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古い記録では洪水が発生して民家が流されたという記録が多く、状況は明らかではありませんが、なかには山津波、山崩れ、土砂埋設という記載もあり、昔から被害が多かったものと思われます。
明治以降になると六甲山山麓に人口が集中し、宅地が拡大したために、大雨により山腹崩壊や土砂流出、河川の氾濫などが起こり、人命、家屋に多くの被害が出ました。
飛鳥時代 | 日雉3年(652)4月20日 | 摂津連雨、洪水あり(日本書紀) |
奈良時代 | 和銅2年(709)5月20日 | 霖雨(続日本書紀) |
天平勝宝5年(753)9月5日 | 大雨、高潮(続日本紀) | |
平安時代 | 延暦18年(799)4月9日 | 山城河内摂津等大洪水あり。西谷山崩れる、 生田神社が山津波をうける(日本後紀) |
弘仁8年(817)9月15日 | 大雨、高潮(大日本史) | |
承和3年(836)5月18日 | 朝廷より大輪田泊に派遣せる使者通行あたわず。 湊川の氾濫(続日本後紀) |
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永延2年(988)8月13日 | 諸国大洪水(日本紀略、皇年代略記) | |
承徳元年(1097) | 希代の濫雨山津波、崖くずれあり | |
鎌倉時代 | 乾 元年(1302)7月8日 | 畿内大洪水あり(興福寺年代記、皇年代略記) |
室町時代 | 文明(1475)7年8月6日 | 尼崎・兵庫・須磨・明石間に大洪水(続応仁後記) |
永正元年(1504) | 慈明寺堂塔一宇も残さず流失 | |
永正14年(1517)6月20日 | 鳴瀧明神流失(大手勝福寺記録) | |
天文13年(1544)7月9日 | 畿内に大洪水(皇年代略記) | |
弘治3年(1557)8月26日 | 急雨、国々洪水、西宮、兵庫、須磨ほか、死者の数知れず。 文明以降80年目の大洪水(続応仁後記) |
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江戸時代 | 慶長13年(1608)2月 | 畿内洪水、8月また洪水あり(日本災異志、考亮記) 住吉川大洪水 |
慶長19年(1614)6月 | 畿内洪水あり(日本災異志) | |
寛永14年(1637)6月 | 兵庫大風雨あり(綱屋新九郎家記) | |
万治2年(1659)5月22日 | 大洪水あり寺院土中に埋まる(須磨寺旧記) | |
延宝2年(1674)4月11日 | 畿内洪水あり(日本災異志) | |
延宝4年(1676)5月8日 | 畿内洪水あり(玉露叢) | |
宝永3年(1706)6月15日 | 脇浜海岸波浪により流失す(脇浜村記録) | |
正徳2年(1712) 7月2日 8月18日 |
武庫川から生田川まで大洪水(生田川境界争論裁許状 五毛村井出川氾濫、御林18ヵ所山崩れ(五毛村記録) 摂津、大風雨洪水あり(摂陽奇観) |
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享保13年(1728)7月8日 | 畿内大風雨洪水あり(風也集) | |
元文5年(1740)7月29日 | 生田川大洪水(神戸村留日記) 湊川出水・えびす島(川崎浜)民家流失 |
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寛保2年(1742)6月3日 | 大風雨(神戸村留日記) 五毛村堤防決壊、山崩れ(五毛村記録) |
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宝暦4年(1754) | 妙法寺川堤防決壊(大手村・須磨村書上) | |
宝暦6年(1756)5月29日 | 生田川満水、水防を行う(神戸村留日記) | |
明和5年(1768)5月27日 | 畿内洪水(皇年代略記) 脇浜村洪水(脇浜村記録) |
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安永3年(1774)6月28日 | 脇浜村に波浪進入(脇浜村記録) | |
安永8年(1779)7月12日 | 畿内大風雨洪水、7月23日また洪水(続皇年代略記) | |
天明2年(1782)5月 | 住吉川大洪水、流域一帯泥海となり人家多数流失。 水車小屋ことごとく流され、人夫の死傷算しえず。 観音林一帯は河原と化した。 |
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天明5年(1785)8月12日 | 畿内大雨洪水あり(続王代一覧、日本野史) | |
寛政3年(1791)4月 | 波浪脇浜村に侵入(脇浜村記録) | |
寛政12年(1800)7月25日 | 湊川出水につき人足500人割当、水防す(兵庫総会所日記) | |
文化10年(1813) | 住吉川氾濫 | |
文化12年(1815)6月下旬 | 畿内大洪水あり(風也集) | |
文化13年(1816)8月3日 | 畿内大洪水あり(泰平年表) | |
