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治山事業とは、森林の維持造成を通じて山地における地震や豪雨等に起因する災害から県民の生命・財産を保全し、また水源涵養、生活環境の保全形成を図る事業で、山腹崩壊地の復旧や落石防止対策としての山腹工事、荒廃した渓流での治山ダム設置工事、地すべり防止工事、手入れ不足の森林に対する間伐等の森林整備を進めています。
治山事業は、事業実施に当たり森林所有者等からの土地使用承諾等の協力を得ながら、国費や県費を活用して、県が実施します。
治山事業は、明治30年に制定された森林法において、「保安施設事業」及び「地すべり防止工事」に関する事業と定義されており、具体的には森林法及び地すべり等防止法に基づいて実施します。
また、治山事業と類似した事業として、砂防法に基づく砂防事業があり、代表的な施設として砂防えん堤が該当します。それぞれの法律で指定された地域において事業を進めており、法律が重複している場合は、事業間で協議しながら事業を進めます。
治山事業による市街地における山地災害対策については、関連資料「治山・砂防事業イメージ図」をご覧下さい。
治山事業は、水源のかん養・土砂の流出防備など、森林法第25条の第1項の第1号から第7号までに掲げる目的の保安林に指定された森林で実施します。
治山事業による水源かん養機能の発揮 |
治山事業による山腹崩壊地の復旧や崩壊土砂の流出防止 (朝来市和田山町竹田地内) |
平成26年8月豪雨による山腹崩壊や渓流からの土砂流出状況 (丹波市市島町徳尾地内) |
山腹崩壊や土砂流出等により人家等が被災するなど、治山事業を要望される場合は、その土地を管轄する市・町の農林担当部署に相談して下さい。市・町から事業要望を受けた県民局、又は県民センターの農林(水産)振興事務又は六甲治山事務所は、現地調査により事業の必要性や緊急性、保全対象の把握を行なうとともに、必要に応じて他所管事業との事業間調整を実施し、事業箇所の優先準位を決定していきます。
治山事業は、事業規模や保全対象状況から国の助成がある事業と県単独事業に分類され、国の助成がある事業は、国に事業計画を申請し、国の承認を得たうえで事業を進めます。
治山ダムは、大雨時に流れ出す土砂等を抑止したり、急な勾配を穏やかな安定勾配に導き、水の流れを緩和させ、浸食を防止したりするはたらきがあります。
崩壊した森林の復旧や崩壊の予防のために、土留工や水路工、柵工、植栽工を組み合わせて、山腹斜面の安定と森林の造成を行います。また、人家裏などの急な斜面では、格子状をしたのり枠工を配置したり、斜面に浮石、転石がある場合は、落石防止工を設置します。
山火事、気象害、病害虫などの天然現象により、被災した保安林の機能回復を図るため、植栽などの改良事業や植栽木の保育を行っています。
梅雨や台風による豪雨等で山腹崩壊や渓流からの土砂流出が発生した時、既存の治山施設により流木や土石等が捕捉され、人家等保全対象の被害が軽減されています。
流木を補足した治山ダム (丹波市市島町中竹田地内) |
流出土砂を捕捉した治山ダム (丹波市氷上町市辺地内) |
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