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協働のための広報 兵庫県 広報ガイドライン Hyogo Public Relations Guidelines
いきなりですが、マグロの話から始まります。一説によると、クロマグロは海中で泳ぐ速度が最高で時速約80キロに達するそうです。ただ、なぜそのスピードが出るのか、マグロの骨構造や筋肉組織を調べてもわからない。とある数学的によると。「力学上の矛盾」とまで言われていたとか。
そこで1994年、マサチューセッツ工科大学(MIT)でロボットのマグロ開発が始まりました。10年に及ぶ研究で分かったのは、「マグロの身体では、やはりそのスピードは出ない」ということでした。
しかし現実に、マグロは時速80キロで泳いでいる。いったい、どうやって?そこでは「マグロは実際には海中で、尾びれを使って周囲の海流を作り変えて『推進力』にすることで、本来の身体では出せないスピードを出しているのではないか」という仮説が出されたそうです。
これが広報の本質ではないでしょうか。
つまり広報とは、マグロの尾びれのように、周囲を味方につけて大きな流れを作ることで、本来、単体では出せないはずの力を発揮させるツール。広報がしっかり機能することのよって、事業はその目的を、より速く、より確実に、達成することができるようになります。
言い換えると、「事業目的の達成サポート」が広報の役割です。
「広報」は英語で“PR”です。しかし元の言葉は“Promotion”ではなく、“Public Relations”。直訳すると、「公共」+「関係」。
つまり「広く公共と関係を結ぶもの」が、広報です。
「関係を結ぶ」ためには、相手の同意が必要ですよね。“PR”(プロモーション)というと「一方的に押しつける、売りつける」イメージがありますが、それは現代の“PR”(広報)ではありません。
SNSが顕著な例ですが、現代では、一方通行ではなく双方向のコミュニケーション、つまり「対話」が生まれる関係性の構築が、「伝える・伝わる」の基本になります。
なので、広報は誰にでもできます。対話とはつまり、コミュニケーションなのですから。
自分の思いを、相手に伝える、伝わる。たとえば、ちょっと気になった相手を初めて食事やデートに誘う。そんなウキウキする気持ちで広報に臨まれるのが、ちょうどよいくらいなのです。
「あのひとは、何が好きかな?」「どうやったら、あのひとに思いが伝わるだろう?」想像をめぐらせ、胸をときめかせながらするのが、広報の基本姿勢。
だから各々の広報物は、そんなあなたの思いを伝える「ラブレター」です。
こうして、お互いのことをより深く理解しあいながら、今よりも素敵な関係を、対話的に構築していく。それが、現在のPublic Relations(広報)です。
ね、ちょっとワクワクしませんか?
まとめ