平成30年度投資事業評価
平成30年度 審査件数・審査結果
区分
|
審査件数
|
審査結果
|
新規
|
継続
|
計
|
○
|
△
|
×
|
●
|
公共事業等審査会 |
3
|
10
|
13
|
13
|
0
|
0
|
0
|
総合事業等審査会 |
4
|
0
|
4
|
4
|
0
|
0
|
0
|
各部審査会 |
公共事業等 |
69
|
5
|
74
|
74
|
0
|
0
|
0
|
その他の事業 |
5
|
0
|
5
|
5
|
0
|
0
|
0
|
合計
|
81
|
15
|
96
|
96
|
0
|
0
|
0
|
(審査結果)○・・・事業の推進(継続)は妥当 △・・・条件付で妥当 ×・・・不適当 ●・・・休止または中止は妥当
総合事業等審査会の審査結果
平成30年度第1回総合事業等審査会の概要
- 日時
平成30年9月13日(木曜日)
- 出席委員
岡委員、門野委員、金﨑委員、立木委員、田中委員、田端委員、中林委員、畑委員、森委員、吉田委員
- 内容
- 投資事業評価調書の審査について(新規審査)
- 総合事業等審査会で審査を行った事業の進捗状況について
- 県立姫路循環器病センターと製鉄記念広畑病院の統合再編整備事業
- 兵庫県立大学神戸商科キャンパス学部学科再編事業
- 兵庫県立大学姫路工学キャンパス整備事業
- 審査結果
ツーリズム人材の充足が求められる中、自然と伝統文化等、多彩なツーリズム資源が集中する但馬地域に実践的な学びを担う高等教育機関を設置することは、今後の兵庫県の経済基盤の確立に必要となる。さらに、「城崎国際アートセンター」が立地し滞在する国内外アーティストとの芸術文化交流を行い、アートによる地域づくりが実現し新たな活力を生んでいることから、アートと観光による地域活性化の相乗効果を見込むことができる。こうした地域の資源を踏まえ、地域の稼ぐ力を引き出す機関の設置及び人材育成は県の政策課題である。
当該地域に高等教育機関がないことから、若者の県外を含む都市部への流出は深刻化しており、整備は地元住民や産業界、自治体からも強い要請がある。
こうしたなか、観光・アートの理解を持ち、地域の発展を牽引する人材の育成に必要な高等教育機会を提供するとともに、知的・文化拠点として地域課題の解決に取り組む当該専門職大学の整備は、地元をあげての支援や理解も期待できる有意義なものである。以上のことから、当事業の推進を妥当とする。
なお、事業推進にあたっては、次の点に留意されたい。
- 整備後の兵庫、但馬地域の将来像、それを実現する大学の役割や実現手法など、専門職大学の目指すべきビジョンを具体的に発信していくこと
- 演劇ワークショップを活用する教育や、育成する人材像など、大学の特色や教育手法を分かりやすく示していくこと
- 県として事業を行う必要性、県の施策の中での専門職大学の位置づけ、将来見込まれる効果、地域との連携など、運営面を含む有効性を県民に分かりやすく説明していくこと
【配布資料】
【議事概要】
平成30年度第2回総合事業等審査会の概要
- 日時
平成31年1月28日(月曜日)
- 出席委員
門野委員、金﨑委員、立木委員、田中委員、田端委員、中林委員、畑委員、森委員、吉田委員
- 内容
投資事業評価調書の審査について(新規審査)
- 兵庫津ミュージアム(仮称)整備事業
- ひょうご障害者総合トレーニングセンター(仮称)整備事業
- 狩猟者育成センター(仮称)整備事業
- 審査結果
- (1)兵庫津ミュージアム(仮称)整備事業
兵庫津の近辺は、初代兵庫県庁の所在したいわば兵庫県発祥の地であるほか、港湾、運河等を含め、わが国近代産業の胎動期における重要な地域であり、遡り、近世期には西国街道、北前船航路の停泊地など、ネットワークの中心であった。移りゆく景色の中にあって、この地において、これらの記憶を留め、広く知らしめる必要がある。幸い、当地には地元で歴史を語りツーリストに解説する活動もあり、神戸市を中心として近隣では活性化のための各種事業も存する。
今回、兵庫津に整備を予定する「兵庫津ミュージアム(仮称)」は、当地でこれらの利点を最大限に活用する施設である。記憶に留めるべき内容が、広く県民に認知されることで、県民のふるさと意識の醸成に寄与し、結果、社会減に悩む本県において、UJIターンの拡大、人口の定着も期待される。さらに、兵庫津を中核に、産業を含めた県内の有形無形の歴史資源や多様な魅力を、さまざまな単位・テーマでつなぎ、学びや体験、地域活性化の基点とし、ツーリズムの振興や産業の発展をも促進する
以上のことから、当事業の推進は妥当である。なお、事業推進にあたっては、次の点に留意されたい。
