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本日、第330回兵庫県議会が開会されました。
このたび、国が編成した補正予算を踏まえ、本県として、子育て・介護環境等の整備、地域創生の展開、TPP関連農林水産業対策、防災・減災対策等に緊急に対応するため、2月定例会に先立ち、平成27年度補正予算及び関連議案についてご審議いただくものです。
どうぞよろしくお願いします。
本県経済は、一部に弱い動きがみられるものの、設備投資や個人消費は緩やかに持ち直しており、景気の回復基調が続いています。しかし、中国をはじめとするアジア新興国の景気減速や欧米の金融政策等により、輸出・生産面等において景気の下振れリスクが懸念されています。
また、喫緊の課題である人口減少・少子高齢化への対応、本県の強みである多様なポテンシャルと地域特性を活かした「兵庫創生」への対応、ソフト・ハード両面にわたる県民の安全安心確保対策等に取り組まなければなりません。
このため、国の補正予算を活用して、子育て・介護環境等の整備、地域創生の展開、TPP関連農林水産業対策、社会基盤等の防災機能を強化する道路、河川等の公共事業等、さらに、人事委員会勧告に基づく給与改定へ対応することとし、総額435億円余の補正予算を編成しました。
あわせて、年間の工事発注時期の平準化を図るため、ゼロ国債やゼロ県債として72億9,700万円余の債務負担行為を設定します。
財源については、国庫補助金や地方創生加速化交付金に加え、後年度交付税措置される補正予算債や緊急防災・減災事業債など、有利な財源を最大限活用しました。
今回の補正予算計上の事業は、速やかに着手し、本県経済に対する経済対策効果の早期発現につなげていきます。
不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、医療保険が適用されない特定不妊治療について医療費を助成します。
離職した保育士や介護人材の再就職のための資金や、保育士免許や介護福祉士等の資格取得のための資金を対象に、返還免除要件のある貸付を実施します。
待機児童の解消、介護サービス施設の前倒し整備や介護人材を確保するため、安心こども基金と医療介護推進基金を積み増しします。積み増しした基金については、新年度予算に事業を計上します。
兵庫の強みである多様な地域特性を活かし、兵庫県地域創生戦略を実現するため、国の地方創生加速化交付金を活用して、施策を展開します。
全国有数のものづくり県である本県の特性を活かし、航空機、医療、エネルギー等の次世代産業分野の成長を支えるサプライチェーン(部品供給体制)を整備するため、事業化に向けて複数企業が連携する県内中小企業群を支援します。
優れた技術・ノウハウを有するオンリーワン企業をめざすネクスト・オンリーワン企業の販路開拓等を支援します。
県立大学が県内ものづくり企業と連携して熟練工の技をデジタル化し、技術の実用化を図ります。また、姫路駅前において、医療機関や県内ものづくり企業と連携して、先端医療機器の開発等に取り組みます。
神戸ビーフの増産対策が輸出振興に必要です。但馬牛繁殖雌牛の増頭対策や神戸ビーフの国内外プロモーションを実施します。神戸ビーフと他県産牛肉との差別化を客観的に示すため、枝肉画像撮影装置の整備を支援します。
日本酒の輸出対策を図るため、ひょうごの「酒」をPRする東南アジア等での総合見本市への出展やIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2016「SAKE」部門審査会の開催等を支援します。
安全・安心な兵庫の農産物の生産・流通拡大を図るため、加西市に整備された大規模施設園芸団地のノウハウを活かし、実証試験を通じて、兵庫型次世代施設園芸の普及を図ります。また、兵庫県認証食品制度を活用し、コウノトリ育む米に続く本県独自のブランド米づくりを推進します。さらに、ミラノ国際博覧会の成果を踏まえ、パリ、ドバイ等での食品展示商談会への出展を支援します。
各県民局・県民センターが各地域の特色ある資源を活かしたツーリズムを戦略的に展開します。また、国、他府県、市町と連携し、ターゲットとする外国人観光客ごとにテーマ設定して誘客促進を図ります。
外国人観光客の受入を促進するため、観光案内所やWi-Fi環境の整備を支援するとともに、外国人の方がアクセスしやすいように多言語での観光情報を発信します。
若者を中心に転出超過が拡大しているため、高校生や大学生に県内企業の魅力を掲載した企業ガイドブックを配付して県内企業への就職を促進します。大学コンソーシアムひょうご神戸のネットワークを活用して県内大学生へ地元情報等の発信を強化します。
UJIターン就職を促進するため、首都圏や大阪での合同企業説明会の開催や、兵庫で就職をめざす首都圏等の県外学生に兵庫の企業情報を提供します。
県外での職業経験やネットワークを活かして起業、第二創業する起業家に対して、事務所開設経費や移住経費を支援します。
全国に先駆けて取り組んでいる地域再生大作戦を展開します。
住民意識の醸成や地域活動を行うためのアドバイザー派遣、田舎暮らしの知識習得研修の実施や空き家情報の発信、地域おこし協力隊等と協力した集落サービス等の起業化支援、地元青年と地域外青年が連携して地域課題の解決に向けた取組等の支援を引き続き実施します。
また、新たに、旧小学校区単位で戦略的に東京圏からの若手移住者等を受入れる地域を支援します。
地域創生については、28年度当初予算にも各種事業を計上し、一体的に推進します。
大都市近郊という本県の強みを活かすとともに、関税撤廃により、大きく情勢が変化する今を好機と捉え、ブランド力の高い神戸ビーフや淡路島たまねぎ等の育成に取り組む必要があります。神戸ビーフの輸出拡大に向け、卸売市場と食肉センターの整備を支援します。また、意欲ある農業者等の設備整備や機械導入を支援します。
地域材の競争力強化に向け、原木供給するための間伐、林内路網整備、木材加工流通施設整備を進めます。
近年多発するゲリラ豪雨、台風等への備えなど、自然災害リスクを回避するため、落石防止等の道路の緊急整備、堤防強化等の河川の緊急整備、砂防えん堤や治山ダム整備、ため池整備、道路舗装緊急修繕、河川堆積土砂撤去等の防災・減災対策に取り組みます。また、災害に強い道路ネットワークを形成するため、地域高規格道路や緊急輸送道路等を整備します。
災害発生時に避難所や活動拠点となる園田競馬場の基本施設の耐震化、緊急時の防災体制を充実するため、県警のヘリテレシステムをデジタル化します。
職員の給与改定について、県人事委員会からの勧告に基づき、公民較差を解消するため、給料表の改定、地域手当や期末・勤勉手当等の引上げを行います。
以上、歳出予算についてご説明しましたが、その予算規模は、
一般会計で 428億7,600万円余の増額
公営企業会計で 6億2,800万円余の増額 です。
条例案件は、職員の給与等に関する条例等の一部を改正する条例です。
以上で、提出議案の説明を終わります。
議員の皆様におかれましては、よろしくご審議のうえ、適切なご議決をいただきますようお願いします。
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