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更新日:2025年11月10日

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11月11日から17日までは「税を考える週間」です

県民の皆様に、税の仕組みや目的など、税に対する理解を深めていただくため、毎年11月11日~17日を「税を考える週間」として、広報啓発活動を実施しています。
小学生高学年(5・6年生)の「税に関する書道・ポスター」(兵庫県納税貯蓄組合総連合会主催)や、中学生の「税についての作文」(国税庁、全国納税貯蓄組合連合会主催)の優秀作品のパネル展等を県内で実施しますので、ぜひご覧ください。

 

 

小学生高学年(5・6年生)の「税に関する書道・ポスター」

兵庫県知事賞(敬称略)

 

知事賞(書道)

赤穂市立塩屋小学校
6年 中尾 遙花

 

知事賞(ポスター)

三田市立松が丘小学校
6年 大垣 勇

兵庫県教育長賞(敬称略)

教育長賞(書道)

姫路市立八幡小学校
6年 藤田 琥太

教育長賞(書道)

小野市立中番小学校
6年 前田 遥翔

 

教育長賞(ポスター)

神戸大学附属小学校
6年 星島 有美子

教育長賞(ポスター)

淡路市立中田小学校
5年 大木 大和

 

中学生の「税についての作文」

国税庁長官賞(敬称略)

消えた税金が教えてくれたこと  神戸海星女子学院中学校 3年 椋野 心美

現在はもう使われていない税制度。私は今回の課題に取り組むにあたって、税金には多くの種類があることを知りました。中でも私が興味を持ったのが、「特別土地保有税」という、現在は課税されていない税金です。
特別土地保有税とは、昭和四十九年に導入された制度で、広い土地を所有している個人や企業に課せられていた税金です。当時の日本では地価が上昇し続け、投資目的で土地を買い占める人が増えていました。その結果、本当に家を建てたい人が土地を手に入れにくくなるという問題が起こっていたそうです。こうした状況を改善するために、国はこの税制度を設け、むやみに土地を持ち続けることを抑えようとしました。
ところが、平成十五年度からはこの税の課税が停止されました。理由は、バブル経済の崩壊によって地価が大きく下落し、土地を投資目的で買い占める人が減ったからだと言われています。つまり、特別土地保有税は役割を終えたと判断されたのです。
このことを知ったとき、税制度は一度決まると税率が変動することはあっても、制度自体がなくなることはないと思っていた私の考えが変わりました。社会や経済の状況によって税のしくみは見直され、時には使われなくなることもあるのだと初めて知りました。
また、税金にはただお金を集めるだけでなく、社会の問題を解決するための大切な役割があることにも気づきました。特別土地保有税は、土地の使い方を公平にしようとする意図を持った制度だったと思います。土地の値上がりに困っていた人たちにとってこの制度は暮らしやすさを取り戻すための一歩だったのではないでしょうか。
現代でも、都市部では住宅価格が高く、多くの人が住まいを確保しにくい状況が続いています。さらに、テレワークの広がりや少子高齢化など、時代が変われば新たな課題も生まれてきます。これからの社会でも、こうした変化に応じた新たな税制度が必要になるかもしれません。今回調べた特別土地保有税のように、税金は社会の課題に対応するための「しくみ」であるという視点を持つことが、これからの時代にはより一層大切になると思います。
今回の学習で税制度は社会の動きに合わせて変化し続けているということを知ることができました。過去に存在した制度を通して、税には暮らしを守るための工夫や意図が込められていることがわかり、税に対する見方がプラスの方へと大きく変わりました。今後は、社会の動きとともに税の役割にも目を向けながら、自分の考えを深めていけるようになりたいと思います。

