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更新日:2024年10月23日

意見書 第42号

高齢化が進む地域における住宅耐震化促進を求める意見書

 

 1995年(平成7年)1月17日に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)では亡くなられた方の8割弱が建築物の倒壊等による圧迫死であり、その9割が古い木造住宅であったと報告されている。このことを踏まえ、「建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)」が施行され、現在の新耐震基準を満たさない建築物について積極的に耐震診断や改修を進めることとされ、地方公共団体には耐震改修促進計画の策定を求め、耐震診断や耐震改修について財政支援を行ってきた。現在、全国における住宅の耐震化率は87%となり、国の施策については一定の評価をするものである。

 しかしながら、本年1月1日に発生した能登半島地震では、人口減少・高齢化が進む地域を襲った地震で、犠牲者の死因の86%は家屋の倒壊による圧死である。これら被災地の耐震化率は例えば珠洲市51%、輪島市45%であり、全国平均87%を大きく下回っている。また、65歳以上の高齢化率は珠洲市52%、輪島市46%であり、全国平均高齢化率29%を大きく上回っている。本県でも高齢化率が高い地域は、耐震化率が低く、つまり、高齢者が多く居住し過疎化する地域では、住宅の耐震化が進んでいない傾向にある。

 一方で、30年以内に発生する確率が70~80%とされ、本年8月8日に臨時情報が発出された南海トラフの大規模地震の危機が切迫している。

 よって、国におかれては、高齢化地域で住宅の耐震化を促進するビジョンを明確にし、その実現に向けて下記のような法制度や財政措置を整備するよう強く要望する。

1 高齢化が進む地域における住宅の在り方について、国としてのビジョンを提示すること。

2 高齢化が進む地域における住宅の耐震化の促進策を提示すること。

3 2の実現に向けた新たな公費の投入や、地方公共団体への財政支援の創設に取り組むこと。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

令和6年10月23日

衆議院議長 様
参議院議長 様
内閣総理大臣 様
内閣官房長官 様
総務大臣 様
財務大臣 様
国土交通大臣 様
国土強靱化担当大臣 様
内閣府特命担当大臣(防災) 様

兵庫県議会議長 浜田 知昭

 

お問い合わせ

部署名:兵庫県議会事務局 調査課

電話:078-362-9404

FAX:078-362-9031

Eメール:Gikaitosho@pref.hyogo.lg.jp