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更新日:2024年3月22日

意見書 第27号

大規模災害における被災自治体の負担軽減を求める意見書

 

 令和6年1月1日に発生した石川県能登地方を震源とする地震により、石川県や北陸地方の広範囲に被害が生じている。特に甚大な被害を受けた石川県では災害関連死を含め約240名もの尊い命が失われ、1,000名を超える方々が負傷された。住宅等の崩壊や火災による焼失、断水等によって、今なお1万名を超える多くの方々が、厳しい環境の中、避難生活を強いられている。

 本県においては、カウンターパート支援として、神戸市、福井県とともに珠洲市を支援先として決定し、職員の派遣や物資の支援を始め、義援金募集窓口の設置、被災者に対する県営住宅の提供など、阪神・淡路大震災を経験した被災自治体として、様々な取組を通じて被災地支援を行っているところである。現地の被害は甚大であり、復旧復興に向けては引き続き国を挙げての支援が必要である。

 阪神・淡路大震災を経験している本県においては、被災からの創造的復興をなし遂げるための財政的負担が大きく、1兆3000億円という巨額の地方債の発行を余儀なくされた。このため、その後の県政運営において他の都道府県にはない重い負担を背負うことになり、県民の協力のもと行財政改革など不断の努力を行なってきた。しかしながら、震災から29年経過した今でも震災関連県債残高は2,158億円(令和4年度末)あり、同様に県内被災市でも大きな財政負担を強いられている。 

 今回の災害の被害状況の全容はまだ不明であるが、復旧復興に要する費用は莫大であることは容易に想像がつく。また、被災自治体は財政的に小規模な自治体であり、国の財政的な支援があっても、重い負担を強いられる可能性が高く、より手厚い支援が求められる。

 我が国では、阪神・淡路大震災、東日本大震災、そして今回の能登半島地震などから明らかなように、全国で大規模災害が発生するリスクがあり、今後も高い確率で発生すると言われている、南海トラフ地震や首都直下地震などに備え、財政的な支援の体制を整えていかなければならない。

 よって、国におかれては、下記のことに取り組まれるよう強く求める。

1 能登半島地震の被災自治体が過度の財政負担によって、長期にわたって財政的な理由で運営に支障が発生することがないように、国が被災自治体と積極的にコミュニケーションを図り、復旧復興に係る事業の国負担分、また、地方負担分の交付税措置の更なるかさ上げを行い、被災自治体の財政的な負担を軽減するなど、寄り添った柔軟な対応を行うこと。

2 今後の大規模災害発生に備え、被災自治体の財政的な負担を極力軽減できるように、復旧復興に係る現在の事業のスキームの見直しや基金の創設を検討すること。

3 阪神・淡路大震災により、今なお財政的な傷跡の残っている被災自治体の震災関連県・市債の残高の負担を軽減するため、適切な財政措置を講じること。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

令和6年3月22日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官   
総務大臣         様
財務大臣 
国土交通大臣              
国土強靱化担当大臣
内閣府特命担当大臣(防災)

兵庫県議会議長  内藤 兵衛

お問い合わせ

部署名:兵庫県議会事務局 調査課

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FAX:078-362-9031

Eメール:Gikaitosho@pref.hyogo.lg.jp