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本日、第333回兵庫県議会の開会にあたり、県政推進に日頃からご指導いただいている議員の皆様に敬意と感謝を申します。提出議案の説明とあわせて、諸般の報告をします。
本県は、当初予算を年間予算として編成し、原則として補正予算を編成しないこととしていますが、このたび、国において、民需主導の持続的な経済成長と一億総活躍社会の着実な実現に対応するため、補正予算が編成されました。これを活用し、本県においても県内経済の活性化を図るとともに、兵庫らしい地域創生に向けた取組をさらに推進するため、その事業化を図り、その効果の早期発現を期す必要があります。このため、補正予算を提案しています。
本県経済は、企業の生産活動が底堅く推移し、設備投資計画も増加が見込まれています。また雇用についても、有効求人倍率がバブル経済期以降の最高値を更新するなど、基調としては緩やかに回復しています。しかし一方で、新興国経済の減速の影響や英国のEU離脱選択による世界経済の不安定化、為替の動向が懸念されます。
地域創生元年となる本年度は、5月に策定したアクション・プランに沿って、本格的な取組を展開しています。この戦略を着実に推進し実効性を確保しなければなりません。
また、今議会に平成27年度の実施状況を報告しています。
「人口の自然増対策」では、出生数が、合計特殊出生率の改善を背景に4万4千人台を維持し、「地域の元気づくり」では、県内総生産が、実質で対前年度1.5%増の22.2兆円、名目で対前年度2.9%増の20.5兆円と、いずれも国を上回りました。引き続き、若者の婚姻率の向上、若者・女性の雇用確保の強化、イノベーションの創出、産業・投資の活性化などに努めます。
一方、「人口の社会増対策」では、目標とした1,980人の人口増加に対し、20歳代、30歳代を中心に全体として7,409人の転出超過となり、平成26年比で317人の転出増加となりました。
東京一極集中が加速しています。若者の地元還流・定着に向け、質の高い雇用機会の確保や企業情報の発信の強化が必要です。今月12日には、産業立地条例に基づく東京23区からの大企業の本社機能移転計画を初めて認定しました。引き続き、県内全域での幅広い産業立地を促進し、本県産業の活性化と雇用創出を図ります。
地域創生の時代にあっては、安全、共生、文化、人材など地域の総合力が求められます。本県の多様なポテンシャルや地域特性といった兵庫の強みを活かし、戦略的・重点的な地域創生施策を展開していかなければなりません。
このような課題に適切に対応し、(1)県民活躍環境の整備、(2)地域の元気づくりの促進、(3)安全・安心を支えるインフラ整備の推進に取り組むため、総額546億円余の補正予算を編成しました。
財源については、地方創生推進交付金などの国庫補助金に加え、後年度交付税措置される補正予算債や緊急防災・減災事業債など有利な財源を最大限活用するとともに、平成27年度決算剰余金を活用します。
地域創生の推進においては、若者を中心とした転出超過の解消が喫緊の課題です。「UJIターン対策」と、人口減少を補う「交流人口対策」が、本県の地域創生の鍵を握ります。
このため、国の地方創生推進交付金等を活用し、地域創生の取組を一層強化します。
(若者定着・還流プロジェクトの推進)
大学卒業や就職を契機とした若者の転出超過が続いており、県内企業へのUJIターン就職をさらに促進する必要があります。このため、就職後3年以内の従業員に対し、奨学金返済の負担軽減を行う中小企業に助成します。県外居住の第2新卒者等を採用する中小企業に転居費用等を支援します。
今春の県内大学卒業生の県内企業への就職率は29.8%です。引き続き向上に取り組む必要があります。大学と連携した企業見学会、大学キャリアセンターに対する企業説明会など、県内企業への就職を促進します。女性・シニア起業家支援事業や農業施設貸与事業を拡充します。
地域創生の担い手を創出するため、多様な地域資源を活かした事業活動を促進する必要があります。このため、特産品づくりなど頑張る地域組織の法人化を支援します。農村集落の元気づくりに向けた不耕作農地の新たな利用促進の仕組みを検討します。
地域・大学・行政等が連携して地域の活性化に取り組む活動拠点の設置を支援し、人材育成や情報発信を強化します。多様な人材を確保するため、本年1月に設置したカムバックひょうご東京センターに続き、神戸市内にカムバックひょうごセンターを設置し、全国からの移住相談に応じます。
