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【発表項目】
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知事:
1番目は「医師の働き方改革プロジェクトチームの設置」です。
先日、報道等でも出ましたが、県立病院の5病院で医師の超過勤務を是正すべきだという勧告を受けました。
県立病院は、県民の皆さんにとっての基幹病院なので、医師が不足している現状において働き方を改革していくことが大事な局面で、このような状況があったことで、県民の皆さんに不安な思いを抱かせてしまったことを含めて、改めてお詫びを申し上げます。
県議会でも答弁した通り、今回の時間外労働の発生要因を分析し、縮減方法、その他の働き方改革に関する方策を検討していくことを目的に、病院局内に医師の働き方改革プロジェクトチームを設置します。
ポイントは三つです。
医師に様々な仕事が集中している現状もあるので、簡単な作業を他の職種に分散していくことができないのかが一点です。
ICT化が進んでいるので、画像診断を含めて、AIなどDXを導入していくことができないかも検討したいと考えています。
もう一つが、適切な労務管理です。病院であっても適切に労務管理をすることが求められるので、シフトのチェックや時間外含めた勤務状況の管理システムをきちんとすることなど、改めて整理をしたいと考えています。
10月中には第1回の検討会を開催し、2月を目途に取りまとめ、方向性を出していきたいと考えています。
チームの概要は、病院事業副管理者をリーダーとし、様々なメンバーを加え設置します。現場の医師、大学の有識者にアドバイスをもらう形になりますが、神戸大学医学部附属病院の先生など、普段から現場で働き方改革を実施している医師などにアドバイザーとして入ってもらうことを想定しています。
医師にアドバイスのみならず、委員のメンバーとして入ってもらうことも、私は大事だと思いますので、委員についてはきちんと調整をしたいと考えています。
いずれにしても、県内の様々な公立病院含めて、再編統合が姫路や西宮でも進んでいますが、ハード面での医療環境の充実をしていくことが、医師確保にとって大事な側面がある一方で、ソフト面で働き方改革をしていかないと兵庫県に医師が集まらないことにもなりかねません。
今回の事案を契機にして、県立病院の働き方改革を進めていき、そして県内の私立病院や公立病院にも、その成果を広げていくことにつなげていきたいと考えています。
2番目は「ひょうごSDGs WEEKの実施」です。
県は、今年、内閣府のSDGs未来都市に選定されました。オール兵庫でSDGsを達成することが極めて大事になります。
一方で民間の事業者の調査によると、中小企業を中心にSDGsの認識が不足していることもあるので、このような機運をオール兵庫で高めていくことが大事だと考えています。
SDGs WEEKを今年も官民連携で実施していきたいと考えています。期間は10月23日から29日の1週間です。
昨年は県庁の取り組みが中心でしたが、今回は民間事業者の取り組みも広がりつつあるところがポイントです。全体で45事業です。
昨日も県庁周辺で清掃活動をやりましたが、プロギングイベントを須磨海岸で10月27日にやりたいと考えています。プロギングは、ごみを拾うプロックアップとジョギングをかけ合わせた言葉ですが、経済界とともにやっており、須磨海岸で開催します。私も参加予定です。
SDGsのフォーラムは、先日、訪問した佐渡島のトキの野生復帰、そして、コウノトリの野生復帰を含めて生物多様性の取り組みを考えます。
「+NUKUMORIマルシェ」は、障害者が作った産品を販売しますが、今回、福島県産品の加工品の販売も実施することが一つのポイントになります。
福島県の授産施設と連携を取っており、福島で作った加工品を、今回は大丸神戸店の特別会場で販売しますので、ユニバーサルな福島産品の応援キャンペーンも同時に開催します。
それ以外にも、県立姫路商業高校が災害用のパンの缶詰を開発しており、防災を考える取り組み、農林水産や環境といった分野の取り組みも実施します。
