3章 制作 実践編 > 動画制作 > 動画制作は「知らせる」から脱却する。

更新日:2022年9月13日

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協働のための広報 兵庫県 広報ガイドライン Hyogo Public Relations Guidelines

 

動画制作は「知らせる」から脱却する。

知ってもらうより、感じてもらう

動画は次から次へと画面が変化します。流れていきます。さらに、受信側の姿勢が原則、紙媒体に比べて受け身です。と考えれば、動画は「知って理解してもらう」には適さないメディアとも言えます。

一方で動画のいちばんの特性は、感じてもらいやすいこと。受け身であるがゆえに、余計な障壁もなく感じてもらえる可能性は大きくなります。効果的な動画を制作するには「知ってもらいたい」という発信側の欲を抑えて、何を感じてもらうかを考えます。

「行ってみたい」「話をもっと聞きたい」「じっくり考えてみよう」など、受身の相手にどんなふうに能動的な感情を持ってもらうか。受け身の相手に過剰に情報を流すのは厳禁。その場でシャットアウトです。そして、当然ながら能動的になった相手がアクションを起こした時の受け皿は用意しておきます。

何を感じてもらうのか、を事業者に伝える

動画制作は、多くの場合事業者に依頼することになります。依頼する際には「見る人にどんなふうに能動的な感情を持ってもらいたいか」を伝えてください。そのうえで、絵コンテや映像イメージを提案してもいます。ありがちな「きれいな動画でちゃんと(県の)情報も入っている」動画を目指すのだけは避けたいものです。

本編と短縮版(予告編)を作り分ける

制作した動画の短縮(ダイジェスト)版を作って、SNS等で発信するのはよくある手法です。ここで気をつけたいのは、本編を単純に切り取ってつなげて短縮版を作っても多くの場合効果がないということです。時には、本編にはない新たな映像や画像も使って新たな映像ものを作る必要があります。映画の予告編には本編にはない映像や画像がふんだんに使われています。

 

職員採用動画/就活中の学生に「県で働くのってかっこいい」と感じてもらうために、18人の県職員が仕事の説明ではなく、それぞれのイデアを語る。

 

観光動画/「ここに行ってみたい」と感じてもらうために、映像の中に入り込んでしまうほど問答無用に美しい映像とリアルな表情にこだわる。

 

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