ここから本文です。
本日、第334回兵庫県議会の開会にあたり、県政推進に日頃からご指導いただいている議員の皆様に敬意と感謝を申します。
(故鷲尾元県会議員の逝去)
鷲尾弘志(わしおひろし) 元県会議員が、去る10月2日に逝去されました。
鷲尾氏は、昭和38年、兵庫県議会議員に初当選され、平成19年まで連続11期、44年の長きにわたり、地域の振興と地方自治の発展に尽力してこられました。
この間、第78代兵庫県議会議長への就任をはじめ、議会運営委員会委員長、平成11年には行財政構造改革調査特別委員会の初代委員長など要職を歴任され、県政推進に多大の貢献をいただきました。
ここに、衷心より感謝の誠をささげますとともに、心からのご冥福をお祈りします。
次に、提出議案の説明に先立ち、諸般の報告をします。
最終2カ年行革プラン企画部会案を取りまとめました。
8月に公表した「課題と検討方向」に対する県議会のご意見等も踏まえ、平成30年度を目標とした現行の行革推進条例に基づく最終2カ年の改革の仕上げを行う行革プラン、その叩き台としてまとめたものです。
(1)持続可能な行財政構造の確立、(2)県民の参画と協働による改革の推進、(3)選択と集中の徹底、(4)兵庫の未来づくりの推進の4つの基本方針のもと、平成30年度の財政運営目標の確実な達成に向けた対策とともに、構造改革実施後の重点施策のあり方や、平成31年度以降の行財政改革の進め方の方向性について提示しました。
財政フレームについては、国の中長期の財政試算や消費税率の引上げ延期等を踏まえ、新たに試算しました。この結果、平成28年度当初予算編成時の試算と同様に、平成30年度には、収支均衡を実現するとともに、各指標とも概ね平成30年度の目標を達成する見込みです。
しかしながら、最近の税収の動向など不安定な要素も見られるため、さらに慎重を期していきます。
今後、県議会、県民、市町など各方面からの幅広いご意見をいただきながら、新しいプランの策定に取り組んでいきます。
鳥取県中部地震の発生から1ヶ月半が経過しました。関西広域連合として、発生直後の先遣隊の派遣やブルーシートの提供に加え、人的支援として、医療チーム、震災・学校支援チーム(EARTH)、家屋被害認定関係職員を延べ115名派遣しました。
東日本大震災の被災地には、あわせて約260名の職員派遣を継続しています。また熊本県内にも、あわせて23名の職員を派遣しています。引き続き、被災地の一日も早い復旧・復興に向けて、必要な支援を行っていきます。
また、南海トラフ地震や首都直下地震などへの国全体としての対応力を強化するため、双眼構造の一翼を担う関西に「防災庁(仮称)」を創設すべく検討しています。今後、関西広域連合に設置した有識者懇談会の報告も踏まえ、具体的な提言活動に取り組みます。
去る11月13日、世界津波の日の関連行事として、南海トラフ地震を想定した住民一斉避難訓練を行いました。津波浸水想定区域の15市町で3万人を超える方が、実際に避難を行いました。同時に開催した淡路地域での合同防災訓練では、各地域で福祉避難所の設置や支援物資の搬送訓練を行いました。
いざという時に適切に行動するには、訓練の積み重ねが必要です。こうした訓練の機会を継続し、防災意識の向上に繋げていきます。
人口対策については、若者を中心とした定住人口の確保、県内外からの交流人口の拡大に向けた取組を強化する必要があります。このため、県として、国の緊急経済対策を活用した取組を展開するとともに、国自らが、東京圏での事業所や大学の立地抑制を行うなど、本格的な対応を強く求めています。
来春開校する県立森林大学校については、森林セラピー活動など人材育成関連の取り組みを強化するプロジェクトが、複数の企業から、企業版ふるさと納税による寄附の申し出を受けるなど、多様なセクターの参画が進みつつあります。
平成29年度においても、地域創生の実現に向けた取組を加速すべく、経済環境にも配慮しながら、今後本格化する予算編成において、鋭意検討を重ねていきます。
本県の経済・雇用情勢は、一部に弱い動きがみられるものの、基調としては緩やかに持ち直しています。企業の生産活動は底堅く推移し、雇用も有効求人倍率が依然として高い水準にあります。一方、幅広い業種で人手不足が生じています。
11月9日には、米国の次期大統領が決定し、英国のEU離脱や不安定な資源価格などと相まって、世界情勢の不透明感が高まっています。TPP協定からの離脱を表明するなど次期大統領の政策動向や為替の動向によって景気の下振れが懸念されるだけに、こうした情勢を注視しつつ、地域の元気に繋がる施策を機動的に展開していきます。