民間企業でも、白鶴酒造(株)やリコージャパン(株)、兵庫エフエム放送(株)など、いろいろな企業にも参画してもらっていることがポイントになります。
このようなことを通じて、SDGsの機運を兵庫県全体で高めていくことに取り組んでいきます。
3番目は「第3回躍動カフェ(神戸地域)の開催」です。
県民ボトムアップ型の県政を推進していくため、今年度から躍動カフェを開催しており、第1回は阪神南、第2回は淡路でしたが、今回、第3回目を10月7日に神戸市で開催したいと考えています。
場所は神戸高校同窓会館で、多様性をテーマに掲げたいと思っています。
多文化共生、子育て、教育、福祉、観光など多様な場面で活躍している人たちと意見交換を行います。
神戸市は人口も多く、外国人や障害者、高齢者、子どもなど、多様な人々が暮らす地域なので、国内外から多くの人たちが集まる神戸の状況、そして、今の課題を確認し意見交換する場とし、県政に反映していきたいと考えています。
私からは以上です。
記者:
これまでも独自に各病院が働き方改革を実施していると思います。
今回の「医師の働き方改革プロジェクトチーム」発足によって、知事はどのようなことが変わっていくとお考えか、また期待することをお伺いします。
知事:
医療現場における働き方改革は、昔から言われている課題でした。
今回、改めて設置するのは、県立病院で時間外労働の事案が出たことがきっかけですが、今、デジタル技術が非常に進んでいるので、AIを画像診断に活用するなど、医療現場では電子カルテ含めて、デジタル化が進んでおり、それをさらに県立病院内で進めていくことで、どのようなことができるのかを改めて検討していきたいと思っています。
また、医師以外に仕事を分担していく観点も大事だと思っています。
例えば、患者の状況に応じて、AIで問診し、病名診断を支援する機能やCTやMRIなどでAIを使った画像診断、AI学習を活用し迅速な病理診断を支援する、そのような新たなDXを導入していくことが大きな柱になると考えています。
記者:
このチーム発足によって病院側の労働の情報が県にも入りやすくなると思いますが、知事はその点はどうお考えでしょうか。
知事:
病院局は、公営企業で病院事業管理者の下で執行していますが、設置者は県なのでタスクチームを作ることによって、適切な労務管理、勤務実態がどうなっているのかを、改めて、知る、分析することになります。
システムを機能拡充することにより、医師の今の労働状況がどうなっているのかを、病院現場だけではなく、病院局でも把握しやすくなれば、病院によって労働環境が悪化している場合には、早く院長などに助言がしやすくなることが一つのポイントになると考えています。
記者:
躍動カフェは今回で3回目ですが、これまで2回実施されたことによって発見したこと、今後につなげていきたいと思ったことがあればお願いします。
知事:
2回の実施で、テーマを絞って阪神南と淡路で開催しましたが、いろいろな意見をもらいました。
共通する課題の一つは、不登校の問題です。これが各地域の課題として顕在化していると感じました。塾など、当事者の取り組みとして実施しているという人もいました。
不登校の問題は、先日、文科省が発表しましたが、コロナ禍を経て、より深刻になっているので、この問題は教育委員会と連携しながら、きちんと対応していかなければならないと感じました。
淡路では、移住問題の意見があり、多自然地域では、空き家を活用するなどして住むところを増やすことが、人口問題対策として非常に大事だと思いました。
この二つが特に印象に残ったポイントです。
記者:
医師の働き方改革プロジェクトチームは、チームそのものの中に医師が入っておらず、医師は聞かれる側のようになっていますが、医師側からはチームに入れてくれという声がなかったのか、そこに入れようということにはならなかったのかを教えてください。
知事:
まずは病院局でどのようにしていくのかを検討し、そこにアドバイスしてもらう立場で、神戸大学病院(医師)などにアドバイザーとして助言をもらうことを考えていました。
