ここから本文です。
知事:
1番目は「新型コロナウイルス感染症の現状と対応」です。
本日の陽性者数は、60人です。休日の検査体制なので、濃厚接触者が中心になっています。このような状況は、毎月曜日とも繰り返していますが、先週は80人だったので、先週に対しても減少している、と言えます。
資料1ページ、下のグラフをご覧下さい。1週間平均の患者数の推移を見ると、1月21日から急激に下降線をたどっている状況です。ただし、上の検査陽性者の状況をご覧下さい。入院調整者がまだ659人もいるので、これがやはり医療状況の逼迫を象徴している数値、として受け止めるべきだと考えています。入院内訳を見ると、宿泊療養が40.9%程度なので、宿泊施設の活用をさらにしっかりと考えていく必要があるのではないか、と思っています。
2ページをご覧下さい。年齢別患者、管轄保健所ごとの状況。経路についても、家庭、クラスター、これが、大半を占めています。(これまでと)大きな傾向の差はありません。
「外出自粛等による効果分析」です。真ん中のグラフは、(1月1日から1月31日の)15時時点ですが、緊急事態宣言が発令されてからも、昼間はあまり増減がなく、横ばいが続いている、と見ています。しかし、(下のグラフ)夜の22時になると、かなり減少してきた、と言えるのではないか。山は1月9日で、それ以降急減しています。1月9日は、3府県の知事会議があり、西村大臣に、緊急事態宣言を発出して欲しい、という要請の打ち合わせをした時です。緊急事態宣言を発出して欲しい、という要請をすることのアナウンスが、このような形で大きな影響を与え、緊急事態宣言後の減少にも繋がっているのではないか、と見ています。
黒色の線は、1週間平均患者数を、10日前にずらした線です。10日前にずらした、ということは、外出との相関を同じ時期で見ようとした図です。ご覧いただくと、人出の減少に比例して、新規感染者数も減少している、という傾向が窺えるか、と思っています。
その次は、関西広域連合で(1月28日に)発出した府県民に対する呼びかけです。「関西・みんなで頑張ろう宣言」です。特にこの中では、不要不急の外出自粛を強く呼びかけています。特に若い人に対しては、一度かかると、自分に後遺症が残ることや高齢者等への感染の原因になりうることを自覚して行動に注意しましょう、ということを強く呼びかけています。
症状が出れば、通勤通学などは、当然控えて、直ちに電話相談のうえ、医療機関を受診してください。家庭内や施設内に感染を持ち込まない、拡げないよう、行動に注意してください。ホームパーティーなどの大人数での飲食や長時間に及ぶ飲食を家庭内でも避けましょう、という呼びかけをしています。
16時から3府県の知事会議を開催する予定です。まだ、予断を持って言うのは早いかもしれませんが、私としては、第1は、縮小傾向にあるということは先ほど示した黒色の実線の動きでも言えるかと思いますが、やはり、この傾向をしっかりと定着させなければなりません。今ここで緩めると、今までの努力が無に帰することにもなりかねません。ここは、我慢のしどころで、しっかりと県民の皆さんとともに、コロナウイルスを抑え込む努力を続けていく必要がある、ということです。
第2は、先ほども強調しましたが、自宅待機の方々が、659人もいます。医療の状況がいかに逼迫しているか、ということが、ここに現れています。医療の逼迫度は、まだ解消されておらず、厳しい状況が続いているので、このことを勘案しても、今ここで、緩める訳にはいかない状況だと思われます。この認識を私は、他の2府知事に、16時からの会議でお話し、国に対して、延長することが望ましい、ということを言いたいと思っています。
どの程度の期間が望ましいのか、これはなかなか一概には言えないので、これは相談する事柄になるのではないか。もしかすると、国にお任せすることになる、とも思っています。
2番目は「『ひょうご農林水産ビジョン2030』の策定」です。
「ひょうご農林水産ビジョン2030」(の策定)を目標に、議論を進めてきました。平成31年3月8日に諮問しました。4回の総会、7回の農林水産企画部会で調査審議が行われ、1月13日に内田審議会会長から私に答申がありました。
このビジョンについては、2月議会に提案し議決を経て、3月末に策定・公表をします。
内容は、横長の紙をご覧ください。
