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1 感染症患者急増対策について
感染者の急増を踏まえ、入院医療体制等の拡充や、円滑な入退院に向けた病院等への「入口」及び「出口」対策を強化。増加している入院調整中の患者への適切な対応を推進
(1) 入口対策
① 病床数の拡充
② 宿泊療養施設の受入拡充
③ 入院調整機能の強化
(2) 出口対策
① 症状軽快者の転院等受入促進
② 回復者の転院受入促進
(ア)「新型コロナウイルス感染症回復者転院支援窓口」の設置
(イ) 転院受入医療機関への支援
③ 社会福祉施設への回復者の受入促進
(ア) 退院基準満了証明(仮称)の発行
(イ) 社会福祉施設への退院受入支援の実施
(3) 入院調整者等への対応
① 医療機関・社会福祉施設等でのクラスター対策等
(ア) 感染管理認定看護師等を派遣し、施設特性に応じゾーニング、防護具着脱訓練の実施
(イ) 一般医療機関へのクラスター発生時の空床確保料を支援
(ウ) 精神科医療機関への感染者発生時の支援
(エ) 社会福祉施設への感染者発生時の支援
2. 宿泊療養施設の対応強化
(ア) 宿泊療養施設の受入対象患者のさらなる弾力運用
(イ) 宿泊療養施設への医療チームの派遣
3. 自宅待機者に対するフォローアップ体制の強化
(ア) 健康観察の強化
(イ) 介護・障害福祉サービスを必要とする場合
2 ワクチン接種に向けた組織体制の整備について
新型コロナウイルスワクチン接種の円滑な実施に向け、健康福祉部感染症等対策室に県内医療従事者(約16万人)への優先接種にかかる医療機関との調整、ワクチンの流通調整、市町支援等を担う「ワクチン対策課」を新設(令和3年1月25日設置)
3 感染症対応資金(当初3年間無利子・保証料全額無料)の融資限度額引き上げについて
1月25日から感染症対応資金(当初3年間無利子・保証料全額無料)の融資限度額を4,000万円から6,000万円に引き上げ
4 感染症拡大防止協力金の支給要件の変更について
特別な事情で1月14日から時短営業が困難な場合の支給要件について、協力開始日から2月7日まで継続して要請に応じた場合、時短営業をした日数に応じて支給(但し、定休日は時短営業日数から除く)に変更
記者:
先週(13日)に緊急事態宣言が出てから、今日で約1週間になりますが、県内の感染者数はなかなか減っていないように思います。2週間後の結果を見なければ、何とも言えないかと思いますが、今現在の状況についての受け止めをお願いします。
知事:
緊急事態宣言の前から、年末年始についての警戒を呼びかけていました。その年末年始は、結果的に、家庭内でのホームパーティーや帰省、あるいは親戚との寄り合いなどの、年末年始特有の状況が、今の感染者数の高止まり、しかも平均して250人という高止まりをもたらしている。これが、来週半ば以降、どんな形で推移するのかを見極める必要がある、と思っています。
いずれにしても、これから減らしていかなければなりませんから、県民の皆さんには、自分たちがうつらない、そして人にうつさない、としっかりと自覚を持って行動してもらうよう、協力をお願いしたい、と思います。
記者:
今回、出口戦略と入院調整中の自宅待機者への対策が、かなり手厚くなったと思いますが、それに関する期待感をお願いします。
知事:
特に、入院調整中の自宅待機者については、目が届かないということで、重篤化することが続出しては困ります。我々としては、きちんとしたフォローアップ体制を作り上げていきたい、という意味で、今日お話ししたような各種対策を行っていきたい、と考えています。
出口戦略として、一般病院や福祉施設について協力を求めようとしているのは、目詰まりの状況を解消したいからです。これだけで解消できるのかどうか、その見極めは困難ですが、是非、民間病院なども含めて、協力をお願いしていきたい、と考えています。
記者:
看護師などによる自宅待機者の見守りについて。看護師の人数など、どのくらいのボリュームを想定しているのでしょうか。また、神戸市も似たような自宅待機者の見守りを打ち出されたかと思いますが、その関係性や連携性はどう整理されますか。
知事:
