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更新日:2024年10月23日

意見書 第44号

下水道の維持管理・更新におけるウォーターPPP導入に向けての丁寧な対応を求める意見書

 

 公共インフラの適切な維持管理や更新は、地域住民の日常生活の安全と安心のために大変に重要な課題である。地方公共団体が整備や維持管理を進めてきた下水道は、1990年代に建設されたものが多く、下水道管の耐用年数をおよそ35年と仮定すると2025年頃から大量に更新時期を迎えることが予想される。

 この施設の老朽化に加えて、人口減少による使用料収入の大幅な減少、職員数の減少による管理や運営状況の悪化に対し、広域化やDXをはじめとする効果的・効率的な取組が求められている。

 政府は、更新時期を迎える公共インフラの適切な維持管理や更新のために、PPP/PFI推進アクションプラン(令和5年改定版)を策定し公共施設等運営事業へ移行する方針を示した。下水道においては、公共施設等運営事業への段階的な移行を目指し、官民連携方式として、長期契約で管理と更新を一体的にマネジメントする方式(ウォーターPPP)を導入することとした。

 さらに政府は、社会資本整備総合交付金等の交付要件について、「汚水管の改築に係る国費支援に関して、緊急輸送道路等の下に埋設されている汚水管の耐震化を除き、ウォーターPPP導入を決定済みであることを令和9年度以降に要件化する」とした。

 この下水道事業では、PPP/PFIの導入が、政令指定都市をはじめ、人口20万人以上の大規模地方公共団体で進んでいるが、中小規模の地方公共団体では進んでいないのが現実である。その原因の一つに、PPP/PFI手法は、仕組みが複雑で検討も多岐にわたるため、中小規模の地方公共団体にはノウハウが少なく、施設等の規模も小さく事業規模が大きくなりにくいこと等がある。

 よって国におかれては、地方公共団体が民間との連携のもとで、安定的かつ持続的に下水道施設を機能させることができるよう、公共施設等運営事業への段階的な移行を目指してのウォーターPPPの導入について、下記の事項について特段の配慮を求める。

1 地方公共団体への導入支援において、職員向けのガイドラインだけではなく、中小規模の地方公共団体に寄り添う形で、相談窓口の開設や、専門家の派遣等の伴走型の支援体制を整えること。

2 社会資本整備総合交付金等の交付要件について、一部を除きウォーターPPP導入を決定済みであることを令和9年度以降に要件化する政府の方針が示されているが、地方公共団体の取組状況に応じて、導入時期などについて弾力的な対応を検討すること。

 

 以上、地方自治法第99条に基づき意見書を提出する。

 

令和6年10月23日

衆議院議長 様
参議院議長 様
内閣総理大臣 様
内閣官房長官 様
総務大臣 様
財務大臣 様
国土交通大臣 様
内閣府特命担当大臣(地方創生) 様

兵庫県議会議長 浜田 知昭

 

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部署名:兵庫県議会事務局 調査課

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