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更新日:2026年3月5日

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森林大学校とは

リアルな自然の中で、森林や林業、木材について学び、森と人が共存できる未来をつくるための知識や技術を身に付けられる、関西唯一の専修学校です。

森の中で木を伐る青年

なぜ「林業大学校」ではなく「森林大学校」なのか?

それは人間本位ではない「森林との関わり方」があると、私たちは考えているからです。ひとと自然が共存できる経済活動、そんな林業を目指しています。

 

森林へと目を向ければ、若い木々は炭素を吸収し酸素を生み出しながら成長し、成長した木はいろいろな生き物を育みながら、ひとの手により様々な用途に活用されています。

 

空中で茂る葉は強い雨を受けとめ、幹を伝わせて根へと届けます。縦横無尽に広がる根は土砂を抱え込みながら、雨水をさらに地中へと導きます。そうして蓄えられた水は暮らしを潤しながら、森林の栄養と共に海へと辿り着き、また雨となって還っていきます。

 

その循環に寄り添い、森林の力を借りながら経済活動を行いつつ、より良い環境を次世代へと手渡す。そのための知識や技術を学ぶことを目的とした学校、それが「森林大学校」です。

 

木を植え、育つまでには長い年月がかかります。いま私たちが手入れするのは、前の世代が植えた木で、私たちが植えた木を伐るのは次の世代です。日々の仕事の中で、過去や未来と向き合いながら、一本一本の木の個性とも向き合っていくので、一つとして同じ作業はありません。決して単純ではなく、深い理解と確かな技術が必要です。

 

私たちが思い描く未来のためには、いろんな技術や資格を持つ人々が助け合う必要があります。チェーンソーで木を切るひと、森林の計画を立てるひと、行政として関わるひと、森の新たな活用を見つけるひと、樹木の健康を保つひとなど。それぞれが自らの役割を認識し、連携することで、地域経済に貢献しつつ、環境とのバランスが取れた林業を実現できます。

 

森林大学校では、それぞれに合った仕事・役割を見つけられるよう、教員が伴走します。未来の森林を創造する仲間と出会い、自分らしい「森林との関わり方」を一緒に見つけていきましょう。

演習林の草刈りをする大学校生たち

演習後に談話室でスイカを頬張る大学校生たち

私たちの目指す森林の姿

かつて日本の暮らしは、森林ともっと深くつながっていました。家を建てる木材、火のための薪、田畑を育てる落ち葉や、食材としての木の実やキノコなどとして。森林は、私たちの日々の暮らしを静かに強く支える存在だったのです。

 

しかし戦後の復興と経済成長の中で、木材は輸入が大半となり、燃料や資材は化学製品に置き換わり、私たちは親密だった森林との関係をいつの間にか手放していました。

 

そうして使われなくなった森は、手入れされず、暗くなり、人間本位の暮らしや経済活動は、森に棲む生き物と私たちの領域をあいまいにしています。

 

本来ひとは、ひとつの森をいくつかに分けて捉えていました。里山の森では、人々が恵みや楽しみを分かち合う。山腹の森では、木を育て次世代へとつなぐ。山奥の自然に近い森は、生き物の領域として守る、といったように。

いま改めて、様々な環境の要因や課題から、その捉え方が新鮮で、大切なものとして見直されています。人が森林を尊重しながら適切に関わることで、生き生きと蘇り、二酸化炭素を固定する力も強くなります。懐かしいようで新しい関わりがつくる未来の森林。それが私たちがみなさんと目指したい姿です。

 

なぜ私たちは木を伐り、活用していくのか

 

木は成長の過程で大気中の二酸化炭素を吸収し、木材として幹に炭素を固定します。伐採後は、燃やしても、朽ちても、いずれ再び二酸化炭素として大気に戻りますが、それはもともと大気中に存在していた炭素であり、森林の成長と再生を通じて循環する「自然な炭素循環」の一部です。

 

一方、化石燃料は長い時間をかけて地中深くに固定されてきた「百万年から数億年前の炭素」です。それを人類が掘り出し、短期間で大量に使ってきたことで、地球全体の炭素バランスは大きく崩れてきました。しかし現時点では、地下資源に依存せずに暮らしていくことは難しいのが事実です。

 

では、私たちはどう変化すればよいのでしょうか。

 

地下資源に頼ってきた素材やエネルギーの一部を、できるだけ再生可能な森林資源へと置き換えることです。それは建築物から、小さな道具、薪やペレットに至るまで、幅広く現実的な選択肢があります。

 

また、身近な森の木を手入れし、活用し、循環させていく地域の取り組みは、森林の二酸化炭素を吸収する力を高め、輸送時に発生する二酸化炭素を削減し、地域の持続可能な経済活動を維持することで、山とまちの関係回復へとつながっていきます。

 

私たちが地域の森林を適切に整備し、木材を活用しながら「自然の炭素循環」を意識する暮らしへとシフトしていけば、炭素を貯蔵しながら次の森を育てる循環を生み出すことができるのです。

私たちの、小さくとも地に足のついた意識と行動が、次世代への確かな貢献となります。木を育てることと同じように、おおらかな視座で、私たちは50年後、100年後を想い、生きていこう。