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更新日:2024年3月22日

意見書 第25号

外国人児童生徒等への教育支援を求める意見書

 

 近年、我が国に在留する外国人の数は大幅に増加し、令和4年末に初めて300万人を超えて過去最高を更新した後、令和5年6月末時点には更に4.8%も増加している。本県においても在留外国人数は増加の一途を辿っており、これに伴い、日本語の能力が十分でない外国人児童生徒等(日本国籍を有する者も含む)の人数もこの10年間で約1.5倍の1,674人となっている。また、シンハラ語やタミル語等の少数言語を母語とする者も増加し、多言語化が進んでいるほか、居住地域についても集住地域だけでなく、県内全ての地域に散在する状況になっている。

 日本語の能力が十分でない外国人児童生徒等への教育について、本県では、母語支援と日本語指導の両輪で支援し、特に、母語を話せるサポーターが在籍学級への入り込み支援を行う「子ども多文化共生サポーター」の派遣に取り組んできた。しかしながら、外国人児童生徒等の急増、少数言語の増加、居住地域の広域化により、サポーターの確保をはじめ支援に困難を来たしている。

 日本語の能力が十分でない外国人児童生徒等は、言葉や文化の壁から、進路の実現や人間関係の構築、アイデンティティの確立に困難を抱えることが多い。令和3年の中央教育審議会答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」において、「外国人の子供たちが将来にわたって我が国に居住し,共生社会の一員として今後の日本を形成する存在であることを前提に,関連施策の制度設計を行うとともに,我が国の学校で学ぶ外国人の子供たちが急増している現状を踏まえた施策の充実を図る必要がある」とされているとおり、外国人児童生徒等が日本語や日本の文化、価値観について理解した上で、複数の言語や文化等のもとに生まれ育った経験を生かし、グローバルな視点を持って日本の発展に貢献することができるような人材育成に取り組むことが必要である。

 よって、国におかれては、日本語の能力が十分でない外国人児童生徒等が日本人児童生徒と同様に自由な進路を選択でき、社会で活躍する人材となるよう、下記事項に取り組まれることを強く要望する。

1 母語支援員の派遣バンクを創設すること。

2 教育支援体制整備事業費補助事業(帰国・外国人児童生徒等に対するきめ細かな支援事業)について全額国庫で負担すること。

3 教員配置について、日本語能力に応じた特別の指導を受ける児童生徒18人につき教員1人を基礎定数として一律に算定しているところ、散在地域でも活用できるように対象児童生徒数を引き下げること。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

令和6年3月22日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官  様        
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣

兵庫県議会議長  内藤 兵衛

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