長時間労働慣行の是正や柔軟な勤務制度の導入など多様な働き方を可能とするワーク・ライフ・バランスの実現が不可欠です。ひょうご仕事と生活センターが支援してきた実践企業の取組み事例を踏まえ、アクション・プラン作成ガイドを公表します。ロゴマークや優良企業事例集を作成するなど、働き方改革の加速化に向けた情報発信を強化します。
高等学校奨学資金について、求職中や病気療養中の返還猶予に加え、就業後の経済的理由により返還が著しく困難な者の負担を軽減するため、返還猶予制度を来年度から創設することとし、その準備を進めます。
未婚化・晩婚化への新たな取組みとして、看護師、保育士など専門職の女性を対象に、出会い支援等を行います。また、ひょうご出会いサポート東京センターの広報機能を強化し、県や市町の特色ある子育て支援制度等を多様なメディアを通じて発信します。経済的理由により結婚に踏み出せない低所得者を対象に、結婚に伴う新居費用等の支援を行います。
本県の女性就業率は依然低位で推移しています。このため、企業や女性自身の意識や希望等について幅広く調査し、企業向けセミナー等を通じて女性活躍の意義や効果を啓発します。
安心できる子育て環境を整備するため、保育士免許の資格取得のための資金や、未就学児を持つ保育士への復職支援のための資金等を対象に、返済免除要件のある貸付を拡充します。
ふるさとひょうご寄附金制度を活用したひょうご孫ギフトプロジェクトを実施します。
一定額以上の寄附者に対し、県内の商品のカタログを送り、これにより寄附者が選択した商品を、孫等に贈呈します。あわせて残余の寄附は、県内の私立保育所や幼稚園などに県産木材の玩具を寄贈し、子育てにやさしい兵庫づくりの機運を高めます。
介護人材の確保に向けた処遇改善が来年4月から予定されています。介護給付費の増加に伴い、市町介護保険財政の悪化が懸念されるため、介護保険財政安定化基金へ積立てを行います。
小児医療施設や周産期医療施設が行う、新生児用人工呼吸器など医療機器の整備を支援します。地域の救急患者の受入を行う二次救急医療機関が実施する耐震化工事や有床診療所の防火対策等に対する助成を行います。
障害者福祉施設等の整備や大規模修繕を支援するとともに、ロボットリハビリテーションの研究拠点である総合リハビリテーションセンターにおいて、障害者や高齢者の高機能福祉機器等を整備します。
神奈川県相模原市の障害者支援施設で不幸な事件が発生しました。このため、社会福祉施設等での安全対策を強化します。非常警報装置や防犯カメラ等の設置支援を行うとともに、職員の資質向上、県民に対する障害者への理解促進を進めます。
また、精神障害者が退院後も必要な治療を中断することなく、地域で安全安心な暮らしができるよう、健康福祉事務所に継続支援チームを設置し、措置入院患者等に対して入院中から支援を行う取り組みを進めています。今後、政令市、中核市との転居時の連携を図るとともに、措置入院の退所について第三者機関の設置を検討するなど、精神保健医療体制の充実強化に努めます。
こども家庭センターの児童虐待相談件数が増加しています。
7月に、加古川市・姫路市での乳児虐待事案の検証を行った児童虐待防止委員会から提言をいただきました。この提言を基に、(1)こども家庭センターでは、通告受理後、積極的に一時保護を活用して事実関係の究明を図ること、(2)複数の機関が関与する事例では、第三者機関の助言を得て、家庭復帰等の適否を慎重に判断することなど、医療機関や市町との連携を一層強化していきます。
保護児童の処遇向上のため、児童養護施設等が行う居室等の整備を支援します。
平成30年度に県政150周年を迎えるにあたり、地域の個性と特色を活かした新たな兵庫づくりを国内外に発信する必要があります。このため、県政の歩みを振り返るシンポジウムの開催や記念映像の作成・配信などにより、機運を醸成します。
県内への人口の環流を促進する必要があります。このため、関西圏全体をターゲットとした地域・文化・食の魅力の祭典「ひょうご博覧会in大阪」を開催し、ひょうご五国の地域資源や住みやすさ等を紹介します。人と防災未来センター、六甲山自然保護センター、但馬牛博物館など地域の活力を支える集客施設の機能強化を行います。