私自身もメンバーの中に、医師が入った方が良いのではと考えるので、医師にもメンバーに入ってもらうように再度調整をしたいと思います。
具体的には、神戸大学医学部の教授、神戸大学附属病院の中で働き方改革などやっている現場の状況やこれから何をすべきかをよく知っている医師に入ってもらえるよう再度調整します。
神戸大学の先生であれば、県立病院ではなく、外部の医療従事者という当事者の観点から、どこまでやれるのかという理想と現実のギャップがあると思いますが、大変忙しいとは思いますが、リアルのみならずオンラインという形でも、メンバーとして入ってもらう方向で調整したいと考えています。
記者:
県立病院の医師がここのプロジェクトチームに入るわけではないということでしょうか。
知事:
状況に応じて入ってもらえば良いと思います。
今の病院の実情を話す立場で入ってもらえば良いと思いますので、入れないということではありません。
県立病院の先生、管理者や現場の若い先生などにメンバーとして入ってもらい、意見や現場の実情を語ってもらうことも当然あると考えています。
記者:
行政委員の報酬は、全てが月額制となっていますが、議会側から政策提案で出てきて、9月県議会本会議でも質問があり、日額制に変更する方向性を示されました。
これまで月額制を維持してきた経緯がありますが、日額制に転換するという考えが変られた動機を教えてください。
知事:
行政委員会の非常勤委員の報酬は、地方自治法において日数に応じた支給が原則となっています。
多くの県では、月額制ではなく、勤務実態や県内のいろいろなイベントに出席したものに応じて支給する日額制にシフトしてきています。
兵庫県の場合は、いろいろな審議の内容、重要な業務ということを勘案し、これまで月額制にしてきましたが、活動実績を踏まえた報酬体系にすることが望ましいと思っています。
例えば、兵庫津ミュージアム名誉館長や県立森林大学校名誉校長も特別職非常勤ですが日額制になっており、そことのバランスも取れないかと考えました。
確かに各種委員は、高度な見識、重要な職務ではありますが、月額制ではなく日額制に変えるべきだと判断しました。
記者:
他業務との均衡という観点が一番でしょうか。
それとも、行財政改革の大きな柱がある中での一環なのでしょうか。
知事:
両方です。
フルタイムではない状況で、月額制がそもそも良いのかという問題意識と勤務実態に応じた日額制への報酬を見直すことによる行財政改革を図っていきたい両面で見直しを判断しました。
記者:
先ほど、多くの自治体で日額制が導入されているとの説明でしたが、導入方法も、委員会によって月額を維持していたり、月額の基準額を定めた上で、勤務した日数に応じて加算するなどいろいろな手法があります。
2月定例議会で条例改正に向けてこれからの検討だと思いますが、全てを日額制にする方向性で検討されていますか。
知事:
各行政委員会の事務局や行政委員と調整をしながら、最終的に2月議会の条例改正に向けて決めていく形になると思います。
原則としては、日額制にシフトしていくことが、今の方針です。
記者:
他県の日額の相場を見ると、3万円から4万円ぐらいですが、同程度で想定されていますか。
知事:
他県で大体3万5000円前後なので、その辺りが相場だと考えています。
記者:
単純計算では、今80人ぐらいいる非常勤の委員の月額制報酬は年間1億8000万円ぐらいかと思いますが、どの程度削減できるのでしょうか。
知事:
たぶん数千万円の効果額が出ると思っています。
記者:
医師の働き方改革でお伺いします。
県立病院ではありませんが、今年に入ってから5年前の研修医が自殺、甲南医療センターの専攻医の自殺が明らかになりました。
本来、命を救うはずの医者が、追い込まれて自殺を選んでしまったことが明らかになっています。
今回は、働き方改革、時間外労働の上限規制が根本にあると思うのですが、これまでの事案を受けて、考慮されていることなどがあればお聞かせください。
知事:
県立病院の5病院で、時間外労働が大幅に超過している事案があったので、プロジェクトチームの設置となりましたが、甲南医療センターや伊丹市立病院で大変痛ましい事案が起きました。
