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更新日:2024年3月22日
若者のオーバードーズ(薬物の過剰摂取)防止対策の強化を求める意見書
近年、処方箋がなくても薬局やドラッグストアで購入できる市販薬の濫用・依存や急性中毒が、重大な社会問題となりつつある。
国立精神・神経医療研究センターの2022年調査によると、全国の精神科医療施設で薬物依存症の治療を受けた10代の患者の主な薬物において、市販薬が全体の65.2%を占めているとのことである。また、過去1年以内に市販薬の濫用経験がある高校生の割合は「約60人に1人」と深刻な状況にあることも明らかになった。
市販薬は違法薬物とは違い、所持することで罪にはならないことから、濫用が発見されにくいという現実があると同時に、オーバードーズによる健康被害は、違法薬物よりも深刻になる場合もある。
よって国におかれては、このような薬物依存による健康被害から一人でも多くの若者を守るために、下記の事項について特段の取組を進めるよう要望する。
記
1 若者による濫用等のおそれのある医薬品の販売において、その含有成分に応じて販売する容量を適切に制限し、かつ、対面かオンライン通話での販売を義務付けること。また、薬剤師等の専門家による情報提供を必須とし、自殺や孤独・孤立等の不安を抱える患者に対して必要に応じて適切な相談窓口等を紹介できる体制を整えること。
2 濫用等のおそれのある医薬品の指定を的確に進め、身分証による氏名・年齢確認を行い、頻回購入による過剰摂取や転売を防止するために、販売記録等が確認できる環境の整備を検討すること。
3 若者のオーバードーズには、社会的孤立や生きづらさが背景にあるため、オーバードーズを孤独・孤立の問題として位置付け、若者の居場所づくり等の施策を推進すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年3月22日
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官
総務大臣 様
財務大臣
厚生労働大臣
こども家庭庁長官
孤独・孤立対策担当大臣
内閣府特命担当大臣(こども政策)
兵庫県議会議長 内藤 兵衛
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