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更新日:2020年3月25日

意見書 第30号

性犯罪に関する刑法規定の見直しを求める意見書

 性犯罪は、被害者の人格や尊厳を著しく侵害し、心身に重大な後遺症を残す深刻な犯罪である。その悪質性、重大性に対して、これまでの刑法の規定では不十分であるという声の高まりを受け、平成29年6月の刑法改正において、性犯罪に関する規定の見直しが行われた。

 しかし、平成31年3月には、被害者の同意がない行為だと認定されながらも、抵抗不能な状態であったと認定することはできないなどとして無罪とされる判決が相次ぎ、現行の規定が十分でないことが明らかとなった。

 平成29年の法改正に当たり、衆参両院が採択した附帯決議では、「近年の性犯罪の実情等に鑑み、事案の実態に即した対処をする」という改正法の趣旨を踏まえた対応について、政府及び最高裁判所に格段の配慮を求めており、また、改正法の附則においては施行後3年を目途として、施策の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは所要の措置を講ずることとされている。

 よって、国におかれては、施行後3年に当たる令和2年7月に向け、性犯罪処罰規定が国際基準に到達するよう被害の実態に即した法規定の見直しを行うとともに、次の事項に取り組むよう強く要望する。

1 心理学的・精神医学的知見等についての調査研究データや性犯罪等被害の実態調査結果等を早急にとりまとめ、規定の見直しに反映させること。

2 脅迫や不利益を示唆しての強要等による不同意の性行為や、地位関係性を利用した性行為について、被害の実態に即した規定を整備すること。

3 平成29年改正時の国会附帯決議の内容を遺漏なく実施し、必要に応じて運用を見直し、次期法改正に反映させること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

 

令和2年3月25日

 

 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官        様
総務大臣
法務大臣
国家公安委員会委員長

兵庫県議会議長 長岡 壯壽

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