ここから本文です。
開催日:令和5年7月28日(金曜日)
場所:S BRICK(エス・ブリック)(洲本市)
参加者:淡路島へ移住された子育て世代や、農業・観光分野、移住支援や子育て支援など各分野で活躍している15名(詳細は「参加者名簿」のとおり)
テーマ:淡路島に移り住んで実現する、自分らしい暮らし方・子育て・働き方
「淡路島に移り住んで実現する、自分らしい暮らし方・子育て・働き方」をテーマに、淡路地域の各分野で活躍されている15名と知事が意見交換を行いました。
1.淡路島の魅力発信 2.空き家の掘り起こし 3.移住者から見た淡路島の生活環境の魅力 4.淡路島の子育て・教育環境の魅力と課題 5.淡路島での出産・不妊治療の現状
参加者 18年ほど淡路島に関わり、うち12年ほど住んでいるが、その頃と比べても移住される層がずいぶん違ってきたと感じる。最近だと、リモートワークが普及してきたこともあり、色んな層の方が移住してきているように思う。
参加者 仕事で淡路島に移住してきたが、一緒に事業していない者も含め10人で移住してきた。これは私がすごいからではなく、淡路島が都会の若者にとって魅力があるからだと思う。淡路島は自分の人生と一度向き合うキャリアブレイクのフィールドに適している。色んな地方を代表して、淡路島がこの流れに乗ることができればいい。
参加者 私は仕事の都合で一度島を離れたが、大阪で働いているときに淡路島の良さを再発見し、自分なりにこの島の魅力を伝えたいと思い、再び戻ってきた。
齋藤知事 確かに、淡路島には淡路瓦の生産現場や、南あわじの沼島のクルーズ体験など、仕事や文化、地域の資源などを活用した素晴らしい取組がある。兵庫県にはすごいところがたくさんあり、すごい取組をしている人が大勢いる。万博は2025年に大阪の夢洲で行われるが、そこでのパビリオンとは別に、県ではこれらの取組全体をパビリオン、その現場そのものをパビリオンに見立てる「ひょうごフィールドパビリオン」として発信している。さらに魅力を発信していきたい。
参加者 私の住んでいるところは限界集落で、維持するためには人が必要だが、農業振興地域なので家を建てることができない。空家はあるが、活用できない。農地があっても家がないので就農を諦めた人も結構いる。
参加者 空き家の掘り起こし活動をしているが、移住相談に来る方は、「空き家=貸してもらえる家」と思っている人が多い。しかし必ずしもそうではなく、空いているけど自分が生まれたところだから手放したくないとか、近所の手前、といったそれぞれの事情があり、使えないことも多々ある。空き家率が高く、住みたい方がいるのになかなか実際の移住に繋がっていかない。
参加者 空家のほとんどが使われていない感覚がある。市場に出てくる物件はほんの一部で、それより前の段階で止まっているのがほとんどじゃないかと思っている。
齋藤知事 県内だと丹波も同じように移住が増えているが、同様に空き家の供給問題がある。おっしゃられたように、新築するよりも今の資源を活かし再利用したほうが、SDGs的な観点からも望ましい。空き家の掘り起こしについては我々も考えたい。
参加者 慶野松原でシェアハウスを運営しているが、外に出ると松林を散歩でき、海もあって、近くには温泉もある。食べ物もおいしく、静かで仕事もすごく捗ったという感想をいただいている。私自身もリモートワークの恩恵を受けてフリーライターができている。パソコンがあればどこでも、旅行先でも仕事ができる。そうなると、生活のベースである、食べ物とか環境とか見てて気持ちのいい景色とかのほうが大事だし、コンクリートジャングルに住まなくてもいいと思う。
参加者 淡路島はイメージしていたより都会。もう少し田舎暮らしをイメージして来たので、初めはもう少し田舎がよかったなとも思ったが、一本道を外れればど田舎に行けるし、都会が恋しくなればすぐ都会にも行ける。移住・田舎暮らしに憧れている人には気軽に移住ができやすい場所第1位ではないかと思う。
参加者 コロナが落ち着き、5類に移行したあたりから、遠い地域の家族連れが「自然豊かなところで子育てをしたい」といった移住の相談によく来られる。これまではカフェをしたいという人が多かったが、リモートワークが確立した影響か、最近では一般のご家庭から、都会とは異なる淡路島で「暮らす」ことについての質問が多い。
齋藤知事 パソナの社員さんたちが島外から移住してくるにあたって、知りたい情報がひとつにまとめられたものがないということで、今回、移住希望者向けに「淡路島子育てスタートブック(外部サイトへリンク)」という冊子を意見交換しながら作った。ここに書かれている情報はすごくベーシックな内容で、市内に小・中学校や高校がどのくらいあるかや、お出かけスポットなどについて書いている。新たに作成したものなので、関心のある人に渡してもらえたらありたがい。これはいわばトライアル的に作成したものなので、もっとこうしたらいいとか、またご意見いただきたい。
参加者 島内では年齢を重ねるにつれ、習い事の選択肢がどうしても少なくなる。また、大きな書店や図書館もないので、子どもが将来大きくなったとき、自分の世界を広げてくれるものと出会う機会をどう確保するかというのが難しい。
参加者 車で移動できるのはとても大きい。買い物時においても、おむつなどは嵩張るし、コロナ禍でもあったので、誰にも会わなくて済むためストレスなく生活できた。子育て世代には是非来てほしいなと肌で実感した。子どもがもう少し大きくなってきて、教育環境や習い事などの機会が提供できるか、習い事となると選択肢が少ないという話は聞く。そのあたりが気になっているところではあるが、少なくとも今、3歳までは、とてもよかった。
齋藤知事 淡路は都会と違い、様々な魅力的な素材があって、子どもの興味・好奇心、探究心を育めるフィールドが、都会よりかなりある。そういう意味では多様な選択肢があるところだと思う。教育の問題については、これから兵庫県は、かなり力を入れていきたい。淡路島内にも県立高校が5つあるが、ここの環境の整備と、学力・スポーツのレベルアップを徹底的にやっていく。県内の県立高校全体で、これからの6年間で300億円の予算を投じて、部活動の応援や体育館の冷房等の設置に投資をしていこうと考えている。それと合わせて、国際的な英語教育、スキル教育、ハイレベルな教育を県立高校でもしっかり受けられる環境整備をしていきたい。
参加者 1人目の出産のときに、ハイリスク出産だったので、神戸の病院で出産した。そのときも淡路島との往来が結構大変だったので、2人目が妊娠できたとしても、通院とかを考えると二の足を踏んで諦めた。
参加者 若い方でハイリスクではないならあまり気にならないかもしれないが、テレワークが進んでどんなキャリアの人も好きなところで好きな仕事をできる時代になったとき、日本全体で考えると、多自然地域における不妊治療の問題は考えていくべきだと思う。諦めるのはとてももったいない。
齋藤知事 私自身も少し不妊治療の経験があって、子どもができるまで5年くらいかかった。最初に不妊治療をしたのは新潟県の佐渡島にいたとき。本土にフェリーで通って、なかなか大変だった。最近は、結婚するかどうか、子どもを産むかどうかなど、いろんなライフスタイルがあると思うが、結婚して出産を希望される方をいかに支援できるかしっかり考えたい。また、出産環境の整備も大事で、産科医療は地方に行けば行くほど厳しくなっている。どう対策を講じられるかを考えていきたい。
お問い合わせ