政府関係機関の本県への誘致活動の成果として、先月、スーパーコンピュータ「京」など最先端の科学技術基盤を有する神戸ポートアイランド地区に、理化学研究所の「科学技術ハブ推進本部関西拠点」が開設されました。
関西全体における科学技術の産学連携を推進する拠点として、大学、病院、企業等の共同研究が促進され、新産業の創出につながることを期待しています。
先月、新幹線の車両工場の視察のため来神されたインドのモディ首相及び安倍首相の立ち会いのもと、インド西部のグジャラート州との相互協力に関する覚書を締結しました。
2001年にインド西部で大地震が発生した際に、県民からの義援金を基に友愛基金を設立し、倒壊した学校の再建や耐震化を支援してきました。こうした官民一体となった交流の成果を踏まえ、学術・教育や経済、文化、防災、環境、食の幅広い分野での交流を促進していきます。今後、車両製造拠点のある神戸から、新幹線の輸出拡大も期待されます。引き続き、民間企業の経済交流なども含め、県内経済の活性化に繋がる交流を促進していきます。
パリ協定が11月4日に発効し、京都議定書に続く新たな枠組みがスタートを切りました。各国による排出削減の透明性を高める新たなルールの構築に向けて、日本が主導的な役割を果たすよう期待されます。
本県では、国計画等も踏まえ、第3次兵庫県地球温暖化防止推進計画の見直し作業を進めています。新たに、2030年度の温室効果ガスの削減目標や再生可能エネルギーの導入目標を定めるとともに、産業・業務・家庭など各部門の目標達成に向け、事業者、県民、市町等様々な主体と連携して、着実に取り組みます。
本県が中心となり実現した瀬戸内海環境保全特別措置法の改正に伴い、水質や自然景観の保全にとどまらず、(1)沿岸域の環境の保全、再生及び創出、(2)水質の保全及び管理、(3)自然景観及び文化的景観の保全、4.水産資源の持続的な利用の確保を柱とする「瀬戸内海の環境の保全に関する兵庫県計画」を、関係13府県に先駆け10月に策定しました。
今後とも、多様な主体の参画と協働により、瀬戸内海を豊かで美しい里海として再生するため、かいぼり等による栄養塩の供給や学生等の参加による藻場の保全などの幅広い取組みを進めていきます。
TPP承認案と関連法案が、現在、国会で審議中です。
協定発効の鍵を握る米国の批准が厳しい状況ですが、生産から流通、消費に至る全過程の改革が迫られているだけに、農業分野において改革を推進する必要があります。その上で、アジア太平洋地域が幅広い自由化がもたらす恩恵により、世界経済をけん引する地域として発展していくことを期待します。
本県としても、関税障壁の緩和により、ブランド力のある食材や、安全・安心で付加価値の高い県産品の輸出拡大が見込まれます。神戸ビーフは平成26年度から2年連続で目標としていた認定率70%を超え、更なる供給頭数の増加を図ります。さらに、コウノトリ米、淡路島たまねぎなどのブランド育成、県産生乳100%の牛乳や乳製品の生産拡大など、地域資源を最大限に活かした力強い農林水産業を確立します。また、兵庫の日本酒と酒米のブランド力を世界に波及させるために、IWC「SAKE部門」審査会を4年に1回は本県で開催できるように事務局に申し出をしています。
養父市の国家戦略特区では、本年9月に農地を所有できる法人要件が拡大されました。ブランド化や輸出をめざし、酒米やにんにく等の栽培に取り組む3事業者の計画が認定され、既に2者が新たに農地を取得しました。こうした民間企業の農業分野への参入促進が、耕作放棄地や担い手不足の解消につながります。
今後とも、意欲的な農業者等の経営改善や農業機械の導入を支援するとともに、不耕作農地利用促進システム構築検討会の意見を踏まえ、農地の有効活用を推進します。
食の安全への住民意識の高まりや農地の持つ防災機能への評価などを踏まえ、11月に、都市農業振興基本計画を策定しました。計画では、(1)産業としての持続的な発展、(2)自給的な農家の営農継続による楽農生活や防災など多様な機能の発揮、(3)農のある暮らしづくりを基本方向に、都市農業が将来にわたり安定的に継続される姿をめざしています。
今後、この計画に基づき、都市農地の有する多様な機能を発揮させ、地域住民と共生する都市農業の振興を図っていきます。
「ひょうご森のまつり2016」が、洲本城跡周辺で開催されました。