「第2章 農林水産ビジョン2025に基づく取組の評価」です。
例えば、表1の農業産出額で見ると、2018年(の実績)は1544億円、2020年の中間目標が1560億円なので、概ね達成しています。林業も、(すでに)目標値をオーバーしています。漁業についても、オーバーしている、このような状況です。
「第3章 食と『農』を取り巻く情勢の変化」です。
(1)少子高齢化の進行に歯止めがかからず、労働力不足や地域活力の低下等様々な問題が顕在化。高齢化の進展が、労働力不足に影響を与え、それが集落維持機能の低下などに結びつき、小規模集落が増えています。(2)農林水産業に利用できる先進技術が急速に進展。農業のスマート化を推進する環境が整ってきています。(3)産地間競争の激化により本県ブランドの強化の必要性が増大。(4)さらなるグローバル化の進展。(5)全国でこれまで経験したことが無い災害が頻発。災害が大規模化しています。(6)水産資源の低下が顕著。枯渇化しています。(7)CSF(豚熱)、ASF(アフリカ豚熱)、鳥インフルエンザ等重大家畜伝染病がまん延。あわせて、(8)新型コロナウイルスの世界的な感染の拡大、があります。
「第4章 主な課題とビジョン見直しの方向性」です。
「1 農業」は、(1)スマート化による新しい農林水産業の実現に向け、兵庫型スマート農業技術の開発・普及による農作業の効率化など生産性向上と産品の高品質化が重要。(2)産地間競争力の高い農業の展開に向け、都市近郊の立地を活かし、施設野菜など野菜の生産拡大が必要。(3)次代を担う経営力の高い担い手の育成に向け、法人化と法人経営の強化による持続可能な経営体の育成、企業参入の促進等が必要。(4)農地利用の最適化と効率的な生産基盤の確立に向け、農地の集積・集約化、農繁期の労働力不足の解消等が必要。(5)農畜水産物のブランド力強化に向け、新たなブランドの開発や、神戸ビーフをはじめ、県産米や日本酒の輸出促進など海外市場の開拓が必要。この5つを柱にしています。
「2 畜産」は、但馬牛・神戸ビーフの供給力の向上を進め、さらにニーズに応えます。その需要を増やしていくために、牛舎の整備などの生産基盤強化を行います。そのために、アパート化(アパート方式の牛舎に牛を預ける)なども進めていきます。また、伝染病対策も進めます。
「3 林業」は、バイオマス発電所での燃料用材としての活用を進めるとともに、循環型林業の構築の基本である主伐・再造林の推進に力を入れていきます。
「4 水産業」は、適正な栄養塩を管理していくという方向で、水産資源の適正管理を進めていきます。
「5 農山漁村地域」は、災害対策を進めていきます。
これらをベースに、2030年の主要な指標(の目標値)を整理した資料があります。
農業は、農業産出額988億円、法人経営体数1170法人。畜産業は、畜産業算出額651億円、但馬牛繁殖雌牛飼養頭数1万6000頭。林業は、林業・木材産業産出額634億円、素材生産量62万3000㎥。水産業は、漁船漁業等・海面養殖生産量11万9000t、漁場環境改善面積5749haを総括的指標として、2030年のひょうご農業の確立を目指しています。
3番目は「第3回県民モニターアンケート『食の健康とたばこ』の調査結果」です。
健康に関連するので、たばこについても、併せてアンケート調査をしました。回答率は73.5%。男女比は、ほとんど同じ比率。年代は、やはり高年代になるほど回答率が高くなっています。それでも、10代から20代で54.4%ですから、回答率としては、まずまずだと評価しています。
「あなた自身の健康を維持するために、どのようなことに取り組んでいますか」が、最初(の質問)です。「栄養・食生活」、「運動・身体活動」、「休養・余暇・睡眠」、(いずれも)健康持続のための3本柱ですが、これらに取り組まれています。(2ページ、)性差は若干あるようですが、大きな差はないと考えた方がよい、と思います。
「朝食の摂取状況」については、「ほとんど毎日」朝食を摂っている人が多い。(この結果は)県政モニター(10代以上が対象)ですが、これは子どもに聞いてみなければなりません。子どもが問題です。
また、コロナ禍ということもあるかもしれませんが、(3ページの下、)共に食事をする、「共食」が、7割を超えていることは、注目すべきではないか、思います。
