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更新日:2019年6月25日
児童虐待防止対策の更なる強化を求める意見書
暴力を振るう、食事を与えない等の行為によって保護者が我が子を死に追いやるといった深刻な児童虐待事件が相次いでいる。こうした事態を防ぐため、国は虐待の発生防止、早期発見に向けた対応を行ってきたが、悲惨な児童虐待は依然として発生し続けている。
特に、児童相談所、学校、教育委員会、そして警察も把握していながら、痛ましい虐待死事件が相次いで発生しており、なぜ救えなかったのか、悔やまれてならない。
よって、国におかれては、今国会に提出された児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等改正を踏まえ、下記事項に取り組まれるよう強く要望する。
記
1 子供の命と最善の利益を守る立場から、「しつけに体罰は要らない」という認識を社会全体で共有できるよう周知啓発に努めるとともに、児童福祉法等改正法の施行後に必要な検討を進めるとしている民法上の懲戒権や子供の権利擁護の在り方についても速やかに結論を出すこと。
2 学校における虐待防止体制の構築や警察との連携を強化するに当たり、スクールソーシャルワーカーやスクールロイヤー、警察OBを配置するための財政的支援を行うこと。
3 虐待防止のための情報共有システムを全ての都道府県・市町村で速やかに構築ができるよう対策を講じるとともに、全国統一の運用ルールや基準を国において速やかに定めること。
4 児童相談所の体制強化に向けて、児童福祉司の任用要件を厳格化した上での大幅増員や弁護士・医師・保健師の配置等を進めるとともに、転居の際の児童相談所間の引継ぎの徹底、虐待をした保護者への再発防止プログラム実施等において、国による財政面も含めた確実な支援を行うこと。
5 児童相談所とDV被害者支援を行う婦人相談所等との連携を強化し、児童虐待とDVの双方から親子を守る体制強化を進めるとともに、妊娠・出産から子育てまで切れ目のない支援を行う拠点となる「子育て世代包括支援センター(日本版ネウボラ)」の設置推進を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和元年6月25日
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官 様
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
兵庫県議会議長 長岡 壯壽
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