兵庫を訪れる外国人観光客の受入を促進し、おもてなしの向上を図るため、宿泊施設の和式トイレの洋式化を支援します。外国人観光客等の利便性向上を図るため、県立施設等の無料Wi-Fi環境の整備を進め、関西広域連合の統一認証とも連携して、関西エリア全体での外国人観光客の誘致促進を図ります。
国の交付金等を活用し、地域拠点づくりなど未来への投資の基盤に繋がる施設整備等を推進します。県立工業技術センターやものづくり支援センター等に、金属用3Dプリンターをはじめ、中小企業の技術開発支援に活用できる機器を導入します。SPring-8の県ビームラインに多検体を短時間でより精密に測定できる機器等を整備し、放射光測定実験の高効率化・自動化を進め、産業利用のさらなる促進を図ります。
日銀のマイナス金利政策導入等により、長期プライムレートが低下しているため、来月1日から中小企業融資制度の融資利率を0.25%引き下げることとしました。引き続き県内の景気動向や資金需要を見据え、中小企業に対する円滑な資金供給に努めます。
養父市の国家戦略農業特区では、新たに設立した農業法人11事業者がにんにくやリンドウなどの産地づくり、集落と一体となった耕作放棄地の解消や6次産業化を目指し、取り組んでいます。また、9月から新たな規制緩和として、農地を所有できる法人要件が拡大されました。
収益性の高い農作物の生産拡大に意欲的な農業者等に対し、経営改善計画の作成指導や営農機械・園芸用ハウス等の施設の導入支援を行います。あわせて、農地中間管理事業の活用等による農地の有効活用を一層推進する仕組みを検討します。
神戸ビーフの輸出を今年度新たにイタリア、フィリピン、UAEに向けて行いました。国内外の旺盛な需要を反映し、枝肉価格や子牛価格が高水準で推移しています。神戸ビーフの供給力を強化するため、牛舎整備や新規就農支援等による繁殖雌牛の増頭促進に取り組みます。
また、口蹄疫の発生など不測の事態に備え、畜産技術センターの更衣消毒施設等を整備し、防疫体制を強化します。
県内の原木生産は、製材用等の原木に加え、木質バイオマス発電燃料として、未利用木材等の需要が増加しています。このため、低コストかつ安定的に原木を供給できる基盤を整備するため、「新ひょうご林内路網1,000km整備プラン」に基づき、間伐、林内路網整備、高性能林業機械等の導入を支援し、搬出作業の効率化を図ります。
県立森林大学校の平成29年4月開校に向けて、準備を進めています。8月には、学校説明会を行ない、県内外から100名を超える参加がありました。引き続き、森林大学校の周知に取り組みます。今後、学外就業体験の受入先となる業界団体との連携協定をはじめ、空き家を活用した学生宿舎の整備、入学試験など、開設に向けた準備を進めていきます。
また、企業版ふるさと納税制度を活用し、本県にゆかりのある企業からの協力を求めながら、森林セラピー活動の効果測定機器の導入など、森林教育の充実や森林講座の開催等の交流事業を展開します。
野生鳥獣による農林業被害の防除に向け、シカについては年間4万5千頭の捕獲目標を、イノシシについては年間1万5千頭の捕獲目標を定め、捕獲を推進しています。
目標達成に向けて、市町の個体数管理、被害防除対策を積極的に支援するため、箱わな等捕獲機材の導入等を支援します。
ツキノワグマの人身被害が全国各地で発生し、本県でも、集落への出没件数は増加傾向にあります。本県のツキノワグマ推定生息数は、これまでの保護対策を進めたことにより800頭を超え、絶滅する恐れは当面ないレベルまで回復してきたため、20年ぶりに制限的な狩猟解禁に向けて検討を進めています。
近い将来に発生が予想される大地震に備え、公共施設の耐震化が不可欠です。このため、津波防災インフラ整備計画に基づく防潮水門等の耐震化を前倒して取り組むとともに、災害発生時に避難所や活動拠点となる伊丹庁舎など県立施設の耐震化を進めます。さらに、緊急時の防災体制を充実するため、本庁舎の衛星通信電話網等を更新します。
今年の台風は、第10号をはじめ東日本、北日本を中心に大きな被害が生じていましたが、先般、第16号が近畿に初めて上陸しました。本県においては、大きな被害とはなりませんでしたが、一部に人的被害や住家被害が生じました。
こうした自然災害リスクを回避するため、道路の落石対策工事、堤防強化等の河川整備、砂防えん堤や治山ダムの整備、決壊の恐れのあるため池の整備や河川堆積土砂の撤去を進めます。鉄道事業者が行う落石防護設備等の安全対策にも支援します。