文政3年(1820)5月23日 | 大雨のため長田天神山名倉池決壊(長田村記録) | |
文政4年(1821)4月8日 | 畿内大洪水あり(泰平年表) | |
天保9年(1838)4月26日 | 湊川満水、川越人足にて水防(安田惣兵衛文書) | |
天保14年(1843)5月19日 | 湊川の出水かつて見ざるほど(広瀬旭荘・日間瑣事備忘) | |
弘化2年(1845)12月 | 湊川切所普請する。日雇賃667刄云々(三方立会勘定書) | |
嘉永元年(1848)8月12日 | 慶長以来の大洪水 | |
嘉永7年(1854)11月4日 | 朝辰の刻・古今稀也、大地震高汐打ちかけ云々(瓜屋忠七文書) | |
安政4年(1857) 7月1日 |
春より5月22日まで16日間雨続く(西灘村史) 畿内洪水(嘉永明治年間録) |
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万延元年(1860)7月11日 | 南風強吹、大時代、浜石垣破損(瓜屋忠七文書) | |
慶応元年(1865)8月15日 | 湊川破堤、損傷家屋数百、相生町では7人にほど死亡(西灘村史) 都賀川東大水(西灘村史) 湊川上流の天王谷川波堤。 奥平野、石井、荒田大災害(奥平野村記録) |
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慶応2年(1866) 7月 8月16日 |
天王谷川西堤防決壊(奥平野村記録) 大風雨洪水(五毛村記録) |
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近代 | 明治元年(1868)11月 | 天王谷川堤防決壊(神戸市水害誌) |
明治3年(1870)9月18日 |
午後5時、烈風猛雨被害多し(神戸開港30年史) |
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明治4年(1871)5月18日 | 暴風大雨、生田川出水、居留地以西一帯浸水、死者不明40人 (神戸開港30年史) |
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明治6年(1873) 10月2日~3日 | 大雨、生田川川床破損、堤防決壊(神戸開港30年史) | |
明治7年(1874) 2月 6月 7月28日 |
港川堤防決壊(神戸市史) 湊川堤防ふたたび決壊(神戸市史) 7月28日から8月3日まで暴風雨、生田川、港川堤防決壊(神戸市史) |
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明治10年(1877)5月16日 | 5月16日~18日まで大雨大出水(神戸市史) | |
明治29年(1896) 8月 9月上旬 |
日雨量100mm以上の降雨2回 10日連日大雨300mmを超す。30日石井川、 天王谷川合流点から堤防決壊。現兵庫区、 中央区西部が大洪水、仲町部のみで死者38人、 浸水7,922戸(神戸市史、神戸開港30年史) |
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明治36年(1903)7月7日~9日 | 宇治川堤防決壊、死者4人家屋流失27戸(神戸水害誌) | |
明治38年(1905)8月25日 | 時間最大雨量73.3mm、20分最大雨量39mm、浸水1万余戸、 死者3人(神戸水害誌) |
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明治43年(1910)9月6日 | 6日10時~8日8時の降雨251.8mm大水害(神戸水害誌) | |
大正元年(1912)9月23日 | 四国東端から大阪に台風通過。最低気圧956mb、総雨量159.7mm。 阪神、但馬、淡路で死者21人 |
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大正10年(1921)9月25日 | 9月25日~26日台風通過須磨区、兵庫区、 中央区で土砂崩れなどで死者不明7人 |
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大正13年(1924)9月11日 ~12日 | 中型台風。死者10人、浸水1,495戸 | |
昭和3年(1928)3月24日 | 山火事。武庫郡六甲村(現神戸市)570町歩焼失 | |
昭和7年(1932) 7月1日 ~2日 | 雨量 1日65.4mm、2日91.9mm、浸水家屋1,089戸、堤防決壊3(神戸水害誌) |
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昭和9年(1934)9月21日 | 室戸台風 瞬間最大風速33m/sec、総雨量神戸市88mm、1時間で最大雨量26.5mm。 神戸、淡路、但馬で死者281人、全壊1.414戸 |