神戸市の場合は、神戸市が独自に今までも対策を行っています。連携していくことはあるかと思いますが、基本的には神戸市主体でやってもらいます。
方向付けを今日の本部会議で議論して、こういう方向でいこうということにしました。また、看護系大学等への募集も今日からお願いしています。看護協会には協力をもらうことになってはいますが、看護協会も派遣人数などは、これから調整をすることになります。方向づけをしっかりと決め、具体の調整はこれからすることになります。
記者:
重症者病床を空けるために、回復者の転院などかなり施策を打ち出されました。裏を返すと、そのような重症者の転院が難しいということがあると思います。重症者の転院が難しいということは、他の首長さんからも指摘がありますが、それをどのように捉えて、この方針にしたのか、教えてください。
知事:
(何よりも)窮屈だからです。
重症者だけではなくて、中軽症者が居残っているケースもかなりあります。中軽症者でも、感染リスクがほとんどなくなっているような人達は、できるだけ入院状態から他の状態に変わってもらうことは非常に重要です。重症者については、中軽症になった場合には、コロナ対応を必要としないけれども(引き続き、何らかの)治療が必要だとすると、コロナ対応の必要はないけれども、その人に応じた転院を促進したい。いずれにしても、目詰まり対策をしっかりとやっていこう、ということです。
記者:
確保病床の考え方について。兵庫県は厚労省に基づいて、確保病床で(集計を)されていると思います。大阪府や京都府は、一昨日だったかと思いますが、府知事が、会見で実態を分かってもらって危機感を持ってもらいたい、という趣旨も含めて、運用病床の公表を毎日のようにするようになりました。兵庫県では運用病床を毎日ホームページ等で、公表するように変更する考えはありますか。
知事:
運用病床を公表する、と言っても毎日変わります。だから、毎日公表すればそれでよい、ということにはなりますが、特に重篤者に対するベッドの運用の状態を、緊迫感を持って運用しているということを理解してもらうのが趣旨だ、と思います。
今の状況だと、その運用病床に対する切迫度がこうだから、だから(と言って)どうするのでしょうか。確保病床をもっと早く運用病床化しろ、というサインにしかならないのですが、それは適時、各病院で確保病床、運用病床を重症者の状況を見定めて、運用してもらっています。今の段階で、直ちに運用病床を公表しなければならないことにはならない、と思っています。
これは各病院とも相談しなければならない事柄ですので、どのような対応をするのか、どれが望ましいのかを十分踏まえた上で、対処法を決めたいと思います。
記者:
ワクチン接種について、兵庫県ならではの、例えば分配の仕方など、他と違うところがあれば、教えて下さい。兵庫県の独自のやり方だと、困難な部分があれば、それもあわせて伺いたいです。
知事:
まだ、そのような質問に答えられるほどの、国からのシステムの開示がありません。したがって、どこが独自で、どこが独自でない、という判断もしづらい状況です。もうしばらく経ってから、もう一度質問してもらう方がよいのかと思います。
記者:
今、知事の中で、例えば今後、(ワクチンが)入ってきて、こんなことがあるのではないか、といった想定などは、何かありますか。
知事:
いまだにどのワクチンなのか、ということも決まっていません。
ただし、どうも厚労省などの動きを見ていると、マイナス70℃の超低温冷凍庫を配布しよう、と準備しているということで、ファイザー製のワクチンなのではないか、と想定されます。それから、説明会の時の基準等で算定してみると、(冷凍庫)45台程度が配置されるなど(が想定できますが)、単にこちらが基準に基づいて推計値を出した、ということに過ぎません。
しかし、そうは言ってもいられないので、想定されるような、事柄、項目について、事前に我々なりに検討を加え、国から示されたら、直ちに対応ができるようにしていこう、ということが、ワクチン対策課を作った趣旨です。
記者:
少し厳しい(質問)かもしれません。自宅待機者に対して、看護師を派遣する。75歳以上など、一定の条件下だとは思いますが、これはもう、「自宅療養」と言えるのではないか、と思います。知事の考えとしてはどうでしょうか。
知事:
どうぞ「自宅療養」だと決めつけてもらってもよいのですが、我々としては、「自宅待機者」に対する適切な対応をする、ということです。
「自宅療養」と言えば、もう、あとはそこでずっと対応する、療養することになるわけです。しかし、我々の場合は、目詰まりが解消されていけば、従来のように、入院や、ホテル等の療養施設に収容していくことを原則にしています。そのように動かしていきますので、「自宅療養」とは言わない、と考えています。
記者:
おそらく他府県でも、自宅療養している人で、容体が変わったりすると、もちろん病院に行くと思います。
知事:
それは当たり前です。当然のことです。自宅では治療できないでしょうから。
記者:
そうではなくても、軽い症状であっても、空けば入れる、というのが兵庫県の方針だと。
知事:
そうです。今は、少し目詰まりの状況が起こっている。待機者が増えてしまっているわけです。目詰まりが解消されれば、原則に戻る、ということになります。
これは、早く戻したいのですけれど、この調子では、なかなか容易ではありません。その点は、努力をしていかなければならない、と思っています。
記者:
入院調整中の自宅待機者は、昨日時点で、大体700人以上が出ていると思います。
知事:
800人を超えたことがありましたから、100人減りました。
記者:
それでも多い状況が続いていると思います。その中で事実誤認があれば申し訳ないのですが、神戸市で入院調整中が大体500人近くいて、県が出している数字を見ると、半数以上が神戸市の数字になっています。神戸市は、神戸市独自で対応していますが、神戸市だけではないと思うので、それが集中してしまっている状況については、知事はどう受け止めているのでしょうか。
知事:
神戸市の場合、できるだけ自前のシステムを動かしていこう、と構築されてきています。その自前システムの中の運用で、目詰まりがかなり起きてしまっている対応を、自宅療養も辞さないという形で解決しようとされている、ということなのではないか、と思っています。ただし、神戸市も自宅療養が望ましいとは思っていないので、先ほどのご質問にも答えたように、神戸市自身も目詰まりが解消すれば、自宅療養も解消されるかもしれません。これは神戸市の方針ですけれども。
どうしても神戸市の場合、医療体制、宿泊療養施設の運用の体制と、それとの関連での自宅待機の3つの関係が、どうしても目詰まりが起きてしまっています。そのおかげで、自宅待機の数がかなり増えてしまっている現状を、何とか打開したい、という意味もあって、自宅療養という方針を打ち出されたのではないか、と思っています。
我々も、神戸市に何か応援できることがあるなら応援したいのですが、我々自身も、県全体としても、大変窮屈な状況になっています。お互いに協力をしながら、早くこの状況を打開したいというのが、今の実情です。
記者:
新型インフル特措法の改正案が、今日、閣議決定されました。時短要請に従わないところについては、行政罰(過料)の罰則をという、対策案が閣議決定されました。それについて、知事が評価される部分と、また、実効性については、飲食店の店舗は大小様々ありますが、実効性についての課題などで、思う点があれば教えてください。
知事:
問題は、今まで(できること)は、施設名の公表止まりでした。そのため公表されても困らないというところは、守ってもらえませんでした。つまり、担保措置が非常に弱かった、と思います。しかし、罰則を規定してもらうことによって、要請に対する実効性がかなり上がることが期待できるのではないか、と考えています。
したがって、特措法の体系の大きな担保措置ができた、という評価ができるのではないか、と思っています。
記者:
実際踏み込むとなると、なかなか難しい部分が、パチンコ店の(公表の時に)比べてあるでしょうか。
知事:
運用上は、まず要請を出して、それから命令を出して、その命令にも従わない場合に、初めて罰則ですので、いくつかの手続きを経ていきます。どこまでの手続きで理解を得られるか、ということも含めて、かなり難しい運用を迫られるのではないか、と思います。ただし、そのような罰則まで担保されているという効果は、大きいのではないか、と思います。まさか、罰金を払えばいいや、と思っている人は、日本国民であれば、ないのではないか、と思っています。