経年劣化が著しい姫路総合庁舎について、施設改修に着手します。県営住宅の修繕や更新等の老朽化対策も進めます。
地域の活力を支える社会基盤の整備を推進するため、地域高規格道路のほか基幹道路の整備をはじめ、公園整備などを実施します。都市における生活の向上のための市街地再開発事業や連続立体交差事業を行います。農林水産基盤を強化するため、生産性の向上に繋がる用水路整備、共同利用施設の整備等を進めます。
以上が、補正予算の主な事業です。
熊本地震に対しては、現地ニーズが復旧・復興に移行したことから、7月19日をもって、関西広域連合の現地支援本部、現地連絡所を廃止し、短期派遣による支援を終了しました。現在、被災地ニーズにワンストップで応じる相談窓口を設け、助言や情報提供を行っています。
また、被災施設の災害復旧を中長期で支援するため、9月から技術職員を熊本県に派遣しています。10月からは事務職員を派遣します。
引き続き、被災地のニーズを踏まえ、復旧・復興業務等を支援していきます。
阪神・淡路大震災や東日本大震災、さらには熊本地震における物資供給の状況を踏まえ、関西広域連合において、物資の調達と輸送・配送の両面から、取り組むべき課題や対応の方向性を示した、「緊急物資円滑供給システム」を8月に取りまとめました。
今後、トラック協会などの参画のもと、訓練等を通じこのシステムの実効性確保に努めます。
7月27日に、損害保険会社2社と、防災力向上のための相互協力に関する協定を締結しました。この協定に基づき、災害時の速やかな住宅再建を後押しするため、両社の販売網を活かした地震保険とフェニックス共済の同時加入の促進等に取り組みます。
11月13日に南海トラフ地震を想定した防災訓練を実施します。淡路地域での合同防災訓練を拡張し、南海トラフ地震による津波浸水想定区域14市1町の約26万人を対象とした避難行動に重点をおいた住民参加型訓練で、緊急速報メールを県内対象地域に一斉に発信する初めての訓練です。この訓練を通じて得られた成果を、今後の防災・減災対策に活かし、安全安心な地域づくりに取り組んでいきます。
9月11日、12日の2日間、G7保健大臣会合が神戸市内で開催されました。
G7各国が国際的な保健医療課題に対して議論を行ない、高齢化に備えた保健システムの確立や認知症研究に向けた指針を「神戸宣言」に盛り込むなど、会合が無事終了しました。
兵庫の強みである創造的復興の取組みによる安全安心やものづくり、先端科学技術基盤、食、多文化共生、人材などについて、世界に向けて発信することができました。
この会合の成果を踏まえ、次代を担う保健医療人材の育成や、国際義肢装具協会(ISPO)世界大会2019への橋渡しなど、兵庫の未来に繋げる保健医療活動を展開していきます。
敬老の日は、今年で制定から50周年を迎えました。今月15日、発祥の地である多可町において「敬老の日制定50周年記念式典」を執り行いました。
秋篠宮同妃両殿下の御臨席を賜り、多可町から、全国に向けて「敬老の精神」を発信することができました。
一般社団法人日本専門医機構において検討されている新たな専門医制度は、本来、地域医療を支える優れた専門医を育成するシステムとして機能することが期待されていました。
しかし、医師の地域偏在等を助長し、地域医療の崩壊への懸念が強く示されたため、平成29年4月からの開始を1年間延期し、諸課題を検討していくこととなりました。
新たな専門医制度が地域医療を担う公立病院等を十分活用され、優れた専門医を育成するシステムとして機能するよう、今後も制度の検討に参画し、適切な対応を求めていきます。
今月、国際フロンティア産業メッセ2016を開催しました。
16回目を迎える今回は、過去最大規模となる481社の出展を得ました。G7保健大臣会合の開催にあわせ、「健康・医療」をテーマとした特別展示や基調講演、兵庫県COEプログラム推進事業に認定された13研究プロジェクトチームに認定証を交付し、発表会を行いました。この産業メッセを通じて、県内企業の最先端の技術を発信し、販路の開拓や産業の育成が図られることを期待しています。
県産農林水産物や食品を世界に広げていく取組みを推進しています。
この夏の香港フード・エキスポの出展に加え、10月にパリで開かれる世界最大級の食品展示商談会、SIAL(シアル)に、日本酒、丹波黒大豆のほか、手延素麺や朝倉さんしょうなど、県産ブランド品を初出展します。