希望の火打石  尼崎市立園田東中学校 3年 岩崎 透也

小学三年生の後期、私の人生は大きく変わりました。姉は私学の中高一貫の進学校を目指し、毎日机に向かって受験勉強に励んでいました。家の中には緊張感がただよい、私は幼いながらもその空気を感じ取っていました。そんな中、私にとって大きな出来事が起こります、父が癌で亡くなったのです。
父は東京に単身赴任をしていました。兵庫に暮らす私たち家族のために、毎週末のように夜行バスなどで帰ってきては、必ずどこかに遊びに連れて行ってくれました。その時間は短くても、私にとって大切な思い出です。けれども、私の目に映る父は、多忙のせいか心が沈んでいるように見えることもありました。その背中を今も忘れられずにいます。
やがて父は病に倒れ、私たちの前からいなくなってしまいました。そのときの衝撃は大きく、小学四年生から中学二年生まで、私は学校に通えないまま過ごしました。勉強からも友達からも遠ざかり、姉の机に向かう姿を横目に、取り残されていく自分を感じていました。
それでも家族の暮らしは続いていきました。母は黙々と働き、姉は学びを続け、私はただ時間の流れを見つめていました。どうしてここまで生活を保ててるのか、不思議に思う気持ちもありました。その答えを知ったのは、ごく最近のことです。ある日、ニュースで「遺族年金に関する法律の一部改正」について報じられていました。そのおかげで、制度の存在を初めて知ったのです。
私は深い驚きと同時に感謝を覚えました。不登校の間も、社会の仕組みが見えない形で私たちを支えてくれていたのです。もしその制度がなければ、姉は受験を続けられず、母も働きづめになっていたかもしれません。自分が立ち止まっていた間も、社会と確かにつながっていたのだと気づいたとき、心の奥に小さな希望が灯りました。
社会は目に見えないつながりによって支えられています。税金や保険料を納めることは、自分の未来を守るだけでなく、誰かの生活を支えることにも繋がります。そして必要なときには、年金という形でその支えが自分に返ってくるのです。
父を失った悲しみや、不登校で過ごした時間は消えることはありません。しかしその経験があったからこそ、社会の仕組みのありがたさを実感できたのだと思います。
私は将来、過去の自分のように立ち止まってしまった人と出会った時に、少しでも安心して歩き出せるよう、胸を張って「大丈夫だよ」と言えるようになりたいです。そのために今ある受験という壁を乗り越えて、社会や人を支えていけるような、たくましい大人を目指そうと思っています。

兵庫県知事賞(敬称略)

「納税の義務」を越えた先に  神戸市立神戸生田中学校 3年 正保 寧々

私が税について考えるようになったきっかけは、小学生の時に夏休みの書道コンクールで「納税の義務」と書いたことだ。「納税の義務」は、「教育の義務」や「勤労の義務」とともに日本国憲法で定められた国民の三大義務の一つであり、私たちが納めた税は、国や地方公共団体が様々な政策を実施するための財源となる。税は、私たちの社会を支えるために欠かすことのできないものなのだ。ところが、報道等に接していると「増税反対」や「消費税を廃止してほしい」といった声を耳にすることがある。なぜこのような主張がなされているのだろうか。
日本では、令和七年度の当初ベース(一般会計)で、約百十五兆円超の規模において財政が運営されている。税負担が重いと感じるのであれば、税額を減らす代わりに様々な政策にあまりお金を費やさなくするという「低福祉・低負担」の選択をすることもできる。逆に、様々な政策の質や量を充実させたいのであれば、税額を増やしてその財源に充てることによって「高福祉・高負担」の選択をすることもできる。どちらの場合であっても、国をどのように運営したいのかということがまず先にあって、そのための費用の多寡に応じて税額を増減させるのが原則だが、多くの日本人は、「様々な政策は実施して欲しいが税は減額して欲しい」という、いわば「高福祉・低負担」と表現すべき矛盾とも言える意見を発していることになる。
先ほど述べた日本国憲法の三大義務のうち「教育」と「勤労」については、それぞれの権利の側面についても憲法上明文化されているが、「納税の義務」には権利についての記載がない。実際、私たち日本人は、「納税」について義務のイメージが先行しがちで、税を通してどういう社会を作っていくのか、それについて自ら決めていくことができるという権利の側面への意識が希薄になってはいないだろうか。税は、納税者自身がその使い道を決めていくものでもあるという点についてしっかりと意識すべきではないだろうか。
例えばフランスでは、一七八九年のフランス革命において、税を何にどう使うのかを王政ではなく自分たちの代表が決めるという仕組みを勝ち取ったという歴史がある。税は、一方的に押し付けられた単なる義務ではなくそれを財源としてどういう社会を作っていくかを決められるという権利の側面も含むものであり、自分たち自身がより良い社会を築いていくための重要な手段として、人々の意識次第で変えられるものでもある。逆に言えば単に「高福祉・低負担」を求めればよいということではなく、どの程度の財源でどのような政策を実施していくべきかを主体的に考え社会を形成していくという責任を伴うものでもある。そのことについて、学校や地域等の様々な場で学んだり話し合うことで、理解を深めていく必要があると思う。

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