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更新日:2022年12月1日

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令和4年12月局長メッセージ(阪神北県民局長 和泉 秀樹)

「いい国(1192)作ろう鎌倉幕府」
私たちの世代が学生の頃、年号の語呂合わせで覚えたものの代表格ですが、今は、
「いい箱(1185)作ろう鎌倉幕府」
だそうです。
1192年は源頼朝が征夷大将軍に任命された年、1185年は頼朝が諸国に守護・地頭を置く権限を認められた年。歴史の解釈として、実質的に武家支配が始まった年をもって鎌倉幕府の成立というのが、現在では有力視されたためのようです。


鎌倉幕府の成立と北条一族による武家支配の過程を描いた大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(以下「鎌倉殿」)は、私的には今年一番のドラマです。
三谷幸喜さん脚本の過去2回の大河作品「新選組!」「真田丸」も面白かったんですが、今回の「鎌倉殿」は、物語性とユーモアのバランスが絶妙でした。新選組も真田一族も、歴史上のいわゆる「敗者」であり、滅びゆく展開を、三谷さん独特のユーモアが温かく包み込んでいました。一方、「鎌倉殿」は北条一族が武家の棟梁としてその地位を確立していく「勝者」の物語。しかし、その過程は決して明るいものではなく、むしろ陰惨な権力闘争の繰り返しでした。ユーモラスな描写は、後に起こる悲劇をより一層際立たせる効果があったような気がします。

 

例えば、第15回「足固めの儀式」。親しみを込めて頼朝を「武衛(ぶえい)」と呼ぶ、有力御家人・上総介(かずさのすけ)広常(佐藤浩市さんが好演)をスケープゴートとして誅殺する、前半の大きなターニングポイントとなったエピソードです。この回の序盤は、頼朝に不満を持つ古参の御家人衆が謀反を企てる中、謀反から自分だけ身を守るため着物の下に密かに鎧を着けて、カチャカチャ音がすることを頼朝から叱られる比企能員(佐藤二朗さんが怪演)、北条の説得に「納得した。俺は始めから乗り気じゃなかった」とあっさり刀を収める和田義盛(横田栄司さんが熱演)など、ユーモラスな描写が続きます。それが後半は、「最も頼りになる者は、最も恐ろしい」と考えた頼朝が、上総介にあえて謀反に加担させたことが分かり、その上で上総介に責任を負わせるために殺すことを命じるところから、物語の様相は一変します。そして最後は、北条“小四郎”義時の嫡男の誕生シーン。その赤ん坊の泣き声を聞いた義時の顔から血の気が・・・。この回を観たときは、「とんでもないドラマを観てるなあ」と思いました。

 

また、闇落ちしていく主人公・義時の衣装の色も話題になりました。先の上総介誅殺を止めようと必死に頼朝に食い下がり、上総介の死に際して涙を流していた頃は明るい若草色だったのが、他の御家人を追い落とし、権力を増していくごとに緑が濃くなり、父・時政を鎌倉から追放した後、ついに漆黒をまといます。

 

10月に放送された特番で、三谷さんは最終回についてこう語っています。
「義時は最期、幸せに亡くなっていいのか。義時なりの最期をきちんと描くべきじゃないか。これまでの大河ドラマにはない主人公のラストシーンだが、この終わり方しかないんだなと思った」
また、義時を演じている小栗旬さんも、最終回の台本を読んだときの感想を、
「よくぞ、こういう終わりを書いてくれたなと。全然自分の思っていたイメージと違うラストシーンで、やべーな、これを俺がやるのかって」
これは、いやが上にも最終回への期待が高まりますね。放送は12月18日。しっかりと見届けようと思います。

 


三谷さんは、義時の闇落ちしていく姿について、
「人はすぐには変わらない。いったりきたりする」
とも言っています。

 

これ、身体についても同じことが言えます。加齢による身体の衰えは、ある日突然やってくるものではなく、徐々に、行きつ戻りつしながら衰えていくものです。
加齢により、身体や心の働き、社会的なつながりが弱くなる状態を「フレイル」といいます。フレイル予防には、「栄養」「運動」「社会参加」の3つがポイント。
今月の「県民だよりひょうご」の「阪神北県民局からのお知らせ」では、簡単に取り組める運動を紹介していますので、今からでも始めてみませんか。

県民だよりHYOGO12月号阪神北版

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「鎌倉殿」で一貫して描かれているのは、源氏も御家人も誰一人として「国づくり」のような壮大なことは考えていないということ。頭にあるのは「一族」がいかに栄えるか。そのために、昨日までは仲間だった御家人同士の抗争に明け暮れました。そういう意味では、「一族」を「箱」という器と解釈すると、冒頭の語呂合わせが「いい国作ろう」ではなく、「いい箱作ろう」という方がしっくりくるような気がしますよね。

 

私が一番好きな年号の語呂合わせは、
「いちごパンツ(1582)の信長さん、本能寺に死す」
「本能寺の変」は、一生忘れません。

 


コロナ禍が長期化する中、ロシアによるウクライナ侵攻などの影響による世界経済の落ち込み、止まらない物価高など、私たちを取り巻く状況は決して明るいものではありません。こういう時だからこそ、日々のささやかなことに喜びを感じることが大事なんじゃないかな、と思っています。私にとってそれは、好きなドラマを楽しんだり、何気に観た映画で感動したり、スポーツを観て興奮したり、ラジオを聴いて笑ったり、食事が美味しかったり、あるいは、家族と他愛もないことを話したり。

 

来年もそうしたことを積み重ねて、メッセージをお届けできればと思います。
今年一年、駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
来年が皆さまにとって、今年より少しでも良い年になることを祈念して。

 

阪神北県民局長 和泉 秀樹

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