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兵庫県では、戦後の拡大造林政策のもと、将来の木材供給力の向上と地域林業の振興を目的として分収造林事業(昭和37年~令和7年)を、森林の公益的機能の適切な発揮を目指し、分収育林事業(平成6年~令和7年)を推進してきました。
これらの事業は、森林資源の造成を行うことにより、水源涵養機能の維持、土砂災害の防止など、多面的機能の発揮にも寄与してきたものであります。
また、昭和30年代からの高度経済成長に伴う都市部への人口流出が社会問題となる中、分収造林事業は、木材生産のみならず、中山間地域の住民の就労の場の確保や所得形成により人口流出の抑制に一定寄与してきました。
一方で、長期にわたり蓄積された事業債務の増大、木材価格の低迷、事業採算の悪化、森林所有者の高齢化・世代交代といった構造的課題が顕在化し、従来のスキームのままでは持続的な事業運営の維持が困難な状況となっていました。
こうした課題への対応として、県は、公益社団法人ひょうご農林機構の協力のもと、令和3年度の包括外部監査における指摘を契機として、「分収造林事業のあり方検討委員会」および「分収林地を含む森林管理のあり方検討委員会」を設置し、第三者的な視点から事業の課題分析と今後の方向性について議論を行ってきました。
また、県議会においても県政改革調査特別委員会を通じ、財政リスクへの対応や林業施策の再構築に向けた検討が進められました。
これらの議論を踏まえ、県は令和7年3月に「県政改革方針」を策定し、分収林事業の債務を整理し、森林経営計画制度と森林経営管理制度の2軸による、新たな森林管理スキームへの移行を進めることとしました。
本記録誌は、こうした分収林事業を巡るこれまでの経緯や新たな森林管理スキーム移行の考え方、人工林全体で改革を進めていく決意などを取りまとめたもので、次の世代に対しても、この改革に取り組む思いを確実に継承することを目的として作成しました。
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