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更新日:2021年4月1日

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コウノトリ但馬空港/但馬空港の気象観測

飛行場における気象観測は飛行場利用者や空港関係機関に気象データ等の提供を行い、航空機の離着陸や飛行計画などに利用し、運航の安全に寄与することを第一の目的としています。

但馬飛行場の航空気象観測は、気象庁の航空気象観測指針に準じて行い、観測結果は気象庁の航空気象通報式に従って通報しています。観測には機器によるもの(気圧・風向風速・気温・露点温度・降水量)と目視によるもの(視程・天気・雲の状態など)があります。観測者はこれらのデータを基に定時または特別の実況気象報を作成して大阪航空測候所(気象庁)に通報します。そして気象庁からは日本国内はもとより世界各地にむけてデータが送信されます。

また、機器による観測は対空通信室、大阪空港事務所、日本エアコミューター(JAC)に送信され、航空機の運航(管制情報,運航計画)に利用されています。

降水量

雨量計

「降水量」とは、ある時間内に降った雨や雪などの量で、雨水が地面にしみ込むことなく地面を覆ったときの水の深さを言います。雪は溶かして水にして測ります。
降水量を測る器械を雨量計と言います。雨量計は口径20cmの円筒で雨水を受け、シーソーのような構造の「転倒マス」に導きます。転倒マスは降水量0.5mmに相当する雨水がたまると反対方向に倒れて雨水を雨量計の外に流します。次に、反対側の転倒マスに雨水がたまり、再び降水量0.5mmで転倒します。このようにして転倒マスの転倒回数を数えることにより降水量を観測します。
観測の単位はmm(ミリメートル)、単に「降水量○○ミリ」と言います。
「10分間降水量」は10分間に降った降水の合計、「1時間降水量」は1時間に降った降水の合計です。その日の0時からから24時までの降水量は「日降水量」と言います。

風向風速

風向風速計

「風向」は風が吹いてくる方向をいい、北から吹いてくる風は北風、南から吹いてくる風は南風です。また、北を基準に周囲を時計回りに16または36に分割して16方位、36方位(北風が16または36、南風が08または18)として表します。
「風速」は一定時間の空気の移動距離を言い、通常m/s(1秒間に何メートル移動したか)で表しますが、航空関係では主にノット(kt)単位で表します(1ktは約0.5m/s20ktは風速10m/s)。
風はたえず変化しているため、一般的には観測時刻の前10分間の風向風速を平均し、その時刻の風の値とします。瞬間風向風速とはある時刻における風向風速をあらわし、1日の瞬間風速の最大値を日最大瞬間風速と言います。また、10分間平均風速の最大値を日最大風速といいます。
風の風向と風速を測る器械を「風向風速計」と言います。流線型をした胴体にプロペラと垂直尾翼が取り付けられていて、自由に回転するように造られています。プロペラの回転から風の強さ(風速)を測り、垂直尾翼に風が当たることにより、風向風速計が風上を向く性質から風の吹いてくる向き(風向)がわかる仕組みになっています。

気温と湿度

温湿度計

気温は空気(大気)の温度で、地上から約1.5mの高さで測ります。単位は摂氏(℃)です。
湿度は空気の中にどれだけ水蒸気(水が気体になったもの)があるかを測ります。
気温と湿度は電気式温度計・湿度計で観測します。気温と湿度を測定する感部は直射日光が当たらないように通風筒に収められ、鉄柱に取り付けられています。
航空機の揚力は,航空機のまわりの空気の密度に関係しており,空気密度は気圧と温度によって決まります。温度が高いと空気密度が小さく、航空機の揚力は減少します。温度が30℃を超えると揚力が急に少なくなるため離陸の時の重量を軽くする必要があります。また、離陸の時の滑走距離も長く必要になります。

雲の高さ

シーロメーター

雲の観測は、人の目で「種類」、「量」、「高さ」について行います。航空機の離着陸時の飛行方式(有視界飛行方式,計器飛行方式)を決定する重要な観測要素の一つです。
雲の種類は10種類(巻雲、巻積雲、巻層雲、高積雲、高層雲、層積雲、積乱雲、積雲、乱層雲、層雲)あります。雲の量は空全体を8等分してその割合で表します。雲の高さは、雲の底までの高さをフィート(1ftは約0.3m)で表します。
航空機の運航に影響する雲の量は5/8以上です。
1000ft(約300m)未満に5/8以上の雲があると、その雲より高い高度では地上を見ることが出来ず、飛行機は「有視界飛行」ができません。
雲の高さは、但馬空港付近の山々にかかった状態、雲の種類や高層観測資料などにより判断します。また、シーロメーター(地上から真上にレーザー光線を発射し、雲の底に当たったレーザー光線が反射して地上に帰ってくるまでの時間から雲の高さを測る装置)も利用し総合的に判断して決定します。

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