それぞれの病院の状況もあるとは思いますが、今、若い医師の方がすごく忙しくて、極めて労働環境の負荷が高くなっています。それは県立病院でも同じで時間外労働の超過が起こっています。
まずは、我々が設置している県立病院から働き方改革をどのようにすれば一歩前に進むことができるのかを検討しようと判断しました。
県内での複数の事案は、今回設置する判断に至った大きな要因の一つになっています。
記者:
今回は、働き方改革と同時に医師の命を守る意味でも進めるということですか。
知事:
医師の命や働き方を良くしていくことで、来年4月からの上限規制適用にも対応をしていくことになります。
そのような中で、医師の健康や命を守る、働き方を改善することによって医師を確保していくなど、まずは県立病院でしっかり検討していきます。
検討結果を、県内の公立病院、民間病院にも何か参考になることが提供できれば良いと思っています
記者:
本日、明石市の委員会で、旧明石市立図書館を巡って知事と丸谷市長との会話が漏れていたことを受けて、盗聴器が捜索され、それが発見されなかったということが発表されました。
明石市では、市役所の人間が泉さんに話を漏らしたことはないと結論付けたのですが、知事の受け止めがあればお聞かせください。
知事:
明石市の内容等は承知していないので、お答えできる立場にはありません。
今回、知事と市長との電話の内容が何らかの形で漏れたということで、まずは、明石市の方での情報管理を、丸谷市長の下で、今回の調査結果に基づいてしっかり対応していただくことが大事だと思っています。
今回の事案は、明石公園内において、旧明石市立図書館が令和4年度末で返済期限を過ぎている状態のままであることが問題です。
この問題はどちらにボールがあるというよりも、最終的なボールを持っているのは土地を借りている明石市です。
期限を超えている中で、最終的にどのような方針で対応していくのかを決めるべきなのは明石市だということです。
このことは、先日来、丸谷市長も市議会などで、その方針を明石市がきちんと責任を持ってどのようにするか決めていきたいと言われています。
この辺は、県と市でしっかり連携しながら、問題解決に向けた取り組みをしていくということが大事だと思っています。
今回の問題は、情報がどのような経緯で漏れたということ自体も問題になっていますが、私としては、今回の問題が、一私人ではあるのですが、前市長のいわゆるツイートを通じて、事実でない内容で、多くの方々に拡散をしたということが一つ大きな問題だと思っています。
最近SNS上で、非常に誤った情報の安易な拡散、犯罪被害者の件でも課題になっていますが、ネット上での誹謗中傷による二次被害など、そのような名誉、プライバシーなどの侵害はやはり大きな社会問題になっていると考えています。
今回の件も、誰から聞いたかという問題は何かあるかもしれないのですが、少なくとも誤った内容がSNSを通じて、数十万人に拡散したということは大変恐ろしいことだと私自身も思っています。
県では、これまでSNSなどの悪質な書き込みには、弁護士会等とも協力して、必要な相談窓口やサポートをしてきましたが、今回の事案を受けて、どのように対策を強化していくべきか、これから考えていかなければいけないと思っています。
これから検討しなければいけないのですが、SNS上の誹謗中傷などに対応するための条例化の検討も含めて、対策の強化をしっかり進めていきたいと考えています。
記者:
明石市の件でお伺いします。
確かに知事ご指摘の通り、泉さんが情報を入手したこと自体が問題ということよりも、誤った内容で拡散したことが問題だと思います。
どこから情報を入手したのかをことさら問題にするのもいかがかという気もするのですが、とは言え、市議会が求めての調査になっている訳ですが、知事が先月12日の会見で明石市の情報管理のあり方に苦言を呈するとおっしゃったのが間接的なきっかけになっていると思います。
やはり、他の自治体の情報管理に苦言を呈することは、一定、重みがあるご発言だと思いますので、それを受けて市の方も調査に乗り出したと思います。
今日、市は、市の方から漏れたことはないという報告をされています。
