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更新日:2024年10月28日

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エールが心にしみた引退試合。

朝原宣治さん
元陸上競技選手、大阪ガスネットワーク株式会社

 

試合前は自分に全集中。

いろんなタイプの陸上選手があるとは思いますが、私の場合、試合前は完全シャットアウト型。観客が何人でも関係なかったし、観客の声も耳に入ってこない状態を作り上げていました。だから正直に言うと、特に若い頃、試合当日はみなさんからのエールがあるかないかは私にはあまり関係なかったかもしれません。もちろん感謝はしていましたが「いかに自分に全集中できるか」がそれくらい大事だったんです。ずっとそんなふうにして試合に挑んできたんですが、2007年の大阪世界陸上は違った。実は選手として引き際を感じていた頃で、せっかくなら世界レベルの大会が地元で開催されるこのタイミングに引退しようと思ってたんです。だから最後にみなさんの応援をエネルギーにしたいという気持ちでスタジアムに入ったんです。そうしたら「がんばれ!」って声をたくさんいただいて「こんなに応援してくれるんだ」と。本当にうれしかった。ありがたかったです。

 

引退を撤回して挑んだ北京オリンピック。

結局、その時のリレーのメンバーが史上最強と言われるメンバーだったので、「来年のオリンピックも」と周りから期待をしていただいたのもあり、引退を撤回して北京オリンピックを目指しました。といっても代表に必ず選ばれるわけでもないので、覚悟を決めるために「続行会見」を開いて、過酷な練習を乗り越え、日本選手権に出て選考されました。それでようやく迎えた北京オリンピック。リレーのチームみんなで銀メダルを手にしたときは、たくさんの方からいろんな感謝の言葉をいただきました。その言葉が、すごい心にしみたというか。若い時なら違ったかもしれないけど、当時36歳でケガやいろんな苦労をしてきたからこそ、みなさんからのエールが心にしみたんだろうなと思います。人生でこんな経験、もうなかなかないんだろうなって思ったのを覚えています。

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