令和5年度ひょうご躍動フォーラム
地域で活躍する県民の皆様との対話を通じた地域課題の県政への反映、参加者相互の交流促進・連携強化を図るため、躍動カフェ参加者等これまで知事と意見交換を行った方々を集めたフォーラムを開催しました。
開催概要
- 開催日
令和6年3月26日(火曜日)
- 場所
兵庫県公館大会議室
- 参加者
「躍動カフェ」、「ワーケーション知事室」、「地域未来フォーラム」、「ひょうごフィールドパビリオン」視察、TV番組「ひょうご発信」等において知事と対談・意見交換を行った、県内の各分野で活躍している94名
- 内容
- (1)開会(知事挨拶)
- (2)参加者によるワークショップ(グループ別の意見交換・意見発表)
- (3)閉会
知事挨拶
齋藤知事は「各地域の最前線で活動される皆さんの意見を施策に生かしていくボトムアップ型の県政を進めることが、躍動する兵庫の実現に繋がる。これからも皆さんと一緒に、希望と安心に満ちた兵庫を創っていきたい」と述べた上で、若者・Z世代応援パッケージ等、令和6年度施策の展開について報告しました。
参加者によるワークショップ
テーマごとにA~Jのグループに分かれ、地域の課題や課題解決に向けたアイデアについて話し合いました。
A教育と子ども(不登校対策) B仕事(多様な働き方への取組) C食と農(食のブランド化) D食と農(地産地消の推進(農業)) E食と農(地産地消の推進(林業)) F芸術文化(芸術に触れる機会の創出) Gスポーツ(スポーツを身近に感じる環境づくり) H万博・地域づくり(ひょうごフィールドパビリオンを通じた地域活性化) I万博・地域づくり(ひょうごフィールドパビリオンを通じた地域活性化) J万博・地域づくり(住民参加や団体連携による賑わいづくり)
項目 |
意見交換の主な内容 |
現状と課題 |
- 今、不登校になる低学年の子どもたちが増えている。学校復帰に向けた適応指導教室もあるが、そもそも教室に行けない子どももいる。
- 子どもが小学校から中学校へ進学するときに、それまでの支援の情報が共有されず、支援が途切れるケースがある。
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課題解決に向けて |
- 不登校でも子どもたちが社会と断絶することのないよう、まちとの接点を作り、まち全体で子どもたちを育てていく取組が必要。
- ぶつ切り支援とならないよう、ソーシャルワーカーや教育委員会、学校や適応指導教室などの関係機関が包括的に不登校児童を支援していく体制を構築するべき。
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項目 |
意見交換の主な内容 |
現状と課題 |
- 入社して3~5年と比較的早い時期に若い人が会社を辞めていってしまったり、地域の消防団に若い人が集まらない状況がある。
- 一方で、島内在住者ではないが、ダイビング資格や船舶免許が取得できるという取組を魅力に感じ、進学先として家島高校を自分で選択し、通学してくる子がいる。
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課題解決に向けて |
- 3~5年で会社を辞めていく選択をする若い人も、自分で考えて辞めていく選択をしている。周りの大人たちも自分たちが生まれ育った時代と大きく変わってきていることを意識しながら成長し、自らをアップデートしていくことが大切な視点。
- 子どもに関わる親世代、大人たちによる若い世代へのサポートが必要。
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項目 |
意見交換の主な内容 |
現状と課題 |
- ブランド化にあたっては、「地域」のブランド化を図っていくのか、「個々のプレイヤー」のブランド化をしていくのか考える必要がある。
- ブランド化にも善し悪しがあり、ブランド化した先に何を求めるのかが大事。例えば、ブランド化することで海外の人には届くかもしれないが、高級品となり、地元ではなかなか食べられず、地域が取り残されてしまうこともある。
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課題解決に向けて |
- 地域のブランド化に向けては、「丹波の黒豆」など地域の名前を出して全国に広がりブランド化した例もあるように、まずは地域で確立させることが大事な時期がある。
- 個々のプレイヤーのブランド化も大事だが、ブランド化に向けては仲間づくりも大事。目標や目的を共有しながら、一体となって取り組めるような仲間づくりは重要。
- 誰のためのブランド化なのか、あらかじめ目的を考えた上でブランド化していくべき。
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項目 |
意見交換の主な内容 |
現状と課題 |
- 将来のリスクを備える意味でも、地産地消を進め、食糧自給率を高めていく必要がある。しかし、農業従事者は高齢化しており、今後5年で農業従事者がかなり減少する可能性がある。
- 農村部に移住して新たに農業をしようとする人たちにとって、気軽にコミュニケーションを取れる存在が少ない。
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課題解決に向けて |
- 新たな農家を増やしていくために、こだわって作物を作るスモールファーマーや自給自足型のファーマーなど色んな形の農業を認め、新たに農業に携わろうとする人の入口を創っていくべき。
- 就農を目的とした移住を考えている人たちに向けて、行政ではない中間的な支援を行う存在や仕組みが必要。そのような支援があることで、援農や就農、スモールファーマーなど多様な形での農業との関わりが生まれる。
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項目 |
意見交換の主な内容 |
現状と課題 |
- 林業という分野において、山の災害リスクや課題といったものが一般の人にほとんど伝わっていない。