そうなると、市議会の議員さんも、県から漏れているのではないかという指摘もあり、もちろん、市はそこをことさら荒立てようということではありません。
泉さんの投稿は問題だと思いますが、市の情報管理に問題提起をされたこともあるのでご見解をお願いします。
知事:
県の方でも、私が電話した時に同席していた職員も複数名いますし、電話を取り次いだ職員もいるので、私以外の者が市長と知事が電話していることを知っていることも知っていました。
そこからマスコミ等には情報提供していないことを確認し、市議会の方から確認の要請が来たので、そのようなことはないということを県からも回答している状況です。
県から少なくともマスコミ等に、そのような情報が漏れたことはないと認識していますし、事実として私が何か謝ったり、お詫びをしたような内容自体もなく、事実無根ですから、県としてもそのような情報が漏れたことはないと確認しています。
後は明石市の方でしっかり確認をしていくことが大事ですが、今の時点では丸谷市長も含めて明石市の当局から漏れた事実はない、盗聴器の有無も含めて、確認している以上は、明石市の方としてもどこから漏れたかは分からないということなので、これ以上、確認のしようがないと考えています。
その問題より、X(旧Twitter)に、事実と違う誤った内容が投稿されて大量の人たちに拡散した事案の方が問題だと思っています。
今回の事案を契機にして、それ以外にもSNS上の誹謗中傷の問題など、極めて深刻な問題になっているので、それをどのようにしっかり対応していくのかをこれから検討していくということが大事だと思っています。
記者:
確かに本筋は、図書館の跡をどうするかだと思います。
これ以上、誰がどのような形で情報が漏れたか、市も県も分かりませんということで謎のままですが、これを問題にするよりは、図書館の問題本体に対して前向きに取り組んでいくお考えでしょうか。
知事:
図書館の問題は、前向きに私と丸谷市長で、信頼関係を構築しながらやっていくことが大事だと思っています。
それからSNSに関する誹謗中傷を含めた社会問題が顕在化しているので、県の方で、きちんとどのような方策ができるかをこれから考えていくということです。
明石市側で今回の情報がどのようになったかは、県から確かに遺憾だと言いましたが、明石市と市議会が、今回の調査結果を踏まえて、これを是とするのか、それとも今後もさらに調査なりをしていくのかは、明石市側の内部管理の問題だと思いますので、これから明石市、市議会の方に委ねていくことで良いと思っています。
記者:
医師の働き方改革プロジェクトチームに関して伺います。
県立病院に取材をした際に、根本的には医師不足や医師の偏在の問題があり、それを解決しないことにはなかなか働き方改革は難しいのではないかと伺いました。
知事は、現在の県内の医師不足や医師の偏在状況について、どのように受け止めていますか。
知事:
病院の規模により状況は違うと思います。
北海道の北見の病院も突然閉鎖しましたが、特に地方部の公的病院や中核病院は大変厳しい状況になっていると考えています。
県立病院は、各地域における基幹病院で、大学含めて医局との連携もしっかりしている状況なので、地方部よりも医師不足の深刻さは、比較的ましな状況ですが、それでもなお時間外労働や働き方の負荷が非常に強い状況が出ています。
これは医師不足の問題もありますが、まずは、比較的医師が充足している県立病院でも、このような状況になっていることを真摯に受け止め、病院における働き方改革を進めることが大事だと思います。
医師の偏在の問題は、働き方改革の問題と並行して進める問題だと思います。そのために、現在、各病院において、医師が働きやすい環境の構築などを進めています。
病院の統合はその一環だと思いますので、働き方改革と医師の偏在の問題は、並行して進めていく問題だと思っています。
記者:
文科省の調査で不登校の人数が大幅に増えたとありました。
県内の状況は、課題として顕在化しているとおっしゃっていましたが、改めて受け止めをお願いします。
知事:
不登校の問題が非常に社会課題になっています。これは躍動カフェなどで当事者を支援している塾からも伺いました。
