の借換率の範囲内で各年度の発行額を増加させ、26年度において1,600億円程度減少させることにより、平準化を図ります。
このほか、中小企業制度融資、災害復旧事業など、事業の確定等に伴う既定予算の精算的な補正を行います。
この結果、平成23年度補正予算の規模は、
一般会計で、 1,229億4,700万円余の減額
特別会計で、 69億5,700万円余の増額
企業会計で、 5億800万円余の増額となりました。
条例案件は、森林整備地域活動支援事業基金条例の一部を改正する条例 等3件です。
その他の案件は、関西広域連合規約の変更 等15件です。
関西広域連合規約の変更については、このたび、大阪市及び堺市から関西広域連合への加入の意向が示されました。一層の広域的な政策や事務の実施、国の出先機関の丸ごと移管を踏まえた適切な対応が期待できることなどから、加入を受け入れることとし、処理する事務、負担金の負担割合、議会の議員定数等所要の整備を行うものです。
青野運動公苑県有地信託事業に係る調停申立てについては、昨年11月の最高裁判決に基づき、土地信託事業に係る立替金等の請求に対する支払いを行う緊急対応を行いましたが、この土地信託契約の期間は、3年半あまり残っています。この土地信託をこのまま継続して今後も施設を運営していくのか、契約を終了する場合は債務の清算をどう取り扱うのかなど、土地信託事業の今後の処理の方向性について、信託銀行及び施設の運営会社と協議を進めていくことが必要です。
また、これまでの事業や訴訟の経緯を踏まえると、土地信託という財産管理制度において、財産を所有し、独立して運用を行う経営の専門家である信託銀行が、多額の借入金債務が残った結果に対して全く責任がなかったと言えるのか、疑問が残ります。特に、信託銀行が、信託契約で定められた外部資金調達を行わず、自らの資金で立て替えたことにより生じた商事法定利率6%と、通常の銀行の貸付年利との差額相当額は、信託銀行の得た超過利得というべきものと考えます。
このため、裁判所に民事調停を申し立て、調停の場において、民間から選任された調停委員の持つ市民感覚を生かしながら信託事業の課題を明らかにしつつ、信託事業の今後の処理と超過利得相当額の返還を求める請求を併せて協議していくこととしました。
この調停申立てに対して、信託銀行及び運営会社は、誠意ある対応をされるものと期待しています。
以上で、提出議案の説明を終わります。
議員の皆様におかれましては、よろしくご審議のうえ、適切なご議決をいただきますようお願いします。
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