「山と海、史跡とともに森づくり御食国の淡路島で自然と歴史を感じよう」をテーマに、森林ボランティア、漁業者、洲本城の保全団体がともに森を守る、“みんなの森づくり活動宣言”を行いました。楽しみながら森の恵みを体感し、森を守り育てる大切さについて、多くの県民に意識の醸成を図りました。
ツキノワグマの集落への出没件数が増加し、県内で5年ぶりに人身事故が発生するなど、県民の被害リスクも高まっていることから、緊急避難的な対策として、20年ぶりに狩猟を解禁しました。
解禁にあたっては、総量規制の観点から、捕獲頭数の上限を1人1頭と設定し、捕獲した個体情報の把握など徹底した管理システムのもとで実施しています。狩猟期間の12月14日まであと10日となりましたが、昨日現在で3頭を捕獲しています。
県民と農作物の被害軽減のため、狩猟者の安全を基本とした個体数の管理にご理解をお願いします。
先月末、小野市内で採取した水鳥の糞便から、高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されました。今月1日より、採取地点の周辺10km圏内を野鳥監視重点区域に指定しています。
既に、異常がないことを確認していますが、区域内の農場について石灰などにより消毒を実施しました。引き続き情報提供と監視強化に努めます。
第6は、健康福祉対策です。
10月に兵庫県地域医療構想を策定しました。団塊の世代がすべて後期高齢者となる2025年に向け、住み慣れた地域で生活しながら、適切で必要な医療を受けられる体制をめざし、(1)病床機能の分化と連携、(2)在宅医療の充実、(3)医療従事者の確保を掲げています。
今後、平成30年度の保健医療計画の改定時に、将来の医療需給を踏まえた医療機関の自主的な取り組みの促進や、在宅医療機関、介護サービスの充実など地域医療構想の推進に向けた各種施策を反映させていきます。
重篤な精神障害のある方に対し、保健師が入院中から医療機関を訪問し、本人や家族への助言・指導や関係機関との連携を図るため、本年4月から、健康福祉事務所に継続支援チームを設置しています。さらに、県内全域で実施するため、政令市・中核市にも働きかけ、転居時等における連携を強化しています。
また、精神医療に関する専門的な助言を行うため、措置入院者の入院時から退院に至るまで、必要に応じて指定医等が治療方針等を相談できるよう、来年1月から措置入院者支援会議を設置します。
人口減少社会においても、地域の活力を維持するためには、広域的な地域間連携と交流を促進する基幹道路ネットワークの形成が不可欠です。このため、先月、石井国土交通大臣や政府・与党、県関係国会議員に早期整備を強く働きかけました。
大阪湾岸道路西伸部については、経済団体や関係自治体とも連携して国直轄事業の予算確保と、有料道路事業の導入を求めました。
名神湾岸連絡線については、計画段階評価の早期完了及び速やかな都市計画手続き着手を求めました。
播磨臨海地域道路については、国会議員連盟総会の開催にあわせ、県議会の議員連盟、関係市町等とともに、計画段階評価の早期完了を国に求めました。
山陰近畿自動車道については、国会議員連盟と京都府、鳥取県と連携し、早期供用に向け、予算確保と早期事業化を求める決起大会を東京で行いました。
北近畿豊岡自動車道については、事業の促進及び山陰近畿自動車道との接続部の調査着手を求めました。
今後とも、地域創生の実現に向け、ミッシングリンクの早期解消に取り組みます。
阪神高速道路の新料金については、国における新料金の具体方針の策定に先立ち、議員の皆様からいただいたご意見も参酌しながら、12月1日に5府県市で国へ提案しました。提案では、名神高速道路や首都高速道路と同様に利用距離に応じた公平な料金に統一すること、車種区分も同一とすること、さらに、利用者の負担軽減や激変緩和の導入も求めています。
国の具体方針を踏まえ、阪神高速が新料金案を作成し、県に対し同意申請を行う予定であり、2月定例県議会に提案する予定です。
神戸空港の運営事業者のコンセッションは、10月に募集要項が公表され、事業者選定に向けた手続きが進んでいます。今後、神戸空港が有する高い価値を適正に理解し、関西3空港それぞれが持つポテンシャルを最大限に活用できる事業者が選定されるよう期待します。
県としても、関西全体の航空需要の拡大に向け、地元気運を更に高めるなど、関西3空港の一体運用の実現に取り組んでいきます。