また、私自身も子どもがいる立場として、子どもからクラスに数人は不登校の生徒がいると聞きます。
不登校の問題は、平成28年に教育関係の法律が公布され、不登校生徒に学校以外の受け皿を作ることが法律上明記されています。
学校に登校することが一番良いですが、それ以外の場も認めていく流れがあり、コロナが発生したことで、子どもたちが精神的にしんどくなっていることから、この数年で増えてきていると思います。
この問題に対しては、教育委員会と連携しながら、来年度予算に向けてどのようなことができるかを固めていきたいと思っています。
ひょうご不登校対策プロジェクトで、推進協議会を教育委員会に設置しています。その中での議論も踏まえながら対応していくことが大事だと思っています。
今回の議会でも出ましたが、サポートルームを各学校にどのように設置していけるのか、学校内でのハード面とどのような支援ができるのかがポイントになると思っています。
それ以外にもフリースクールなど学校以外の受け皿をどのように充実させていくのかもポイントだと思っています。
いずれにせよ、来年度予算までに、どのような支援ができるのか枠組みを作っていきたいと考えています。
記者:
来年度予算に向けてというのは、サポートルームなどとは別に、全く新しい何かを考える事になりますか。
知事:
基本的にはひょうご不登校対策プロジェクトの中で、定められているものをベースにやっていきます。
財政も厳しい状況ですが、特に不登校の問題は、私自身も子を持つ親として、予算の確保も含めて対応していくべき問題だと強く認識しており、ソフト面、ハード面含めてやっていきたいと考えています。
記者:
SNSの話に関して、条例化も含めて対策検討していきたいとのことですが、検討の進め方といつ頃までに議会提出を目指したいのか、教えてください。
知事:
具体的にどのように進めていくのかはこれからですが、SNS上の誹謗中傷などが深刻な問題となっており、報道でも特集もされています。
誤った情報の安易な拡散、名誉やプライバシーの侵害があります。
今回は、我々行政が受けましたが、行政という大きな組織体で受けているケースもあれば、個人の方で誤った情報により、誹謗中傷を受けて大変苦しんでおられる方がたくさんいると思います。
そのような方々に対して、県としても、何かしらの形で対応していくことが大事だと考えており、これまで弁護士会等と連携してサポートする体制は実施していますが、それだけで本当に十分なのかということを、今回の事案を機に強く思いましたので、条例化に向けた検討を進めていくべきだと判断をしています。
具体的な手法、条例の提出時期は、今後、検討していきますが、しっかりと議論をして、弁護士会や人権関係の専門弁護士やアドバイザー、ネット関係の専門家など、多様な方々に意見を聞き、まずは実態を把握しながら、時間をかけて議論をしていきたいと思っています。
そのため、次の2月議会に提出することはおそらくないと思いますが、少しずつ今回の事案も含めて、専門家に今の状況を聞きながら、来年度1年かけて議論をしていきます。合わせてパブリックコメントもしなければいけないと思います。
記者:
先日、道路公社の職員が逮捕される事件がありました。
まだ捜査が続いていますが、このような事件が起きた背景について、どのように分析していますか。
また、綱紀粛正を図るとのことですが、具体的にどのようなことを考えていますか。
知事:
道路公社に出向中の県職員が逮捕された事態を招いたことに対して県民の皆様に改めてお詫びを申し上げたいと思います。
県政一体となって様々な改革や県政推進に一丸となっているところで、職員が逮捕されたことは極めて遺憾で、今後、改めて綱紀粛正を徹底して、再発防止に努めていくことが大事だと思っています。
今回の逮捕事案は、県でも事実関係を確認して、捜査にも全面的に協力をしながら、原因の究明を図っていきたいと考えています。
また、職員に対して、綱紀粛正の徹底を改めて総務部長名で注意喚起することを指示しています。