記者:
回復者の転院受け入れについて。(コロナ)入院対応医療機関から一般医療機関への転院ということは、つまり、コロナの症状は回復したけれど、まだ入院しなければならない。一方で、福祉施設への受け入れについては、コロナ病床596人の患者さんの中には、もう退院できるのに退院して、ない人がいる、ということなのでしょうか。
知事:
そうです。受け入れてもらえないので、なかなか次のところにいけない。一番典型的なケースは、入院中に体が弱って自宅に戻れない。例えば、独居だとすると、誰にも面倒を見てもらえないので、自宅に戻れないような方々がいます。そうすると、一時的にでも、福祉施設にでもお願いせざるを得ないケースもあります。そのような退院して入所、というシステムを作っておく必要がある、という意味です。
記者:
コロナ医療の資源の活用としては、かなり非効率なことが行われているということだと思います。数的には結構な数があるのでしょうか。
知事:
そんなに多くの数ではないとは思いますが、特に、転院ができるのに、なかなか転院調整がうまくいっていない、というケースは、かなりあるのではないか、と思います。
今言いました、施設へ収容するケースはそう多くはない、と思っています。
記者:
(コロナ)入院対応医療機関から一般医療機関への転院受入は、1人10万円の支援ですが、宿泊施設は関係ないのでしょうか。
知事:
宿泊施設は、入っていません。病院から(の転院)です。
記者:
入院調整と、最初から自宅療養、というのは、少し違うかと思うのですが、その考え方を少し整理したいと思います。
今、現実に起きていることとして、例えば、若くて何の病気も持っていない人は、「ホテルでよいです」という格好になっています。一方、高齢者、あるいは持病等があって、「あなたは入院の方がよいですね」という分類をされる人でも、入院先がないから、結局は自宅にいる。
知事:
そういう人は、あまり長い間は自宅にいるわけではないのですが、例えば、宿泊療養施設は、以前の運用であれば、若い人に入ってもらっていましたので、若い人が占領してしまっています。5割ぐらいの運用ですが、若い人が占領していて、なかなか宿泊施設で診てもらった方がよいような人が入れないでいるケースがあります。そのような場合には、若い人に出てもらって、しばらく施設に入れる(宿泊療養施設で待機してもらう)。あるいは、病院についても、できるだけ病院で診てもらった方がふさわしい方々に、できるだけ優先して入ってもらう。そのためには、受け皿を広げなければなりませんので、転院奨励をしていこうとしています。
したがって、できるだけ自宅待機をしてもらう人は、重篤化の可能性がない、しかも年齢の低いような方々を中心に運用できるようにしていきたい、と思っています。ただし、どうしてもしばらくの間、何日か、2、3日なのかもしれませんが、待ってもらわなければならないケースもあります。そのようなケースの場合には、看護師やかかりつけ医の協力を得て、医療サービスも含めたフォローをしっかりとしていこうとするのが、今回の対応の基本です。
記者:
そうすると、自宅にリスクの高めの人がいて、リスクの低めの人がホテルに入る、という、いわゆる逆転現象のようなことは、今後解消されていく考え方なのでしょうか。
知事:
なかなか難しいと思います。完全に解消するのは難しいと思いますが、できるだけ、必要な人が必要な医療や介護のサービスを受けられるように運用していきたい、ということを目指そうとするものです。
記者:
宿泊療養施設の柔軟な運用ということを言われていますが、例えば、入院調整中で待っている間だけ、ホテルで一時的にいて、そこから入院する、という柔軟的なこともできるのでしょうか。
知事:
それも考えられると思います。少なくとも宿泊療養施設は、医師の監視下にあります。西宮の宿泊療養施設は、そのような医師の監視の密度を高くしようとするものです。そして、DMATのようなチーム編成で協力してもらい、病院とは言えませんが、病院に近いようなサービスを確保していこう、としています。いわば、病院予備軍を作って、運用しよう、と考えています。
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