- 神戸市博物館を含む神戸市との連携を強化し、開港所としての神戸港など周辺地域を含め、兵庫津地区の面としての魅力の創造を図るとともに、兵庫・神戸の成り立ちを幅広く発信できる展示内容とすること。
- 大学、博物館など研究機関とも連携を強化し、それらの研究蓄積を活用して県の広報に留まらず学術的な側面でも十分な内容の展示となるよう努めること。
- 施設整備と並行して、以上の連携強化のための具体的な行動計画を、対応する人材面も含めて策定すること。
-
- (2)ひょうご障害者総合トレーニングセンター(仮称)整備事業
世界的潮流であるソーシャルインクルージョンの一環となる障害者の社会参加の促進は、地方公共団体にとって重要な役割となる。さらに、障害者にとってスポーツは、リハビリや身体の健康維持はもとより、日々の充実した暮らしや交流を育むために欠かせない存在となっている。また、東京2020パラリンピック競技大会やワールドマスターズゲームズ2021関西の開催を控え、障害者スポーツへの関心はますます高まっており、県内の障害者スポーツ大会への参加者も近年大きく増加している。
一方で、現在2箇所ある県立障害者スポーツ施設は、いずれも稼働率が高く、新たに障害者スポーツに関心を持った障害者の利用需要に十分に対応することができない状況にある。また、障害の程度等に応じて多様化している種目に、市町や民間の施設では応えることができない状況にある。
新たに整備予定の「ひょうご障害者総合トレーニングセンター(仮称)」は、アリーナや温水プールをはじめ、全国・県域レベルのスポーツ大会を開催できる充実した設備を備え、これまで対応できなかった多くのニーズに応えるとともに、隣接する障害者スポーツ交流館と一体となって、障害者スポーツの裾野拡大、そして障害者の社会参画にも寄与するものと考えられる。
さらに、総合リハビリテーションセンター内各施設と連携を図ることにより、パラアスリートの義足開発や動作分析、治療後の復帰支援、指導者の育成など、障害者スポーツの中核的拠点として、競技者への幅広い支援を展開していくことが期待される。
以上のことから、当事業の推進は妥当である。なお、事業推進にあたっては、次の点に留意すること。
- 施設の設計及びソフト事業等の検討にあたっては、障害者や関係団体など当事者の意見を最大限に取り入れること。
- 総合リハビリテーションセンターはもとより、他の幅広い関連施設との連携を含めた効率的事業推進に努めること。
-
- (3)狩猟者育成センター(仮称)整備事業
近年、中山間地域などにおいて、シカ、イノシシ、サルなど野生鳥獣による農林水産業被害が深刻化しており、県内の被害規模は、全国6番目となる年間約5億円にのぼる。また、ツキノワグマ等による人身被害も増加しているほか、シカの食害による森林植生の消失、それに伴う土砂災害危険度の高まりや生物多様性への影響など様々な問題が生じており、その対策を急がなければならない。
県では、「兵庫県鳥獣保護管理事業計画」に基づき、「個体数管理」「被害管理」「生息地管理」の対策に取り組んでいる。「個体数管理」に不可欠な銃の狩猟免許所持者数が減少し、高齢化が進行するなか、狩猟者一人あたりの捕獲力の向上や新たな狩猟の担い手の確保育成により、将来にわたり、持続可能な捕獲力を維持し、生息数の増加や人里等への生息域の拡大を抑制することが喫緊の課題である。さらには、狩猟事故を防止する安全管理や被害対策、野生動物の生態を知り保護・管理のできる狩猟者の養成にも取り組んで行かなければならない。
こうしたなか、「狩猟者育成センター(仮称)」の整備は、県内狩猟者の射撃練習機会の増加とともに、野生動物の保護・管理に関する知識やわな捕獲技術の習得など、総合的な人材育成に寄与するものと考えられる。また、これにより狩猟者による野生動物の個体数の調整ができるようになり、鳥獣害対策費(捕獲、柵整備等)の抑制や、農林水産被害、人身被害、森林植生消失の軽減等が期待される。
以上のことから、当事業の推進は妥当である。なお、事業推進にあたっては、次の点に留意すること。
- 利用者の拡大のための的確なニーズの把握に努めるとともに、それを踏まえた実効性のある対応を行うこと。
- 当該事業の成果測定のエビデンスとなる被害状況等について、正確なデータ収集に努め検証を行うこと。
- 狩猟技術の向上に留まらず、捕獲獣肉の利用を含む持続可能な鳥獣害対策に資する研修にも注力すること。
【配付資料】
【議事概要】
各部審査会(その他事業)の審査結果
事業名をクリックしていただくと、各事業の評価調書がご覧いただけます。