- 兵庫県でログハウスを建てたいときに兵庫県の木では建てられないといった話があるように、木材に関する情報が全く表に出ていないのが現状。
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課題解決に向けて |
- 我々のような林業に携わる者も山や木に関する情報発信を行っていくので、県の方でもPRや情報発信に協力をお願いする。
- 山や木に関するポータルサイトを県で作ってもらえると取引情報が「見える化」され、県産木材の地産地消につながる。
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項目 |
意見交換の主な内容 |
現状と課題 |
- 担い手を育成するためには、そもそも芸術や文化に触れる機会を創ることが大事。
- 芸術や文化に触れる機会にも段階がある。最初に「知る」、次に陶芸教室や体験教室のようなもので「触れる(体験する)」、「自分の作品やコアな表現が誰かの手に届く」が最終段階。最初の「知る」というところの人をどう増やしていくかが課題。
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課題解決に向けて |
- 表現者同士の交流や共創により、それぞれのファンやノウハウなどをクロスさせることで新たに知ってもらう機会の創出を図る。そのために表現者同士のコラボを促進するような行政支援があればよい。
- 「日常にアートを」ということを考えたときに、芸術文化の解釈や価値観の幅を広げる必要がある。絵画や舞台での表現だけでなく、一人ひとりの考えや行動、表現も芸術文化であるといった「芸術文化の民主化」の視点もあればいい。
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項目 |
意見交換の主な内容 |
現状と課題 |
- 都市部でも地方部でもスポーツが身近でなく、都市部ではスポーツを気軽に楽しめる場所がない。地方部では場所はあるが、子どもにスポーツを教える人がいない。
- 都市部でも地方部でも共通しているのは、送迎の問題。都市部の共働き家庭では子どもたちを活動場所まで送迎する時間や余力がない。地方部では活動場所までの距離が遠いという問題がある。
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課題解決に向けて |
- 都市部では、幼稚園のホールや会社の屋上など、街中には子どもたちがスポーツに使えそうなスペースがある。そういったスペースを有効に利用したいという事業者はいるので、行政には活用に向けた後押しをしてもらいたい。
- 教える人がいないという地方部での課題や送迎の問題は、教える側が学校など子どもたちが集まっているところに出向けば解決でき、それができるスポーツ団体を増やすことができればいい。
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項目 |
意見交換の主な内容 |
現状と課題 |
- ひょうごフィールドパビリオンプレイヤー同士のつながりが希薄。お互いのプログラムも見たことがない。
- フィールドパビリオンプレイヤーの多くは、小さな会社の中で活動しており、PRや他のプログラム視察に割く時間がない。
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課題解決に向けて |
- 行政には、万博の入口で各プログラムの魅力をしっかり発信してもらいたい。我々プレイヤーはプレイヤー同士が知り合えたこの機会を活かし、お互いが口コミなどで広げる。
- 行政や商工会議所などは親和性のあるプレイヤー同士のマッチングを積極的行う機会を創る。我々プレイヤーもそれに前向きに協力していくことが大事。
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項目 |
意見交換の主な内容 |
現状と課題 |
- ひょうごフィールドパビリオンの対象はインバウンドなのか、国内に向けてなのか。誰を対象に、どのようなことをするのか、まだ手探りな状態にある。
- フィールドパビリオンの情報がまだあまり出てきていない。我々プレイヤーの多くは個人事業主や小さな団体であり、限られた時間と資源の中でどう情報発信していくかが課題。
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課題解決に向けて |
- 各プログラムで対応できる訪問者数や対象者は違うので、情報発信の仕方は違ってくる。多くの人が来ればいいというものでもなく、興味のある方にじっくりと知ってもらえる情報発信も大切。
- プログラムによってはシーズンのピークに波があると思うが、一年中、兵庫県内各地で行われると相乗効果が出てくる。兵庫県には魅力ある産地や色々な取組があるので、参加者で情報共有し、口コミを増やしながら進めていく必要がある。
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項目 |
意見交換の主な内容 |
現状と課題 |
- 一口に「賑わいづくり」といっても、地域によって現状の課題に差がある。例えば、淡路では移住者向けの空き家の流通がないという課題、神戸では人はいるのに商店街の担い手は不足しているという課題、北播磨では若者の流出が止まらず、仕事はあるがなかなか集まってこないという課題が挙げられる。
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課題解決に向けて |
- 人口が減少していく中で、きれいな未来の話ではなく、10年後、20年後の地域の現実を理解したうえで、「まちの未来をつくる人」を育てられればいい。そうした人を育てる事業に協力した事業者を行政が支援することも大事。
- 人口が減り、地域の担い手が少なくなる中でどんなことができるかを考える必要があり、「諦めの空気感」にならないことが何より大切なこと。
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