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本日、第350回兵庫県議会を開会いただきました。
感染の「次なる波」に備えつつ、生活の日常化と経済活動の早期回復を図るため、令和2年度第3次補正予算案についてご審議いただくものです。どうぞよろしくお願いします。
兵庫県議会は、今臨時議会の開会をもって記念すべき第350回の歴史を刻みました。この間、絶えず民意を反映する場として大きな役割を担い続けられた足跡に敬意を表します。県議会の今日までの県政発展へのご貢献に深い感謝を申します。
このたびの7月豪雨災害により、九州地方をはじめ各地で甚大な被害が発生しました。心からのご冥福と、お見舞いを申しあげ、一日も早い復旧復興をお祈りします。関西広域連合では、直ちに先遣隊を派遣しました。災害時の相互応援協定を結んでいる九州地方知事会等から支援要請があれば、即座に追加の派遣を行います。
新型コロナウイルス感染症の国内の新規感染者は、一時ほぼ収束していましたが、東京をはじめとする全国的な往来や経済活動の活発化等に伴い再び増加に転じました。
本県では、6月19日に34日ぶりとなる新たな感染者が確認され、その後7月に入って増加が続いています。7月17日には直近1週間の移動平均が警戒基準10人を超え「感染警戒期」に入り、次いで7月23日には20人を超え「感染増加期」に入りました。
直近の感染状況では、(1)感染経路では、接待やお酒を伴う飲食店での感染及びこれに関連する家庭や職場での濃厚接触による感染、(2)東京や大阪など県外での飲食に伴う感染、(3)10代から30代の若い世代の感染、が多くみられます。こうした特徴を踏まえ、県として、(1)クラスターの封じ込め、(2)濃厚接触者への積極的疫学調査による2次感染防止、(3)飲食店などクラスター源となり得る施設への出入り注意の要請、(4)感染拡大予防ガイドラインに基づく感染防止策徹底の要請、に重点的に取り組んでいます。現状では病床は逼迫していないものの、危機感を持ってこれ以上の感染拡大を防がなければなりません。
県民の皆様には、東京など感染が再拡大している地域との不要不急の往来の自粛、「業種ごとの感染拡大予防ガイドライン」を遵守していない接待を伴う飲食店や酒類の提供を行う飲食店への出入りの自粛、「兵庫県新型コロナ追跡システム」の利用、3密の回避や熱中症に留意したマスクの着用など「ひょうごスタイル」の実践にご協力をお願いしています。特に若者には、多人数での会食は慎重に行うこと、飲食しながらの大声での会話や回し飲みは避けること、をお願いしています。
事業者の皆様には、ガイドラインに基づく感染防止対策の徹底と「感染防止対策宣言ポスター」の掲示、追跡システムへの登録と店内でのQRコードの掲示をお願いしています。特に、接待を伴う飲食店や酒類を提供する飲食店ではガイドラインの遵守を強くお願いしています。また、飲食店では、少しでも症状がある従業員には自宅待機させ、最寄りの保健所に連絡し、検査を受診していただくようお願いしています。
地域経済の低迷も長期化しています。県内事業者は感染防止に取り組みながら経済活動を再開しなくてはなりません。個人消費は持ち直しの動きも見られますが、宿泊・飲食サービス業などを中心に厳しい状況が継続すると見込まれます。今後、さらなる雇用情勢の悪化も懸念されます。
こうした状況のもと、本県として、制度の詳細が判明した国交付金等を活用し、6月定例会で成立した第2次補正予算を補完するため、(1)新型コロナウイルス感染症対策の充実・強化、(2)地域経済の早急な活性化・地域の元気づくり、を基本方針とする緊急対策補正予算案を編成しました。
入院医療体制については、このたび、1日あたり新規患者55人の発生を想定したフェーズを「感染拡大期2」として現行シナリオに追加し、重症対応120床、中軽症対応530床の計650床を確保します。これらの病床に対する空床補償について、新たに判明した国の基準単価に置き換えます。軽症無症患者が待機療養する宿泊施設も最大700室を確保します。陽性患者の入院治療を行う医療機関に対する運営費支援の対象に、PCR検査の結果が判明する前の疑似症患者の受入れを加え、患者の円滑な受入れを促進します。
新規感染者の感染経路をできるだけ早く特定し、濃厚接触者や関係者にPCR検査を実施し、2次・3次感染が起こらないよう封じ込めをしていくことが感染症対策の基本です。これを徹底するため、検査体制のさらなる充実を図ります。帰国者・接触者外来を設ける医療機関をはじめ、保健所設置市や民間の検査機関でPCR検査機器の整備を促進し、1日約2,500件のPCR検査体制を構築します。
第2次補正予算の編成後、慰労金の制度趣旨や支給対象範囲が明らかになったことを踏まえ、新型コロナウイルス患者等の受入れがなかった施設であっても、必要な社会機能の維持と感染拡大防止に一定の役割を担われた施設については支給対象としました。国の制度では対象外とされた児童福祉施設で感染者が発生した施設に対して本県独自の支給を行います。これにより、支給対象者は約50万人となり、医療従事者と高齢者・障害者の介護従事者の概ねすべての方が対象になると見込まれます。
高齢者や障害者などの社会福祉施設が取り組む感染症防止対策や利用者の再開支援について、施設やサービス区分ごとの国の基準単価で支援額を算定しました。児童養護施設等については、学校の臨時休業に伴う職員体制の維持や時間外対応など、追加経費への支援を拡充します。学校の再開に必要な感染症防止対策への支援についても、特定警戒都道府県への加算措置を踏まえて、学校規模に応じた補助額に見直します。
生活福祉資金の利用が依然として伸び続けています。6月末までの貸付実績は100億円を超えました。貸付に必要となる原資を追加で助成します。
また、詐欺などの消費者トラブルの増加や不要な買いだめが社会問題化したことを踏まえ、消費者教育の強化に取り組みます。
景気の低迷に伴う雇用調整の進行が懸念されます。5月の本県の有効求人倍率は1.05倍で5ヶ月連続低下しました。すでに実施している事業に加え、今後の雇用情勢がさらに悪化した場合、離職を余儀なくされた者に対して、500人規模のつなぎの雇用を創出します。
Welcome to Hyogoキャンペーンの拡充とあわせて、県内宿泊施設における感染防止対策を推進する「ひょうご安心旅」プロモーションを展開し、観光産業の早期回復と感染防止の両立を図ります。県内や近隣府県在住者を対象として、県内宿泊施設における宿泊割引を充実します。県内観光地を巡る新たなバスツアーの造成を促進するとともに、ひょうごツーリズムバスの利用者に本県の特産品を進呈します。これらの実施にあたっては、観光地などの受入側の事業者では、業種ごとの感染拡大予防ガイドラインに基づく対策を徹底します。さらに、旅行者に対しても旅のエチケットとして自主的な感染予防や健康管理の呼びかけを行います。
以上、歳出予算についてご説明しましたが、その予算規模は、一般会計で473億3千万円の増額です。
この財源は全額国庫支出金で、事業に伴う補助金に加え、緊急に必要な医療提供体制の整備などに活用できる「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金」や、感染症拡大防止、地域経済や住民生活の支援などに柔軟に活用できる「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」です。
補正予算の執行にあたっては、事業効果を早期に発現させるため、事前準備や支給体制を整備し、適切な執行に努めます。
次に、専決処分承認案件は、こども家庭センター職員等に対する「接近禁止等請求事件の控訴」について承認を求めるものです。
以上で、提出議案の説明を終わります。
議員の皆様におかれましては、よろしくご審議のうえ、適切なご議決をいただきますようお願いします。
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