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プロジェクトを活用して、実際に海外留学した高校生の体験談をご覧いただけます。
すべての子どもが「好き」を見つけられるように。
―韓国で、多様な経験を子どもに届ける環境づくりを調査―

幼い頃から、博物館や美術館に行くことが好きで、特にモネなどのたくさんの色を使った絵画の展覧会や、科学館の宝石や水晶の展示が楽しかったことを覚えています。また将来の仕事として医療にも興味があって、色々と調べていたら「韓国の博物館の人が病院で授業をしている」という記事を偶然見つけて。趣味の1つだった博物館と医療が繋がったんです。また去年、看護体験に参加したのですが、入院している子ども達の中には、立つことも喋ることも難しいような状態の子もいて、中には3歳くらいの子も院内で生活していて。入院していると外に出ないので、どうしても世界が狭くなってしまうかもしれないと思う瞬間がありました。その時、入院している子ども達に「外の世界を持ってくる」ことができたらいいなと強く思いました。今回の留学では、韓国の博物館でのインタビューや調査を通して、韓国の博物館がどのように子どもたちに多様な経験を届けているのかを知りたかったんです。
博物館の方に、入院している子どもたちに向けたプログラムについてインタビューをしたところ、「短く、深く、簡単に」取り組めるものにしていることや、外に出ることが難しい子どもには、その場所や建物に行きたくなるような説明はなるべく避けるよう配慮していることを教えてくださいました。とても大切な視点だと気づきました。そしてインタビューさせていただいた博物館の方が共通しておっしゃっていたのが、「文化を子どもに伝えていくことの重要性」でした。自国の文化を深く理解することで、他国の文化を尊重することができるという考えです。だからこそ子どもの頃から文化を伝えることが大切という考え方が、凄く印象的でした。また、子ども博物館を訪問してみると、実際に物に触ったりできる体験型の展示が多く、たくさんの子どもで賑わっていました。韓国では「博物館は明るくて楽しいところ」というイメージが定着しているように感じました。

博物館にある子どもが絵本を読めるスペース。親子で絵本を読みながら博物館の話をしていた。
色々な博物館を回ってインタビューを行いましたが、一人だし、韓国語だしで本当に緊張しました。「子ども連れじゃないと入れない」と断られてしまったこともあったんですけど、「やるしかない!」と思って、なんとか韓国語で訪問理由を伝えて入れてもらった博物館もありました。留学前よりも少し強くなったかなと思います。私自身、韓国語を学ぶことや博物館に行くことや食べることが本当に大好きなんですけど、そういった「自分が好きと思えることを見つける」という経験自体がとても幸せなことだと感じています。留学前は、将来は医療に関わる仕事をしたいなと思っていましたが、今は、医療だけではなくて、子どもたちが好きなことを見つけるきっかけを作ってあげたい。好きを見つける第一歩の、手助けができるような仕事ができたらいいなと。留学を通してそんなふうにも強く思うようになりました。

中央博物館にインタビューに行った日の写真。博物館入口の階段スペースに、家族連れや年配の夫婦など様々な方々が休憩に来ていた。

韓国語を学ぶために通っていた大学の友達に兵庫県と韓国の昔からの関わりについて説明。

大学の語学プログラムに通う友達と食べたコムタン。すごく美味しかった。
伊達さん(令和7年に韓国へ留学)
韓国の博物館でのインタビューや調査を通じ、支援の必要な子どもに、多様な経験を届ける取り組みについて調査する。また、大学のプログラムに参加し韓国語を学ぶ。
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