豊岡健康福祉事務所感染症発生動向調査週報
このページは感染症発生動向調査事業に基づき、豊岡健康福祉事務所管内(豊岡市・香美町・新温泉町)を中心とした地域の感染症の発生状況を毎週情報提供し、感染予防についての注意喚起を行っています。
2024年第10週(3月4日~3月10日)の管内の感染症発生動向情報をお送りします
今週のcontents
- 定点把握感染症について〈定点あたり上位の感染症〉
- インフルエンザについて
- 感染性胃腸炎について
- 麻しんについて
1定点把握感染症について<定点あたり上位の感染症>
順位
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感染症
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定点あたり報告数
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増減 |
10週
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9週
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1
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感染性胃腸炎
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16.2
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12.0
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↑増加 |
2
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インフルエンザ
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8.88
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7.13
|
↑増加 |
3
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COVID-19
|
3.5
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3.63
|
↓減少
|
4 |
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 |
3.0 |
4.4 |
↓減少
|
5 |
RSウイルス感染症 |
0.6 |
0.2 |
↑増加 |
2インフルエンザについて
- 今週、豊岡健康福祉事務所管内の定点あたりの患者数は8.88人(先週7.13人)と増加しました。
- 県内の定点あたりの患者数は7.83人(先週9.58人)と減少しています。
- インフルエンザの感染力は非常に強く、いったん流行が始まると短期間で多くの人へ感染が広がります。インフルエンザは発症前日から発症後3~7日間は鼻やのどからウイルスを排出すると言われており、ウイルスを排出している期間は、外出を控える必要があります。咳やくしゃみ等の症状がある場合は、不織布製マスクを着用する等、周りの方へうつさないよう配慮しましょう。
【関連ページ】
国立感染症研究所HP
https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-map.html
兵庫県HP
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf16/hw12_000000034.html
3感染性胃腸炎について
- 今週、豊岡健康福祉事務所管内の定点あたりの患者数は16.20人(先週12.0人)と増加しました。
- 県内の定点あたりの患者数も8.51人(先週7.66人)と増加しました。
- 感染性胃腸炎の原因となるウイルスには、「ノロウイルス」、「ロタウイルス」、「サポウイルス」、「アデノウイルス」などがあり、主な症状は腹痛・下痢、嘔吐、発熱です。「ロタウイルス」、「アデノウイルス」による胃腸炎は、乳幼児に多く見られます。
- 「ノロウイルス」による食中毒や感染症は一年を通じて発生していますが、例年、冬季に発生のピークを迎えます。
- ノロウイルスはヒトの腸管内で増え、患者のふん便やおう吐物には1グラムあたり100万から10億個もの大量のウイルスが含まれており、少量でも感染力が強いことが特徴で、手指や食品を介して経口で感染し人の腸管で増殖します。
- 感染すると24~48時間で、下痢・吐き気・おう吐・腹痛・発熱などの症状が出現し、症状が1~2日続いた後、健康な人は回復しますが、ウイルスは症状の回復後でも1週間程度、長い場合は1カ月にわたり、ふん便中にウイルスが排泄される場合があるので注意が必要です。
- 感染を防ぐためには、食事前や排せつ後、調理前、患者の汚物処理、おむつ交換を行った後は、石けんと流水でしっかり「手洗い」を行いましょう。
【関連ページ】
兵庫県HP
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf16/hw12_000000035.html
4麻しんについて
- 今週、県内で1人の報告がありました。
- 麻しんは、麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症として知られています。感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、感染力は非常に強いと言われています。
- 免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症しますが、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。
- 感染すると10~12日の潜伏期間を経て発症し、38℃前後の発熱が2~4日間続き、倦怠感、咳、鼻汁、咽頭痛などの上気道炎症状と結膜充血、眼脂、等の結膜炎症状が現れ、次第に増強します。乳幼児では8~30%に下痢、腹痛などの消化器症状が現われることがあります。発疹出現の1~2日前頃に頬粘膜の臼歯対面に、やや隆起し紅暈に囲まれた約1ミリ径の白色小斑点(コプリック斑)が出現します。
- 発症すると特異的な治療法はなく対症療法が中心で、中耳炎、肺炎など細菌性の合併症を起こした場合には抗菌薬の投与がされます。
- 最近の麻しんの発生は海外からの帰国者や観光等の入国者からの感染と見られており、今後も海外からの持ち込みリスクがより高まることが予想されます。
- 麻しんはマスク、手洗いのみでは予防できません。ワクチンによる予防が最も重要であるといわれています。
- 海外へ行く前には、麻しんの予防接種歴を確認し、2回接種していない人は予防接種を検討してください。
- 海外から帰国後2週間程度は健康状態(特に高い熱や全身の発疹、咳、鼻水、目の充血などの症状)に注意しましょう。
- 麻しんの疑いがある場合は、速やかに医療機関を受診してください。その際には事前に医療機関へ電話し、麻しんの疑いがあることを伝え、指示に従ってください。
【関連ページ】
厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/index.html
国立感染症研究所HP
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ma/measles/221-infectious-diseases/disease-based/ma/measles/555-measles-guidlines.html
- 麻疹の発生に関するリスクアセスメント(2024年第一版)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ma/655-measles/idsc/12534-measles-risk-assess.html
グラフ・データで見る管内の感染症情報(2024年10週)
小児科定点(グラフ)インフルエンザ定点(グラフ)(PDF:404KB)
兵庫県保健所別データ(PDF:35KB)
兵庫県感染症発生動向調査週報(PDF:550KB)