(5ページ、)「栄養バランスに配慮した食生活」では、「主食と主菜、副菜の組み合わせ」に、約3分の2の人が取り組まれています。これは80歳以上の女性だと100%だということが、特徴的です。
(6ページの下、)「食事づくりの状況」については、半分以上の人が(食事づくりを)行っています。ただし、(7ページ、)男性が低いのは、相変わらず、役割分担が家庭内でもあるということだと思います。
(10ページ、)「災害時の食の備え」については、飲料水、食料などを用意している人が9割にのぼっていることは、かなり大きい、と言えます。
11ページの「コロナ禍における食生活の変化」については、あまり変わっていないとの回答結果です。ただし、(12ページ、)自宅で料理や食事をする機会が増えたということは、回答にも出てきています。
14ページの「喫煙状況」です。「以前は吸っていたが、今は吸っていない」という人が男性で5割。女性で12.5%となっています。喫煙者は、男性では50代が、女性では40代が多い、という結果です。
(18ページ、)改正受動喫煙防止条例は、よく知られています。(17ページ、)加熱式たばこについても、健康に影響があるのではないか、と認識している人が、5割以上となっています。
19ページ、「今後県への期待する受動喫煙対策」は、受動喫煙が健康に悪い影響を与えることを普及啓発してほしい。あるいは、屋外での受動喫煙対策を強化してほしい。20歳未満への喫煙防止教育を徹底してほしい。このような要請になっています。これは、今後の事務の推進において参考とします。
4番目は「東日本大震災被災地に係る支援」です。
3月11日で(震災から)10年を迎えます。県内避難者は1人減です。避難者世帯にご不幸がありました。
職員等の派遣状況ですが、兵庫県から南三陸町に派遣していた任期付職員から、「南三陸町もほとんど復旧事業に目処がついたので、福島で働きたい」と(申し出がありました)。福島県の担当は、京都府ですので、京都府の任期付職員に変わられました。京都府では、もう1人任期付職員を増やされましたので、関西広域連合としては、差し引き1名増となっています。
私からは以上です。
記者:
コロナ関係について。このあと夕方に3府県知事の意見交換会が行われますが、知事から冒頭に「宣言の延長が望ましい」というお話がありました。足元の県内の感染状況を見ていても、10日ほど前(1月23日)から1週間平均の患者数は下がり続け、(27日以降)200人を割っている状況ですが、やはり現状、まだ宣言解除には感染状況からしたら、ほど遠いという認識に変わりない、ということでしょうか。
知事:
今日の陽性者数は60人で、私が前から言っている(1週間で)10万人当たり10人を下回る数字ですが、これはまだ1週間の平均ではありません。
それから、今日は、冒頭も述べたように、土日の検査体制で、(陽性者数が)いつも低めに出てくる数字なので、明日がどのような形になるのか、十分に見極めてみなければ分からないのです。傾向としては下がっているけれども、高水準であることはしばらく否めないのではないか、と思います。もう1つ強調したように、入院調整の数が659人もあるということは、それだけ入院できない、あるいはホテルなどの療養施設に入れない人たちがいますので、医療の逼迫は顕著に続いている、という状況です。
ここで、この下降傾向というのを前提に緩めると、またすぐに戻ってしまう可能性がありますので、あとしばらくは宣言の継続をして、県民の皆さんの協力を得て行かざるをえないのではないか、このように判断をしている状況です。
記者:
冒頭に「我慢のしどころだ」、と言われましたが、大阪府では、政府が言っている1カ月延長ありきではないのではないか、と言われています。時期について、先ほど知事は、国にお任せすることになるかも(しれない)、と言われましたが、現状では1カ月が望ましい、と今、相談の前ですが、思われているのでしょうか。
知事:
2月いっぱいではないでしょうか。
記者:
1カ月弱ぐらいですか。
知事:
そうです。別に、根拠があるわけでは全然ありません。
ただし、それぐらいになって、例えば20人、30人ぐらいの数字にもし落ち着くのならば、本当に宣言の効果があったということになる、と期待をしています。
記者:
コロナに関連して、今、緊急事態宣言は、兵庫県全域に出ていますが、地域を絞ることについて、検討する考えというのは、今のところありますか。
