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更新日:2022年12月15日

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令和元年度兵庫県中学生水の作文コンクール最優秀賞作文

最優秀賞

「本当のきれいな川を目指して」

西宮市立山口中学校 2年 宮石亜依

 

みなさんが住んでいる地域には川がありますか?私が住む地域には、有馬川という川があります。春は桜がとてもきれいなので川沿いで桜まつりが開かれたり、夏は蛍がたくさんいるので蛍ウォークラリーが開催されたり、学校の授業で川に入ったりと、私たちにとって有馬川はとても身近な存在です。

小学生のとき、地域の方が学校に来て蛍についてお話をしてくれました。

「蛍はきれいな川にしか住めないから、川が汚くなると蛍はいなくなってしまいます。有馬川の夏は蛍がたくさんいてとてもきれいです。そのきれいな景色を無くさないためにも、ゴミが落ちていたら拾うなどの自分にできることを進んでやってほしいです。」

私はその言葉を聞いたとき、川沿いを歩くことはあっても川に入ることは滅多にないし、自分にはあまり関係ないと思っていました。実際にその後川に入ることはなく、川沿いを歩いていてもきれいだなとしか思っていませんでした。

中学生になると休みの日も忙しくなり、外で遊んだりすることが少なくなりました。西日本豪雨のあと、有馬川の土手が崩れたと家族が話していて初めてそのことを知ったほどです。それくらい有馬川は私にとって遠い存在になっていました。

日に日に寒くなっていき、12月になりました。12月には「有馬川クリーン大作戦」というのぼりが川沿いに立ち並び、地域の人たちでの清掃活動が行われました。私たち中学生もたくさん参加し、多くの人が集まりました。12月の川はとても寒く、水がかかると体が凍りそうになりました。久し振りに川を見てみると、

「すごい汚い…。」

とショックを受けました。今までずっと、蛍がいる=きれいな川というイメージしかなく、朝に集まったときも

「こんなに人いるのかなぁ?」

と思っていたからです。周りの人たちも

「こんなに汚かったんや!!」

とすごくおどろいていました。探せば探すほどゴミは出てきて、きりがないなと思ったくらいです。お菓子の袋から自転車のタイヤまで、ありとあらゆるものが川から出てきました。気が付くと掃除する範囲の終わりまで来ていました。朝は寒くて凍えそうだったのに、最後はじんわりと汗をかいていました。家に帰ってから、今日は疲れたなぁと思いつつ、行って良かったとすごく思いました。もし行っていなかったら、これからもずっと有馬川はきれいな川だと思いこんでいたかもしれないからです。そして、たとえ蛍の数が減ったとしても、それが川の水のせいだとは夢にも思わなかったでしょう。

自分たちが住む地域の川が汚いと言われてうれしい人はいないと思います。私は最初、きれいな川だと信じていたけれど、それが間違っていることに気付きました。気付いたときはもちろん悲しかったけれど、自分たちでこの川をきれいにするんだと前向きに考え、一生懸命ゴミ拾いをしました。もう他人事だとは思っていません。有馬川クリーン大作戦は今年も参加しようと思っています。前回よりゴミが減っていたらうれしいし、何かの為に頑張ることはとても気持ちが良いからです。

あなたの住んでいる地域には川がありますか?本当にその川はきれいですか?一度よく見てみて下さい。必ず何かが落ちているはずです。気付いたら、見て見ぬ振りをせずに拾って下さい。その小さな積み重ねで川の水はどんどんきれいになっていきます。いろんな人に自慢できる、本当の「きれいな川」を、みなさんで作っていきませんか?

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