今回は入札の仕組みの問題なので、公社が行っている仕組みが情報漏えいなどに対して対応が十分なのかどうかを確認して、不十分であれば改めていくことを制度としてやっていきたいと考えています。
記者:
万博の関連で伺います。
先日、西宮であった懇話会でも、県議会議員から要望がありましたが、大阪府と滋賀県が既に決めている子どもの無料招待に、知事は特に触れられなかったのですが、兵庫県ではどうされるのかお伺いします。
知事:
先日の懇話会でも県議から提案がありましたが、兵庫県としてどうするかは、特に決めていない状況です。
我々としては、ひょうごフィールドパビリオンを展開しているので、是非、子どもたちには自分の住んでいる地域やふるさとでSDGsも含めて社会課題を解決する素晴らしい取り組みをしていることを知ってもらいたいと思っています。
ひょうごフィールドパビリオンに子どもたちが来ていただくことに注力したいと思います。
記者:
今朝の報道でスロベニアが自前のパビリオンを作ることを断念したとありました。
万博協会が準備して、3カ国など地域が共同利用するタイプのパビリオンに移行すると報道がありましたが、兵庫県も会場では、関西パビリオンに入るので、箱物はないと思いますが、フェニックス埠頭などで、空飛ぶクルマの離発着場を作るなかで、資材高騰など現段階で分かっている影響はありますか。
知事:
今のところ、把握はしていません。
明日、予定通り関西パビリオンの起工式も行うので、問題無く進んでいると思っています。
ただ、懸念しているのが、フェニックス埠頭のパークアンドライドです。ここが予定通りに工事ができるかどうかは万博協会にも聞かないといけません。
我々もその予定に合わせて、空飛ぶクルマのポートやマルシェを行うなど、県の魅力を発信するイベントをやっていこうと思っているので、パークアンドライド会場の整備状況は、今後、状況の確認をしていかなければいけないと思っています。
記者:
阪神、オリックスの優勝パレードに関してお伺いします。
一部、X(旧Twitter)などのSNSで、純粋なパレードではなく万博のPRみたいのものが入ってちょっと…、という声も散見されます。
改めて知事から、優勝パレードに万博のPRも兼ねることへの意義や所見についてお聞かせください。
知事:
ペナントレースが終わり、これからクライマックスシリーズですが、阪神にもオリックスにも勝ち上がってもらい、ぜひ日本シリーズで戦ってもらいたいと思っています。
パレードの件は、兵庫県としては、ぜひ三宮でやりたいと思っています。
大阪の御堂筋と三宮の両方で、2003年の例を参考にしますが、阪神もオリックスもそれぞれ、大阪にも兵庫にもゆかりがあるチームなので、しっかりやっていくことが大事だと思っています。
万博まで2年を切り、もうすぐ500日ですが、認知度がまだまだ足りないところがあるので、万博をその機会に合わせて、皆さんに知ってもらうことで、今回、松本会長、吉村知事と私で実行委員会を作り、今回発表しました。
メインはあくまで、阪神とオリックスの優勝を県民の皆さん、そして府民の皆さん、関西の皆さんみんなで応援をしましょう、ということです。
そのメインをきちんと固めたうえで、万博の500日前でもあるので、副次的に皆さんへお知らせするぐらいであれば、良いのではないかと思います。
メインはあくまで両球団の優勝をみんなでお祝いをすることです。
記者:
実際、そのパレードでの万博のPRというのは、どのようなものを想定しているのでしょうか。
知事:
そこはこれから検討です。
我々で言うと、ひょうごフィールドパビリオンを発信したりするかもしれません。内容は、実行委員会の中で検討していくことになると思います。
記者:
一昨日、JR西日本が岡山の芸備線について国に協議会を設置するよう要望しました。
兵庫県内でも、姫新線や播但線など赤字路線があるので心配な中、県としては協議会を作り、地元自治体とともに取り組みを進めているところですが、今後、JR西日本との温度差があるのかどうかよくわからない中、どう対処されますか。
知事:
今回、法律が改正され、法に基づき国に再構築協議会の設置を要請することができるようになりました。
