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更新日:2024年10月23日

意見書 第41号

ゲノム編集技術応用食品の表示等について更なる検討を求める意見書

 

 ゲノム編集とは、生物が持つゲノム上の特定部位を切断して、その後突然変異させ、生物の性質を変化させる技術であり、健康維持を目指した食品の開発や効率的な農作物の栽培などを目的とした品種改良に活用されつつあり、地球温暖化、食料自給率の低下、食料安全保障などの課題や、多様なニーズへの対応の可能性が期待されている。

 世界的にもゲノム編集技術は新しい技術であるため、EUをはじめ世界各国で規制に関する法令等の見直しは進んでいない状況であり、国によって対応は様々である。

 我が国においては、ゲノム編集技術応用食品のうち遺伝子組換え食品に該当しないものは、食品安全委員会における安全性審査を不要とし、食品表示基準についても表示対象外としている。その理由として国は、外来遺伝子等が残存しないものについては、自然界または従来の品種改良で起こり得る変化の範囲内であり、科学的に判別不能であること、また、現状、国内外においてゲノム編集技術応用食品に係る取引記録等の書類による情報伝達体制が不十分であることを挙げ、科学的・社会的検証が困難であるとしている。

 現在、遺伝子組換え食品に該当しないゲノム編集技術応用食品は、流通等に先立って国への事前相談を行うこととされ、届出をした上で公表されている。しかし、届出には法的強制力がない上、ゲノム編集技術応用食品が網羅されて公表されているかは不明である。

 このような中、消費者からはゲノム編集技術応用食品及びそれを原材料とする加工食品に対し、健康や環境面での懸念のほか、利用するか否か自らが選択できるよう、その表示を求める声が上がっている。

 よって、国におかれては、消費者の自主的かつ合理的な選択の機会を確保するため、引き続きゲノム編集技術に関する知見の集約などに努め、理解醸成を進めるとともに、ゲノム編集技術応用食品及びそれを原材料とする加工食品の表示等を含めた消費者への情報提供の在り方について、更なる検討を行うよう強く要望する。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

令和6年10月23日

衆議院議長 様
参議院議長 様
内閣総理大臣 様
内閣官房長官 様
総務大臣 様
財務大臣 様
農林水産大臣 様
内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全) 様

兵庫県議会議長 浜田 知昭

 

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