さらに、来年2月には、ドバイで開催される食品展示商談会、GULFOOD(ガルフ-ド)に参加し、アジアだけでなく、欧州、中東へと視野を広げ、安全・安心で美味しい「ひょうごの食」の継続的な取引を目指して取り組みます。
いわゆる「民泊サービス」については、宿泊者の安全性の確保、近隣住民とのトラブル防止などが適切に図られるようルールづくりが求められています。国において、「民泊サービスのあり方に関する検討会」の最終報告を踏まえ、住宅提供者や仲介事業者等に対する適切な規制を課し、行政が民泊サービスを把握できる仕組みについて検討しています。
県としては、マンション管理組合や自治会への事前説明の実施を義務化するなど民泊事業者の責務について提案を行う等、国に対して積極的に働きかけていきます。
来月から12月までの3ヶ月、「あいたい兵庫キャンペーン2016」を展開します。
今年は、10月放送開始のNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」にちなんで、キャッチコピーを“ひょうご別品(べっぴん)体験記”としています。美しい街並みや豊かな自然、兵庫ならではのグルメやイベントなど、特別なものを体験できる旅を提案しています。
10月29日、30日に県立丹波の森公苑において「ふれあいの祭典 丹波ふれあいフェスティバル」を開催します。「地域、交流、共生」の基本理念のもと、県内各地域の団体による多彩なステージパフォーマンスやグルメ・地域PRなどのブース出展を通じて、丹波地域をはじめとする「ひょうご」の魅力を発信します。また、丹波各地のイベントと連携した広がりのあるフェスティバルを展開し、ふるさと兵庫を盛り上げます。
平成14年に開館した県立美術館の入館者数が、7月20日に1,000万人を超えました。今後も美術展示を中心とする芸術活動の積極的な展開を図ります。10月15日から特別展「世界遺産 ポンペイの壁画展」を開催します。
歴史博物館では、10月15日から特別展「描かれた大正モダン・キッズ-婦人之友社『子供之友』原画展」を開催します。
考古博物館では、10月8日から特別展「江戸時代の兵庫津」を開催します。
横尾忠則現代美術館では、「ヨコオ・マニアリスムvol.1」を開催しています。また、陶芸美術館では、「セラミックス・ジャパン 陶磁器でたどる日本のモダン」を開催しています。展覧会期間中の土日祝日には、陶芸美術館から篠山城下町行き直通バスも走らせています。
11月11日から近畿高等学校総合文化祭兵庫大会を県下5市15会場で開催します。「咲かせよう 文化の華 広げよう 心の輪」をテーマに2府8県の高校生が集い、演劇や合唱などの芸術文化活動を発表します。日頃の活動の成果を十二分に発揮してくれることを期待します。
リオデジャネイロオリンピック及びこれに続くパラリンピックでの日本選手団の活躍は、私たちに夢と元気を与えてくれました。
オリンピックで銅メダルを獲得したシンクロナイズドスイミングの乾選手及び中村選手、そして、パラリンピックでロンドン大会に続いてメダルを獲得した柔道の正木選手に対し、その栄誉をたたえ、兵庫県スポーツ賞「特別選手賞」を贈呈します。心からお祝いし、県民の皆さんとともに喜びたいと思います。
10月1日から開催される「希望郷いわて国体」においては、天皇杯8位以内入賞を目指し、兵庫県選手団の活躍を期待しています。
11月20日には第6回神戸マラソンを開催します。競技レベル、性別、年代を超えて、一人一人のランナーが挑戦し続ける大会、参加する全てのランナーのチャレンジを応援する大会を目指し、開催準備を進めます。
平成27年度決算についてです。
平成27年度は、当初予算に加え、地域創生戦略に基づく取組の加速化等を推進するための緊急経済対策など、追加補正を行いました。
一般会計で、歳出1兆9,087億2,300万円余、歳入1兆9,148億5,400万円余で前年度より若干増となっています。歳出では社会保障関係費をはじめとする義務的経費が増加し前年度を160億7,900万円上回りました。歳入では地方消費税の税率引上げの影響等により県税等の収入が過去最高の8,022億5,200万円となり前年度を156億5,600万円上回りました。この結果、実質収支8億2,100万円の黒字、実質単年度収支4億2,800万円の黒字となりました。健全化判断比率は、実質公債費比率、将来負担比率など、第3次行革プランの財政フレームより改善しました。収支不足は、着実に縮減しつつも未だ322億円と、引き続き厳しい財政状況を反映したものとなっています。
