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更新日:2022年12月13日
外国人児童生徒向け教育環境の整備に対する意見書
2019年9月に、文部科学省は、国内に住む義務教育相当年齢の外国籍の子どもの就学状況に関する初の全国調査の結果を公表し、全国で約2万人の子どもが就学不明となっていることが判明した。2021年には第2回目の調査が行われ、各自治体による状況把握が進んだことなどにより2年前に比べ就学不明の子どもは約5割減少したものの、依然として約1万人を上回る状況が続いている。
この不就学の背景には、子どもや保護者が日本語を十分理解できないことや、行政による日本語指導などの就学支援にばらつきがあることなどが指摘されている。
外国籍の子どもが不就学となっている状況は、その子ども個人の学習権を保障する憲法や子どもの権利条約の理念に反しており、早急に解決するべきであり、子どもの最善の利益を保障するための教育条件の整備が求められる。また、外国籍の子どもが学校に行かないまま成人すれば社会で孤立する要因となり、不就学による悪影響は、子どもたちの非行や貧困につながる。よって外国籍の子どもたちのための教育支援は、当人はもとより社会全体の利益につながるものといえる。しかし、現在行われている外国人児童生徒向けの適応指導や日本語指導は、十分ではなく、様々な困難を抱える外国籍の子どもと保護者に必要な支援を的確に行うために、専門的な知識を持って関われる教員、支援員、相談員の速やかな配置が求められている。
こうした状況を踏まえ、国においては、外国人児童生徒向けの就学状況の把握や教育機会の確保のための支援について国の責務及び負担により適切に実施すべきであり、次の事項について鋭意取り組むことを強く要望する。
記
1 外国人児童生徒への日本語指導に対応するため、教職員定数を改善すること。
2 外国人児童生徒向けの適応指導や日本語指導の充実のため、国の責任において、日本語指導を担当する教員等の資質向上に必要な支援を行うとともに、母語の分かる相談員や支援員等の配置の充実等のための財政措置の拡充を図ること。
3 不就学の外国人の子どもが支援を得られないまま放置されることがないよう、就学を確実にするための適切な対応策を検討すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和4年12月13日
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 様
内閣官房長官
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣
兵庫県議会議長 小西 隆紀
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