ご指摘の通り、全国初の事例で、芸備線について要請されました。まずは、広島県、岡山県含め、その芸備線沿線自治体関係者の動きをしっかりと注視していく必要があると考えています。
兵庫県はご指摘の通り、すでに、沿線の自治体、県、JRにも入ってもらい、JRローカル線維持・利用促進検討協議会を立ち上げて、JRも入り、利用促進の枠組みをきちんと取りまとめて、今、これをしっかりと進めていこうという状況です。
PDCAもしっかりと見ながら、利用促進に向けた取り組みを、まずは関係者と連携しながらやっていくことが大事だと考えています。
記者:
芸備線のようなことになるわけではない、とお考えでしょうか。
知事:
兵庫県は利用促進協議会を軸に、利用促進策をきちんとやっていくことを、沿線の自治体も望んでいるので、そこが大事だと考えています。
記者:
SNS関係の条例の具体的な内容はこれからということでしたが、現状刑法でも名誉毀損や侮辱罪が定められており、プライバシー権も損害賠償など民事的な手続きが取れる中で、改めて、知事が考えられているものはどのような条例でしょうか。
取り締まるものなのか、サポート体制をつくるものなのか、どのようなイメージでしょうか。
知事:
これから内容は検討していきますが、まずは条例化することによって、このような誹謗中傷や誤った情報の安易な拡散が、兵庫県全体、社会全体として好ましくない、是正すべきだということを、しっかりと県民に認識として持ってもらうことが条例化の大きな意義だと思っています。
その上で、サポート体制、相談体制、啓発など、そのようなものを議論していく。その延長線上で、刑法上の罰則がどこまでできるかは慎重に考えなければならない面もありますが、そのようなことも含めて検討していくことになると思っています。
記者:
理念も含めて、規制や啓発、支援体制など、総合的なSNSをめぐる条例になるようなイメージですか。
知事:
兵庫県はまだそこがないので、大きな社会問題だということを、今回の事案の時に本当に痛感しました。
誤った内容が仄聞情報などを通じて掲載され、それが数十万人の人達に一気に拡散したということで、例えば、関東大震災の時もデマがすごく流れたことがありましたが、災害時も含めて、SNS上の誤った情報が非常に深刻な社会問題になりかねません。
南海トラフ地震もいつ起こるか分からない中、このようなものをしっかりと抑止していくためにも総合的なパッケージとしての県条例を作っていくことに大きな意義があると強く認識しているので、じっくりと検討しながら、条例化に向けて対応していきたいと考えています。
記者:
知事がコロナに感染された時も、X(旧Twitter)上の誹謗中傷に知事が苦言を呈されたことがあり、弁護士会に相談すると発言されたと記憶していますが、その後、何らかの法的な処置など対応はされたのでしょうか。
知事:
当時、コロナと私の名前を引っかけたことで苦言を呈しました。
私はあまり自分のTwitter上で書き込みに対して苦言を呈することはないのですが、さすがに余りにもひどい、ということで苦言を呈しました。
弁護士会などにも相談はしていますが、今のところは法的な措置などはしていない状況です。
SNS上というのは、イーロン・マスクさんがXに変えていろいろな規制が緩和している影響も踏まえながら、どこかの新聞にも掲載されていましたが、エコーチェンバーという、フォロワーの中で同質のコミュニティを作り、そこに情報を広げ、それがいろんなターゲットに対して攻撃をすることが社会問題化しているようです。
それも含めて、私自身もその時に強くSNSで、私は公人ですから一定甘受せざるをえないところはあるのかもしれませんが、一方で、私人ですごく弱い立場の人がSNS上で、例えば、店の経営などであらぬことを言われたり、間違った情報を拡散されたり、恐らく辛い状況に置かれているという状況が、例えば、ガーシー議員の問題などでもありました。
今回の問題を機にすごく強く感じたので、しっかりと条例化し、このようなことは良くないと改めて県民全体で認識していく、その機運を高めていくことが必要だと思っています。
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