特別会計では、歳出1兆3,299億7,300万円余、歳入1兆3,348億2,900万円余、となり、前年度より7%程度減となっています。
公営企業会計では、歳出2,151億8,100万円余、歳入1,916億6,100万円余、となりました。収益的収支では、病院事業において、尼崎総合医療センターが開設し診療機能の拡充等による費用が増加したこと等に伴い、かなりの赤字となっていますが、水道用水供給事業会計等4会計では黒字を確保しています。
次に、今年度の財政運営です。
年度半ばではありますが、県税収入は、円高や新興国経済の減速等による景気への影響により、法人関係税や地方消費税を中心に当初予算計上額の確保が厳しい状況と見込まれます。また、普通交付税は、当初予算計上額を上回るものの、臨時財政対策債を含む総額では、基準財政収入額が本県税収見込みより大幅に増加して算定されたこと等から、当初予算計上額を下回っています。
これらの減収に対しては、交付税の算定額と実税収の差に認められる減収補填債の活用、県税収入等の歳入確保に努めるとともに、歳出の効果的・効率的な執行を行ってまいります。
職員の給与改定については、今後、人事委員会からの報告及び勧告を受け、その趣旨を尊重することを基本として、社会情勢や財政状況等を勘案しつつ、適切に対処していきます。
第3次行革プラン策定から3年目の総点検に取り組んでいます。今回の総点検は、「行財政構造改革の推進に関する条例」により平成30年度までと定められた期間中の最後の総点検にあたることから、改革の総仕上げとすべく、徹底した検証を進めています。
総点検では、平成30年度の財政運営目標を着実に達成することに加え、本県を取り巻く中長期的な課題や社会経済情勢の変化も踏まえ、平成31年度以降の財政運営のあり方、未来につながる新たな施策展開についても検討します。
8月にとりまとめた「課題と検討方向」については、行財政構造改革調査特別委員会におけるご審議を経て、9月20日に、各会派より貴重なご意見を頂戴しました。それに先立って開催した、行財政構造改革審議会、行財政構造改革県民会議でいただいた意見も踏まえ、今後、改革の具体案の検討を進めます。
さて、私が知事に就任し4期目4年目に入りました。
人口減少と少子高齢化が同時進行する状況であっても、兵庫の活力を維持、増強する「地域創生」をめざし、地域創生元年である平成28年度をスタートさせました。
地域創生は、短期的な課題でなく、中長期的な課題であるため、一つひとつの取組をしっかり軌道に乗せ、着実に推進する必要があります。時代潮流を見定め、新たな課題に積極的に対応していきます。
このため、兵庫の未来を拓くためのスタートダッシュの年として、地域創生を推進し、県民とともに新しい兵庫づくりの第一歩を踏み出す決意です。よろしくお願いします。
これより、提出しました議案について、説明します。
予算案件は、平成28年度兵庫県一般会計補正予算 等3件です。
予算規模は歳入歳出ともに、
一般会計、514億2,700万円余の増額
特別会計、32億7,000万円の増額です。
決算案件は、「平成27年度兵庫県一般会計歳入歳出決算の認定」等21件です。
先に監査委員の審査に付していましたが、このたび審査意見書の提出がありましたので、今回認定を求めるものです。
条例案件は、「公立大学法人兵庫県立大学の設立等に関する条例の一部を改正する条例」等6件です。
その他案件は、「公立大学法人兵庫県立大学定款の一部変更」等12件です。
県立大学は、理事長と学長を一体とする体制のもと、公立大学法人化後の大学運営に精力的に取り組んできました。今後は、グローバル化への対応など、学部・学科等の再編を早急に進めることが課題です。学長が教学に専念できる体制へ組織を見直し、大学改革の加速化を支援します。
また、地方独立行政法人法等の一部改正を受け、兵庫県立大学附属高等学校及び附属中学校を公立大学法人兵庫県立大学に移管し、中高大一貫教育をさらに進めます。
専決処分承認案件は、県立高校敷地内の樹木の枝折れによる普通乗用車破損事故に関して和解及び損害賠償額を定めることについて、承認を求めるものです。
以上で、提出議案の説明を終わります。
議員の皆様におかれましては、よろしくご審議のうえ、適切なご議決をいただきますようお願いします。
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