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更新日:2019年10月25日
瀬戸内海を豊かな海によみがえらせる取組の強化を求める意見書
瀬戸内海は、古くから風光明媚な景勝地であり、豊かな漁場でもあるという恵まれた自然環境下にあった。しかし、高度経済成長に伴い、瀬戸内海沿岸域には産業や人口が集中したため、水質が急激に悪化し、さらには埋め立てや護岸工事等によって、海洋生物の産卵、育成の場となる藻場や干潟の多くが消失した。その後、瀬戸内海環境保全特別措置法が制定され、水質改善は進んだが、ダムや堰堤等によって、栄養を豊富に含んだ水や生物生息環境に必要となる砂が供給されにくくなるなどし、失われた藻場や干潟など浅場環境の劣化が進行した。また、貧栄養化が進行し、ノリの色落ちや漁獲量の減少が大きな問題となっている。
このような状況が進行したことを考慮すると、従来からの赤潮の発生は抑えつつ水質改善を推進するとともに、海域ごとの栄養塩の適正管理を実現することが必要と考える。
瀬戸内海は、我が国のみならず世界においても比類のない美しさを誇る景勝地として、また、国民にとって貴重な漁業資源の宝庫として、その恵沢を国民がひとしく享受し、後代の国民に継承すべきものである。
よって、国におかれては、平成27年10月施行の瀬戸内海環境保全特別措置法の一部改正により追加された瀬戸内海の環境の保全に関する基本理念に則り、国民的財産である瀬戸内海を豊かな海によみがえらせ、生態系のバランスの回復を図るため、豊かな海づくりのための栄養塩の適正管理、海水の温暖化防止対策、海洋ごみ対策等を実施され、瀬戸内海の保全を一層推し進めるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和元年10月25日
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官 様
総務大臣
財務大臣
農林水産大臣
環境大臣
兵庫県議会議長 長岡 壯壽
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