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更新日:2025年5月21日

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黒土川小水力発電所

兵庫県宍粟市にある黒土川小水力発電合同会社と、協力企業である有限会社イー・セレクトの方に聞いてみました。

黒土川小水力発電合同会社HPより

 

 

小水力発電事業を始めたきっかけ

Aさん

Tさん)宍粟市の市民局長から各自治会に「みんなが注目してくれることをしませんか」との提案があり、みんなで案を出すことになりました。宍粟市千種地区内13自治会が、それぞれ自治会の特性を生かして山を切り開いて平地にしようとか、古くからある上流のお滝さん(黒土の滝)を観光資源にしてやっていこうなど案を出していきました。

でもだんだん人は高齢化していき、68戸の限界集落のため、みんなに来ていただいても対応できません。お滝さんのすぐそばに大正時代終わりに15kWの小水力発電所があったので、それを復興させたらどうだと話がまとまりました。次の自治会長の第1弟子(Aさん)と発電所をもう一度再興しようとなりました。

黒土の滝

兵庫県の補助制度を活用してよかったこと

Oさん

Oさん)売電収入の一部は森林保全や地域活性化に還元しています。収益全体の3.4%を自治会の経費にしています。また、当初33.1kWでしたが、水車発電機の出力を39.6kWにできるように増量工事を行いました。

)なぜ改修工事を行ったのですか。

Oさん)もともと発電出力はパワコンの出力である33.1kW、水量が0.08m3/秒の設計でした。しかし、発電機の出力が大きかったので、パワコンの出力を39.6kWに上げることにしました。地元の土木屋さんでフェンスもつけました。

Tさん)この発電機は22年の償却を予定していて、それに合わせての計画でした。兵庫県で補助金の返済を2年猶予してもらいました。

Oさん)税制効果もありますが、単純計算では10年で返せます。宍粟市の固定資産税に5年の減免と200万円の補助がありますが、それでは返済が追いつきません。そのため、ひょうご環境創造協会の無利子貸付の2,000万円は助かっています。完成するまで収入がないので大変ではありました。

発電事業を行うにあたり大変だったこと

Tさん

Oさん)地域の人が流量調査も積極的にしてくれました。また、挑戦しようという気持ちや人間力がありました。かつてあった発電所跡地で発電所再興の計画を立てていたのですが、急傾斜地にあたり工事不可になってしまいました。電気(技術面)、経営などいろんな分野に詳しい人が集まって、結果的に、田んぼ横のあぜ道の下に埋め込むように配管を設置し、なるべく傾斜が緩やかになるように工夫しました。

Tさん)地域住民から事業費を集めることについては、自治会費での収入が少なく、半分は高齢者のため、年金が入った時や給料が入った時にするなど工夫していました。

調査作業の様子

地域の方とともに

Mさん

(Oさん)観光の人が来た時に受け皿がいるので、もともと空き家(その前は駄菓子屋と本屋)だったところにサテライトオフィスを設置しました。Mさんも常駐しており、3年を目途にオフィスを置く予定です。

黒土川小水力発電合同会社メンバーと関係者の方々

(Aさん)また、黒土川小水力発電合同会社における小水力発電事業の取組みを黒土新聞として発行し、地域住民の方に活動を報告しています。

(Mさん)見学も受け付けているので、ぜひお越しください!

 

 

黒土川小水力発電所の概要

令和元年に宍粟市黒土自治区の有志で黒土川小水力発電合同会社を設立。構想期間7年を経て、兵庫県宍粟市北部にある千種町黒土地区に小水力発電所を設置。2023年5月発電開始。

<設備の概要、特徴>

設備容量:39.6kW、有効落差:50.1m

農業用取水設備にはコアンダ効果のあるスクリーンを使用することで自浄作用がありメンテナンスの頻度を抑えることができる。

<受賞歴>

令和5年12月:

環境省「気候変動アクション環境大臣表彰」受賞

<再エネ発掘プロジェクト採択実績>

  • 平成28年:立ち上げ時取組支援事業
  • 平成29年:基本調査等補助事業
  • 令和2年:設備導入無利子貸付事業

コアンダースクリーン

 

アクセス

兵庫県宍粟市千種町黒土187-1

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