ここから本文です。
兵庫県が設置された当時の兵庫県庁は、1868年神戸港開港により、外国人居留地の外国人への関税事務などに携わっていましたが、初代県庁舎(兵庫津)、第2代県庁舎(坂本村、現神戸地方裁判所周辺)は、外国人居留地から遠く不評であったとのことです。このため、現在の兵庫県公館の場所にあったオランダ領事コルトハウス旧邸を兵庫県が購入して改装し、1873年(明治6年)から第3代県庁舎として使用していましたが、その後老朽化し、新たな県庁舎が必要となりました。
第4代兵庫県庁舎は、フランスで建築とともにレンガ製造技術を学んだ建築家の山口半六氏の設計によるもので、1902年(明治35年)、優美で気品のあるフランスルネサンス様式の建物として竣工しています。

山口半六氏は、フランスから帰国後、1885年に文部省に入省し、それまでは木造であった学校建築にレンガを取り入れて、旧第四高等中学校(現石川四校記念文化交流館:金沢市)、旧第五高等中学校(熊本大学五高記念館:熊本市)などに携わった明治を代表する建築家です。
この建物の一番の特徴は、左右対称で、中庭を中心に回廊式となっており、その中庭の南側に正庁、そして、北側に議事堂(第2代)の2つのドーム(丸屋根)が設置されていたことです。

この第4代兵庫県庁舎は山口半六氏の代表建築と言われていますが、1902年5月の落成式を見ることなく、1900年に42歳の若さで亡くなられており、その後の建設は、兵庫県技師の秋山金徳氏に引き継がれて完成します。

構造は、地下1階、地上2階で、壁などの躯体は赤レンガを組み上げた組積(そせき)構造であり、表面にはモルタル塗りと一部花崗岩が張られていました。
『振鈴を刻む 兵庫県議会百年』(神戸新聞社編)には、次のように記されています。
「外部の用材としては徳山産花こう岩、泉州・播州産のレンガ、屋根がわらは陸前産石盤と銅板。内部には宮内省から譲り受けた尾州桧(びしゅうひのき)をふんだんに使っており、その規模、優雅さにおいて、全国四十七都道府県中第一位にランクされた」
棟上式では、多くの職人が屋根に登り作業を行っており、現在のようにクレーンなどの機械はなく、大工職人たちの力によって建築されたことが分かります。

お問い合わせ