知事:
資料の2ページを見ていただくと、各保健所管内別の、10万人に対しての発症者数が、1週間平均で出ていますが、基本的にほとんど10人を上回っています。上回っていないのは、中播磨と赤穂。それから龍野は少し減ってきましたが8.9人。豊岡も8.4人。丹波も8.9人。それから、洲本と朝来が少ないという程度です。
そのため、地域的な区分をして対応するというよりは、全県一本で、対応した方が、かえって外した地域に、大勢の人が集まって、「密」が生ずる懸念を考えた場合と比較すると、全県一元で、取扱った方がよいのではないか、と今の時点では考えています。
記者:
延長を前提にした話になってしまいますが、国からの支援について。1カ月また伸びるということで、飲食店も店によって大丈夫だというところもあれば、大丈夫ではないところもあります。こうしたところへの支援について、また別枠で、改めて国に要望したい、と考えていることはありますか。
知事:
現実に、今の飲食店の時短に対する協力金のスキームは、国が8割で、地方が2割です。その2割分については、臨時交付金を充てることになっていますが、臨時交付金について、現在、そのような延長分を確保されているわけではありません。同じような措置をするにしても、財政的な追加措置をしっかりと行って欲しい、ということは、併せて要請したいと思っています。
記者:
本日のデータを見ていますと、入院が562人で、(病床)使用率が75%前後で、ずっと推移しているように見えます。一方で、入院調整659人ということは、病床の確保は756床ということですが、600床弱というのが、結局は事実上の稼働可能な、即応病床というような感じなのでしょうか。
知事:
この756床は、対応可能な病床です。あと50床増やそうということで、努力をして、概ね目途が立っていますが、これは徐々に増やしていくことになろうかと思っています。
ただし、そうだとしても、やはり自宅待機が659人というのは、多すぎます。従って、これをいかに減らしていくか、という努力をしていかない限り、病床の逼迫度合いを解消したことにはならない、ということではないかと思っています。
記者:
この間ずっと入院調整が600人、多い時で800人程度いたかと思いますが、病床の空きは数字だけを見ると、200床ぐらいあるように見えます。これは結局、200床余っていて、650人が溢れている、というこのミスマッチが続いているのは、結局は(運用できていない、ということでしょうか)。
知事:
もうすでに、病床の大体8割程度で、もういっぱいなのです。シーツの取り替えや、消毒など、入れ替えで、「入」と「出」で、1日ずつ、両方で2日はかかります。そういう意味での空きですので、もうほとんどいっぱいになっている、と考えてもらう方がよいのではないか、と思っています。
記者:
今、知事が言われたように、756床確保していますけれども、結局、運用していくと大体8割ぐらいが、頭、天井ということでしょうか。
知事:
かなりぎりぎりの線になってきている、ということではないでしょうか。だから、減らさなければ減っていかない、回っていかないのです。入口対策と出口対策。それから、自宅で待機していただいている。入院調整対策も徐々に具体化してやっていっていますけれども、まだ目詰まりから、脱しているという状況ではない。こういう状況が続いている限りは、県民の皆さんに協力を求めていかざるを得ないのではないか。もともと求めていかなければならないコロナ対策ですが、宣言下における対応を、お願いしていかざるを得ないのではないか、と思っています。
記者:
知事も、今、緩みが出てきたら、無に帰してしまう、と言われましたが、本当に今が勝負だと思っています。その点、県民に特に今、注意して欲しいことのメッセージを、改めてお願いできないでしょうか。
知事:
もしも、県民の皆さんにお願いすることがあるとすれば、不要不急の外出はぜひ避けてください、ということ。それから、サラリーマン等の勤務者の皆さんについて言うと、在宅勤務にぜひしっかりと取り組んでください、ということ。それから、ホームパーティーなど、家庭内であっても、いつものメンバー以外のメンバーと食事をする時には注意をしてください、ということを強く呼びかけたいと思います。
関連資料
お問い合わせ