豊岡健康福祉事務所感染症発生動向調査週報
このページは感染症発生動向調査事業に基づき、豊岡健康福祉事務所管内(豊岡市・香美町・新温泉町)を中心とした地域の感染症の発生状況を毎週情報提供し、感染予防についての注意喚起を行っています。
2024年第29週(7月15日~7月21日)の管内の感染症発生動向情報をお送りします
今週のcontents
1定点把握感染症について〈定点あたり報告数の多い感染症〉
2手足口病について
3劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)について
1定点把握感染症について(定点あたり報告数の多い感染症)
感染症
|
定点あたり報告数
|
増減
|
29週
|
28週
|
COVID-19
|
16.13
|
15.63
|
↑増加
|
手足口病
|
4.0
|
15.2
|
↓減少
|
感染性胃腸炎
|
3.2
|
3.8
|
↓減少
|
ヘルパンギーナ
|
0.8
|
4.6
|
↓減少 |
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 |
0.4 |
1.6 |
↓減少
|
2手足口病について
- 今週、管内定点あたりの患者数は4.0人(先週15.2人)と減少していますが、国立感染症研究所のまとめでは過去10年の同じ時期の患者数は最も多くなっていると言われています。
- 手足口病はこどもを中心に主に夏に流行します。口の中や、手足などに水疱性の発疹が出るウイルス感染によって起こる感染症です。
- 感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染(便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染することです)で、潜伏期間は3~5日です。
- 症状は口の中、手のひら、足底や足背などに2~3mmの水疱性発疹が出ます。発熱はあまり高くならないことがほとんどで数日間のうちに治る病気です。
- 手足口病には有効なワクチンも特効薬もなく、症状に応じた対症療法となります。
- 長期間、便中にウイルスが排泄されるため、症状が消失した患者も2~4週間は感染源になることがあります。
- 予防としては有症状時の接触予防策および飛まつ予防策が大切で、特に手洗いは重要です。
- 保育施設などの乳幼児の集団生活で感染を広げないためには、手洗いの徹底とおむつ交換時には、排泄物の適切な処理をお願いします。また、タオルの共用はやめましょう。
【関連ページ】
厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/hfmd.html(外部サイトへリンク)
国立感染症研究所HP
https://www.niid.go.jp/niid/ja/hfmd-m/hfmd-idwrc/12764-idwrc-2427.html
3劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)について
- 全国で劇症型溶血性レンサ球菌感染症の報告数は28週で累計1,217件(速報値)と増加しています。
- 公益社団法人日本産婦人科学会においても、劇症型溶血性レンサ球菌感染症による妊産婦の死亡報告の増加傾向に注意喚起が行われています。
- 溶血性レンサ球菌(いわゆる溶連菌)には、多くの種類があり、一般的には急性咽頭炎(のどの風邪)などを引き起こす細菌として知られていますが、まれに引き起こされることがある重篤な病状として、劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)が知られています。劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、突発的に発症し、敗血症などの重篤な症状を引き起こし急速に多臓器不全が進行することがある重症感染症であり、その死亡率は約30%とされていますが、重症化するメカニズムはまだ解明されていません。
- 溶血性レンサ球菌咽頭炎や劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、世界の多くの国でも増加が確認されており、日本に限定されるものではありません。
- 主な症状は、腕や足の痛みや腫れ、発熱、血圧の低下などから始まることが多く、その後、組織が壊死したり、呼吸状態の悪化、肝不全、腎不全等の多臓器不全を起こし、場合によっては数時間で非常に急速に全身状態が悪化します。
- 治療は適切な抗菌薬の迅速な投与、必要に応じて緊急手術による広範囲の病巣の除去、集中治療室での全身状態の管理等が行われます。
- 予防には日頃の手洗い、咳エチケット、傷口の清潔な処置等、基本的な感染対策が大切です。
【関連ページ】
厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137555_00003.html
グラフ・データで見る管内の感染症情報(2024年29週)
小児科定点(グラフ)インフルエンザ定点(グラフ)(PDF:531KB)
兵庫県保健所別データ(PDF:35KB)
兵庫県感染症発生動向調査週報(PDF:486KB)