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昭和10年(1935) 6月28日 ~29日 8月10日 ~11日 8月28日 ~29日 |
床下浸水1,206戸、山崩れ5ヵ所、石垣崩壊32ヵ所 床上浸水140戸、床下浸水9,500戸 29日雨量143.8mm床上浸水10戸、床下浸水9,000戸、 死者不明18人、堤防決壊2(神戸水害誌) |
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昭和13年(1938) 7月3日~5日 | 阪神大水害 雨量 3日49.6mm、4日141.8mm、5日270.4mm(日界22時)、 計461.8mm、 1時間最大雨量60.8mm(5日)死者731人 (うち神戸市616人)、 神戸市の被害住家流失1,410戸、 埋没854戸、倒壊家屋2.213戸、 半壊家屋6,440戸、 床上浸水22.940戸、床下浸水56,712戸 |
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昭和14年(1939)8月1日 | 1時間最大雨量87.7mm、浸水家屋14,165戸、 死者2人、堤防決壊23 |
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昭和20年(1945) 10月8日 ~11日 |
阿久根台風 1時間最大雨量49.6mm(9日) 河川決壊破損87、道路決壊破損141、橋粱被害61 |
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昭和21年(1946)6月18日 ~19日 | 河川決壊破損53、道路決壊破損46、橋粱被害12 | |
昭和25年(1950) 4月16日 9月3日 |
山火事。神戸市垂水区平野町で山林500町歩焼失 ジェーン台風瞬間最大風速47.6m/sec、 1日~3日総雨量161mm,家屋全半壊1,067戸、流失家屋39戸、 床上浸水587戸、床下浸水2,682戸、堤防決壊44、道路破損70 |
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昭和28年(1953) 6月7日 9月25日 |
台風2号 浸水家屋673戸、死者4人、堤防決壊37、道路破損30 台風13号 瞬間最大風速40.0m/sec、家屋全半壊689戸、 浸水家屋1,047戸 |
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昭和36年(1961) 6月24日 ~27日 | 集中豪雨 雨量 24日76.8mm、25日195,2mm、26日127.7mm、 27日72.4mm、 計472.1mm。1時間最大雨量44.7mm(27日) 家屋全半壊388戸、流失家屋11戸、床上浸水2,989戸、 床下浸水16,380戸、死者26人、河川被害973、 道路被害580、橋粱被害62 六甲山系で破壊多数発生 |
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昭和36年(1961)9月16日 | 第二室戸台風 瞬間最大風速39.2m/sec、14~16日総雨量136.0mm、 家屋全半壊流失2,255戸、床上浸水8,801戸、 床下浸水36,034戸、死者10人、 河川被害1,756、砂防98、道路1,044、橋粱121、緊急砂防12 |
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昭和40年(1965) 9月10日 |
台風23号 瞬間最大風速48.5m/sec、総雨量118.6mm 家屋全半壊1,765戸、床上浸水2,603戸、床下浸水1,262戸 海岸低地帯における高波・高潮被害甚大 |
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9月17日 | 台風24号、瞬間最大風速48.5m/sec、13~17日総雨量336mm、 家屋全半壊176戸、床上浸水102戸 |
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昭和42年(1967)7月9日 | 雨量 7日10.1mm、8日41.7mm、9日319.4mm、計371.2mm。 1時間最大雨量75.6mm(9日) 家屋全壊流失363戸、家屋半壊361戸、 床上浸水7,819戸、床下浸水29,762戸、死者・行方不明92人(神戸市) 河川決壊67、溢水氾濫74、橋粱流失38、道路崩壊162 |
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平成7年(1995)1月17日 | 兵庫県南部地震 震度6~7、死者6,349人、 負傷者40,071人、倒壊家屋240,030戸 (被害は県下全域、平成9年1月9日現在)六甲山系の山腹崩壊面積44ha |
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