閉じる

ここから本文です。

更新日:2021年7月13日

請願 第38号

令和3年3月2日配付             

 産業労働常任委員会付託

所得税法第56条の見直しを求める意見書提出の件

1 受理番号 第38号

2 受理年月日 令和3年2月22日

3 紹介議員 ねりき恵子

4 請願の要旨

 中小企業の営業は、家族全体の労働によって支えられている。しかし日本の税制は、所得税法第56条「事業主の配偶者とその親族が事業に従事したとき、対価の支払いは必要経費に算入しない」(条文趣旨)により、家族従業者の働き分(自家労賃)を必要経費として認めていない。

 家族従業者の働き分は事業主の所得となり、配偶者86万円、配偶者以外の家族50万円が控除されるのみで、これは最低賃金にも達しない額である。このことにより、夫婦で懸命に働いても配偶者の収入が86万円とみなされ、家族従業者は社会保障や行政手続などの面で不利益を受けている。

 政府は「青色申告にすれば給料を経費にできる」(所得税法第57条)と言うが、働いている実態が同じでも、申告方法の選択によって、納税者を差別することは許されないことである。さらに、青色申告の専従者給与は税務署長への届出と記帳義務などの条件付きであり、取り消される場合もある。すでに白色申告者にも記帳は義務化されており、商売に応じた記帳が行われている。白色申告の場合、家族の働き分を認めないことは、もはや道理がない。

 家族従業者の人権を認めない所得税法第56条の廃止を求める意見書は、全国500を超える自治体で採択されている。第4次男女共同参画基本計画は、「女性が家族従業者として果たしている役割が適切に評価されるよう、税制等の各種制度の在り方を検討する」と明記している。世界の主要国では家族従業者の働き分を必要経費と認めている。

 国連女性差別撤廃委員会は、2016年3月「所得税法第56条が家族従業女性の経済的自立を妨げていること」を懸念し、「所得税法の見直し」を日本政府に勧告した。日本弁護士連合会(日弁連)も2017年11月、政府への意見書に「家族従業者本人の労働の対価と明確に位置付けられるよう」と、所得税法第56条、第57条の見直しを正式に盛り込んでいる。

 よって、下記事項を内容とする意見書を国へ提出するよう要望する。

1 所得税法第56条を見直すこと。

お問い合わせ

部署名:兵庫県議会事務局 議事課

電話:078-362-9403

FAX:078-362-9031

Eメール:Gikaigijika@pref.hyogo.lg.jp