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更新日:2026年10月26日

意見書 第100号

ヘイトスピーチ解消法の実効性を高めるための法制度の充実を求める意見書

 平成28年に「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」、いわゆるヘイトスピーチ解消法が施行され、本邦外出身者に対する不当な差別的言動は許されないことが明確に示された。

 同法では、国に相談体制の整備、教育及び啓発等の施策を講ずる責務を定めるとともに、地方公共団体についても、国との適切な役割分担を踏まえ、地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めることとしている。

 法施行後、地方公共団体においても条例制定や、公の施設の利用に関するガイドラインの策定など、それぞれの地域の実情に応じた取組が進められてきた。また、法務省は、街頭における過激なデモ等について減少傾向が見られる一方、インターネット上を含め、態様を変えながらヘイトスピーチがなお存在しているとしている。

 一方、同法は罰則を設けるものではなく、地方公共団体が公共空間における不当な差別的言動に対応する場合は、対象となる行為の範囲、対応手法、関係機関との役割分担等について慎重な判断が求められる。特に、施策を講ずるに当たっては、憲法が保障する表現の自由その他の基本的人権を十分に尊重し、正当な表現活動を不当に制約することのないよう配慮する必要がある。

 法施行から10年を迎えた今、これまでの取組の成果と課題を検証するとともに、地方公共団体が地域の実情に応じて適切かつ実効的な施策を講ずることができるよう、国において更なる制度の充実を図ることが求められる。

 よって、下記の事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。

記

1 ヘイトスピーチ解消法の施行状況及び施策の効果を検証し、公共空間における不当な差別的言動への対応を含め、同法の実効性を一層高めるために必要な法制度の充実について検討すること。

2 地方公共団体が地域の実情に応じて適切かつ実効的な施策を講ずることができるよう、不当な差別的言動の考え方、対応手法及び国、地方公共団体、関係機関の役割分担等について、必要な指針や情報提供の充実を図ること。

3 ヘイトスピーチの解消に向けた教育及び啓発を一層推進するとともに、不当な差別的言動による被害を受けた者が安心して相談できる相談・支援体制の充実を図ること。

4 法制度及び施策の検討に当たっては、憲法が保障する表現の自由その他の基本的人権を十分に尊重し、正当な表現活動を不当に制約することのないよう、対象となる行為及び対応の基準を可能な限り明確にし、適正かつ慎重な運用が確保される制度とすること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


令和8年10月23日

兵庫県議会議長 北野 実

衆議院議長 森 英介 様
参議院議長 関口 昌一 様
内閣総理大臣 高市 早苗 様
内閣官房長官 木原 稔 様
総務大臣 藤井 比早之 様
法務大臣 山下 貴司 様

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