10月29日、30日の2日間にわたり、県立丹波の森公苑を舞台に「ふれあいの祭典 丹波ふれあいフェスティバル」を開催しました。
約4万1千人の来場者で賑わい、地域と世代を越えた交流の輪が広がり、丹波をはじめ兵庫の魅力を多くの方に伝えることができました。
来年度は、播磨科学公園都市まちびらき20年にあたる西播磨で行います。
先月、第6回神戸マラソンが開催されました。
震災復興の象徴である「ひまわり」の黄色でコース沿道を彩り、震災の教訓や体験、兵庫・神戸の魅力を発信しました。今後とも、市民ランナーもトップランナーも共存して競争できる大会を目指し、参加促進と質の向上に努めます。
関西ワールドマスターズゲームズ2021は、テニスなど9競技13種目が兵庫県で開催されます。その前哨戦となる日本スポーツマスターズ2017兵庫大会とあわせ、関係団体、開催市町と連携して両大会の準備を着実に進めます。また、本大会の安定的な運営が、関西全域における経済効果の発現の基礎となることから、近畿宝くじの活用について検討を進めています。
さらに、「人類の健康・長寿への挑戦」をテーマとした2025年開催予定の万国博覧会の大阪誘致について、生涯スポーツを通じた健康増進を図る関西ワールドマスターズゲームズ2021のレガシーともなる国家的イベントとなるよう、関西全体で応援します。
関西広域連合は、設立から丸6年を迎えました。私は、さきの広域連合委員会において、連合長に再選されました。引き続き、防災や観光など7分野の広域事務を着実に実施するとともに、国土の双眼構造の構築、国の権限移譲による分権型社会の実現を目指し、関西一丸となって取り組みます。
先日、国の予算編成に対する県の提案について、県関係国会議員への説明を行いました。
次年度予算編成の中で、東京一極集中を是正し、地域の活力を高める地方創生施策や、地域の自立を支える地方財政対策などについて、さらに踏み込んだ対応がなされるよう、引き続き国へ働きかけていきます。
年度半ばを過ぎ、本年度の財政状況は、円高や新興国経済の停滞等による国内景気への影響などから、県税収入は当初予算計上額の確保が依然厳しい状況です。減収対策として、減収補填債を活用するとともに、引き続き税収等の収入確保、歳出の効率的な執行に努めます。
国の「経済・財政再生計画」では、地方一般財源総額は平成30年度まで、平成27年度水準にする枠組みが設定されています。今後も社会保障費の自然増が見込まれる中、地方消費税率の引上げ再延期による社会保障の充実財源の確保、地域創生の実現に向けた取組みの加速化、震災関連公債費の償還等を考慮すると、来年度の財政環境は引き続き厳しい状況が見込まれます。
このため、新年度の予算編成にあたっては、地方財政対策、国の制度改正や予算編成の動向を十分見極めながら、行財政構造改革の取組を着実に進めるとともに、選択と集中の基本姿勢のもと、活力ある兵庫を創る地域創生の実現に向けた施策への重点化を図ります。
職員の給与改定について、県人事委員会からの報告及び勧告に基づき、給料表の改定及び地域手当の引上げを行います。給料表については勧告どおりの引き上げ、地域手当については支給割合を0.5%引上げることを基本とし、公民較差の解消のため、平成28年度は特例措置として0.3%を加算します。期末・勤勉手当についてもあわせて引上げを行います。
また、扶養手当について、国に準じて見直しを行うとともに、育児・介護に関する休暇・休業制度の充実を図ることとします。
これから、提出議案の概要について、説明します。
予算案件は、平成28年度一般会計補正予算 等6件です。
予算規模は、
一般会計で43億89百万円の増額
公営企業会計で7億1百万円の増額です。
一般会計補正予算については、給与改定に伴う追加として59億59百万円の増額を行います。
あわせて、共済費の制度改正に伴う不用額が見込まれますので15億70百万円の減額を行います。
財源については、国庫支出金、分担金及び負担金のほか、普通交付税の平成28年度算定に伴う増額分を活用します。
公営企業会計補正予算については、平成28年度当期純損益及び内部留保金を活用します。
条例案件は、「職員の給与等に関する条例等の一部を改正する条例」等6件です。
その他案件は、「兵庫県立健康生活科学研究所 健康環境科学研究センター建築工事請負契約の締結」 等12件です。
以上で、提出議案の説明を終わります。
議員の皆様におかれましては、よろしくご審議のうえ、適切なご議決をいただきますようお願いします
お問い合わせ