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神戸はわが国の洋家具の発祥地である。明治の初め、四国の塩飽諸島から出稼ぎに来た船大工の真木徳助が現在の中央区加納町あたりに製作所を設け、神戸に持ち込まれた外国製家具や船舶装備品などを見よう見まねで製作を始めたのがその最初と伝えられている。
以降、時代を追うに従って専業化が進み、明治末期には5つの洋家具工場と椅子・テーブル類の工場数社を数えるまでになったほか、神戸市西洋家具商組合と神戸家具師組合が結成されるなど組織化も進展した。
大正期には家具全体の3割が洋家具になるまでウェイトは高まったが、大正10年からの不況で企業の離合集散が進んだ。しかし、この時期に外国人を通じて採り入れた新しいデザインや技術がその後の神戸家具の発展の礎となったことは見逃せない。
昭和期に入ると、それまで外国人からの注文が大半だった神戸の洋家具にも徐々に一般家庭からの注文も入りはじめて洋家具市場の拡大につながった。
戦中は資材不足から生産中断を余儀なくされる企業もあったが、戦後はいち早く生産を再開し、昭和23~24年頃には製造がほぼ軌道に乗るまで回復した。以降は一般市民向け用途の増加とともに、船舶のインテリアや国鉄・私鉄向けインテリアなども大きな比率を占めるようになったが、船舶関係が大型客船の減少によりレジャー用クルーザーに主体が移り減少するなど、現在では一般市民向け用途が中心となっている。
既に、神戸の洋家具は歴史と伝統に支えられて全国に浸透し、高級洋家具分野で独自のデザインを案出するなどにより高い評価を受けている。
平成7年の阪神・淡路大震災では、神戸の中心地に居を構える販売店の開店が平成9年にずれ込むなど復興が遅れた企業もあったが、生産工場は被災の程度が軽かったこともあり震災後比較的早期に立ち上がった。しかし、近年は職人の老齢化、主要な小売業者の廃業等により組合員数は激減している。
直近の取組としては、三宮センター街での展示など、神戸家具のPRに努めている。
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