賃金等の変動に対する工事請負契約書第25条第6項の運用について(インフレスライド条項)
「技能労働者への適切な賃金水準の確保について」(平成26年1月30日付け国土入企第29号国土交通省土地・建設産業局長:参考1)の通知に基づき、本県においても賃金等の変動に対処するため、建設工事請負契約書第25条第6項(インフレスライド条項)について、下記のとおり運用します。
インフレスライド条項運用マニュアル(令和5年12月)(PDF:777KB)
※令和5年12月8日一部改定(様式4-2に記載する工事価格の端数処理について明記)
マニュアル等の問い合わせ先
- (工事費の算出に関すること)
- 【土木関係】
- 土木部技術企画課 TEL:078-362-9286
- 【建築関係】
- まちづくり部営繕課 TEL:078-362-4364
- まちづくり部設備繕課 TEL:078-362-9328、9334
- まちづくり部公営住宅整備課 TEL:078-230-8458
- 【農林水産部所管】
- 農林水産部総務課 TEL:078-362-9192
- (契約手続きに関すること)
- 【土木関係】
- 土木部契約管理課 TEL:078-362-9285
- 【建築関係】
- まちづくり部総務課 TEI:078-362-9355
- 【農林水産部所管】
- 農林水産部総務課 TEL:078-362-9192
1.適用対象工事
- (1)基準日以降の工事期間(残工期)が2ヶ月以上あること。
ただし、部分引き渡しを行う工事の場合は、基準日から部分引き渡し日まで2ヶ月以上あること。
- (2)賃金水準等に変動が生じたときに、工期内の工事。
- (3)全体スライド条項に基づく請負代金額の変更を実施した後であっても適用可能。
- ※インフレスライドに基づく変更を実施した後であっても単品スライド条項に基づく請負代金額の変更を請求可能。
2.請求日
- (1)スライド変更の可能性があり、発注者または受注者が請負代金額の協議を請求した日とする。
- (2)請求にあたっては、書面(様式1-1)により行うこととする。
- ※1 上記「適用対象工事」に該当する工事であること。
- ※2 適用対象工事となることが想定される場合は、出来形確認の準備等があるため、受発注者間で事前の協議(基準日など)をしておくこと。
- ※3 基準日設定後に新たに賃金水準等の変動が生じ、かつ、残工期が新たな基準日から2か月以上ある場合には、その都度スライド請求をすることができる
3.基準日
- (1)請求があった日を基準とする。(様式1-1に記載される「希望基準日」を基本とする。)
- (2)スライド変更のため、出来高を確認する日である。
- (3)上記(1)により難い場合は、請求があった日から起算して、14日以内の範囲で定め、発注者が書面により通知する。
4.残工期
- (1)基準日における契約工期の残工事期間を基本とする。
- (2)基準日までに変更契約を行っていない場合でも指示書による先行指示等により工期延期が明らかな場合には、その工期延期期間を考慮することができる。
5.スライド協議開始日
- (1)発注者は、受注者の意見を聴いてスライド額協議開始日を定め、請求日から10日以内に受注者に書面により通知する。
- ※1 実施フローについては、「建設工事請負契約書第25条第6項に伴う実施フロー」を参照のこと。
6.請負代金額の変更(スライド額の算定)
- (1)賃金等の変動による請負代金額の変更額(以下「スライド額」という。)は、当該工事に係る変動額のうち請負代金額から基準日における出来形部分に相応する請負代金額を控除した額の100分の1に相当する金額を超える額とする。
- (2)受発注者間で協議するスライド額は、次の式により算出する。
- 増額スライドの場合
S=P2-P1-(P1×1/100)但し、P1<P2
- 減額スライドの場合
S=P2-P1+(P1×1/100)但し、P1>P2
- S:減額スライド額
- P2:変動後(基準日)の賃金等を基礎として算出したP1に相当する額
- P1:請負代金額から基準日における出来形部分に相応する請負代金額を控除した額
- (P=α×Z、α:請負率、Z:発注者積算額)
- 歩掛の変更については考慮しない。
- (3)スライド請求を複数回行う場合におけるスライド額の算出も上記に基づき同様に実施するものとする。
なお、その場合基準日における請負代金額には、それまでに実施したスライド額を含むものとする。
7.出来形数量の確認及び残工事量の算定
- (1)基準日における残工事量を算定するために行う出来形数量の確認は、数量総括表に対応して出来形確認を行う。(受注者は様式3を作成し、発注者へ提出)
- (2)現場搬入材料については、認定したものは出来形数量として取り扱う。また、下記の材料等についても出来形数量として取り扱う。
- 工場製作品については、工場での確認又はミルシート等で在庫確保が証明できる材料は出来形数量として取り扱う。
- 基準日以前に配置済みの現地据付型の建設機械及び仮設材料等(架設用クレーン、仮設鋼材など)も出来形の対象とする。ただし、基準日以降の賃料等については、スライド対象とする。
- 契約書にて工事材料契約の完了が確認でき、近隣のストックヤード等で在庫確認が可能な材料は出来形数量として取り扱う。
- (3)数量総括表で一式明示した仮設工についても出来形数量の対象とできる。
- (4)出来形数量の計上方法については、発注者側に換算数量がない場合は、受注者側の当該工種に対する構成比率により出来形数量を算出してもよい。
- (5)受注者の責めに帰すべき事由により遅延していると認められる工事量は、増額スライドの場合は、出来形部分に含めるものとし、減額スライドの場合は、出来形部分に含めないものとする。
- (6)基準日までに変更契約を行っていないが先行指示されている設計量についても、基準日以降の残工事量についてはスライドの対象とする。
8.物価指数
- (1)発注者は、積算に使用する単価を用いた変動率を物価指数とすることを基本とする。なお、受注者の協議資料等に基づき双方で合意した場合は別途の物価指数を用いることができる。
- (2)積算に使用する単価は、物価資料等の基準日における価格を基礎とする。
- (3)特別調査又は見積価格採用単価について、再調査や再見積に多大な労力又は日数を必要とする場合には、当初積算時の類似単価の物価変動率により算定することができる。ただし、当該材料等の工事費全体に占める割合が大きい場合は、別途考慮する。
9.変更契約の時期
- (1)スライド額に係る契約変更は、最終変更時点で行うことができる。
- ※スライド額に係る契約変更を最終変更時点で行う場合は、スライド基準日における出来形数量を確認し、残工事量を受発注者間で確認すること。
10.その他・各種様式等
建設工事請負契約書第25条第6項に伴う実施フロー(PDF:43KB)
11.参考資料
インフレスライド等に関するFAQ(国土交通省HP)(外部サイトへリンク)
※本県は国土交通省のインフレスライド条項運用マニュアルに準拠しています。