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岸田直美さん
ASハリマアルビオン株式会社、代表取締役社⾧

「ありがとう」のプレゼント
私は、言葉の力をすごく信じているので、できるだけポジティブな言葉をみなさんにお渡しできるように、ちょっとしたことでも「ありがとう」って言うんです。それも、淡々と言うのではなくて、できるだけ明るく、言い方でも気持ちを伝えています。言葉に含まれるポジティブな心をプレゼントすることが、エールだと思っています。
そして選手たちも、すれ違うときや、さりげないところで「いつもありがとう」「今日もありがとう」って言ってくれるんです。私が重たいものを持っていたら、そんなの持たなくていいよとか、テントを建てていたら、怪我したら困るから他のことやっといて、とか。私が選手たちをものすごい愛情でかわいがっていると思われがちなんですが、選手の方からも私にエールを送ってくれています。
選手の怪我は、逆に大笑いします
女子サッカー選手は、前十字靭帯断裂という大きい怪我を繰り返してしまうことが結構多いんです。今年のシーズンもスタメン4人のうち3人が前十字靭帯断裂。怪我したときに選手が、電話でわんわん泣きながら「切りました。すみません。」と謝るんです。時期によれば契約更改、つまりクビになることもあるので、普通だったら深刻になるじゃないですか。でも、私は絶対、笑うんですよね。「ハハハ、やっちゃったなぁ。切ってしまったのはしゃーない。サッカーの神様が与えた一つの試練だから受けて立ってやろう、って気持ちになりなさい。」って逆に大笑いします。そうしたら選手もつられて笑うんです。手術やリハビリの苦しい時期を乗り越えられる気持ちになるには、笑顔を出させなきゃいけないので、そんな形でエールを送っています。
そして怪我をした選手は、足を引きずりながらでも、ホームゲームでいろんな準備のお手伝いをしてくれたり、ささいな仕事も早くから来てやってくれたりするんですよね。サポーターや施設管理者の方も「偉いな、アマチュアスポーツのいいところやな」って言ってくれています。
サポーター、スポンサーの温かいエール
昨シーズンは11位になって、降格になるかもしれないときに、(1部から)2部になったらスポンサーを続けてもらえないかもって覚悟していました。そうしたら皆さん「それでやめるようなスポンサーはスポンサーじゃない、ずっと応援してる」って言ってくれて。それがすごいありがたかったです。もともと何の経験もないところからこの世界に飛び込んだので本当に大変ですけど、大変な時期を楽しんでいたら『大きな変化が起こる』という文字のとおり、1ランク2ランクアップしてるかもしれないよ、と言っていただいたりして。よし、また来年も頑張ろうという気持ちになりますね。
そしてサポーターの皆さんが、「なにか僕たちにできることはないですか」と、いつも聞いてくださるんです。試合に負けても、選手に「頭上げろ、顔上げろ」って言ってくれて、温かいです。私がくじけず、おびえずできたのは、皆さんのエールのおかげです。この10年間、今は楽しい思い出しか思い出せないです。
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部署名:県民生活部文化スポーツ局スポーツ振興課