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先月下旬に観光に関係する2つの行事がありました。いずれも淡路島観光協会が主催されたものです。
ひとつは、「淡路島びらき うずしおまつり・桜鯛まつり」です。春の観光シーズンの幕開けを告げる行事で、毎年南あわじ市の福良港で開かれています。
うずしおまつりと副題がついているとおり、鳴門海峡は春と秋の大潮に最大級の渦を見せてくれます。式典の後、関係者が観光のお客さんと一緒に観潮船に乗り込み、海の安全を祈願する酒樽を流し、桜鯛と呼ばれる春の旬を迎えるマダイの幼魚を放流して豊漁を祈りました。あいにくの天候でしたが、たくさんのお客さんも行事を見守ってくださっていました。
式典では、新旧の「淡路島観光アンバサダー」の就任・退任式も行われました。退任したのは初代アンバサダーの4人で、昨年度まで42代続いた「クイーン淡路」から、年齢・性別等の制限を外して選ばれた新しい淡路観光のPR大使です。それぞれ退任の挨拶をされましたが、初代の誇りと責任、経験から得たものなどについて感慨を語っておられました。皆さん退任後も、淡路のPR、元気づくりに役立ちたいとおっしゃっていたので、期待したいと思います。
もうひとつは、「淡路島おもてなしの心コンテスト・淡路島創作料理コンテスト」です。第22回を迎えたこのコンテストは、島内の宿泊施設や物販・飲食店などの接客のプロが、5つの部門ごとに、その接客対応や観光知識について審査を受ける“心”コンテストと、各施設の料理人が与えられたテーマで淡路の食材を使った料理を創作する“料理”コンテストからなります。
“心”コンテストには、15施設56人の応募があり、部門ごとに1、2(、3)位が選出されました。受賞コメントでは、昨年の悔しさをバネに1年間頑張った成果が報われたと声を震わせる受賞者もあり、心を動かされました。
“料理”コンテストには、「島弁当」をテーマに10施設から36作品の応募があり、当日午前中から1次審査を通過した8作品の試食審査があったようです。残念ながら料理そのものはいただけませんでしたが、写真で見ても美味しそうで、最優秀賞に輝いた作品には、審査員から「このまま商品化しても売れる」とのコメントがついていました。
食とおもてなし、観光にとって非常に重要な要素に磨きをかけるこのコンテストは、将来の淡路観光を支えてくれる人材育成の場でもあります。他の観光地から視察に訪れるほど意義のある行事ですが、運営にはかなりの手間がかかることもあり、視察後実施につながった例は聞いていないそうです。淡路島での素晴らしい取組、関係者の皆さんのご尽力に感謝したいと思います。
令和6年3月1日
淡路県民局長 藤原 祥隆
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